美容コラム

シミ治療で694nmルビーレーザーを選ぶ理由

ルビーレーザーの694nmはメラニンへ吸収されやすく、表皮から浅い真皮の色素を狙います。強さだけを追わず、シミの診断と炎症後色素沈着のリスクから照射法を選びます。

Medical Information

この記事について

公開日
2026年7月20日
確認日
2026年08月13日

694nmとメラニンの反応を利用する

694nmルビーはメラニンへ選択的に熱を届け、日光黒子、雀卵斑、ADMなど診断した色素病変で使います。同じ茶色でも肝斑、炎症後色素沈着、母斑では照射法が異なるため、分布と既往から先に診断します。

診断した老人性色素斑へ694nmルビーを選ぶ判断を補う資料として、QSRLは外用3剤より有意に色調を改善(p=0.01)し、効果発現も速かった。一方、痂皮と色素沈着はレーザー側で有意に多かった(参考文献1)。

大人の肌ではフラクショナルで反応を分散

当院はルビーフラクショナルを中心に、低出力の694nmを細かく分散して全顔へ照射します。境界が明瞭な濃いシミ、ADM、あざでは、医師の高出力照射と役割を分けます。

2〜3週間隔・5回を1クールに途中評価

ルビーフラクショナルは2〜3週間ごとに5回を1クールとし、赤み、痂皮、色素沈着の出方に合わせて出力と間隔を調整します。

ルビー後の痂皮と色素沈着を追う判断を補う資料として、全例でcomplete clearanceと報告。炎症後色素異常はII型7.8%、III型9.8%、IV型16.6%で、6か月内に改善。群間p=0.67(参考文献2)。

症例1|ルビーとメソナJ 8回・ホームケア

全顔の細かなシミと色むらへルビーフラクショナルを行い、メソナJ 8回とホームケアを組み合わせた症例です。レーザーで色素、導入と外用で乾燥や色むらを補うように役割を分けています。

症例2|ルビー5回とハイドロキノン・レチノール

ルビーフラクショナル5回にハイドロキノンとレチノールを組み合わせたシミ症例です。外用刺激や赤みが強い時期は照射を重ねず、肌が落ち着いてから次回を行います。

症例3|ルビー5回とビタミンA

頬のシミと黄ぐすみにルビーフラクショナル5回とビタミンAを組み合わせた症例です。全顔の色むらを整える照射とホームケアを一つの治療計画にしています。

症例4|ADMへルビー5回とホームケア

額・頬のADMへルビーフラクショナル5回とホームケアを行った症例です。ADMでは病変の深さを診断し、全顔の低出力照射と医師照射のどちらを用いるかを決めます。

症例5|ルビー5回とホームケアで色むら・小じわへ

ルビーフラクショナル5回とホームケアを組み合わせ、色むらと小じわを扱った症例です。色素斑だけでなく、乾燥と肌の質感に合わせて外用内容を整えます。

症例6|ルビー5回とホームケアでシミ・くすみへ

ルビーフラクショナル5回とホームケアを組み合わせたシミ・くすみ症例です。5回後に残る境界の明瞭な病変は、全顔照射と別の医師照射へ振り分けます。

当院での診療の考え方

  1. 薄いシミ、肝斑、くすみ、色むらには694nmを低出力で分散するフラクショナルトーニングを使い、顔全体の反応を少しずつ積み上げます。
  2. 濃いシミ、ADM、あざには医師が高出力照射を選び、境界のはっきりした病変と全顔の色むらで照射法を分けます。
  3. 初期は2〜3週間ごとの5回を1クールとし、赤み、乾燥、色素沈着の出方に合わせて出力・間隔・外用を調整します。

治療の比較

ルビー 診断したメラニン性の色素斑 肝斑活動期・強い日焼け・皮膚炎 2〜3週間に1回、5回を1クール 赤み、痂皮、炎症後色素沈着、色素脱失 ルビーフラクショナル 看護師施術1回16,500円/1クール目5回66,000円/2クール目以降5回55,000円

費用・リスク・承認状況

費用

  • ルビーフラクショナル 看護師施術1回16,500円/1クール目5回66,000円/2クール目以降5回55,000円
  • 医師施術1回27,500円

主なリスク

  • 痛み、赤み、腫れ、痂皮、乾燥、炎症後色素沈着、色素脱失、熱傷、瘢痕

当院のQスイッチルビーレーザーは国内承認機器です。全顔フラクショナル照射は承認範囲を確認して行う自由診療で、承認範囲外の使用による健康被害は救済制度の対象外となる場合があります。

よくある質問

694nmルビーはどのシミへ使いますか?

日光黒子、雀卵斑、ADMなど、診断したメラニン性病変へ用います。肝斑は別に活動性を確認します。

スポット照射とフラクショナル照射はどう違いますか?

スポットは病変へ集中して照射し、フラクショナルは熱を細かく分散して肌反応を積み上げます。

なぜ2〜3週間隔で5回を1クールにしますか?

赤み・痂皮・色素沈着を毎回確認し、出力を段階的に調整するためです。

治療中のホームケアはどうしますか?

日焼け止めを基本に、ハイドロキノンやレチノールは刺激と色素反応を見ながら使用日を調整します。

参考文献

参考文献1:A Prospective Trial Comparing Q-Switched Ruby Laser and a Triple Combination Skin-Lightening Cream in the Treatment of Solar Lentigines

原文を確認

研究デザイン
前向きopen-label左右比較。右手背をQスイッチルビー1~2回、左手背をハイドロキノン5%+トレチノイン0.03%+デキサメタゾン0.03%で7週治療。20週まで評価。
対象
左右対称性の老人性色素斑15例、Fitzpatrick I~IV。
主な結果
QSRLは外用3剤より有意に色調を改善(p=0.01)し、効果発現も速かった。一方、痂皮と色素沈着はレーザー側で有意に多かった。
限界
n=15、非盲検、左右割付が固定でランダム化なし、手背病変で顔面への外挿に限界、20週まで。
COI・資金
PubMed/抄録に資金・COI記載なし。

参考文献2:Efficacy and adverse effects of Q-switched ruby laser on solar lentigines: a prospective study of 91 patients with Fitzpatrick skin type II, III, and IV

原文を確認

研究デザイン
大学レーザー外来の前向きcontrolled comparison。6か月追跡、写真を盲検皮膚科医が評価。
対象
Fitzpatrick II~IVの老人性色素斑91例。
主な結果
全例でcomplete clearanceと報告。炎症後色素異常はII型7.8%、III型9.8%、IV型16.6%で、6か月内に改善。群間p=0.67。
限界
対照条件・割付の詳細が抄録では不明、単施設、完全消失100%という結果は再現性に注意、現代的な患者報告アウトカムなし。
COI・資金
著者はcommercial supportersとのsignificant interestなしと申告。

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