医師解説赤みポテンツァプライム

POTENZA PRIMEで考える肝斑治療の設計

肝斑にはメラニンによる茶色い色調だけでなく、赤み・血管・炎症が重なることがあります。POTENZA PRIMEでは、色素主体にはMLS1616、血管性要素を伴う場合にはVMLS-X36というように、所見に合わせてRF治療を組み立てます。

Medical Information

この記事について

監修日
2026年8月9日
公開日
2026年6月15日
実質更新日
2026年8月9日
POTENZA PRIMEでの肝斑治療の進化についてについて説明する画像

Contents

目次

  1. 肝斑をメラニンと赤み・血管からみる
  2. 従来ポテンツァではS16を中心にRFを届ける
  3. MLS1616とVMLS-X36を所見に合わせて選ぶ
  4. 照射の強さより、肌状態に合う順序を優先する
  5. 診療で確認するポイント
  6. 治療選択の比較
  7. 費用の目安
  8. リスク・副作用・注意点
  9. 関連記事
  10. 関連施術・関連症状のご案内
  11. 執筆・監修
  12. 参考にした一次情報・ガイドライン
  13. よくあるご質問

肝斑をメラニンと赤み・血管からみる

肝斑では、頬に広がる茶色い色調をつくるメラニンと、同じ範囲に重なる赤み・血管・炎症の両方が治療設計に関わります。診察では、茶色の濃さと分布に加え、赤みが面として広がるのか、血管が線として見えるのかを確認します。

POTENZA PRIMEでは、この二つの要素をもとに、色素主体の肝斑と、赤み・血流の要素を伴う肝斑で治療を使い分けます。画像が伝えている『肝斑の見方がより細かくなる』とは、所見に合わせてRFの届け方を選ぶという意味です。

従来ポテンツァではS16を中心にRFを届ける

従来のポテンツァでも、当院ではS16を中心に肝斑へRFを届けてきました。左右の頬の色調と赤みを同じ条件で記録し、照射後の反応を見ながら、肝斑部へ丁寧に回数を重ねる方法です。

この経験を土台に、POTENZA PRIMEでは肝斑を一つの照射パターンへ当てはめず、色素と血管性要素のどちらを優先するかまで治療計画に組み込みます。

肝斑治療へマイクロニードルRFを組み込む理由として、2週間隔で5回治療した後、色素・重症度スコアはRFとレーザートーニングの併用側で46.1%、レーザートーニング単独側で31.4%低下したとの報告がありました(参考文献1)。

MLS1616とVMLS-X36を所見に合わせて選ぶ

メラニンによる茶色い色調が主体の肝斑には、MLS1616で色素を治療する設計を考えます。頬のどの範囲へ色が広がり、治療のたびに濃さがどう変わるかを写真で追います。

赤みや血流の要素が重なる肝斑には、VMLS-X36で血管性要素にも配慮した設計を考えます。色の変化だけを追うのではなく、面状の赤みと線状の血管が次の治療時にどう残るかを見て使い分けます。

照射の強さより、肌状態に合う順序を優先する

肝斑治療では、強い出力で一度に色を落とすことより、色素、赤み、炎症の変化に合わせて次の照射を設計することを優先します。照射後の赤みが落ち着き、茶色い色調がどこに残ったかを確認してから、次に使うチップとRFの届け方を決めます。

色調が整った後も、紫外線対策と外用を続けながら、赤みや色の戻りを同じ写真条件で追います。POTENZA PRIMEは、初期治療から維持治療まで、肝斑のタイプに合わせて組み立てるために用います。

色素が落ち着いた後も真皮を維持治療の対象にする理由として、標準治療2か月でmMASIが64.1%低下し、その後6か月間RFを続けた側は明度の改善を維持した一方、RFを行わない側は治療前の明度へ戻ったとの報告がありました(参考文献2)。

Clinical View

診療で確認するポイント

  • 初診では、左右の頬を同じ明るさで撮影し、茶色い色調の範囲、面状の赤み、線状に見える血管を一枚の写真上で記録します。
  • 色素が主体ならMLS1616、赤み・血流の要素が重なる場合はVMLS-X36を候補にし、優先して治療する所見を決めます。
  • 各回で照射後の赤みが落ち着く時期と、次に残った色調を確認し、同じ設定を繰り返すのではなくチップとRFの届け方を組み直します。
  • 色調が整った後は、紫外線対策と外用を続け、写真で赤みと色の戻りを追いながら維持治療の間隔を決めます。

Comparison

治療選択の比較

治療・対応 向く状態 向かない/慎重な状態 回数の目安 ダウンタイム 費用(税込) 承認状況
遮光・外用・内服 全ての肝斑治療の土台 禁忌・刺激性皮膚炎 毎日・期間評価 刺激、薬剤固有 処方で異なる 薬剤ごとに確認
POTENZA PRIME/針RF 保存的治療後の補助 活動性炎症、感染、ケロイド傾向等 コース5回、都度再評価 痛み、赤み、点状出血、PIH 全顔5回165,000円 機器・チップ・目的ごとに承認確認
低出力レーザー等 診断後の色調補助 低色素斑、累積照射多い 複数回 PIH、低色素斑等 機器で異なる 機器ごとに確認

費用の目安

  • 肝斑治療コース 全顔 5回 ¥165,000

公式料金表を2026-07-06に取得して整理しています。回数や適応、組み合わせによって費用は変わることがあります。

リスク・副作用・注意点

  • 部位により痛みが出ることがあります。必要に応じて痛みを軽減する処置を行うことがあります。
  • 赤み、腫れ、出血斑が生じることがあり、数日続くことがあります。
  • 国内承認・適応: 国内未承認。医師の個人輸入等による使用。入手経路・海外承認・救済制度の対象外となる可能性を表示

実際の経過は照射設定や肌状態で異なります。アフターケアや注意点は診察時の説明もご確認ください。

Doctor Review

執筆・監修

執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)

References

参考にした一次情報・ガイドライン

  1. Jung JW, Kim WO, Jung HR, Kim SA, Ryoo YW. A Face-Split Study to Evaluate the Effects of Microneedle Radiofrequency with Q-Switched Nd:YAG Laser for the Treatment of Melasma. Ann Dermatol. 2019;31(2):133-138.

    マイクロニードルRF+低出力Nd:YAGのsplit-face研究

    研究デザイン: 前向き顔面左右比較研究 / 対象: 肝斑のある韓国人15人。右顔面へマイクロニードルRFと低出力1,064nm QスイッチNd:YAG、左顔面へ同レーザー単独を2週間隔で5回実施 / 結果: 5回後の色素・重症度スコアは、RFとレーザートーニングの併用側で46.1%、レーザートーニング単独側で31.4%低下しました。Mexameter値も併用側で53.0%、単独側で39.2%低下しました。 / 限界: 15人・単一民族で、最終評価は5回目から2週後までです。使用RF機器はSecretで、POTENZA PRIME、S16、MLS1616、VMLS-X36を比較した研究ではありません。適切なRFの強度・深度と長期経過は未確立です。

  2. Han HJ, Kim JC, Park YJ, Kang HY. Targeting the dermis for melasma maintenance treatment. Sci Rep. 2024;14(1):949.

    マイクロニードルRFを肝斑維持へ用いたhalf-face研究

    研究デザイン: 無作為化顔面左右比較の維持治療研究 / 対象: 肝斑のある韓国人女性15人。全員が2か月の経口トラネキサム酸と三剤配合外用を受け、無作為に選んだ顔半分へRFを追加。11人が、その後の月1回RFを6か月継続して8か月研究を完遂 / 結果: 標準治療2か月でmMASI平均は5.02から1.80へ低下し、64.1%改善しました。標準治療終了後もRFを続けた側は6か月間L値の改善を維持しましたが、RFを行わない側のL値は6か月で治療前へ戻りました。 / 限界: 小規模で女性・単一民族のみを対象とし、4人が維持期間中に脱落しています。全員が経口トラネキサム酸と三剤配合外用を先に受け、使用機器はSylfirm Xです。POTENZA PRIME固有の効果やチップ間比較ではなく、研究はVIOL社の資金提供を受けています。

  3. PMDA

    医療機器の承認審査

    レーザー・RF機器の承認確認先。

  4. Am J Clin Dermatol. 2020

    Melasma Treatment: An Evidence-Based Review

    113研究6,897人。

  5. Medicina. 2022

    Low-Fluence Q-Switched Nd:YAG Laser for Melasma

    42論文と低色素斑・再発。

よくあるご質問

Q. 肝斑で赤みや血管も確認するのはなぜですか?

肝斑部では、メラニンによる茶色い色調に赤み・血管・炎症が重なることがあるためです。どの要素が目立つかでRF治療の組み立てを変えます。

Q. 従来のポテンツァではどのように治療していましたか?

当院ではS16を中心に肝斑部へRFを届け、左右の頬の色調と赤みを写真で追いながら治療を重ねてきました。

Q. MLS1616とVMLS-X36はどう使い分けますか?

メラニンによる色調が主体ならMLS1616、赤み・血流の要素が重なる場合はVMLS-X36を候補にします。

Q. 肝斑治療で照射の強さより大切なことは何ですか?

照射後の赤みと色調の変化を確認し、肌状態に合わせて次に使うチップ、RFの届け方、治療間隔を組み直すことです。

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