ADVATx症例集|2つの波長でニキビ・赤み・肝斑へアプローチ
ADVATxは、赤み・炎症・毛細血管に用いる589nmと、皮脂・毛穴・真皮に用いる1319nmを組み合わせたレーザーです。当院では全顔照射に必要部位のスポット照射を加え、症状と反応に合わせて調整します。
Medical Information
この記事について
- 執筆・監修
- 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
- 公開日
- 2026年7月18日
- 確認日
- 2026年08月13日
ADVATxの全顔照射とスポット照射を症状に合わせる
ADVATxは589nmと1319nmで全顔を照射し、小鼻の毛細血管や炎症性病変など目立つ部位には細かなスポット照射を加えます。症例ごとに赤み、炎症、皮脂、毛穴、肝斑の組み合わせが異なるため、同じ設定を一律に当てはめません。

ニキビ症例1|ADVATx 10回と切開排膿・ビタミンA
膿を伴う強い炎症には切開排膿を行い、ビタミンA外用を続けながらADVATxを10回実施した症例です。589nmで炎症性ニキビと赤み、1319nmで皮脂・毛穴・真皮へ照射し、炎症が減った後は全顔の赤みと肌質へ治療の比重を移しました。
炎症性ニキビへ標準外用とADVATxを組み合わせる治療方針を補う資料として、3か月時点の炎症性皮疹数はBPO+レーザー側で46%減(p=0.0080)、BPO単独側で29%減(p=0.1875)。重篤な有害事象なし。平均疼痛3.4/10(参考文献1)。

ニキビ症例2|ADVATx 5回で炎症・赤み・毛穴へ照射
新しい炎症性ニキビ、治りかけの赤み、皮脂と毛穴が重なる肌へADVATxを5回行った経過です。全顔の2波長照射に、炎症が目立つ部位のスポット照射を組み合わせています。

複合症例|ポテンツァ肝斑治療とADVATx 5回
肝斑治療としてポテンツァを行いながら、顎のニキビ・赤み・皮脂へADVATxを5回組み合わせた症例です。色素への治療と、589nm・1319nmによる炎症・真皮への治療を分担させています。

赤み・肝斑症例1|ADVATx 5回と小鼻のスポット照射
顔全体の赤みと肝斑、小鼻の毛細血管が重なる症例です。全顔へ589nm・1319nmを5回照射し、小鼻の目立つ血管には細かなスポット照射を加えました。
肝斑に重なる赤み・血管を589nmの治療設計へ含める根拠として、肝斑病変部は周囲正常皮膚よりa*値(赤み)が有意に高かった。 病変部では真皮血管の数と大きさが有意に増加(参考文献2)。

赤み症例2|鼻周囲の毛細血管へADVATx 5回
鼻周囲の線状の毛細血管と赤みが目立つ部位へ、ADVATxを5回行った経過です。全顔照射と必要部位のスポット照射を一度の診療で組み合わせます。

肝斑・シミ症例1|ADVATx 5回から残る濃いシミを選別
シミと肝斑が混在する頬へADVATxを5回行った症例です。赤み・炎症・真皮をADVATxで整え、治療後も境界が明瞭な濃いシミにはルビーなど別の色素治療を検討します。

肝斑・シミ症例2|ADVATx 2回の途中経過
左右の頬に肝斑とシミが混在する肌へADVATxを2回行った途中経過です。少ない回数で結論を急がず、赤みの反応を診ながら全顔照射とスポット照射の配分を調整します。

肝斑・シミ症例3|ルビー5回とADVATx 2回を併用
全顔の細かな色素斑にはルビーフラクショナルを5回、赤み・炎症・真皮にはADVATxを2回行った症例です。異なるレーザーへ役割を分け、色むらと赤みを一緒に整えています。

赤み・皮脂・毛穴症例|ADVATx 8回
全顔の赤み、皮脂、毛穴が気になる肌へADVATxを8回行った経過です。589nmと1319nmの全顔照射に必要部位のスポット照射を加え、治療中の反応から設定を調整しました。

濃い肝斑症例|ADVATx 2回から治療を組み立てる
頬の濃い肝斑へADVATxを2回行った途中経過です。ADVATxで赤み・炎症・真皮へ照射しながら、遮光と外用を続け、残る色素には別の色素治療や導入治療を組み合わせます。

当院での診療の考え方
- 全顔へ589nmと1319nmを照射し、小鼻の毛細血管や炎症性病変など、必要な部位にはスポット照射を追加料金なしで組み合わせます。
- 院長が学会発表や国内外の医師との設定共有で得た知見を照射設計へ反映し、痛み、赤みの出方、治療後の反応から出力と照射範囲を調整します。
- ADVATx治療では追加の診察料をいただかず、継続中も診察とフォローアップを行い、ニキビ・赤み・肝斑・皮脂・毛穴の目的に合わせて次回の照射を組み立てます。
治療の比較
| ADVATx | 赤み・血管・炎症・真皮の所見 | 強い日焼け・皮膚炎・光過敏 | 症例ごとに回数を設定 | 赤み、熱感、乾燥、水疱、熱傷 | ADVATx 全顔1回30,000円/5回139,000円(スポット込) |
費用・リスク・承認状況
費用
- ADVATx 全顔1回30,000円/5回139,000円(スポット込)
- 589nm医師スポット 1cm²まで6,600円、超過1cm²ごと4,400円
主なリスク
- 赤み、腫れ、熱感、乾燥、刺激感、色素沈着、水疱、熱傷
ADVATxは日本国内未承認医療機器です。医師の責任で適法な輸入手続きにより入手し、未承認機器による健康被害は医薬品副作用被害救済制度等の対象外となる場合があります。
よくある質問
ADVATx症例集では何を比べていますか?
ニキビ、全顔の赤み、鼻周囲の血管、肝斑を症例ごとに分け、実施回数と併用治療を対応させています。
ニキビ症例では何を数えますか?
炎症性皮疹、膿疱、面皰を数え、切開排膿や外用を行った時期も一緒に記録します。
肝斑症例では何を先に確認しますか?
肝斑と濃いシミを診断で分け、赤み・血管・摩擦・遮光状況を確認して照射順を決めます。
ニキビと肝斑でADVATxの目的は同じですか?
ニキビでは炎症性皮疹と赤み、肝斑では色素に重なる赤み・血管性所見を主に評価します。
参考文献
参考文献1:Efficacy and safety of the 589/1319 nm solid-state dual-wavelength laser combined with topical benzoyl peroxide for inflammatory acne vulgaris: a split-face randomized controlled trial
- 研究デザイン
- 前向きsplit-face無作為化比較試験。全顔にBPO 2.5%、無作為化した片側に589/1319 nmレーザーを2週ごと計4回。最終照射後3か月追跡。
- 対象
- 両側性の炎症性丘疹/膿疱を有する顔面ざ瘡18例。
- 主な結果
- 3か月時点の炎症性皮疹数はBPO+レーザー側で46%減(p=0.0080)、BPO単独側で29%減(p=0.1875)。重篤な有害事象なし。平均疼痛3.4/10。
- 限界
- n=18、単施設、左右で共通するBPO効果の影響、盲検化が限定的、3か月と短期。論文abstract内に波長の598 nmという誤記があるが、タイトル・方法は589/1319 nm。
- COI・資金
- Mahidol University/Ramathibodi Hospitalが資金支援。装置はタイ販売代理店Laser Aesthetics社から貸与。著者はその他のCOIなしと申告。
参考文献2:The vascular characteristics of melasma
- 研究デザイン
- 同一患者内の病変部と病変周囲正常皮膚を比較する観察的病理・免疫組織化学研究。色差計a*、factor VIIIa-related antigen、VEGFを評価。
- 対象
- 肝斑のある韓国人女性50人から、顔面病変部と非病変部の皮膚検体を採取。
- 主な結果
- 肝斑病変部は周囲正常皮膚よりa*値(赤み)が有意に高かった。 病変部では真皮血管の数と大きさが有意に増加。
- 限界
- 横断的な病変内比較であり、血管増加が肝斑を生じさせる因果関係は証明しない。 韓国人女性のみで、男性・他民族・多様な皮膚型への一般化に限界。 病変部と周囲皮膚は日光曝露などを完全には独立して比較できない。
- COI・資金
- PubMedではResearch Support, Non-U.S. Gov'tとして索引されるが、公開レコードに機関名・助成番号なし。 PubMedレコードおよび公開抄録にCOI記載なし。
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