ニキビ跡治療で使うポテンツァ・トライフィルプロ・薬剤の違い
ニキビ跡治療は、顔全体の赤み・皮脂・毛穴・浅い凹凸をポテンツァで扱い、癒着した深い凹みをトライフィルプロで局所治療します。ポテフィルは両者を同日に組み、ジュベルックとマックームは届ける範囲と方法で使い分けます。
Medical Information
この記事について
- 執筆医・監修医
- 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
- 監修日
- 2026年8月9日
- 公開日
- 2026年5月15日
- 実質更新日
- 2026年8月9日






Contents
目次
機器名より先に、赤み・毛穴・凹みの広さと深さを見ます
ニキビ跡には、治りかけの赤み、皮脂と毛穴、浅く広い凹凸、下床へ引き込まれた深い凹みが重なります。正面と斜位、斜めから光を当てた状態で影を見て、皮膚を横へ伸ばしたときの変化と触れたときの硬さを記録します。
面として広がる質感にはポテンツァ、局所の癒着にはトライフィルプロを対応させます。薬剤は、顔全体へ均一に届けるのか、剥離した凹みへ狙って置くのかを決めてから選びます。
ポテンツァはRFで面を治療し、トライフィルプロはCO2ガスで癒着をゆるめます
ポテンツァは、微細な針を皮膚へ入れ、針先から高周波RFを真皮へ届ける治療です。赤み、皮脂、毛穴、浅いニキビ跡が頬全体に広がるときは、針で作る微細な経路とRFの熱反応を面として配置し、必要に応じて薬剤導入を加えます。治療後は赤みや点状のかさぶたが数日出ることがあります。
トライフィルプロは、凹みの下へ針を入れ、CO2ガスで癒着をゆるめてから薬剤を届けます。斜光で影が強く、皮膚を伸ばしても戻りにくいクレーター状の凹みを重点的に扱う方法で、治療後は腫れや内出血が出ることがあります。
頬全体へ広がる浅い萎縮性ニキビ跡にRFマイクロニードリングを選ぶ根拠として、RFマイクロニードリング単独治療後に瘢痕が改善したとの報告がありました(参考文献1)。
癒着した凹みへ局所剥離を選ぶ根拠として、サブシジョンには針、カニューレ、ワイヤー、鈍的ブレードが使われ、器具は瘢痕の深さと併用治療に応じて選ばれているとの報告がありました(参考文献2)。
トライフィルプロは、看護師の薬剤導入と医師のしわ・瘢痕モードで役割が異なります
看護師施術の薬剤導入モードは、皮膚を吸引しながら薬剤を導入し、全体へ均一になじませます。小じわ、毛穴、肌質を顔全体で整えたいときに使う方法です。
医師施術のしわ・瘢痕モードは、凹みへ針を入れ、癒着をゆるめ、必要部位へ薬剤を届けます。深いニキビ跡、深いしわ、限局した凹みを1か所ずつ治療し、深さと大きさに合わせて剥離範囲を変えます。
ポテフィルは、深い凹みと広い肌質を同日に分けて治療します
ポテフィルは、トライフィルプロとポテンツァを同日に行う組み合わせです。先に医師が深く癒着した凹みへトライフィルプロのしわ・瘢痕モードを行い、CO2ガスでゆるめた空間へジュベルックを届けます。
続いてポテンツァで表層から中層へRFを照射し、マックームを広い範囲へ導入します。深い凹みと、周囲の毛穴・ハリ・浅い凹凸を別の層として同日に扱い、RFの凝固作用も止血へ利用する治療手順です。
ジュベルックは局所から全顔まで、マックームはポテンツァの面状導入に使います
ジュベルックはPDLLAと非架橋ヒアルロン酸を含む製剤です。当院では、トライフィルプロで剥離した凹みへ置く局所治療と、看護師施術で毛穴・小じわ・浅いニキビ跡へ広く届ける薬剤導入の両方に用います。製品説明上は1〜2年ほどかけて徐々に吸収され、しこりを避けるため注入層と一か所あたりの量を分散します。
マックームはPLLAを主成分とし、ポテンツァのPumping Tipで頬全体へ導入する製剤です。ニキビ跡、クレーター、毛穴が広がる面へ使い、局所へ手打ちする薬剤とは分けます。製品説明上は1〜2年ほどかけて徐々に吸収される位置付けです。
RFとポリ乳酸系製剤を面状に組み合わせる根拠として、PDLLAをRFマイクロニードリングで4週間隔・計4回導入すると、最終治療後にECCAが初期評価から36.99%改善し、満足度VASが79.65%改善したとの報告がありました(参考文献3)。
深い点、浅い面、活動性ニキビの順に治療計画を分けます
活動性ニキビが多い時期は、まず新しい瘢痕を増やさない治療を優先します。炎症が落ち着いた後、癒着した深い点にはトライフィルプロ、頬全体の浅い凹凸と毛穴にはポテンツァを配置します。
腫れと内出血が引いた後に、同じ斜位と斜光で凹みの縁、影、触診での硬さを比較します。深い癒着が残れば局所治療を追加し、面状の質感が残ればRFと薬剤導入を続ける、という順で次の治療を決めます。
Clinical View
診療で確認するポイント
- 正面・左右斜位と斜光で、赤み、毛穴、浅い面状の凹凸、皮膚を伸ばしても残る癒着性の凹みを地図にします。
- 顔全体へ広がる浅い凹凸にはポテンツァ、硬く引き込まれた局所にはトライフィルプロのしわ・瘢痕モードを選びます。
- 薬剤は名称だけで選ばず、剥離した局所へジュベルックを置くのか、ポテンツァでマックームを面へ届けるのかを決め、回復後の影と硬さで追加治療を選びます。
Comparison
治療選択の比較
| 治療・対応 | 向く状態 | 向かない/慎重な状態 | 回数の目安 | ダウンタイム | 費用(税込) | 承認状況 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ポテンツァ瘢痕治療・薬剤導入 | 頬全体へ広がる毛穴、赤み、皮脂、浅い凹凸 | 硬く引き込まれた局所の深い癒着だけが主 | 1回後の赤みと凹凸を再評価し、必要時に複数回 | 赤み、腫れ、点状出血、針跡、かさぶた、乾燥、色素沈着 | 全顔1回66,000円/3回188,100円、薬剤追加22,000円 | 要確認 |
| トライフィルプロ薬剤導入 | 毛穴、小じわ、浅い凹凸へ薬剤を広く均一に届けたい状態 | 局所の硬い癒着だけが主、活動性炎症が多い状態 | 1回後の質感と皮膚反応を再評価し、必要時に複数回 | 赤み、腫れ、内出血、痛み、皮下気腫、針跡、色素沈着 | 全顔300ショットまで・ジュベルック込み99,000円 | 要確認 |
| トライフィルプロしわ・瘢痕モード | 皮膚を伸ばしても残る、癒着した局所の深い凹み | 赤み、皮脂、毛穴だけが主、活動性炎症が多い状態 | 1回後に影と硬さを再評価し、残る部位だけを追加 | 赤み、腫れ、内出血、痛み、皮下気腫、硬結、色素沈着 | 1か所・ジュベルック込み18,000円 | 要確認 |
| ポテフィル | 局所の深い癒着と、周囲へ広がる毛穴・浅い凹凸が併存 | 活動性炎症が多い、同日処置の回復負担を避けたい状態 | 1回後に深い点と浅い面を別々に再評価 | ポテンツァとトライフィルプロ双方の赤み、腫れ、針跡、内出血、かさぶた | ポテンツァ全顔・薬剤追加と、トライフィルプロ18,000円×治療か所数の合計 | 要確認 |
費用の目安
- ポテンツァ 瘢痕治療・薬剤導入 全顔1回66,000円/3回188,100円
- ポテンツァ追加薬剤 マックーム22,000円/ジュベルック22,000円
- トライフィルプロ 薬剤導入 全顔300ショットまで・ジュベルック込み99,000円
- トライフィルプロ しわ・瘢痕治療 1か所・ジュベルック込み18,000円
- ジュベルック 1cc 33,000円/3cc 55,000円
表示価格は自由診療・税込です。ポテフィルは選択する全顔施術、薬剤、局所治療のか所数を合算します。
リスク・副作用・注意点
- ポテンツァ:痛み、赤み、腫れ、熱感、点状出血、針跡、乾燥、かさぶた、色素沈着、感染、まれな熱傷
- トライフィルプロ:痛み、赤み、腫れ、内出血、皮下気腫、硬結、色素沈着、感染
- ジュベルック・マックーム:赤み、腫れ、内出血、しこり、結節、感染、遅発性炎症反応
- 国内承認・適応: ポテンツァとトライフィルプロは国内未承認医療機器、ジュベルックとマックームは国内未承認医薬品です。医師の責任のもと個人輸入等により使用し、未承認機器・医薬品による健康被害は医薬品副作用被害救済制度等の対象外となる場合があります。
同日併用では両施術の皮膚反応が重なることがあります。
Doctor Review
執筆・監修
執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
References
参考にした一次情報・ガイドライン
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Fractional Radiofrequency Microneedling as a Monotherapy in Acne Scar Management: A Systematic Review of Current Evidence
研究デザイン: RFマイクロニードリング単独治療を扱った16研究のシステマティックレビュー / 対象: 前向き研究6件、無作為化比較試験6件、後ろ向き研究3件、比較研究1件の計481人 / 結果: 収載された全研究でRFマイクロニードリング単独治療後に萎縮性ニキビ跡の改善があったとの報告がありました。 / 限界: 評価尺度と治療設定が不均一でメタ解析は行われず、Fitzpatrick VI型は含まれず、追跡期間は最長6か月。ポテンツァ、薬剤導入、マックーム、トライフィルプロとの同日併用を個別に評価したレビューではない。原著全文を2026年8月8日に確認した。
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Subcision for Atrophic Acne Scarring: A Comprehensive Review of Surgical Instruments and Combinatorial Treatments
研究デザイン: ヒトの萎縮性ニキビ跡に対するサブシジョン器具と併用療法を扱った包括的レビュー / 対象: 初回検索79報から47報を採用し、引用追跡で20報を追加 / 結果: 針、カニューレ、ワイヤー、鈍的ブレードの4群が使われ、器具は瘢痕の深さ、術者の選択、併用治療に応じて選ばれているとの報告がありました。 / 限界: 標準化した手技や器具間の大規模直接比較が少なく、トライフィルプロ固有のCO2ガス剥離やジュベルック注入、ポテフィルの結果を直接示さない。原著全文を2026年8月8日に確認した。
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Intradermal Injection of Poly-D,L-Lactic Acid Using Microneedle Fractional Radiofrequency for Acne Scars: An Open-Label Prospective Trial
研究デザイン: 単施設・オープンラベル前向き試験 / 対象: Fitzpatrick III〜IV型の韓国人42人。PDLLAをRFマイクロニードリングで4週間隔・計4回導入 / 結果: 最終治療後にECCAは初期評価から36.99%改善し、満足度VASは79.65%改善した。組織評価を行った2人では5か月後にコラーゲン・弾性線維の増加があったとの報告がありました。 / 限界: 単施設、42人、韓国人のみで、split-faceまたは無治療対照がない。組織評価は上腕の2人、1回治療後で、顔の4回治療と同じ組織変化とは限らない。研究薬剤はPDLLAで、マックームPLLA、トライフィルプロ、ポテフィルを評価していない。原著PDF全文を2026年8月8日に確認した。
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医療機器の承認審査に関する情報
販売名、承認番号、承認範囲を確認する公的情報です。
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医療広告ガイドライン
自由診療の費用、主なリスク・副作用、未承認機器等の表示を確認する公的資料です。
よくあるご質問
Q. ポテンツァとトライフィルプロは何が違いますか?
ポテンツァは微細な針先からRFを届け、頬全体の毛穴、赤み、皮脂、浅い凹凸を面として治療します。トライフィルプロはCO2ガスで局所の癒着をゆるめ、深い凹みへ薬剤を届けます。
Q. トライフィルプロの看護師施術と医師施術はどう違いますか?
看護師施術は薬剤導入モードで、毛穴、小じわ、浅い凹凸へ薬剤を広く均一に届けます。医師施術はしわ・瘢痕モードで、癒着した深い凹みを1か所ずつゆるめて薬剤を置きます。
Q. ポテフィルとは何ですか?
トライフィルプロとポテンツァを同日に組み合わせる治療です。深い癒着部にはトライフィルプロとジュベルック、周囲の毛穴・浅い凹凸にはポテンツァとマックームを用い、深い点と浅い面を分けて治療します。
Q. ジュベルックとマックームはどう使い分けますか?
ジュベルックはPDLLAと非架橋ヒアルロン酸を含み、トライフィルプロで局所へ置く方法と、広く導入する方法に用います。マックームはPLLA製剤で、ポテンツァを使って頬全体へ導入します。
Q. 料金、主なリスク、国内承認状況を教えてください。
ポテンツァ瘢痕治療は全顔1回66,000円で薬剤追加22,000円、トライフィルプロは薬剤導入全顔99,000円、しわ・瘢痕モード1か所18,000円です。赤み、腫れ、点状出血、内出血、皮下気腫、硬結、しこり、結節、感染などが起こることがあります。各機器・製剤は国内未承認で、医師の個人輸入等により使用するため、医薬品副作用被害救済制度等の対象外となる場合があります。
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