にきび跡の治療と瘢痕タイプ別の組み立て方
にきび跡は赤み、色素沈着、凹凸が混在し、凹凸も型によって向く処置が異なります。当院で重視している見立てと、一般的な医学情報、参考文献を整理します。
Medical Information
この記事について
- 医師監修
- 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
- 監修日
- 2023年5月6日
- 公開日
- 2023年5月6日
- 更新日
- 2026年7月8日
診療時の考え方や一般的な注意点を整理した記事です。 実際の適応や治療内容は、診察時に肌状態や経過を確認したうえでご案内します。





Contents
目次
Our Information
当院・医師の見解
当院では、にきび跡を一つの悩みとしてまとめず、活動性のにきびが残っていないか、赤みや色素沈着が主体か、凹凸が主体かを最初に分けて確認しています。
凹凸がある場合は、アイスピック型、ボックスカー型、ローリング型のどれが中心かを見て、ポテンツァ、サブシジョン、局所注入、TCAクロスの順番を考えています。
同じ凹凸でも、顔全体を広く整えたいのか、局所の強い癒着を先に切り離したいのかで設計が変わるため、単独施術より組み合わせを前提にすることが少なくありません。
General Medical Information
一般的な医学情報
にきび跡は、炎症後紅斑や色素沈着のような色調変化と、萎縮性瘢痕のような凹凸に大きく分けて考えます。
萎縮性瘢痕は、アイスピック型、ボックスカー型、ローリング型に分類されることが多く、瘢痕の型と深さによって向く処置が異なります。
系統的レビューでは、単一治療だけで完結することは少なく、瘢痕の種類や面積、炎症の残り方に応じて、複数の治療を組み合わせる考え方が一般的です。
まず赤み・色素沈着・凹凸を分けて考えます
にきび跡といっても、炎症後の赤み、色素沈着、凹凸はそれぞれ見方も治療も異なります。
赤みが中心の時期と、構造的な凹みが中心の時期では、同じ施術を続けるより先に優先順位を整理した方が治療を組み立てやすくなります。
凹凸は瘢痕の型で処置を使い分けます
アイスピック型や小さめのボックスカー型ではTCAクロスが候補になり、大きめのボックスカー型やローリング型ではサブシジョンや局所注入を組み合わせて考えることがあります。
ポテンツァのようなRFマイクロニードリングは、顔全体の質感や浅い凹凸まで広く見たいときに候補になりますが、癒着が強い部位では局所治療を先に行う方が考えやすいことがあります。
単独施術ではなく、順番をつけて組み合わせます
活動性のにきびや強い炎症が残っている時期は、瘢痕治療だけを急ぐより、外用や内服、ホームケアを見直して新しい炎症を減らすことが大切です。
そのうえで、顔全体の再構築を狙う治療と、局所の深い凹みを狙う治療を順番に重ねることで、無理のない設計につながります。
費用の目安
- ポテンツァ 瘢痕治療・薬剤導入 全顔 1回 ¥66,000 / 3回 ¥188,100
- サブシジョン 2×2cm ¥33,000 / こめかみ片側 ¥55,000 / 片頬半分 ¥55,000 / 片頬 ¥88,000
- TCAクロス 20箇所まで ¥22,000
局所注入や薬剤追加は範囲や瘢痕の深さで変わるため、実際の組み合わせは診察で決定します。
リスク・副作用・注意点
- ポテンツァでは、痛み、点状出血、赤み、腫れ、乾燥、角質の脱落がみられることがあります。
- サブシジョンや局所注入では、赤み、腫れ、内出血、圧痛、色素沈着、感染などが起こることがあります。
- TCAクロスでは、一時的な赤み、かさぶた、色素沈着が出ることがあり、経過は瘢痕の型や深さで異なります。
ダウンタイムや注意点は、瘢痕の型と組み合わせる処置で変わるため、診察時の説明をご確認ください。
References
根拠文献・専門情報
-
Acne Scarring Management: Systematic Review and Evaluation of the Evidence.
萎縮性にきび瘢痕に対するレーザー、RF、サブシジョンなどの位置づけを整理した系統的レビューです。
-
Subcision: Indications, adverse reactions, and pearls.
サブシジョンの適応、注意点、有害事象を整理したレビューです。
-
Radiofrequency Microneedling: A Comprehensive and Critical Review.
RFマイクロニードリングの適応や併用の考え方をまとめたレビューです。
-
Fractional Radiofrequency Microneedling as a Monotherapy in Acne Scarring.
顔面の萎縮性にきび瘢痕に対するフラクショナルRFマイクロニードリングの有効性と安全性をまとめた系統的レビューです。
よくあるご質問
Q. にきび跡の赤みと凹凸は同じ治療で考えますか?
同じではありません。赤みが主体なのか、凹凸が主体なのかで優先順位が変わるため、診察ではまず何が中心かを分けて確認します。
Q. ポテンツァだけで、にきび跡の凹みをすべて同じように治療しますか?
一律ではありません。顔全体の質感や浅い凹凸を広く見たいときには候補になりますが、深い癒着や局所の強い凹みではサブシジョンや局所注入、TCAクロスを組み合わせることがあります。
Q. 活動性のにきびが残っている時期でも瘢痕治療はできますか?
可能なことはありますが、新しい炎症が続いている場合は、まず炎症を落ち着かせる治療やホームケアの調整を優先するケースがあります。
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