医師解説ニキビ

ニキビ・ニキビ跡治療で優先順位をどう考えるか

ニキビとニキビ跡の治療では、炎症の時期、赤みや色素沈着の時期、凹みが目立つ時期を分けて考えることが大切です。当院で重視している見立てと、一般的な医学情報、参考文献を整理します。

Medical Information

この記事について

医師監修
形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
監修日
2026年5月4日
公開日
2026年5月4日
更新日
2026年7月8日

診療時の考え方や一般的な注意点を整理した記事です。 実際の適応や治療内容は、診察時に肌状態や経過を確認したうえでご案内します。

Contents

目次

  1. 当院・医師の見解
  2. 一般的な医学情報
  3. まずは活動性の炎症を抑える段階かどうかを見ます
  4. 赤み・色素沈着・凹みは同じ『跡』でも別々に考えます
  5. 凹みは瘢痕の型とダウンタイムに応じて組み合わせます
  6. 費用の目安
  7. リスク・副作用・注意点
  8. 関連記事
  9. 関連施術・関連症状のご案内
  10. 根拠文献・専門情報
  11. よくあるご質問

Our Information

当院・医師の見解

当院では、ニキビ治療を『とりあえず薬』や『とりあえず機械』ではなく、いま何が残っている時期なのかを整理するところから始めています。

炎症ニキビが続いている時期は、外用、内服、生活背景、スキンケアを見直し、新しい炎症を減らすことを優先します。

赤みや色素沈着、凹みが目立つ時期に入ったら、アドバテックス、ポテンツァ、TCAクロス、サブシジョン、局所注入などを、瘢痕の型やダウンタイムに応じて組み合わせて考えています。

General Medical Information

一般的な医学情報

尋常性ざ瘡は、毛包の角化異常、皮脂分泌、Cutibacterium acnes に関連する炎症、ホルモン要因などが重なって生じる慢性炎症性疾患です。

治療では、活動性の炎症を抑える段階と、炎症後紅斑、色素沈着、萎縮性瘢痕のような残存変化を整える段階を分けて考えることが一般的です。

萎縮性瘢痕では、アイスピック型、ボックスカー型、ローリング型のどれが中心かによって、RFマイクロニードリング、サブシジョン、化学的再建などを組み合わせる考え方がとられます。

まずは活動性の炎症を抑える段階かどうかを見ます

炎症ニキビが繰り返している時期は、新しい赤みや色素沈着、凹みが増えてしまうため、先に炎症を減らす治療を優先します。

この時期は、外用、内服、切開排膿、スキンケアの整理が先になることがあり、機器治療は補助的に考えることがあります。

赤み・色素沈着・凹みは同じ『跡』でも別々に考えます

炎症が落ち着いたあとに残る赤みや色素沈着と、皮膚の構造がへこんでいる瘢痕は、同じにきび跡でも向く治療が異なります。

赤みや皮脂の残り方を見たい場面ではアドバテックス、肌全体の再構築や浅い凹凸ではポテンツァ、局所の強い凹みではサブシジョンやTCAクロスを組み合わせて考えることがあります。

凹みは瘢痕の型とダウンタイムに応じて組み合わせます

アイスピック型、ボックスカー型、ローリング型では向く処置が異なるため、同じ『クレーター治療』として一括りにしないことが大切です。

診療では、治療の強さだけでなく、どの順番なら続けやすいか、どこまでダウンタイムを許容できるかを確認しながら組み立てています。

費用の目安

  • アドバテックス 589nm + 1319nm 全顔 1回 ¥30,000 / 5回 ¥139,000
  • ポテンツァ 赤ら顔・にきび・毛穴治療 全顔 1回 ¥55,000 / 3回 ¥156,750
  • ポテンツァ 瘢痕治療・薬剤導入 全顔 1回 ¥66,000 / 3回 ¥188,100
  • TCAクロス 20箇所まで ¥22,000
  • サブシジョン 2×2cm ¥33,000

実際の費用は、炎症を抑える治療と瘢痕治療のどこから始めるか、薬剤追加や局所治療をどこまで組み合わせるかで変わります。

リスク・副作用・注意点

  • アドバテックスでは、一時的な赤み、ほてり、乾燥などが出ることがあります。
  • ポテンツァでは、痛み、点状出血、赤み、腫れ、ざらつき、角質の脱落がみられることがあります。
  • サブシジョンや局所治療では、赤み、腫れ、内出血、圧痛、色素沈着、感染などが起こることがあります。

治療を組み合わせる場合は反応が数日強く出ることもあるため、紫外線と乾燥への配慮を含めて診察時の説明をご確認ください。

References

根拠文献・専門情報

  1. J Am Acad Dermatol. 2024

    Guidelines of care for the management of acne vulgaris.

    2024年のAADガイドラインで、外用レチノイド、ベンゾイル過酸化物、ドキシサイクリン、イソトレチノインなどの位置づけを整理しています。

  2. PubMed PMID: 36253244

    Adult acne versus adolescent acne: a narrative review with a focus on epidemiology to treatment.

    大人ニキビの特徴と治療の考え方を、思春期ニキビとの違いも含めて整理したレビューです。

  3. Am J Clin Dermatol. 2018

    Acne Scarring Management: Systematic Review and Evaluation of the Evidence.

    萎縮性にきび瘢痕の型別治療を整理した系統的レビューです。

  4. Dermatol Surg. 2021

    Radiofrequency Microneedling: A Comprehensive and Critical Review.

    RFマイクロニードリングの適応や併用療法の考え方をまとめたレビューです。

よくあるご質問

Q. ニキビがまだ出ている時期でも、にきび跡治療は始められますか?

可能なことはありますが、活動性の炎症が強い場合は、まず炎症を減らす治療を優先した方が結果的に跡を増やしにくいことがあります。

Q. 赤みと凹みは同じ治療で考えますか?

一律ではありません。赤みや皮脂、肌質まで見たいのか、構造的な凹みを重点的に見たいのかで選ぶ治療が変わります。

Q. 複数の治療を同時に組み合わせることはありますか?

あります。ただし、肌状態やダウンタイムの許容度で順番は変わるため、診察で何を先に行うかを決めていきます。

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