医師解説

アドバテックス治療で重視している3つの視点

当院のADVATx(アドバテックス)治療では、学術的な分析と設定共有、全顔と同日の無料スポット照射、診察料を追加しない継続フォローの3点を重視しています。赤み・ニキビ・皮脂・毛穴・肝斑を、毎回の反応に合わせて調整する流れを解説します。

Medical Information

この記事について

監修日
2026年8月9日
公開日
2026年5月8日
実質更新日
2026年8月9日
アドバテックス治療で重視する学術的分析と設定共有・全顔同日の無料スポット照射・追加診察料なしの3点を示した図

Contents

目次

  1. 3つの視点を一つの治療計画につなげます
  2. 知見と設定共有を、照射設計へ反映します
  3. 全顔照射と同日に、必要な部位へスポット照射します
  4. 追加診察料なしの経過観察で、次回設定を調整します
  5. 診療で確認するポイント
  6. 治療選択の比較
  7. 費用の目安
  8. リスク・副作用・注意点
  9. 関連記事
  10. 関連施術・関連症状のご案内
  11. 執筆・監修
  12. 参考にした一次情報・ガイドライン
  13. よくあるご質問

3つの視点を一つの治療計画につなげます

当院が重視するのは、1学術的な分析と国内外での設定共有、2全顔照射と同日に行うスポット照射、3追加診察料なしの定期的な経過観察です。初回の所見から照射部位を決め、施術後の反応を次回設定へ戻すまでを一つの流れとして扱います。

アドバテックスは、赤み・ニキビ・皮脂・毛穴・肝斑など複数の悩みに用います。同じ施術名でも、面状の赤み、細い血管、炎症性皮疹、皮脂、色素のどれを優先するかで、589nmと1319nmの範囲や重ね方が変わります。

知見と設定共有を、照射設計へ反映します

院長はアドバテックスのキーオピニオンリーダーとして、学会での症例発表、全国の医療機関との設定・ノウハウ共有、海外医師との交流を行っています。そこで得た情報を、目の前の肌所見と毎回の反応へ照らし合わせて照射設計を更新します。

設定を共有するときは、悩みの名称だけでなく、持続する面状の赤み、線状の毛細血管、丘疹・膿疱、皮脂、痛み、照射後の赤みが続いた時間まで記録します。レーザーは出力を上げればよいものではなく、標的と皮膚反応に合う範囲へ調整することが重要です。

設定を共有するときに赤みの現れ方を分ける根拠として、持続性紅斑、毛細血管拡張、丘疹・膿疱などを表現型ごとに評価し、必要な治療を組み合わせるとの報告がありました(参考文献1)。

全顔照射と同日に、必要な部位へスポット照射します

全顔のアドバテックス照射では、面に広がる赤み、皮脂、毛穴などを扱います。そのうえで、目立つ毛細血管や赤い病変部を医師と看護師で共有し、同じ日に必要な箇所へスポット照射を加えます。

全顔照射と同日に行うスポット照射には追加料金がかかりません。全顔へ同じ設定を広げるのではなく、広く分布する所見と限局した標的を分け、部位ごとに照射方法を組みます。

追加診察料なしの経過観察で、次回設定を調整します

アドバテックス治療では、定期的な経過観察やフォローアップに追加の診察料をいただきません。同じ条件の写真、痛み、赤み・熱感・乾燥が続いた時間、炎症性皮疹と皮脂の変化を確認します。

医師と看護師が前回の照射範囲と反応を共有し、次回の波長、全顔とスポットの範囲、設定、治療間隔を調整します。活動性ニキビや肝斑がある場合は、外用・内服を含む治療順もこの経過観察で見直します。

経過観察で反応時期と痛みを記録する具体例として、ニキビ後紅斑へ589/1319nmを2週間隔で6回行った結果、レーザー側は2週から改善し、最終照射8週後の反応率はレーザー側72%、アロエベラゲル側69%で群間差はなく、平均疼痛は1.52/10との報告がありました(参考文献2)。

Clinical View

診療で確認するポイント

  • 初診では、持続する面状の赤み、線状の毛細血管、炎症性の丘疹・膿疱、皮脂・毛穴、色素の分布を分け、589nmと1319nmのどちらを優先するか決めます。
  • 全顔照射と同日にスポットを加える場合は、医師と看護師が限局した血管・病変部を共有し、面の照射と局所照射を同じ設定にしません。
  • 再診では同じ条件の写真と痛み、赤み・熱感・乾燥の持続を比べ、追加診察料なしのフォローアップで次回の波長、範囲、設定、間隔を調整します。

Comparison

治療選択の比較

治療・対応 向く状態 向かない/慎重な状態 回数の目安 ダウンタイム 費用(税込) 承認状況
ADVATx 589+1319nm 全顔・同日スポット 面状の赤みと、皮脂・毛穴・炎症性皮疹が重なり、限局した血管や病変部も同日に扱いたい状態 日焼け直後、照射部位の感染・強い皮膚炎、診断が定まっていない色素・血管病変 1回ごとの反応を記録し、複数回後まで再評価 痛み、赤み、ほてり、腫れ、乾燥、刺激感、色素沈着、水疱、やけど 全顔・スポット照射込み 1回30,000円/5回139,000円 要確認
ADVATx 589nm スポット単独 限局した毛細血管、血管腫、目立つ赤い病変部を医師が局所照射する状態 顔全体へ均一に広がる赤み、皮脂・毛穴だけが主な状態、診断未確定の病変 血管の色・太さと照射後反応を見て再評価 局所の痛み、赤み、ほてり、腫れ、色素沈着、水疱、やけど 1cm×1cmまで6,600円/1cm×1cm以上は1cm2ごと4,400円 要確認
外用・内服を含む原因治療 活動性ニキビ、酒さ、肝斑など、皮疹や色素の治療をレーザーと並行または先行する状態 薬剤の禁忌・過敏症がある場合、診断が定まっていない場合 薬剤と症状に応じて継続し、皮疹数・赤み・刺激を再評価 乾燥、刺激、発赤など薬剤固有の副作用 保険・自由診療、薬剤の種類により異なる 要確認

費用の目安

  • ADVATx 589+1319nm 全顔・スポット照射込み:1回30,000円/5回139,000円
  • 顎下オプション:1回6,000円
  • ADVATx 589nmスポット・医師施術:1cm×1cmまで6,600円/1cm×1cm以上は1cm²ごと4,400円
  • ADVATx治療の定期的な経過観察・フォローアップ:追加診察料なし

全顔料金には同日に必要な部位へ行うスポット照射が含まれます。スポット単独、顎下オプションは別料金です。

リスク・副作用・注意点

  • 照射中の痛み、照射後の赤み、ほてり、腫れ、乾燥、刺激感が生じることがあります。
  • 色素沈着、水疱、やけどが起こることがあります。
  • 国内承認・適応: 本施術で使用するADVATxは、日本国内で医薬品医療機器等法上の承認を受けていない医療機器です。当院では医師の責任のもと適法な輸入手続きにより入手しています。製造元は米国FDA 510(k) K250189などの海外認証を公表しています。国内未承認医療機器による健康被害は、医薬品副作用被害救済制度等の対象外となる場合があります。

平均疼痛は1.52/10で、軽い赤みは1時間以内、温感は30分以内に消失し、重篤な有害事象はなかったとの報告があります。院内では照射後の反応を個別に確認します。

Doctor Review

執筆・監修

執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)

References

参考にした一次情報・ガイドライン

  1. Schaller M, Almeida LMC, Bewley A, et al. Br J Dermatol. 2020;182(5):1269-1276. doi:10.1111/bjd.18420.

    Recommendations for rosacea diagnosis, classification and management: update from the global ROSacea COnsensus 2019 panel

    研究デザイン: 140件の文献レビューをもとに6回の電子調査とオンライン会議を行い、75%以上の賛同を合意とした修正版Delphi国際コンセンサス / 対象: アフリカ、アジア、欧州、北米、南米の皮膚科医19人と眼科医2人、計21人の専門家。患者を対象とする治療比較試験ではない / 結果: 固定した病型ではなく、持続性紅斑、毛細血管拡張、丘疹・膿疱、眼症状などの表現型ごとに診断・重症度・治療反応を記録し、複数の治療を組み合わせるとの報告がありました。 / 限界: 専門家合意で、ADVATx、589nm、1319nmや院内設定を評価した臨床試験ではありません。Galdermaが企画・実施を資金提供しましたが、投票・討議・データ処理には関与しなかったと記載されています。原著全文を2026年8月8日に確認しました。

  2. Boonpethkaew S, Anansiripun P, Maitrisathit W, et al. J Cosmet Dermatol. 2026;25:e70894. doi:10.1111/jocd.70894.

    Efficacy and Safety of a Dual-Wavelength 589/1319 nm Laser for the Treatment of Acne Erythema: A Split-Face Randomized Controlled Trial

    研究デザイン: タイ単施設・単盲検の左右比較無作為化試験。片側へ589/1319nmレーザーを2週間隔で6回、反対側へ87.4%アロエベラゲルを1日2回・18週間使用し、最終照射後8週まで追跡 / 対象: 両側性のニキビ後紅斑がある18〜50歳30人を登録し29人が完遂。女性27人、男性2人、Fitzpatrick III型19人・IV型10人、年齢中央値29歳 / 結果: レーザー側は初回2週、アロエベラゲル側は4週から各群内で有意に改善し、最終照射8週後の反応率は72.40%対68.97%で群間差はありませんでした。レーザーの平均疼痛は1.52/10で、軽い赤みは1時間以内、温感は30分以内に消失し、重篤な有害事象はなかったとの報告がありました。 / 限界: 29人・タイ単施設・女性中心・Fitzpatrick III〜IV型の小規模短期試験です。活動性ニキビや併用外用が結果へ影響し、最適設定、スポット照射、追加診察料、酒さ・肝斑・毛細血管拡張への効果は示しません。研究機器はタイ販売代理店から短期貸与されましたが、研究設計・収集・解析・解釈・執筆には関与しなかったと記載されています。原著全文を2026年8月8日に確認しました。

  3. PMDA

    医療機器の承認審査に関する情報

    販売名、承認番号、承認範囲を確認する公的情報です。

  4. 厚生労働省

    医療広告ガイドライン

    自由診療の費用、主なリスク・副作用、未承認機器等の表示を確認する公的資料です。

よくあるご質問

Q. アドバテックス治療で重視している3点は何ですか?

学術的な分析と国内外での設定共有、全顔照射と同日に行うスポット照射、追加診察料なしの定期的な経過観察です。初回所見から照射部位を決め、施術後の反応を次回設定へ戻す流れとして実施します。

Q. スポット照射はいつでも無料ですか?

全顔のアドバテックス照射と同じ日に、必要な血管・病変部へ加えるスポット照射は全顔料金に含まれます。589nmスポットだけを医師が施術する場合は、1cm×1cmまで6,600円、これを超える範囲は1cm2ごと4,400円です。

Q. 診察料がかからないのは、どの診察ですか?

アドバテックス治療の定期的な経過観察とフォローアップでは、追加の診察料をいただきません。施術料金、スポット単独や顎下などの追加施術料金は別です。

Q. 照射設定はどのように決めますか?

面状の赤み、毛細血管、丘疹・膿疱、皮脂・毛穴、色素を分け、痛みや前回の赤み・乾燥が続いた時間も確認します。出力だけを上げず、589nmと1319nmの範囲、全顔とスポット、間隔を調整します。

Q. アドバテックスは国内承認機器ですか?

ADVATxは国内未承認医療機器です。医師の責任で適法に輸入して使用します。国内未承認医療機器による健康被害は、医薬品副作用被害救済制度等の対象外となる場合があります。

ご予約・ご相談はこちら

気になる症状や治療方法について、初診予約・再診予約・お問い合わせからご相談いただけます。