ルビーフラクショナルトーニングとアドバテックスの特徴
細かなシミや色むらはルビー694nm、赤ら顔や赤いニキビ跡はADVATx 589nm、皮脂や肌の引き締まりは1319nmで狙いを分けます。各5回コースの間隔と、色素・赤みが重なるときの治療順を解説します。
Medical Information
この記事について
- 執筆医・監修医
- 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
- 監修日
- 2026年8月9日
- 公開日
- 2025年4月2日
- 実質更新日
- 2026年8月9日

Contents
目次
色素はルビー、赤みはADVATxで治療計画を分けます
シミ治療のルビーフラクショナルトーニングは、1クール5回66,000円、2〜3週間隔が基本です。赤ら顔・赤いニキビ跡治療のADVATxは、1クール5回139,000円、3〜4週間隔で行います。どちらも全顔を面で治療し、必要な部位を重点的に追います。
ルビーフラクショナルトーニングでは、施術後の赤みが数時間から当日中に落ち着けば、全顔照射部へ保護テープを貼らずに過ごせます。遮光を続けられる時期なら夏冬を問わず開始できます。ADVATxでは、直後から皮脂の落ち着き、引き締まり感、ツヤを感じることがあります。
694nmはメラニンを狙い、色素の深さと分布で照射法を変えます
ルビー694nmはメラニンへの選択性を利用する波長です。顔全体に細かなシミや色むらが広がる場合は低出力のフラクショナルトーニング、濃く限局したシミにはスポット照射、真皮側の色素が疑われる場合は医師施術を含めて照射法を選びます。浅い色素と深い色素へ同じ設定を一度に当てるのではなく、分布、濃さ、深さに合わせて照射密度と出力を分けます。
照射では、光音響作用による色素の細分化と熱反応を利用します。色むらを主な評価項目としながら、毛穴、小じわ、ほうれい線周囲の質感も同じ照明の写真で追い、回数を重ねたときの変化を分けて記録します。
ルビー後は早期の薄さだけで終えず、色素沈着と再燃を次回まで追う理由として、MASIは72.3%低下した一方、3か月後に炎症後色素沈着28%、再発44%だったとの報告がありました(参考文献1)。
589nmは赤み、1319nmは皮脂と真皮の熱反応を狙います
アドバテックス(ADVATx)の589nmレーザーはヘモグロビンへ作用し、赤ら顔、細い血管、赤いニキビ跡を主な対象にします。血管の太さと赤みの広がりに合わせ、全顔照射に加えてスポット径を変えながら重点部位を治療します。
1319nmは水への吸収を利用して真皮へ熱を届けます。赤い丘疹や皮脂が続く範囲、毛穴、肌の引き締まりを追うときは、589nmで赤み、1319nmで皮脂と真皮の反応を分けて組み合わせ、全顔からフェイスラインまで照射範囲を記録します。
ニキビ跡の赤みへ589nmと1319nmを組み合わせる理由として、赤みは2週から改善し、最終照射8週後の反応率は72%、対照側は69%で群間差はなく、平均疼痛は1.52/10だったとの報告がありました(参考文献2)。
赤みと色素が重なる肌は、活動性の炎症から先に整えます
赤いニキビや面状の紅斑が強いときは、ADVATxで赤みと皮脂を先に治療し、3〜4週間後に残る茶色い色素を確認してルビーへ進みます。炎症を先に落ち着かせることで、赤みとシミの境界を次の写真で捉えやすくします。
活動性の赤みが少なく、細かな茶色いシミが中心なら、ルビーフラクショナルトーニングから始めます。2〜3週間後に赤み、乾燥、色素沈着の有無を見て次回を決め、赤みが残る部位だけADVATxへ振り分けます。
5回を一つの区切りにし、次の間隔を変えます
ルビーフラクショナルトーニングは2〜3週間隔で5回を1クールとし、1クール後は色素の残り方に合わせて1ヶ月〜1ヶ月半ごとのメンテナンスへ移ります。毎回、シミの濃さ、色むら、赤み、乾燥、炎症後色素沈着を確認します。
ADVATxは3〜4週間隔で5回を1クールとし、赤みの面積、細い血管、赤いニキビ跡、炎症性皮疹、皮脂を同じ条件で比べます。1回ごとの変化をもとに、次回は589nmと1319nmの照射範囲を調整します。
Clinical View
診療で確認するポイント
- 診察では、茶色い色素、面状の赤み、細い血管、赤いニキビ跡、活動性ニキビを同じ照明の写真上で色分けします。
- 色素は分布、濃さ、深さから、ルビーの全顔フラクショナル、医師施術、スポット照射を選びます。
- 赤みと皮脂は、血管性の範囲へ589nm、皮脂と真皮反応を追う範囲へ1319nmを割り当てます。
- 炎症性の赤みが強ければADVATxを先に行い、落ち着いた後に残る色素へルビーを組み、各機器の治療間隔で再評価します。
Comparison
治療選択の比較
| 治療・対応 | 向く状態 | 向かない/慎重な状態 | 回数の目安 | ダウンタイム | 費用(税込) | 承認状況 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ルビーフラクショナルトーニング | 全顔に広がる細かなシミ、色むら、メラニン性の色素斑 | 赤み・血管が主な状態、活動性炎症、診断未確定の色素病変 | 2〜3週間隔で5回。1クール後は1ヶ月〜1ヶ月半ごとに再評価 | 赤み、腫れ、痛み、乾燥、痂皮、炎症後色素沈着、色素脱失 | 全顔1回16,500円/1クール目5回66,000円/2クール目以降5回55,000円 | 使用機器は国内承認医療機器(承認番号22300BZX00301000)。使用目的・照射法ごとに承認範囲との対応を説明 |
| ルビー 医師施術・スポット照射 | 濃く限局したシミ、真皮側の色素が疑われる病変 | 血管性紅斑、悪性を疑う所見がある病変、診断未確定病変 | 1回ごとに色調、痂皮、炎症後色素沈着を再評価 | 赤み、腫れ、痂皮、炎症後色素沈着、色素脱失、熱傷、瘢痕 | 医師施術全顔1回27,500円/スポット1cm×1cmまで6,600円、超過は1cm2ごと4,400円 | 使用機器は国内承認医療機器(承認番号22300BZX00301000) |
| ADVATx 589+1319nm | 赤ら顔、細い血管、赤いニキビ跡、炎症性ニキビ・皮脂・毛穴が重なる状態 | 茶色い色素だけが主な状態、感染・強い皮膚炎・日焼け直後の部位 | 3〜4週間隔で5回。赤み、皮疹数、皮脂を毎回再評価 | 赤み、ほてり、腫れ、乾燥、刺激感、色素沈着、水疱、熱傷 | 全顔・スポット照射込み1回30,000円/5回139,000円 | 国内未承認医療機器 |
費用の目安
- ルビーフラクショナルトーニング 全顔:1回16,500円/1クール目5回66,000円/2クール目以降5回55,000円
- ルビー 医師施術 全顔:1回27,500円
- ルビー・ADVATx 医師スポット:1cm×1cmまで6,600円/1cm×1cmを超える場合は1cm²ごと4,400円
- ADVATx 589+1319nm 全顔・スポット照射込み:1回30,000円/5回139,000円
- ADVATx 顎下オプション:1回6,000円
自由診療・税込。施術範囲、医師施術、スポット、顎下オプションの有無で総額が変わります。
リスク・副作用・注意点
- ルビー:痛み、赤み、腫れ、かゆみ、乾燥、痂皮、炎症後色素沈着、色素脱失、熱傷、瘢痕、再発
- ADVATx:痛み、赤み、ほてり、腫れ、乾燥、刺激感、色素沈着、水疱、熱傷
- 眼周囲を照射する場合は専用の眼球保護具を使用します。
- 国内承認・適応: 当院のルビーレーザーは国内承認医療機器(承認番号22300BZX00301000)です。承認使用目的と異なる全顔フラクショナル照射や肌質目的を含む場合は、適応外使用として説明します。ADVATxは日本国内で医薬品医療機器等法上の承認を受けていない医療機器で、医師の責任のもと適法な輸入手続きにより入手しています。製造元は米国FDAの510(k)クリアランスと欧州CE認証を公表していますが、国内未承認機器による健康被害は医薬品副作用被害救済制度等の対象外となる場合があります。
ルビーのフラクショナル全顔照射では赤みが数時間程度で落ち着くことがあります。スポット照射や強い皮膚反応がある部位では、保護テープが必要になる場合があります。
Doctor Review
執筆・監修
執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
References
参考にした一次情報・ガイドライン
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Treatment of melasma in Caucasian patients using a novel 694-nm Q-switched ruby fractional laser
研究デザイン: 単施設の後ろ向き症例集積。694nm Qスイッチルビーフラクショナルレーザーを1〜3回(平均1.4回)照射し、最終治療4〜6週後と3か月後を評価 / 対象: Fitzpatrick I〜III型の白人肝斑患者25人 / 結果: 最終治療4〜6週後にMASIは6.54から1.98へ72.3%低下しました。3か月後に炎症後色素沈着7人(28%)、再発11人(44%)が確認されました。 / 限界: 無作為化・対照群のない白人25人の単施設研究で、追跡は3か月です。使用機器・設定は当院のNanoStar Rによる5回コースと同一ではなく、日本人や他の色素性病変へ直接一般化できません。Peter Arne GerberはAsclepion Laser Technologiesから講演謝礼を受けたと申告しています。原著全文を2026年8月8日に確認しました。
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Efficacy and Safety of a Dual-Wavelength 589/1319 nm Laser for the Treatment of Acne Erythema: A Split-Face Randomized Controlled Trial
研究デザイン: 単施設・単盲検の左右比較無作為化試験。片側へ589/1319nmレーザーを2週間隔で6回、反対側へアロエベラゲルを1日2回18週間使用し、最終照射8週間後まで追跡 / 対象: 両頬にニキビ関連紅斑がある30人を登録し29人が完遂。女性27人・男性2人、Fitzpatrick III〜IV型、タイの単施設 / 結果: レーザー側は2週、対照側は4週で治療前より赤みが有意に減少しましたが、群間差はありませんでした。最終照射8週後の反応率はレーザー側72%、対照側69%、平均疼痛は1.52/10で、重篤な有害事象はありませんでした。 / 限界: 小規模・短期・単一民族の研究で、活動性ニキビの変動が赤み評価へ影響した可能性があります。対照のアロエベラゲルにも抗炎症作用があり、最適な照射条件・回数や長期効果は未確定です。研究費はRamathibodi Hospitalが負担し、レーザー機器はタイの販売会社が短期貸与しましたが、研究設計・解析・論文作成には関与しなかったと記載されています。原著全文を2026年8月8日に確認しました。
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医療機器の承認審査に関する情報
販売名、承認番号、承認範囲を確認する公的情報です。
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医療広告ガイドライン
自由診療の費用、主なリスク・副作用、未承認機器等の表示を確認する公的資料です。
よくあるご質問
Q. ルビーとADVATxは、どのように選びますか?
細かな茶色いシミや色むらはルビー694nm、赤ら顔・細い血管・赤いニキビ跡はADVATx 589nm、皮脂や炎症性ニキビが重なる範囲は1319nmを組み合わせます。
Q. 治療間隔と回数はどのくらいですか?
ルビーフラクショナルトーニングは2〜3週間隔で5回、ADVATxは3〜4週間隔で5回が1クールです。ルビーは1クール後、色素の残り方に合わせて1ヶ月〜1ヶ月半ごとのメンテナンスへ移ります。
Q. シミと赤みが同じ場所にある場合、どちらから始めますか?
活動性ニキビや面状の赤みが強い場合はADVATxを先に行い、落ち着いた後に残る茶色い色素へルビーを組みます。赤みが少なく細かなシミが中心なら、ルビーから始めます。
Q. 施術後に保護テープは必要ですか?
ルビーの全顔フラクショナル照射は、赤みが数時間から当日中に落ち着き皮膚反応が軽ければ、テープを貼らずに過ごせます。スポット照射や反応が強い部位では保護が必要になる場合があります。
Q. 費用と国内承認の状況を教えてください。
ルビー全顔は1回16,500円・1クール目5回66,000円、ADVATx全顔は1回30,000円・5回139,000円です。ルビーの使用機器は国内承認医療機器ですが、照射目的・方法に適応外使用を含む場合があります。ADVATxは国内未承認医療機器です。
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