医師解説シミ

なぜシミ治療にルビー694nmを使うのか

シミ治療では、単に強いレーザーを選ぶのではなく、どの色に、どの深さで反応させたいかを考えることが大切です。ルビー694nmを使う理由を、当院の考え方、一般的な医学情報、参考文献から整理します。

Medical Information

この記事について

医師監修
形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
監修日
2026年4月25日
公開日
2026年4月25日
更新日
2026年7月6日

診療時の考え方や一般的な注意点を整理した記事です。 実際の適応や治療内容は、診察時に肌状態や経過を確認したうえでご案内します。

532nm、694nm、1064nmの違いとメラニン反応を比較する図

Contents

目次

  1. 当院・医師の見解
  2. 一般的な医学情報
  3. シミ治療では『波長の得意分野』を考えます
  4. 694nmはメラニン選択性と深さのバランスを取りやすい波長です
  5. 同じ『シミ』でも一律に同じレーザーを使うわけではありません
  6. 費用の目安
  7. リスク・副作用・注意点
  8. 関連記事
  9. 関連施術・関連症状のご案内
  10. 根拠文献・専門情報
  11. よくあるご質問

Our Information

当院・医師の見解

当院では、シミ治療で大切なのは『一番強いレーザー』を選ぶことではなく、色素がどの層にあり、赤みや炎症がどれくらい重なっているかを見極めることだと考えています。

ルビー694nmは、メラニンへの反応性と深さのバランスを生かして、濃い病変だけでなく、細かい色ムラやくすみをどう整えるかを考えるときにも使い分けています。

診察では、532nmのように浅い反応が向くのか、1064nmのように別の設計が向くのかも含めて比較しながら、適応とダウンタイムを説明しています。

General Medical Information

一般的な医学情報

レーザーでは、波長によってメラニンやヘモグロビン、水などへの吸収特性と、皮膚への到達のしやすさが異なります。

694nmのルビーレーザーは、メラニンへの反応性が高く、色素病変の治療で長く使われてきた波長です。

一方で、どの波長にも得意不得意があり、浅い病変、深さのある病変、赤みが重なる病変では、同じ『シミ』でも向く設計が変わります。

シミ治療では『波長の得意分野』を考えます

同じシミに見えても、色素の濃さ、分布、深さ、周囲の赤みで治療の考え方は変わります。

そのため、どのレーザーが有名かよりも、今の病変で何に反応させたいかを整理することが大切です。

694nmはメラニン選択性と深さのバランスを取りやすい波長です

694nmはメラニンに反応しやすく、赤みの成分であるヘモグロビンへの反応は比較的少ないため、色素を主体に見たい場面で使いやすい波長です。

また、浅すぎず深すぎない反応設計を考えやすいため、濃いシミだけでなく、細かな色ムラやくすみをどう整えるかという視点でも候補になります。

同じ『シミ』でも一律に同じレーザーを使うわけではありません

赤みや炎症が重なる肌、肝斑を伴う肌、深さのある病変では、694nmだけで完結させない方がよいこともあります。

診療では、波長の理屈だけでなく、治療後にPIHが出やすいか、どの程度のダウンタイムが許容できるかも合わせて判断しています。

費用の目安

  • Qスイッチルビーレーザー スポット照射 1cm×1cmまで ¥6,600 / 1cm×1cm以上は1㎠ごとに ¥4,400
  • ルビーフラクショナルトーニング 全顔 1回 ¥16,500 / 1クール目5回 ¥66,000 / 2クール目以降5回 ¥55,000 / 医師施術 1回 ¥27,500

スポット照射とフラクショナルでは適応やダウンタイムが異なります。どの照射法が向くかは診察でご案内します。

リスク・副作用・注意点

  • スポット照射後は、かさぶた、一時的な赤み、炎症後色素沈着がみられることがあります。
  • フラクショナルトーニング後は、数時間程度の赤みが出ることがあります。

照射後は紫外線対策、摩擦予防、保湿が大切です。実際の注意点は診察時の説明をご確認ください。

References

根拠文献・専門情報

  1. Clin Dermatol. 2006

    LASER-tissue interactions.

    波長、標的、組織反応の基本的な考え方を整理したレビューです。

  2. Clin Plast Surg. 1997

    Q-switched ruby laser treatment of tattoos and benign pigmented lesions: a critical review.

    694nm Qスイッチルビーレーザーの適応と特徴をまとめた総説です。

  3. Dermatol Surg. 2011

    Laser eradication of pigmented lesions: a review.

    色素性病変に対するレーザーの使い分けを整理したレビューです。

  4. J Cosmet Dermatol. 2025

    Treatment of Solar Lentigines: A Systematic Review of Clinical Trials.

    老人性色素斑に対する各種治療の臨床試験をまとめた系統的レビューです。

よくあるご質問

Q. 694nmならどんなシミにも向いていますか?

一律ではありません。色素の種類や深さ、赤みや肝斑の有無で向き不向きがあるため、診察で適応を確認します。

Q. 532nmや1064nmと何が違いますか?

波長ごとに反応しやすい標的と届きやすい深さが異なります。694nmはメラニン選択性と深さのバランスを見たい場面で候補になります。

Q. ルビー694nmは強いレーザーという理解で良いですか?

大切なのは強さそのものではなく、今の病変に対して何を狙う設計かです。694nmは波長特性を生かして使い分けるレーザーと考える方が近いです。

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