色むら・くすみへルビーフラクショナル5回と外用を併用した症例
ルビーフラクショナルトーニングを5回行い、自宅でハイドロキノンとスキンブライセラム0.25を併用した症例です。左右頬の斜位で、色むら・くすみ・細かなシミに加え、小じわとハリの変化を比較します。
Medical Information
この記事について
- 執筆医・監修医
- 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
- 監修日
- 2026年8月9日
- 公開日
- 2026年2月4日
- 実質更新日
- 2026年8月9日

Contents
目次
左右頬の斜位で、5回前後の変化を比べます
上段と下段は左右それぞれの頬を斜めから拡大した写真で、各段の左がBefore、右がAfterです。左右を同じ距離から比べ、頬全体の色調と点在する細かなシミ、肌表面の細かな線を追っています。
Afterでは頬全体の褐色の色むらが均一になり、細かなシミが薄く見えます。くすみが軽くなったことで肌表面の明るさがそろい、細かな線が目立ちにくく、頬のハリも高く見える経過です。
褐色の色むら、赤み、肌表面を別々に記録します
色むらの評価では、頬へ面状に広がる淡い褐色、点在する細かなシミ、毛穴周囲の陰影を分けます。照射範囲を決める前に、境界が明瞭な日光黒子、左右へ広がる肝斑様の色調、炎症後色素沈着が重なっていないかを診察します。
Afterにも見えるピンクから赤の色調は、褐色のメラニンとは別の所見です。血管による赤み、乾燥や外用刺激による炎症、撮影時の血流変化を分けて記録し、残る赤みを色素レーザーの追加対象にはしません。
5回の照射で、細かな色素を面として追います
ルビーフラクショナルトーニングは、694nmのQスイッチルビーを点状に分けて全顔へ照射し、細かなシミと面状の色むらを複数回で整える方法です。この症例では5回後に左右頬を同じ斜位で撮影し、細かなシミの濃さと頬全体の明るさを同じ順序で見直しました。
次の照射は、残る褐色斑の位置だけでなく、赤み・乾燥・炎症後色素沈着が落ち着いているかを確認して決めます。色素が薄くなった後も同じ出力を重ねるのではなく、残存斑と皮膚反応に合わせて照射範囲を更新します。
複数回後に色むらを再評価する理由として、694nmのフラクショナル照射後はMASIが15.1から10.6へ下がり、色素の明るさ指標は56.6から59.9へ上がったとの報告がありました(参考文献1)。
ハイドロキノンとスキンブライセラム0.25は、照射の間を支える外用です
ハイドロキノンはメラニン生成を抑える目的、スキンブライセラム0.25は0.25%レチノール配合化粧品として、色むらと肌表面、小じわを整える目的で使います。レーザーが狙う色素と、毎日の外用で整える表皮・肌表面の役割を分けることで、5回の照射期間を通して頬全体を評価できます。
照射後に赤み、熱感、乾燥、細かな痂皮がある間は刺激性のある外用を重ねず、保湿と遮光を優先します。皮膚反応が落ち着いてから指示された頻度で再開し、外用による赤み・皮むけと照射後の反応を混同しないようにします。
色むらと小じわを外用でも支える理由として、4%ハイドロキノン・0.3%レチノール配合クリームは、16週後に色むら、細かなシワ、触った粗さを改善したとの報告がありました(参考文献2)。
小じわ・ハリと、残る赤みまで5回後に再評価します
この症例では、色むらと細かなシミだけでなく、頬の細かな線が目立ちにくくなり、肌表面のハリも高く見えます。小じわは照明の陰影、乾燥、表情でも見え方が変わるため、斜位の同じ範囲で色調とは別に追います。
5回後に褐色斑が薄くなっても、ピンクから赤の色調が残る場合は、レーザーを追加する前に血管性紅斑、外用刺激、乾燥を確認します。褐色の再増加と赤みを分けて追うことが、外用を続けるか、照射を休むか、赤みの治療へ切り替えるかを決める基準になります。
改善後も赤みと褐色の再増加を分けて追う理由として、MASIは72.3%低下した一方、3か月後に炎症後色素沈着28%、再発44%が確認されたとの報告がありました(参考文献3)。
Clinical View
診療で確認するポイント
- 治療前に左右頬の斜位を同じ距離と照明で撮影し、面状の色むら、細かなシミ、赤み、細かな線を別々に記録します。
- 褐色色素にはルビーフラクショナルトーニングを複数回で重ね、照射の間はハイドロキノンとスキンブライセラム0.25で表皮側の色むらと肌表面を整えます。
- 各回の後は赤み・乾燥・痂皮が落ち着いてから外用を戻し、5回後に左右頬を撮り直して、残る褐色斑とピンク色の赤みを分けます。
- 褐色斑が残れば次の色素治療、赤みが残れば炎症・血管の評価、小じわやハリが主になれば外用と肌質治療という順に、次の目的を一つずつ決めます。
Comparison
治療選択の比較
| 治療・対応 | 向く状態 | 向かない/慎重な状態 | 回数の目安 | ダウンタイム | 費用(税込) | 承認状況 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ルビーフラクショナルトーニング | 頬全体に細かなシミと淡い褐色の色むらが広がる状態 | 強い日焼け、活動性皮膚炎、照射後の赤み・炎症後色素沈着が残る状態 | 複数回。本症例は5回後に左右頬の斜位で再評価 | 赤み、熱感、腫れ、乾燥、細かな痂皮、炎症後色素沈着、色素脱失 | 全顔看護師施術1回16,500円/1クール目5回66,000円/2クール目以降5回55,000円 | NanoStar Rは国内承認機器(22900BZX00055000)。全顔低出力フラクショナルトーニングという照射法・5回計画は個別に承認された使用方法ではない |
| ハイドロキノン外用 | 表皮側の色むらとメラニン生成を抑えながらレーザー治療を続けたい状態 | 赤み、かゆみ、湿疹、刺激性皮膚炎が続く状態 | 処方・製品ごとの使用期間と休止計画に沿って継続 | 赤み、かゆみ、乾燥、刺激性・接触皮膚炎、長期不適切使用による色調変化 | 製品・処方により異なる | 症例で用いた販売名・濃度は特定されておらず、医薬品・化粧品の区分と承認状況は実際の製品による |
| スキンブライセラム0.25 | 低い濃度のレチノールから、色むら・肌表面・小じわのケアを始めたい状態 | 赤み、乾燥、皮むけ、湿疹が続く状態。妊娠中・授乳中 | 夜の外用を肌反応に合わせて継続。照射後は反応が落ち着いてから再開 | 赤み、乾燥、皮むけ、ひりつき、かゆみ、刺激性皮膚炎 | 14,300円 | 0.25%レチノール配合化粧品。色素性皮膚疾患の治療薬として承認された医薬品ではない |
費用の目安
- ルビーフラクショナル全顔 看護師施術:1回16,500円/1クール目5回66,000円/2クール目以降5回55,000円(税込)
- ルビーフラクショナル全顔 医師施術:1回27,500円(税込)
- スキンブライセラム0.25:14,300円(税込)
- ハイドロキノン外用:使用する製品・処方により異なります
レーザー料金に外用製品代は含まれません。5回コースの区分と、使用するハイドロキノン製品・処方により総額が変わります。
リスク・副作用・注意点
- Qスイッチルビー:痛み、赤み、熱感、腫れ、乾燥、痂皮、炎症後色素沈着、色素脱失、熱傷、まれに瘢痕
- ハイドロキノン:赤み、かゆみ、乾燥、刺激性・接触皮膚炎、長期・不適切使用による色調変化
- スキンブライセラム0.25:赤み、乾燥、皮むけ、ひりつき、かゆみ。妊娠中・授乳中は使用しない
- 国内承認・適応: 当院が使用する販売名ナノスターアールは、色素性皮膚疾患の治療を使用目的とする国内承認Qスイッチルビーレーザーです(承認番号22900BZX00055000)。一方、全顔へ低出力で行うフラクショナルトーニングという照射方法と5回計画が個別に承認されたわけではなく、自由診療として行います。スキンブライセラム0.25は化粧品で、色素性皮膚疾患の治療薬として承認された医薬品ではありません。ハイドロキノンは販売名・濃度により医薬品または化粧品の区分が異なります。承認範囲外の使用方法による健康被害は、医薬品副作用被害救済制度等の対象外となる場合があります。
照射後の水疱、強い痛み、治癒しないびらん、急に濃くなる色調変化は早めに連絡してください。外用による強い赤み、腫れ、かゆみ、皮むけが続く場合は使用を中止します。
Doctor Review
執筆・監修
執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
References
参考にした一次情報・ガイドライン
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Efficacy of 694-nm Q-switched ruby fractional laser treatment of melasma in female Korean patients
研究デザイン: 低出力694nm Qスイッチルビーフラクショナルレーザーを2週間隔で6回行い、最終照射16週後まで追跡した前向き単群研究 / 対象: 肝斑のある韓国人女性15人 / 結果: 平均MASIは治療前15.1±3.3から最終照射16週後10.6±3.9へ低下し、色素の明るさを示すL値は56.6±3.5から59.9±2.8へ上昇しました / 限界: 小規模・単群で、対象は肝斑のある韓国人女性です。6回・2週間隔の条件であり、今回の色むら・細かなシミに対する5回症例や、ハイドロキノン・スキンブライセラム0.25併用の効果を検証した研究ではありません。PubMed抄録を2026年8月9日に確認しました。原著全文は購読制限のため抄録と書誌情報の範囲で確認しました。 / 利益相反: PubMed抄録に資金提供・競合利益の記載はありません。
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Novel approach to the treatment of hyperpigmented photodamaged skin: 4% hydroquinone/0.3% retinol versus tretinoin 0.05% emollient cream
研究デザイン: 4%ハイドロキノン・0.3%レチノール配合クリームと0.05%トレチノイン軟化クリームを16週間比較した単施設二重盲検無作為化比較試験 / 対象: 光老化を伴う色素むらのある44人。12人が脱落 / 結果: 4%ハイドロキノン・0.3%レチノール群は、色むら、細かなシワ、触覚的な粗さを16週後に改善し、比較した0.05%トレチノイン群より各評価で良好でした / 限界: 単施設で脱落が多く、評価は診察・被験者評価・写真が中心です。一つの配合クリームを検証しており、別製品のハイドロキノンとスキンブライセラム0.25を併用した今回の使い方や、レーザーとの併用効果を直接検証していません。PubMed抄録と、原著データを収載したPMC9112391の表を2026年8月9日に確認しました。原著全文は購読制限のため抄録と書誌情報の範囲で確認しました。 / 利益相反: PubMed抄録に資金提供・競合利益の記載はありません。
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Treatment of melasma in Caucasian patients using a novel 694-nm Q-switched ruby fractional laser
研究デザイン: 694nm Qスイッチルビーフラクショナルレーザーを1〜3回行い、4〜6週後と3か月後を評価した後ろ向き単群研究 / 対象: Fitzpatrick I〜IIIの白人肝斑患者25人 / 結果: 平均MASIは6.54から1.98へ72.3%低下しましたが、3か月後に炎症後色素沈着7人(28%)、肝斑の再発11人(44%)が確認されました / 限界: 小規模・後ろ向き・対照群なしで、白人の肝斑患者を対象としています。照射回数は1〜3回、出力は4〜8J/cm2で、今回の5回症例と同一条件ではありません。赤み治療や、ハイドロキノン・スキンブライセラム0.25併用の効果は検証していません。PMC原著全文を2026年8月9日に確認しました。 / 利益相反: 原著には本研究に関連する競合利益なしと記載されています。
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医療広告ガイドライン
自由診療の費用、主なリスク・副作用、未承認機器等の表示を確認する公的資料です。
よくあるご質問
Q. この症例では何回治療し、何を併用しましたか?
ルビーフラクショナルトーニングを5回行い、自宅でハイドロキノンとスキンブライセラム0.25を併用しました。左右頬の斜位で色むら、細かなシミ、小じわ、ハリを比較しています。
Q. 写真に残る赤みもルビーフラクショナルで治療しますか?
赤みは褐色のメラニンとは分けます。外用刺激や乾燥に伴う炎症、血管性の赤みを確認し、赤みだけが残る部位へ色素レーザーを重ねません。
Q. ハイドロキノンとスキンブライセラム0.25は同じ働きですか?
ハイドロキノンはメラニン生成を抑える目的、スキンブライセラム0.25は0.25%レチノール配合化粧品として色むら、肌表面、小じわを整える目的です。照射後の赤みや乾燥が落ち着いてから外用を再開します。
Q. 5回と外用の費用はいくらですか?
看護師施術は1クール目5回66,000円、2クール目以降5回55,000円です。スキンブライセラム0.25は14,300円で、ハイドロキノン外用は使用する製品・処方により異なります。外用代はレーザー料金に含まれません。
Q. NanoStar Rは国内承認機器ですか?
NanoStar Rは色素性皮膚疾患の治療を目的とする国内承認Qスイッチルビーレーザーです(承認番号22900BZX00055000)。全顔へ低出力で行うフラクショナルトーニングという照射方法と5回計画は個別に承認された使用方法ではなく、自由診療として行います。
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