医師解説シミルビーフラクショナル

ルビーフラクショナルとハイドロキノン・レチノールを併用する注意点

ルビーフラクショナルトーニング5回と、自宅でハイドロキノン、スキンブライセラム0.25を使用した症例です。両頬の色むら・細かなシミ・小じわ・ハリの経過と、外用を週2回から始める順序、照射前後の休止・再開を解説します。

Medical Information

この記事について

監修日
2026年8月9日
公開日
2026年2月5日
実質更新日
2026年8月9日
ルビーフラクショナル5回の症例画像

Contents

目次

  1. 両頬へルビーフラクショナル5回と外用を併用
  2. レーザー、ハイドロキノン、レチノールの役割
  3. スキンブライセラム0.25を週2回から先に始める
  4. 使用頻度を段階的に増やし、ハイドロキノンは休薬する
  5. 照射当日は休止し、皮膚が回復してから一製品ずつ戻す
  6. 診療で確認するポイント
  7. 治療選択の比較
  8. 費用の目安
  9. リスク・副作用・注意点
  10. 関連記事
  11. 関連施術・関連症状のご案内
  12. 執筆・監修
  13. 参考にした一次情報・ガイドライン
  14. よくあるご質問

両頬へルビーフラクショナル5回と外用を併用

この症例では、ルビーフラクショナルトーニングを5回行い、自宅ではハイドロキノンと0.25%レチノール配合のスキンブライセラム0.25を使用しました。写真は上下2段に両頬のbefore・afterを並べています。

治療前は頬に細かな褐色斑と色むらが広がり、表面に小じわもみられます。5回後は細かなシミが薄くなり、くすみと色むら、頬の小じわ、表面のなめらかさ、ハリが整った経過です。

レーザー、ハイドロキノン、レチノールの役割

694nmのルビーフラクショナルは、全顔に点在するメラニンを点状に照射し、シミと色むらを治療します。照射ごとの赤み、乾燥、微細なかさぶたが落ち着いたことを確認して次の設定を決めます。

ハイドロキノンはチロシナーゼを阻害してメラニン生成を抑える目的、スキンブライセラム0.25はレチノールによって色むら、肌表面、小じわを整える目的で組み込みます。スキンブライセラム0.25は化粧品のレチノール製品であり、医薬品のトレチノインとは区別します。

ハイドロキノンを色調管理の土台にし、レーザーを別の工程として組み合わせる理由として、ハイドロキノン単剤とハイドロキノン・トレチノイン・ステロイドの三剤配合は有効性の根拠が多く、レーザー・光治療は結果が混在し、皮膚刺激、乾燥、灼熱感、赤み、PIHが主な副反応だったとの報告がありました(参考文献1)。

スキンブライセラム0.25を週2回から先に始める

当院の外用手順では、最初にスキンブライセラム0.25を夜1プッシュ、週2回で始め、2週間続けます。赤み、乾燥、皮むけ、ひりつきが強くないことを確認してから、ハイドロキノン製品のミラミンを洗顔・化粧水後に毎夜0.5プッシュ加えます。

ミラミンを数日使用して問題がなければ毎夜1プッシュへ増やし、さらに数日後に毎朝・毎夜1プッシュへ進みます。二つの外用を同じ日に増量せず、どちらの製品で反応が出たかを確認できる順番にします。

使用頻度を段階的に増やし、ハイドロキノンは休薬する

ミラミンを毎朝・毎夜1プッシュまで増やした後、スキンブライセラム0.25は夜1プッシュのまま、週3回、4回、5回、6回、毎日へ数日ずつ段階的に増やします。0.25を使い切り、毎日使用しても皮膚炎がない場合に0.5への変更を検討します。

ミラミンは最大6か月連続で使用した後、3か月の休薬期間を設けて再開します。かゆみを伴う赤みやかぶれが出た場合は予定回数まで続けずに中止し、接触皮膚炎と照射後反応を分けて確認します。

照射当日は休止し、皮膚が回復してから一製品ずつ戻す

外用の開始日や増量日はレーザー照射日と分けます。照射予定部位に赤み、皮むけ、ひりつき、かゆみが残る場合は両方の外用を休止し、皮膚炎が治まってから照射します。照射当日はハイドロキノンとスキンブライセラムを塗布しません。

照射後は洗顔、保湿、紫外線対策を先に行い、赤み・熱感・微細なかさぶたが落ち着くまで二つの外用を休止します。再開時はスキンブライセラム0.25を夜・週2回へ戻し、数日間問題がなければミラミンを毎夜0.5プッシュから加えます。

レチノールでは乾燥、皮むけ、赤み、ひりつき、ハイドロキノンでは刺激性皮膚炎、かぶれ、長期・不適切使用による色調変化が起こることがあります。照射後のかさぶたは剥がさず、毎日SPF30以上の遮光を行います。

外用刺激が残る皮膚へ強い照射を重ねず、照射後のPIHまで見て出力を決める理由として、強い照射と穏やかな照射で除去率に差がなかった一方、ルビーレーザー後のPIHは強い照射33.33%、穏やかな照射7.47%だったとの報告がありました(参考文献2)。

Clinical View

診療で確認するポイント

  • 診察では、両頬の細かなシミ、くすみ、色むら、小じわを同じ角度の写真で記録し、ハイドロキノンとレチノールの最終使用日・量・頻度も一緒に確認します。
  • 外用はスキンブライセラム0.25を週2回で先に始め、2週間後にミラミン0.5プッシュを加え、二つを別々の日程で増量します。
  • 照射前に赤み、皮むけ、ひりつきが残っていれば外用とレーザーをいったん止め、皮膚表面が回復してから5回の照射計画へ戻します。
  • 照射後も二つを同時に再開せず、スキンブライセラム0.25、ミラミンの順に低頻度・少量から戻し、次回来院時に色素と刺激反応を見直します。

Comparison

治療選択の比較

治療・対応 向く状態 向かない/慎重な状態 回数の目安 ダウンタイム 費用(税込) 承認状況
ルビーフラクショナル/トーニング 多発する表在性色素、色むらの一部 活動性肝斑、炎症、診断未確定病変 複数回、毎回反応を再評価 赤み、乾燥、微細なかさぶた、PIH、色素脱失 全顔1回16,500円/初回5回66,000円/継続5回55,000円 機器・照射法・使用目的ごとに承認を確認
ハイドロキノン外用 肝斑・PIH・色調管理の一部 刺激性皮膚炎、診断未確定病変、長期不適切使用 数か月ごとに診察・休薬 赤み、乾燥、かゆみ、かぶれ、色調変化 製品・処方により異なる 製品・濃度・目的ごとに承認確認
レチノール/レチノイド 角化・色調管理の補助 妊娠等の禁忌、強い皮膚炎、照射直前後 低頻度から調整 A反応、赤み、皮むけ、乾燥 製品・処方により異なる 化粧品・医薬品と目的ごとに確認

費用の目安

  • 全顔(看護師施術)1回 ¥16,500 / 1クール目5回 ¥66,000 / 2クール目以降5回 ¥55,000 / 医師施術 1回 ¥27,500

当院症例はルビーフラクショナル5回と外用製品を併用しています。レーザー料金に外用製品代は含まれず、総額は処方内容で変わります。

リスク・副作用・注意点

  • 照射後に赤み、熱感、腫れ、かさぶた、炎症後色素沈着、色素脱失が生じることがあります。
  • ハイドロキノンでは刺激性皮膚炎、赤み、かぶれ、長期・不適切使用による色調変化に注意が必要です。
  • レチノールでは乾燥、皮むけ、赤み、ひりつきが生じ、レーザー前後は休薬が必要な場合があります。

レーザーと外用の刺激を重ねすぎないよう、皮膚反応に応じて使用頻度と照射時期を調整します。

Doctor Review

執筆・監修

執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)

References

参考にした一次情報・ガイドライン

  1. McKesey J, Tovar-Garza A, Pandya AG. Melasma Treatment: An Evidence-Based Review. Am J Clin Dermatol. 2020;21(2):173-225.

    肝斑治療のエビデンスレビュー

    研究デザイン: 無作為化試験・比較試験を対象にしたエビデンスレビュー / 対象: 2018年10月までの肝斑113研究、6,897人。外用、ケミカルピーリング、レーザー・光機器、内服を評価した。 / 結果: ハイドロキノン単剤と三剤配合外用が最も有効で研究数も多く、レーザー・光治療は結果が混在し、主な副反応は皮膚刺激、乾燥、灼熱感、赤み、PIHだったとの報告がありました。 / 限界: 研究設計、肌タイプ、製剤、評価方法が不均一で、小規模研究と短期追跡が多い。スキンブライセラム0.25、ミラミン、当院症例と同じルビーフラクショナル5回の組み合わせや使用順序を直接評価していない。

  2. Negishi K, Akita H, Tanaka S, Yokoyama Y, Wakamatsu S, Matsunaga K. Comparative study of treatment efficacy and the incidence of post-inflammatory hyperpigmentation with different degrees of irradiation using two different quality-switched lasers for removing solar lentigines on Asian skin. J Eur Acad Dermatol Venereol. 2013;27(3):307-312.

    アジア人の日光黒子に対する照射強度とPIHの比較

    研究デザイン: Qスイッチルビーと周波数倍化Nd:YAGを、強い・穏やかな照射終点で比較した研究 / 対象: Fitzpatrick III〜V型のアジア人193人、日光黒子355病変。4群に分けて1回照射し、4週後に評価した。 / 結果: 4群で除去率に有意差はなく、PIHはルビー強照射33.33%、ルビー穏やかな照射7.47%、Nd:YAG強照射23.18%、Nd:YAG穏やかな照射8.47%だったとの報告がありました。 / 限界: 日光黒子への単回スポット照射の比較で、フラクショナル照射、全顔5回治療、ハイドロキノン・レチノール併用、照射前後の外用休止・再開を検証した研究ではない。

  3. PMDA

    医薬品・医療機器情報の確認

    製品・濃度・目的ごとの国内承認確認先。

  4. J Cosmet Dermatol. 2022

    Melasma clinical trial outcomes systematic review

    36件の盲検RCT、47比較。

  5. J Clin Aesthet Dermatol. 2020

    Sunscreen in melasma and PIH

    関連文献9報。UVA・UVB・可視光を整理。

よくあるご質問

Q. この症例では何を組み合わせましたか?

ルビーフラクショナルトーニング5回と、自宅でのハイドロキノン、スキンブライセラム0.25を組み合わせました。両頬の色むら、くすみ、細かなシミ、小じわ、ハリを写真で比較しています。

Q. ハイドロキノンとレチノールは、どちらから始めますか?

まずスキンブライセラム0.25を夜1プッシュ、週2回で2週間使用します。その後、ミラミンを毎夜0.5プッシュから加え、肌反応を見ながら1プッシュ、毎朝・毎夜へ進めます。

Q. ハイドロキノンはどのくらい続けますか?

当院のミラミン使用手順では、最大6か月連続で使用した後、3か月の休薬期間を設けます。かゆみ、赤み、かぶれが出た場合は期間を待たずに中止します。

Q. レーザー当日も外用できますか?

照射当日はハイドロキノンとスキンブライセラムを休止します。照射後の赤み、熱感、微細なかさぶたが落ち着いてから、スキンブライセラム0.25を週2回、ミラミンを毎夜0.5プッシュの順で再開します。

Q. スキンブライセラム0.25はトレチノインと同じですか?

同じではありません。スキンブライセラム0.25は0.25%レチノール配合の化粧品で、医薬品のトレチノインとは成分、作用の強さ、使用方法、安全情報を分けて扱います。

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