症例紹介

ポテンツァ3回後にトライフィルプロ2回を追加したニキビ跡症例

20代の頃から残る頬のニキビ跡へ、ポテンツァとマックームを3回行い、その後にトライフィルプロ瘢痕モードとジュベルックを2回追加した症例です。面で広がる凹凸を先に整え、残った局所の影へ治療を切り替えた経過を解説します。

Medical Information

この記事について

監修日
2026年8月9日
公開日
2025年10月27日
実質更新日
2026年8月9日
頬斜位で比較したポテンツァ3回とトライフィルプロ瘢痕モード2回前後のニキビ跡症例

Contents

目次

  1. 頬斜位で、ポテンツァ3回とトライフィルプロ2回の経過を比較します
  2. 最初の3回は、頬全体へ広がる凹凸をポテンツァで治療しました
  3. 残った局所の凹みへ、トライフィルプロ瘢痕モードを2回追加しました
  4. 次の治療は、残った影の広がりと皮膚の動きから決めます
  5. 診療で確認するポイント
  6. 治療選択の比較
  7. 費用の目安
  8. リスク・副作用・注意点
  9. 関連記事
  10. 関連施術・関連症状のご案内
  11. 執筆・監修
  12. 参考にした一次情報・ガイドライン
  13. よくあるご質問

頬斜位で、ポテンツァ3回とトライフィルプロ2回の経過を比較します

治療前の頬斜位では、頬中央から外側に毛穴と細かな凹凸が広がり、その中に光が当たると影になる凹みが見えます。患者さんは、画像内に示した範囲の凹みが目立つことを気にされていました。

ポテンツァとマックームを3回行い、その後、トライフィルプロ瘢痕モードとジュベルックを2回追加しました。治療後は細かな影が浅くなり、患者さんからは『普段はファンデーションをつけなくても気にならなくなりました』と伺いました。

最初の3回は、頬全体へ広がる凹凸をポテンツァで治療しました

ポテンツァは針先から真皮へRFを届け、頬に面として広がる浅い凹凸と毛穴を治療します。この症例ではマックームを併用し、3回の治療で頬全体の凹凸が滑らかになった経過を確認しました。

3回後は、広く連続する細かな影と、同じ位置に残る局所の深い影を分けます。面状の凹凸が減ったあとも皮膚を下へ引く瘢痕が残るときは、同じ治療を重ねるのではなく、局所の癒着を次の標的にします。

頬全体の凹凸をRFマイクロニードリングとポリ乳酸系薬剤で先に治療する根拠として、6か月後の皮膚の質感と瘢痕体積は、RF単独側よりポリ乳酸併用側で有意に大きく改善し、75%を超える改善を実感した割合も併用側で高かったとの報告がありました(参考文献1)。

残った局所の凹みへ、トライフィルプロ瘢痕モードを2回追加しました

トライフィルプロ瘢痕モードは、医師が凹みを1か所ずつ確認して治療する局所モードです。炭酸ガスで浅い真皮の瘢痕組織を水平方向へ剥離し、できた空間へジュベルックを注入して、再び炭酸ガスで周囲へ広げます。

この症例では、ポテンツァ3回後に残った局所の影へ、トライフィルプロ瘢痕モードとジュベルックを2回行いました。頬全体をもう一度均一に治療するのではなく、残る凹みの位置に合わせて治療範囲を絞っています。

残った局所の凹みへ炭酸ガス剥離とジュベルックを重ねる根拠として、トライフィルプロとジュベルックを1回使用すると、4週後に全例で瘢痕の深さと輪郭が改善し、満足度VASは7〜9だったとの報告がありました(参考文献2)。

次の治療は、残った影の広がりと皮膚の動きから決めます

治療後は赤み、腫れ、内出血、針跡、皮下気腫が落ち着いてから、治療前と同じ頬斜位と斜めからの光で撮影します。頬全体の粗さ、毛穴、局所の引き込みを別々に記録し、日常で気になる見え方も一緒に確認します。

広く浅い凹凸が残ればRFマイクロニードリング、浅く限局した引き込みが残ればトライフィルプロ瘢痕モード、広く深い癒着が残れば手動サブシジョンへ役割を分けます。

Clinical View

診療で確認するポイント

  • 頬のニキビ跡は、正面と斜位、斜めからの光で、面状の細かな凹凸と局所に深い影を作る凹みを分けます。
  • まずポテンツァで広い範囲の凹凸を治療し、3回後に同じ位置へ残る影と触診上の引き込みを確認してから、トライフィルプロ瘢痕モードの治療点を決めます。
  • 2回後は腫れが落ち着いた状態で再撮影し、残る所見が面状か局所か、癒着が浅いか深いかに合わせて次の方法を選びます。

Comparison

治療選択の比較

治療・対応 向く状態 向かない/慎重な状態 回数の目安 ダウンタイム 費用(税込) 承認状況
ポテンツァ+マックーム 頬全体へ広がる浅い凹凸、毛穴、表面の粗さ 一点の深い引き込みだけが主な状態、活動性の炎症・感染 症例は3回後に残存所見を再評価 痛み、赤み、腫れ、点状出血、針跡、痂皮、乾燥、色素沈着 全顔3回188,100円+マックーム22,000円×3回=254,100円(税込、麻酔別) 要確認
トライフィルプロ瘢痕モード+ジュベルック ポテンツァ後に残る浅く限局した引き込み 赤み・色素・毛穴だけが主な状態、広く深い癒着、活動性の炎症・感染 症例は2回。回復後に同じ頬斜位で再評価 赤み、腫れ、内出血、疼痛、針跡、点状出血、皮下気腫、硬結、色素沈着 1か所・ジュベルック込み18,000円×治療か所数×2回(税込) 要確認
手動サブシジョン 広く深い癒着があり、局所のガス剥離だけでは解除しにくい状態 浅い面状凹凸、毛穴、赤み・色素だけが主な状態 1回後に皮膚の動きと斜光の影を再評価 赤み、腫れ、内出血、疼痛、血腫、硬結、感染、色素沈着 2×2cm 33,000円/5×5cm 66,000円(税込、薬剤別) 要確認

費用の目安

  • ポテンツァ 瘢痕治療・薬剤導入 全顔:3回188,100円(税込)
  • 薬剤 マックーム:1回+22,000円。3回分を含む合計254,100円(税込、麻酔別)
  • ポテンツァ施術時の表面麻酔:1回6,600円(税込)
  • トライフィルプロ シワ・瘢痕治療:1か所・ジュベルック込み18,000円(税込)
  • 手動サブシジョン:2×2cm 33,000円/5×5cm 66,000円(税込、薬剤別)

症例のトライフィルプロは2回だが、1回に治療したか所数が元素材にないため、18,000円×治療か所数×2回で示した。ポテンツァの表面麻酔は使用回数に応じて別途。

リスク・副作用・注意点

  • ポテンツァ・マックーム:痛み、赤み、腫れ、点状出血、針跡、痂皮、乾燥、色素沈着、感染、薬剤による腫れ・硬結
  • トライフィルプロ・ジュベルック:赤み、腫れ、内出血、疼痛、熱感、針跡、点状出血、皮下気腫、色素沈着、硬結・結節、感染
  • 手動サブシジョン:赤み、腫れ、内出血、疼痛、血腫、硬結、感染、血管・神経損傷、色素沈着
  • 国内承認・適応: 症例で使用したPOTENZAとマックーム、トライフィルプロとジュベルックは日本国内未承認の医療機器・製剤です。当院では医師の責任で輸入手続きを通じて入手し、自由診療で使用しています。未承認医療機器・製剤による健康被害は、国内の医薬品副作用被害救済制度等の対象外となる場合があります。

トライフィルプロ施術当日は飲酒、激しい運動、サウナ、入浴を避け、治療部位への強い圧迫と日焼けを控える。

Doctor Review

執筆・監修

執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)

References

参考にした一次情報・ガイドライン

  1. Kupwiwat R, Techapichetvanich T, Bhorntarakcharoen W, et al. Dermatol Ther (Heidelb). 2026;16(2):1089-1097. doi:10.1007/s13555-025-01626-5. PMID:41442012; PMCID:PMC12936238.

    Transdermal Delivery of Poly-L-Lactic Acid via Fractional Microneedle Radiofrequency for Atrophic Acne Scars: A Split-Face Randomized Study in Fitzpatrick Skin Types III to V

    研究デザイン: 無作為化・評価者盲検・顔面左右比較試験 / 対象: Fitzpatrick III〜V型で中等度から重度の萎縮性ニキビ跡があるアジア人24人。月1回のFMRFを2回行い、片側へPLLA、反対側へ滅菌水を導入して6か月追跡 / 結果: 6か月後、PLLA併用側は対照側より皮膚の質感(群間平均差−1.18、95%CI −2.33〜−0.03、p=0.045)と瘢痕体積(群間平均差−0.78、95%CI −1.55〜−0.01、p=0.047)が有意に改善し、75%超の改善を自覚した割合も高かったとの報告がありました。 / 限界: 24人・単施設で、Fitzpatrick I・II・VI型を含まない。使用機器、PLLA製剤、2回という回数が本症例のPOTENZA、マックーム、3回治療と異なるため、製品固有の効果や同じ改善率を示さない。研究費・スポンサーなし、掲載料は著者負担、著者は利益相反なしと申告。PMC原著全文とPubMed書誌を2026年8月9日に確認した。

  2. Yi KH, Rosellini I, Lee S, Lee HE. JPRAS Open. 2026;51:129-133. doi:10.1016/j.jpra.2026.05.001. PMID:42389218; PMCID:PMC13321042.

    Gas Subcision with PDLLA (Juvelook): Evaluating a Hybrid Mechanical-Biologic Approach for Atrophic Acne Scars

    研究デザイン: トライフィルプロによるCO2ガスサブシジョンとPDLLAを1回使用した前向き観察症例集積 / 対象: ローリング型・ボックスカー型萎縮性ニキビ跡の5人、24〜38歳、Fitzpatrick III〜V型。2週・4週に追跡 / 結果: 4週後に5人全員で瘢痕の深さと輪郭が定性的に改善し、満足度VASは7〜9。重篤な有害事象はなく、軽い一過性紅斑・浮腫は数時間で軽快したとの報告がありました。 / 限界: 対照群のない5人の症例集積で、結果は定性的評価。POTENZA後の追加、2回治療、CO2ガスとPDLLAの個別寄与、長期持続、手動サブシジョンへの優越性は示さない。本文4週・図説明24週の不一致があるため、方法・結果と一致する4週評価のみを採用。研究費・利益相反なしと申告。PubMed抄録とPMC原著全文を2026年8月9日に確認した。

  3. PMDA

    医療機器の承認審査に関する情報

    販売名、承認番号、承認範囲を確認する公的情報です。

  4. 厚生労働省

    医療広告ガイドライン

    自由診療の費用、主なリスク・副作用、未承認機器等の表示を確認する公的資料です。

よくあるご質問

Q. この症例では何を何回行いましたか?

20代の頃から残る頬のニキビ跡へ、ポテンツァとマックームを3回行い、その後、残る局所の凹みへトライフィルプロ瘢痕モードとジュベルックを2回追加しました。

Q. なぜポテンツァの後にトライフィルプロを追加したのですか?

ポテンツァ3回で頬全体の凹凸が滑らかになった後も、同じ位置に影を作る局所の凹みが残ったためです。面を治療するRFから、局所の瘢痕組織を剥離する瘢痕モードへ標的を切り替えました。

Q. トライフィルプロ瘢痕モードでは何を行いますか?

医師が凹みを1か所ずつ選び、炭酸ガスで浅い瘢痕組織を局所的に剥離します。できた空間へジュベルックを注入し、炭酸ガスで周囲へ広げます。

Q. ポテンツァ3回とトライフィルプロ2回が標準回数ですか?

掲載症例の治療回数です。3回後と2回後に同じ頬斜位で残る影を確認し、面状の凹凸、局所の引き込み、深い癒着のどれが残るかで次の回数と方法を決めます。

Q. 症例の料金と国内承認状況を教えてください。

ポテンツァ全顔3回188,100円にマックーム22,000円を各回追加すると254,100円(税込、麻酔別)です。トライフィルプロは1か所・ジュベルック込み18,000円で、この症例の治療か所数は記録にないため、2回分は18,000円×治療か所数×2回です。POTENZA、マックーム、トライフィルプロ、ジュベルックはいずれも国内未承認です。

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