赤みと皮脂へアドバテックスを行った症例|治療経過の見方
顔全体の赤みと皮脂が気になる方へ、ADVATx(アドバテックス)レーザーを2回行った症例です。正面と斜位の施術前後から、面状の赤み、皮脂による光沢、炎症性皮疹を分け、589nmと1319nmの役割、3週ごとの再評価を解説します。
Medical Information
この記事について
- 執筆医・監修医
- 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
- 監修日
- 2026年8月9日
- 公開日
- 2025年6月4日
- 実質更新日
- 2026年8月9日

Contents
目次
アドバテックス2回後を、正面と斜位で確認します
施術前は、正面と斜位の両方で頬から鼻周囲に面状の赤みがあり、頬と鼻には皮脂による光沢が見られます。アドバテックス2回後は頬と鼻周囲の赤みが淡く見え、肌表面の光沢も目立ちにくくなっています。
2回後の比較では、頬全体の色、鼻周囲の赤み、表面の光沢を同じ順序で見ます。赤みと皮脂は変化する速度が異なるため、洗顔からの時間と撮影条件をそろえ、それぞれの戻り方を次回照射へつなげます。
赤みは、面状・線状・炎症性皮疹に分けます
頬全体に広がる面状の赤み、鼻周囲に見える線状の毛細血管、ニキビに伴う点状の赤みでは照射範囲が異なります。この症例では、正面と斜位で広がる面状の赤みを全顔の経過として記録します。
589nmはヘモグロビンに反応しやすいため、面状の赤みは全顔照射、限局した血管や炎症性皮疹はスポット照射を組み合わせます。毎回、押すと色が薄くなるか、熱感やほてりを伴うか、新しい丘疹・膿疱が増えていないかを確認します。
面状の赤みへ589nmを繰り返す理由として、4回後1か月の赤みは医師評価で左右とも31%、患者評価で右23.2%・左22.8%改善したとの報告がありました(参考文献1)。
皮脂は、施術後3週ごろの戻り方を見ます
皮脂については、施術から3週ほどで減少の実感が弱まりやすい経過を想定し、間隔を空けすぎないよう次回時期を決めます。額・鼻・頬の光沢、面皰の増減、夕方のべたつきを部位ごとに記録します。
1319nmは水に吸収されて真皮へ熱を加える波長で、皮脂や肌質を扱うときに使います。治療前後の皮脂を比べるときは、洗顔料、保湿剤、外用薬、洗顔から撮影までの時間をそろえ、乾燥による反射を皮脂と取り違えないようにします。
赤みと皮脂を同じ経過で追う理由として、二波長5回後1か月に赤みのある人の65.5%が75%を超える改善を示し、85%が皮脂の減少を実感したとの報告がありました(参考文献2)。
589nmと1319nmは、残る所見に合わせて順序を決めます
全顔では、まず面状の赤みと炎症性皮疹の分布を確認し、589nmで扱う範囲を決めます。次に、皮脂による光沢、毛穴の影、肌の厚みを見て、1319nmを重ねる範囲を決めます。
2回後に赤みが先に薄くなり、皮脂が戻る場合は1319nmの経過を中心に再評価します。反対に、皮脂が落ち着いても線状血管や点状の赤みが残る場合は、589nmのスポット照射を含めて次回の範囲を調整します。
炎症性ニキビがあるときは、外用治療と役割を分けます
赤みの中に新しい丘疹・膿疱がある場合は、面状の赤みだけを照射せず、面皰と炎症性皮疹の数を記録します。ベンゾイル過酸化物やレチノイドなどの標準的な外用を続け、レーザーは赤み・皮脂・炎症を補助する位置づけで加えます。
治療後は、丘疹・膿疱が減っているか、乾燥や落屑が強くなっていないかを確認します。外用刺激が強いときは肌を整え、炎症が落ち着いた後に589nmと1319nmの照射範囲を見直します。
炎症性丘疹・膿疱が残るときに外用を続ける理由として、2.5%ベンゾイル過酸化物に二波長を4回追加した側は3か月後の皮疹数が46%、外用のみの側は29%減少し、群間差は有意でなかったとの報告がありました(参考文献3)。
Clinical View
診療で確認するポイント
- 正面と斜位を同じ照明で撮影し、頬から鼻周囲へ広がる面状の赤みと線状血管を分けます。
- 洗顔からの時間をそろえ、額・鼻・頬の光沢、面皰、新しい丘疹・膿疱を部位ごとに記録します。
- 589nmで扱う血管・炎症と、1319nmで扱う皮脂・真皮の範囲を決め、2回後に残る所見から次の波長と照射範囲を選びます。
- 皮脂は施術後3週ごろ、赤みは同じ撮影条件で再評価し、外用刺激や日焼けがある場合は肌を整えてから次回へ進みます。
Comparison
治療選択の比較
| 治療・対応 | 向く状態 | 向かない/慎重な状態 | 回数の目安 | ダウンタイム | 費用(税込) | 承認状況 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ADVATx 589+1319nm 全顔 | 頬から鼻周囲へ広がる面状の赤みと、皮脂による光沢が重なる状態 | 強い皮膚炎、感染、日焼け直後、診断が確定していない色素病変がある状態 | 症例は2回後。3週ごろの皮脂と赤みを確認しながら複数回を調整 | 熱感、刺激感、赤み、ほてり、腫れ、乾燥。まれに水疱、熱傷、色素変化 | 全顔・スポット込み1回30,000円、5回139,000円 | 国内未承認医療機器 |
| ADVATx 589nm スポット | 全顔照射後も限局して残る線状血管、点状の赤み、炎症性皮疹 | 顔全体の皮脂・毛穴・肌質だけが主で、血管性所見が乏しい状態 | 全顔の反応を確認し、残る部位だけを追加 | 照射部の赤み、熱感、腫れ、乾燥、色素変化、水疱、熱傷 | 1cm×1cmまで6,600円、超過は1cm2ごと4,400円 | 国内未承認医療機器 |
| ニキビの標準的な外用・内服治療 | 面皰、炎症性丘疹・膿疱が続き、新しい瘢痕を防ぎたい状態 | 薬剤の禁忌や強い刺激反応があり、処方の見直しが必要な状態 | 数週から数か月、皮疹数と副作用を見ながら継続 | 乾燥、赤み、ひりつき、落屑など薬剤ごとの副作用 | 診断、保険診療の区分、処方薬により異なる | 販売名・適応・用法を薬剤ごとに確認 |
費用の目安
- アドバテックス 589+1319nm 全顔・スポット照射込み:1回30,000円/5回139,000円(税込)
- 顎下オプション:1回6,000円(税込)
- 589nmスポット・医師施術:1cm×1cmまで6,600円/超過は1cm²ごと4,400円(税込)
自由診療です。本症例は2回後の経過ですが、施術当時の支払額は記録されていないため、症例総額は算出していません。
リスク・副作用・注意点
- 照射中の熱感・刺激感、照射後の一時的な赤み、ほてり、腫れ、乾燥、ひりつき
- 水疱、熱傷、炎症後色素沈着、色素脱失、炎症性ニキビの一時的な増加、感染
- 日焼け直後、照射部位の感染、強い皮膚炎がある場合は照射を延期
- 国内承認・適応: ADVATxは日本国内で医薬品医療機器等法上の承認を受けていない医療機器です。当院では医師の責任のもと、適法な輸入手続きにより入手しています。米国FDA 510(k) K250189では589nm・1319nmそれぞれの使用目的でクリアランスを取得していますが、米国でのクリアランスは日本の承認とは異なります。未承認医療機器による健康被害は、医薬品副作用被害救済制度等の対象外となる場合があります。
強い痛み、急に広がる腫れや赤み、水疱、皮膚の白色・灰色・暗紫色変化、膿や発熱がある場合は、予定日を待たずご連絡ください。
Doctor Review
執筆・監修
執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
References
参考にした一次情報・ガイドライン
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Use of a novel 589-nm solid-state laser for treatment of facial erythema
研究デザイン: 顔面紅斑へ589nm固体レーザーを月1回・計4回照射した前向き単群研究 / 対象: 顔面紅斑の治療を希望した24人。女性16人、男性8人、平均年齢51.1歳。 / 結果: 最終照射1か月後、医師評価の赤みは左右とも31%改善し、患者評価は右23.2%、左22.8%改善した。副作用は一過性の照射後紅斑に限られた。 / 限界: 対照群がなく、赤みの原因・皮膚型・長期再発を比較していない。本症例の2回照射、1319nm、皮脂の変化を検証していない。PubMed書誌・抄録と出版社公開の抄録・利益相反表示を2026年8月9日に確認し、原著全文は取得していない。
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Efficacy and Safety of Solid-state Dual-wavelength Lasers for the Treatment of Moderate-to-severe Inflammatory Acne in Asian Populations
研究デザイン: 夜の外用レチノイドに589/1319nmレーザーを2〜3週間隔で5回併用した前向き単群研究 / 対象: アジア人の中等症〜重症炎症性ニキビ40人。全員を最終照射1か月後に評価し、15人は3か月後も評価した。 / 結果: 最終照射1か月後、炎症性皮疹は40人中29人で75%を超えて減少した。赤みのあった29人では65.5%が75%を超えて改善し、40人中34人が皮脂の減少を実感した。平均疼痛は3.68/10だった。 / 限界: 対照群がなく全員が外用レチノイドを併用し、皮脂は患者の自己評価で機器測定ではない。3か月評価は15人のみ。本症例の2回照射、皮脂が3週後に戻る時期、各波長の単独効果を直接検証していない。PMC原著全文を2026年8月9日に確認した。
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Efficacy and safety of the 589/1319 nm solid-state dual-wavelength laser combined with topical benzoyl peroxide for inflammatory acne vulgaris: a split-face randomized controlled trial
研究デザイン: 顔全体へ2.5%ベンゾイル過酸化物を18週間外用し、無作為に選んだ片側へ589/1319nmレーザーを2週間隔で4回追加した単盲検左右比較試験 / 対象: 左右それぞれに炎症性丘疹・膿疱が2個以上ある軽症〜中等症ニキビ18人。最終照射後3か月まで追跡した。 / 結果: 3か月後の炎症性皮疹数はレーザー併用側46%、ベンゾイル過酸化物単独側29%減少したが、群間差は有意でなかった。平均疼痛は3.4/10で重篤な有害事象はなかった。 / 限界: 18人の小規模・単施設研究で、両側ともベンゾイル過酸化物を使用し、レーザー単独効果を示さない。顔全体の面状赤み、皮脂の機器測定、本症例の2回照射を直接検証していない。PMC原著全文を2026年8月9日に確認した。
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医療広告ガイドライン
自由診療の費用、主なリスク・副作用、未承認機器等の表示を確認する公的資料です。
よくあるご質問
Q. この症例はアドバテックスを何回受けていますか?
正面と斜位のBeforeに対して、アドバテックス2回後を比較した症例です。頬と鼻周囲の赤み、皮脂による光沢を同じ撮影条件で確認します。
Q. 赤みと皮脂はどのように分けて見ますか?
赤みは面状の広がり、線状血管、炎症性皮疹に分けます。皮脂は額・鼻・頬の光沢、面皰、夕方のべたつきを確認し、洗顔からの時間をそろえて比較します。
Q. 589nmと1319nmは何が違いますか?
589nmはヘモグロビンに反応しやすく、赤み・血管・炎症を扱う波長です。1319nmは水に吸収されて真皮へ熱を加え、皮脂や肌質を扱うときに使います。
Q. なぜ施術後3週ごろに再評価しますか?
皮脂減少の実感が弱まり始める時期として、額・鼻・頬の光沢と新しい皮疹を見直すためです。赤み、乾燥、日焼け、外用刺激も確認し、次回の波長と範囲を決めます。
Q. 治療後に早めの連絡が必要な症状はありますか?
強い痛み、急に広がる腫れや赤み、水疱、皮膚の白色・灰色・暗紫色変化、膿や発熱がある場合は、予定日を待たずご連絡ください。
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