ニキビ・赤みへポテンツァとアドバテックスを組み合わせた症例
10年間、頬とフェイスラインに繰り返していたニキビと顔全体の赤みへ、ポテンツァ2回とアドバテックス3回を行った症例です。正面・両斜位では炎症性皮疹と面状の赤みが減り、浅い凹みと一部の赤みが残っています。二つの治療の役割と、今後の維持治療を解説します。
Medical Information
この記事について
- 執筆医・監修医
- 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
- 監修日
- 2026年8月9日
- 公開日
- 2025年7月12日
- 実質更新日
- 2026年8月9日

Contents
目次
10年間繰り返す頬・フェイスラインのニキビを3方向で比較
左列が治療前、右列がポテンツァ2回・アドバテックス3回後で、上段と下段は左右の斜位、中段は正面です。治療前は頬から顎、フェイスラインへ赤い丘疹が点在し、顎には炎症の強い皮疹、頬には面状の赤みと浅い凹凸がみられます。
治療後は頬・顎の盛り上がった赤い皮疹が減り、正面と両斜位で顔全体の赤みが淡く見えます。頬には浅いニキビ跡の凹凸と小さな赤みが残るため、治療終了ではなく、再燃を抑えながら残る所見を追う段階です。
ポテンツァ2回は凹凸・毛穴と肌質を面で扱う役割
ポテンツァは微細な針を真皮へ入れ、針先からRF(高周波)を加える治療です。この症例では、頬へ広く残る浅い凹凸、毛穴、炎症後の肌質変化を面として治療し、マックーム(PLLA製剤)を同時に導入しました。
RF後の再構築とPLLAによる変化は治療直後だけで判定せず、数か月かけて追います。マックームの説明では約6か月を評価期間に含め、同じ斜位の凹凸影と毛穴の反射を比較します。
RFマイクロニードリングとPLLAの変化を6か月まで追う理由として、2回治療後6か月の肌質と瘢痕体積はRFのみの側より有意に改善し、75%以上の改善を本人が評価した割合は29.2%だったとの報告がありました(参考文献1)。
アドバテックス3回は新しいニキビ・赤み・皮脂を追う役割
アドバテックス(ADVATx)は589nmと1319nmのレーザーを使い分けます。589nmは赤い丘疹や面状の赤み、1319nmは皮脂、毛穴、真皮の質感も対象にし、頬とフェイスラインへ新しい皮疹が戻る範囲を記録します。
この治療計画では3週を皮脂反応の再評価点に置き、新しい丘疹の数、洗顔後にも残る赤み、皮脂による光沢を比べます。3回後に炎症性皮疹と赤みが落ち着いたため、今後はアドバテックスで再燃をコントロールする予定です。
炎症性皮疹と赤みを2波長で同時に追う理由として、589/1319nmを5回行った後、72.5%で炎症性皮疹が75%を超えて減少し、赤みのある人の65.5%で赤みが75%を超えて改善、85%で皮脂の自己評価が低下したとの報告がありました(参考文献2)。
治療後に残る凹みと赤みから次の一手を決めます
正面では顎の炎症性皮疹、両斜位では頬の浅い凹凸と小さな赤みを分けて再評価します。新しいニキビが増えず赤みだけが残る時期は589nmを中心に、皮脂の戻りと毛穴が重なる時期は1319nmを含めて照射範囲を組みます。
凹凸影が主に残る場合は、アドバテックスの維持照射を増やすのではなく、ポテンツァで面を再治療するか、深い癒着だけを局所治療するかを斜光と触診で決めます。
3週の反応と6か月の再構築を別の時点で評価
アドバテックス後は約3週で、新しい皮疹、赤み、皮脂の戻りを確認します。ポテンツァとマックーム後は、同じ所見を短期間だけで判定せず、約6か月まで凹凸と肌質の変化を追います。
撮影は正面と左右斜位をそろえ、盛り上がった炎症性皮疹、平坦な赤い跡、影が残る凹みを同じ項目で数えます。短期の炎症コントロールと長期の瘢痕再評価を分けることで、次の治療が赤み、皮脂、凹凸のどれを対象にするか明確になります。
症例の回数でみる現行料金と国内での位置づけ
ポテンツァ薬剤導入は全顔1回66,000円、マックーム追加22,000円で、この症例の2回を1回料金で計算すると176,000円です。表面麻酔は1回6,600円です。アドバテックス全顔は1回30,000円で、この症例の3回を1回料金で計算すると90,000円です。
ポテンツァとアドバテックスは国内未承認医療機器、マックームは国内未承認製剤です。当院では医師の責任のもと適法な輸入手続きを経て使用しており、未承認の機器・製剤による健康被害は公的な救済制度の対象外となる場合があります。
Clinical View
診療で確認するポイント
- 当院では正面と両斜位で、頬・顎・フェイスラインの新しい丘疹、平坦な赤い跡、面状の赤み、浅い凹凸を別々に記録します。
- この症例では、凹凸・毛穴・肌質へポテンツァとマックームを2回、炎症性皮疹・赤み・皮脂へアドバテックスを3回組み合わせました。
- アドバテックス後は約3週で再燃を確認し、ポテンツァ後の凹凸は約6か月まで追って、維持照射と瘢痕治療を同じ時点で重ねないようにします。
Comparison
治療選択の比較
| 治療・対応 | 向く状態 | 向かない/慎重な状態 | 回数の目安 | ダウンタイム | 費用(税込) | 承認状況 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ポテンツァ薬剤導入+マックーム | 頬へ広がる浅いニキビ跡、毛穴、凹凸、肌質を面で治療する状態 | 治療部位に感染・強い炎症・開いた傷がある状態、深い局所癒着だけが主な状態 | この症例は2回。直後の反応が落ち着いた後から約6か月まで凹凸を再評価 | 痛み、赤み、腫れ、点状出血、針跡、ざらつき、痂皮、色素沈着、ニキビの一時的増加 | 全顔1回66,000円+マックーム22,000円。症例の2回は現行1回料金で176,000円、麻酔別 | ポテンツァとマックームはいずれも国内未承認 |
| ADVATx 589+1319nm 全顔 | 頬・フェイスラインの炎症性皮疹、面状の赤み、皮脂、毛穴が重なる状態 | 日焼け直後、治療部位の感染・強い皮膚炎、診断が定まっていない色素・血管病変 | この症例は3回。約3週で新しい皮疹・赤み・皮脂を再評価 | 痛み、赤み、ほてり、腫れ、乾燥、刺激感、色素沈着、水疱、熱傷 | 全顔・スポット照射込み1回30,000円。症例の3回は現行1回料金で90,000円 | ADVATxは国内未承認医療機器 |
費用の目安
- ポテンツァ 瘢痕治療・薬剤導入 全顔:1回66,000円/3回188,100円
- ポテンツァ薬剤マックーム:1回+22,000円
- この症例のポテンツァ+マックーム2回:現行1回料金で176,000円。表面麻酔2回13,200円は別途
- ADVATx 589+1319nm全顔・スポット照射込み:1回30,000円/5回139,000円
- この症例のADVATx 3回:現行1回料金で90,000円
自由診療・税込です。症例で実際に支払った当時の金額ではなく、2026年8月9日の当院料金です。施術範囲、麻酔、追加薬剤により総額が変わります。
リスク・副作用・注意点
- ポテンツァでは、痛み、赤み、腫れ、点状出血、針跡、ざらつき、痂皮、乾燥、色素沈着、感染、ニキビの一時的増加が生じることがあります。
- マックームでは、痛み、腫れ、赤み、内出血、硬結、しこり、結節、感染、遅発性炎症反応が生じることがあります。
- ADVATxでは、痛み、赤み、ほてり、腫れ、乾燥、刺激感、色素沈着、水疱、熱傷が生じることがあります。
- 国内承認・適応: 症例で用いたポテンツァとアドバテックスは日本国内未承認の医療機器、マックームは国内未承認製剤です。当院では医師の責任のもと適法な輸入手続きにより使用しています。未承認の医療機器・製剤による健康被害は、医薬品副作用被害救済制度等の対象外となる場合があります。
強い痛み、急に広がる腫れ・赤み、膿や発熱、皮膚の白色・灰色・暗紫色変化、遅れて現れる硬いしこりがある場合は予定日を待たずご連絡ください。
Doctor Review
執筆・監修
執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
References
参考にした一次情報・ガイドライン
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Transdermal Delivery of Poly-L-Lactic Acid via Fractional Microneedle Radiofrequency for Atrophic Acne Scars: A Split-Face Randomized Study in Fitzpatrick Skin Types III to V
研究デザイン: RFマイクロニードリング後、片側へPLLA、反対側へ滅菌水を導入し、2回治療後6か月まで追った無作為化・二重盲検・左右比較試験。 / 対象: Fitzpatrick III〜Vで左右対称の中等度〜重度萎縮性ニキビ跡がある24人。平均31.5歳、女性12人・男性12人。活動性ニキビは除外。 / 結果: 2回治療後6か月で、PLLA側は滅菌水側より肌質(群間平均差−1.18、p=0.045)と瘢痕体積(群間平均差−0.78、p=0.047)が有意に改善した。PLLA側で75%以上の改善を本人が評価した割合は29.2%だったとの報告がありました。 / 限界: 24人の単施設研究で、顔半側にEXIONとSculptraを用いた。POTENZA、マックーム、全顔治療、活動性ニキビを直接検証しておらず、他のRF機器・PLLA製剤へ外挿できない。瘢痕型別解析と組織評価は行っていない。 / 利益相反: 著者は利益相反なし、研究・出版の資金提供なしと申告。Springer原著全文とPubMedを2026年8月9日に確認した。
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Efficacy and Safety of Solid-state Dual-wavelength Lasers for the Treatment of Moderate-to-severe Inflammatory Acne in Asian Populations
研究デザイン: 外用レチノイドを毎晩使用し、全顔へ1319nm、続いて589nmを2〜3週間隔で5回照射した単施設前向き単群研究。 / 対象: Fitzpatrick III〜Vで中等症〜重症の炎症性ニキビがある16〜38歳の40人。15人のみ最終照射3か月後も評価。 / 結果: 最終照射1か月後、72.5%で炎症性皮疹が75%を超えて減少した。赤みのある29人中65.5%で赤みが75%を超えて改善し、40人中34人(85%)で皮脂の自己評価が低下したとの報告がありました。 / 限界: 対照群がなく全員が外用レチノイドを併用し、3か月評価は15人だけ。ADVATx単独効果、各波長単独、3回治療、3週で皮脂効果が弱まる時期、POTENZA・マックームとの併用効果を示さない。 / 利益相反: 著者は関連する金銭的利益なしと申告。医学ライティング・編集費はAdvalightが提供。PMC原著全文を2026年8月9日に再確認した。
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医療機器の承認審査に関する情報
販売名、承認番号、承認範囲を確認する公的情報です。
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医療広告ガイドライン
自由診療の費用、主なリスク・副作用、未承認機器等の表示を確認する公的資料です。
よくあるご質問
Q. この症例では何を何回受けていますか?
10年間繰り返していた頬・フェイスラインのニキビと顔全体の赤みへ、ポテンツァとマックームを2回、アドバテックスを3回行っています。治療後は盛り上がった赤い皮疹と面状の赤みが減り、浅い凹みと一部の赤みが残っています。
Q. なぜポテンツァとアドバテックスを組み合わせたのですか?
ポテンツァはRFマイクロニードリングとマックームで頬全体の浅い凹凸・毛穴・肌質を扱い、アドバテックスは589nmと1319nmで新しいニキビ、赤み、皮脂を追うためです。治療後に残る所見によって次に続ける機器を変えます。
Q. マックームの変化はいつ評価しますか?
ポテンツァ直後の赤みが引いた時点だけでなく、約6か月まで同じ斜位で凹凸と毛穴の反射を追います。RF後の再構築とPLLAによる変化は数か月かけて現れるため、短い間隔で追加量を決めません。
Q. アドバテックスはどのくらいの間隔で評価しますか?
この治療計画では約3週を再評価点にし、新しい丘疹の数、洗顔後にも残る赤み、皮脂の光沢を比べます。毎回同じ間隔に固定せず、反応が続いていれば間隔を延ばし、凹凸が主なら別の治療へ分けます。
Q. 症例と同じ回数の料金と承認状況を教えてください。
現行の1回料金では、ポテンツァ全顔66,000円+マックーム22,000円を2回で176,000円、表面麻酔は2回で13,200円、アドバテックス全顔30,000円を3回で90,000円です。ポテンツァとアドバテックスは国内未承認医療機器、マックームは国内未承認製剤で、健康被害は公的な救済制度の対象外となる場合があります。
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