症例紹介ADVATx(アドバテックス)

赤み・炎症性ニキビ・皮脂へアドバテックス5回を行った症例

頬からフェイスラインに赤みと炎症性ニキビがあり、皮脂と毛穴も気になっていた方へADVATx(アドバテックス)レーザーを5回行った症例です。左右の斜位写真で、炎症性皮疹、面状の赤み、新しいニキビ、皮脂・毛穴の変化を項目ごとに確認します。

Medical Information

この記事について

監修日
2026年8月9日
公開日
2026年3月12日
実質更新日
2026年8月9日
両頬の赤み・炎症性ニキビ・皮脂へADVATxを5回行った治療前(左)と5回後(右)の左右斜位症例

Contents

目次

  1. 5回後を、左右の斜位で比較します
  2. 炎症性ニキビと面状の赤みは、同じ写真で別々に数えます
  3. 皮脂と新しいニキビは、1319nmを続ける判断材料にします
  4. 毛穴は、皮脂と炎症が落ち着いた後に残る形を見ます
  5. 新しいニキビが続くときは、標準治療と照射の役割を分けます
  6. 5回の料金、国内未承認表示、照射後の確認点
  7. 診療で確認するポイント
  8. 治療選択の比較
  9. 費用の目安
  10. リスク・副作用・注意点
  11. 関連記事
  12. 関連施術・関連症状のご案内
  13. 執筆・監修
  14. 参考にした一次情報・ガイドライン
  15. よくあるご質問

5回後を、左右の斜位で比較します

上段と下段は、それぞれ左右の斜位を治療前とADVATx 5回後で並べた写真です。治療前は両頬からフェイスラインに赤みがあり、赤く盛り上がった炎症性ニキビが複数みられます。

5回後は、写真上で炎症性ニキビと新しい赤い皮疹が少なくなり、頬全体の赤みも目立ちにくくなっています。皮脂をコントロールしながら治療した経過として、毛穴の見え方も治療前よりなめらかに見えます。

炎症性ニキビと面状の赤みは、同じ写真で別々に数えます

炎症性ニキビは、赤く盛り上がった丘疹・膿疱の数と新しく出る部位を記録します。赤みは、個々のニキビ周囲の炎症と、頬に面で広がる血管性の赤みを分けます。

589nmはヘモグロビンへの吸収を利用し、炎症性皮疹の周囲と面状の赤みを照射する波長です。各回で丘疹・膿疱の数、赤みの範囲、照射後の熱感や乾燥を確認し、全顔照射と病変部への照射を配分します。

炎症性丘疹の数を記録し、外用治療へ補助照射を加える理由として、3か月後の炎症性皮疹は589/1319nm併用側で46%減、ベンゾイル過酸化物単独側で29%減との報告がありました(参考文献2)。

皮脂と新しいニキビは、1319nmを続ける判断材料にします

1319nmは水に吸収されて真皮へ熱を加える波長です。この症例では、皮脂の多さ、新しく生じる炎症性ニキビ、毛穴の見え方を1319nmの評価項目に置き、5回後まで追いました。

皮脂は洗顔・保湿・季節・外用薬でも変わるため、光沢に加えて次のニキビが出るまでの期間、丘疹・膿疱の数、乾燥や刺激感を記録し、1319nmを続ける範囲と次回時期を決めます。

炎症性皮疹、赤み、皮脂を項目別に追う理由として、5回後1か月に72.5%で炎症性皮疹が75%を超えて減少し、赤みのある人の65.5%で75%を超えて改善、85%で本人評価の皮脂が低下したとの報告がありました(参考文献1)。

毛穴は、皮脂と炎症が落ち着いた後に残る形を見ます

治療前は頬の皮脂性毛穴に、炎症性ニキビ周囲の腫れと赤みが重なっています。5回後は炎症性皮疹が少なくなり、写真上で毛穴も目立ちにくく見えます。

炎症が落ち着いた後も、浅い凹み、深いボックスカー型・ローリング型瘢痕、開大した毛穴が残る場合があります。ADVATxの経過評価では新生ニキビと赤みを先に確認し、残った凹凸はRFマイクロニードル、局所剥離、TCAなどの瘢痕治療を別の段階で比較します。

新しいニキビが続くときは、標準治療と照射の役割を分けます

ADVATxは、赤み・炎症性皮疹・皮脂が重なるときに組み合わせる自由診療の機器治療です。面皰や炎症性ニキビが増える場合は、使用中の外用薬・内服薬、洗浄と保湿、月経周期や摩擦などを確認し、薬物治療と照射の役割を分けます。

診察では、活動性ニキビを抑える治療を継続しながら、残る赤みと皮脂へ589nm・1319nmを配分します。炎症が落ち着いた時点で毛穴と瘢痕を再評価し、同じ照射だけを続けるのではなく次の治療目標を決めます。

新しい炎症性ニキビが続くときは、ベンゾイル過酸化物、外用レチノイド、外用抗菌薬、ドキシサイクリンを基本治療として用いることが強く推奨されたとの報告がありました(参考文献3)。

5回の料金、国内未承認表示、照射後の確認点

ADVATx 589+1319nm全顔はスポット照射込みで1回30,000円、5回139,000円です。この症例は5回後の比較で、外用薬・内服薬や他施術の併用、各回の間隔は記載されていません。

ADVATxは日本国内で医薬品医療機器等法上の承認を受けていない医療機器で、医師の責任のもと適法な輸入手続きにより入手しています。米国ではK250189として510(k)クリアランスを受けていますが、日本の承認を意味しません。

照射中の痛み・熱感、照射後の赤み、ほてり、腫れ、乾燥、刺激感、色素沈着、水疱、やけどが起こることがあります。炎症性ニキビが増える、赤みが長引く、水疱・強い痛み・痂皮が生じる場合は次回を待たず確認します。

米国FDAのK250189では、589nmに顔面毛細血管拡張・酒さ・良性血管病変など、1319nmに萎縮性ニキビ跡と軽症・中等症の炎症性ニキビなどの適応が記載されています(参考文献4)。

Clinical View

診療で確認するポイント

  • 左右の斜位で、炎症性丘疹・膿疱、ニキビ周囲の赤み、頬に面で広がる赤み、皮脂・毛穴を同じ順序で記録します。
  • 589nmは炎症性皮疹の周囲と面状の赤みへ、1319nmは皮脂と毛穴が重なる範囲へ配分します。
  • 各回後に新しく出たニキビの数、赤みの戻り、皮脂、乾燥・刺激感を確認し、薬物治療を含む治療計画と次の照射を調整します。
  • 5回後は活動性ニキビを先に再評価し、炎症が落ち着いて残る毛穴や凹みは瘢痕治療の段階へ分けます。

Comparison

治療選択の比較

治療・対応 向く状態 向かない/慎重な状態 回数の目安 ダウンタイム 費用(税込) 承認状況
ADVATx 589+1319nm全顔・スポット照射込み(掲載症例) 炎症性ニキビ、ニキビ周囲・頬全体の赤み、皮脂・毛穴が重なる状態 深い瘢痕だけが主、強い日焼け、照射部位の感染・強い皮膚炎、水疱・びらんがある状態 掲載症例は5回。各回後に新生ニキビ、赤み、皮脂、乾燥を再評価 痛み、熱感、赤み、ほてり、腫れ、乾燥、刺激感。色素変化、水疱、やけどの可能性 1回30,000円/5回139,000円 国内未承認。米国FDA K250189で波長別の複数適応に510(k)クリアランス
ニキビの標準的な外用・内服治療 面皰・炎症性ニキビが新しく生じる状態 赤み・毛穴・凹みだけが残り活動性皮疹がない状態 薬剤ごとの期間で継続し、皮疹数と副作用を再評価 乾燥、刺激、赤み、薬剤固有の副作用。内服薬は検査・妊娠回避等が必要な場合あり 保険診療・自費診療、薬剤により異なる 販売名、承認番号、承認適応を薬剤ごとに確認
炎症後に残る毛穴・萎縮性瘢痕の治療 活動性ニキビが落ち着いた後に開大毛穴、ボックスカー・ローリング型などの凹みが残る状態 炎症性丘疹・膿疱が増えている状態、感染・びらんがある状態 瘢痕型と治療法により複数回。炎症安定後に再評価 治療により赤み、腫れ、点状出血、内出血、痂皮、色素沈着など 選択する瘢痕治療・範囲の料金表を参照 使用する機器・薬剤・目的ごとに国内承認と適応外使用を確認

費用の目安

  • ADVATx 589+1319nm全顔・スポット照射込み:1回30,000円(税込)
  • 本症例と同じ5回コース:139,000円(税込)

この症例は5回後の比較です。外用薬・内服薬、他施術の併用は記載されていないため、ADVATx以外の料金を加えていません。

リスク・副作用・注意点

  • 照射中の痛み、熱感、刺激感、照射後の一時的な赤み、ほてり、腫れ、乾燥など
  • 色素沈着、色素脱失、炎症性ニキビや赤みの悪化、水疱、痂皮、やけど、まれに瘢痕など
  • 強い日焼け、照射部位の感染・強い皮膚炎、水疱・びらんがある場合は照射を延期することがあります。
  • 炎症性ニキビの増加、長引く赤み、水疱、強い痛み、痂皮は次回を待たず確認が必要
  • 国内承認・適応: 本施術で使用するADVATxは日本国内で医薬品医療機器等法上の承認を受けていない医療機器です。当院では医師の責任のもと適法な輸入手続きにより入手しています。米国ではK250189として、589nmに顔面毛細血管拡張・酒さ・良性血管病変など、1319nmに萎縮性ニキビ跡・軽症中等症炎症性ニキビなどの510(k)クリアランスがあります。これは日本の承認ではなく、1319nmによる皮脂・毛穴改善の米国適応を示すものでもありません。未承認医療機器による健康被害は、医薬品副作用被害救済制度等の対象外となる場合があります。

活動性ニキビ、面状の赤み、皮脂・毛穴の評価を分け、安全情報はこの節とFAQへ集約しました。

Doctor Review

執筆・監修

執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)

References

参考にした一次情報・ガイドライン

  1. Wanitphakdeedecha R, et al. Plast Reconstr Surg Glob Open. 2024;12(1):e5550. doi:10.1097/GOX.0000000000005550. PMID:38288412; PMCID:PMC10817014.

    Efficacy and Safety of Solid-state Dual-wavelength Lasers for the Treatment of Moderate-to-severe Inflammatory Acne in Asian Populations

    研究デザイン: 前向き単群研究。589nmと1319nmを2〜3週間隔で計5回照射し、全員が夜間にアダパレン0.1%またはトレチノイン0.025%を併用した。最終照射1か月後に評価し、15人のみ3か月まで追加追跡した。 / 対象: Fitzpatrick III〜V型の中等症〜重症炎症性ニキビ40人。女性28人、男性12人、平均23歳。 / 結果: 最終照射1か月後、29人(72.5%)で炎症性皮疹が75%超減少。赤みのある29人中19人(65.5%)で75%超改善し、34人で本人評価の皮脂が1〜3点低下した。 / 限界: 対照群がなく、外用レチノイドを同時に開始したためレーザー単独の寄与を分けられない。皮脂は10点尺度による本人評価で、毛穴の客観測定、589nm・1319nm各波長の単独寄与、本症例の設定・長期経過を示さない。PMC原著全文を2026年8月9日に再確認した。 / 利益相反: 著者は本稿内容に関する金銭的利益なしと記載。医学執筆・編集費用はAdvalightがMedical Writers Asiaへ提供した。

  2. Boonpethkaew S, Ratanapokasatit Y, Chirasuthat S, Wattanakrai P. Arch Dermatol Res. 2025;317(1):635. doi:10.1007/s00403-025-04146-6. PMID:40140055; PMCID:PMC11947063.

    Efficacy and safety of the 589/1319 nm solid-state dual-wavelength laser combined with topical benzoyl peroxide for inflammatory acne vulgaris: a split-face randomized controlled trial

    研究デザイン: 単施設・単盲検・無作為化左右比較試験。全顔に2.5%ベンゾイル過酸化物を18週間用い、無作為化した顔半側へ589/1319nmを2週ごとに4回照射し、最終照射後3か月まで追跡した。 / 対象: 両側に炎症性丘疹または膿疱がある18〜50歳の顔面ニキビ18人。タイの単施設研究。 / 結果: 3か月後の炎症性皮疹数はレーザー併用側46%減、ベンゾイル過酸化物単独側29%減だった。重篤な有害事象はなく、平均疼痛は10点中3.4だった。 / 限界: 18人の小規模左右比較で、全員がベンゾイル過酸化物を使用した。顔の左右は完全に独立せず、5回治療、レーザー単独、589nm・1319nm各波長の単独寄与、長期再発、皮脂・毛穴を直接検証していない。PMC原著全文を2026年8月9日に再確認した。 / 利益相反: 研究機器はタイの販売代理店Laser Aesthetics Co., Ltd.から貸与された。その他の利益相反なしと記載。Mahidol Universityおよび同大学Ramathibodi Hospitalの資金支援が記載されている。

  3. Reynolds RV, et al. J Am Acad Dermatol. 2024;90(5):1006.e1-1006.e30. doi:10.1016/j.jaad.2023.12.017. PMID:38300170.

    Guidelines of care for the management of acne vulgaris

    研究デザイン: American Academy of Dermatologyの診療ガイドライン。系統的レビューとGRADEを用いて18の推奨と5つのgood practice statementを作成した。 / 対象: 成人、青年、9歳以上の小児の尋常性ざ瘡を対象とする既存研究。 / 結果: ベンゾイル過酸化物、外用レチノイド、外用抗菌薬、ドキシサイクリンを強く推奨し、重症・瘢痕化・心理的負担・標準治療不応ではイソトレチノインを強く推奨した。 / 限界: 系統的レビュー時点の利用可能な根拠に基づく米国ガイドラインで、日本の承認薬・保険適用・診療環境と完全には一致しない。ADVATxの有効性、5回という回数、本症例の治療順を直接評価していない。PubMed抄録・書誌を2026年8月9日に再確認し、原著全文は取得していない。 / 利益相反: PubMed抄録に個別の利益相反記載はない。学会ガイドラインであり、個別著者の開示は全文での確認を要する。

  4. U.S. Food and Drug Administration. K250189 AdvaTx 510(k) Summary and Indications for Use. Decision date April 1, 2025.

    510(k) Premarket Notification K250189: AdvaTx

    研究デザイン: 米国FDAの510(k) substantially equivalent決定書、適応、機器概要、安全・性能比較を収載する公的規制資料。 / 対象: 589nmの適応には顔面・下肢毛細血管拡張、酒さ、良性血管・色素病変など、1319nmには小じわ、萎縮性ニキビ跡、軽症・中等症炎症性ニキビなどが記載される。 / 結果: AdvaTxは米国でK250189としてClass IIレーザー手術機器の510(k)クリアランスを受けている。 / 限界: 米国の510(k)クリアランスは日本国内の薬機法承認ではない。資料は本症例の5回結果、1319nm単独の皮脂・毛穴改善、院内設定を検証する患者臨床研究ではない。FDA PDF全11頁とPMDA医療機器検索を2026年8月9日に再確認した。 / 利益相反: 申請者AdvaLight APSが提出した規制資料をFDAが審査・公開した文書である。

  5. J Clin Aesthet Dermatol. 2019

    Treatment of facial acne with solid-state fractional 589/1319-nm laser

    9人split-face研究、4回治療。

よくあるご質問

Q. この症例は何回治療しましたか?

ADVATxを5回行いました。上段と下段は左右の斜位で、左が治療前、右が5回後です。各回の間隔や外用薬・内服薬、他施術の併用は記載されていません。

Q. 589nmと1319nmはどのように使い分けますか?

589nmは炎症性ニキビ周囲と面状の赤み、1319nmは皮脂・毛穴が重なる範囲を主な評価項目にします。両波長を使う範囲は、各回後の新生ニキビ、赤み、乾燥・刺激感で調整します。

Q. ADVATxだけでニキビ治療を続けますか?

活動性ニキビには外用薬・内服薬を含む標準治療が基本です。新しいニキビが続く場合は薬物治療とスキンケアを確認し、ADVATxは赤み・炎症・皮脂へ組み合わせる位置づけで使います。

Q. 毛穴やニキビ跡の凹みも同じ治療で見ますか?

皮脂と炎症が落ち着くことで毛穴が目立ちにくく見えることがあります。炎症後も深い凹みや癒着が残る場合は、RFマイクロニードル、局所剥離、TCAなどの瘢痕治療を別の段階で比較します。

Q. 5回の料金と国内承認状況を教えてください。

全顔・スポット照射込みで5回139,000円、1回は30,000円です。ADVATxは国内未承認医療機器です。照射後にニキビ増加、長引く赤み、水疱、強い痛み、痂皮があればご連絡ください。

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