赤み・皮脂・毛穴へアドバテックス8回を行った症例
頬の赤み、皮脂による光沢、毛穴の見え方へアドバテックスレーザーを8回行った症例です。両頬の斜位写真では、面状の赤みが淡くなり、光沢と毛穴の影も目立ちにくくなっています。8回後に残る所見を分け、次の照射範囲を決める考え方を解説します。
Medical Information
この記事について
- 執筆医・監修医
- 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
- 監修日
- 2026年8月9日
- 公開日
- 2026年4月7日
- 実質更新日
- 2026年8月9日

Contents
目次
両頬を同じ斜位で比べたアドバテックス8回後の経過
写真は上段と下段で左右の頬を示し、いずれも左が治療前、右がアドバテックス8回後です。治療前は頬中央から鼻寄りへ面状の赤みがあり、皮脂による反射と毛穴の影が目立ちます。
8回後は両頬の赤みが淡くなり、光沢が抑えられ、毛穴の影も細かく見えます。一方で、鼻寄りには軽い赤み、頬中央には毛穴の影が残っているため、赤み・皮脂・凹凸を別々に再評価します。
589nmで赤み、1319nmで皮脂・毛穴の変化を追います
アドバテックスは589nmと1319nmの二つの波長を使います。589nmは頬の面状の赤みや細い血管を対象にし、1319nmは水へ吸収される熱作用を利用して、皮脂が戻る範囲と毛穴・肌質の見え方を追います。
この症例では、毎回の評価を赤みだけで終えず、洗顔後の皮脂の戻り方、同じ斜光で見える毛穴の影まで分けます。赤みが先に落ち着いても皮脂と毛穴が残る場合は1319nmを含む全顔照射を続け、皮脂が安定して局所の赤みだけが残る場合は589nmの範囲を絞ります。
赤みと皮脂を二つの波長で追う理由として、589/1319nmを5回行った後、赤みのある人の65.5%で赤みが75%を超えて改善し、85%で皮脂の自己評価が低下したとの報告がありました(参考文献1)。
回数を重ねる間も、同じ所見を毎回記録します
赤み、皮脂、毛穴は同じ速度で変化するとは限りません。照射を重ねる間は、面状の赤みの範囲、皮脂の光沢が戻る時期、斜光下の毛穴の影を同じ撮影条件で記録し、次回も同じ範囲を照射するかを決めます。
本症例は8回後に三つの所見がいずれも目立ちにくくなっていますが、8回を一律の標準回数にはしません。途中で変化が頭打ちになれば、赤みに対する局所照射、活動性ニキビへの標準治療、瘢痕性の凹凸に対する別治療へ分けます。
赤みを複数回で追う際、589/1319nmでは2週後から改善がみられ、6回後の追跡で1段階以上の改善は72.4%だったとの報告がありました(参考文献2)。
8回後に残る赤み・皮脂・毛穴から次の治療を選びます
鼻寄りの赤みが圧迫で退色し、細い血管として残る場合は589nmのスポット照射を候補にします。皮脂の光沢が再び早く戻る場合は、1319nmを含む全顔照射を続ける範囲と間隔を調整します。
皮脂が落ち着いても毛穴の影が残る場合は、開口部の目立ち方と浅い凹みを斜光と触診で分けます。毛穴の影が瘢痕性の凹凸に由来する時は、同じレーザーの回数を増やすのではなく、RFマイクロニードリングなど真皮の再構築を目的とする治療へ切り替えます。
8回分の現行料金と国内での位置づけ
アドバテックス589+1319nmの全顔治療は、スポット照射込みで1回30,000円、5回139,000円です。本症例の8回を現行の5回コースと1回料金3回で計算すると229,000円です。症例が治療当時に支払った金額ではありません。
ADVATxは日本国内で未承認の医療機器です。当院では医師の責任のもと適法な輸入手続きにより使用しています。米国FDA 510(k) K250189のクリアランスは日本の承認とは異なり、未承認機器による健康被害は公的な救済制度の対象外となる場合があります。
Clinical View
診療で確認するポイント
- 当院では両頬を同じ斜位・照明で撮影し、面状の赤み、皮脂の光沢、毛穴の影を三つの評価項目として記録します。
- この症例ではアドバテックス8回後に三項目がいずれも目立ちにくくなり、鼻寄りの軽い赤みと頬中央の毛穴の影が残っています。
- 次回は、血管性の赤みが主なら589nmの範囲を絞り、皮脂の戻りが主なら1319nmを含む全顔照射、瘢痕性の凹凸が主ならRFマイクロニードリングへ分けます。
Comparison
治療選択の比較
| 治療・対応 | 向く状態 | 向かない/慎重な状態 | 回数の目安 | ダウンタイム | 費用(税込) | 承認状況 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ADVATx 589+1319nm全顔 | 頬の面状の赤み、皮脂による光沢、毛穴の見え方が重なる状態 | 日焼け直後、治療部位の感染・強い皮膚炎、瘢痕性の深い凹みだけが主な状態 | 本症例は8回。前回反応をみて次回の波長と範囲を調整 | 痛み、赤み、ほてり、腫れ、乾燥、刺激感、色素沈着、水疱、熱傷 | 全顔・スポット照射込み1回30,000円/5回139,000円。8回を現行料金で計算すると229,000円 | 要確認 |
| ADVATx 589nmスポット | 全顔の皮脂が安定した後も、鼻周囲などへ線状・局所の血管性赤みが残る状態 | 面状の赤み、皮脂、毛穴を全顔で同時に治療したい状態 | 血管の太さと前回反応をみて調整 | 痛み、赤み、ほてり、腫れ、色素沈着、水疱、熱傷 | 1cm×1cmまで6,600円/超過は1cm2ごと4,400円 | 要確認 |
| RFマイクロニードリング | 皮脂が安定しても斜光で残る毛穴の影、浅い瘢痕性の凹凸 | 面状の赤みと皮脂の光沢が主な状態、感染・強い炎症がある状態 | 複数回を前回反応で調整 | 痛み、赤み、腫れ、点状出血、痂皮、色素沈着 | 機器・チップ・薬剤・範囲により異なる | 要確認 |
費用の目安
- ADVATx 589+1319nm全顔・スポット照射込み:1回30,000円/5回139,000円(税込)
- 本症例の8回:現行の5回コース+1回料金3回で229,000円(税込)
- ADVATx 589nmスポット:1cm×1cmまで6,600円/超過は1cm²ごと4,400円(税込)
自由診療・税込です。本症例の治療当時の支払額ではなく、2026年8月9日の当院料金から計算しています。照射範囲、回数、併用治療により総額が変わります。
リスク・副作用・注意点
- ADVATxでは、照射中の痛み、照射後の赤み、ほてり、腫れ、乾燥、刺激感が生じることがあります。
- ADVATxでは、色素沈着、水疱、熱傷が起こることがあります。日焼け直後、照射部位に感染や強い皮膚炎がある場合は照射できないことがあります。
- RFマイクロニードリングへ切り替える場合は、痛み、赤み、腫れ、点状出血、針跡、痂皮、色素沈着、感染が生じることがあります。
- 国内承認・適応: ADVATxは日本国内で医薬品医療機器等法上の承認を受けていない医療機器です。当院では医師の責任のもと、適法な輸入手続きにより入手しています。米国FDA 510(k) K250189では589nm・1319nmそれぞれの使用目的でクリアランスを取得していますが、米国でのクリアランスは日本の承認とは異なります。未承認医療機器による健康被害は、医薬品副作用被害救済制度等の対象外となる場合があります。
強い痛み、急に広がる腫れ・赤み、水疱、皮膚の白色・灰色・暗紫色変化、膿や発熱がある場合は予定日を待たずご連絡ください。
Doctor Review
執筆・監修
執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
References
参考にした一次情報・ガイドライン
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Efficacy and Safety of Solid-state Dual-wavelength Lasers for the Treatment of Moderate-to-severe Inflammatory Acne in Asian Populations
研究デザイン: 外用レチノイドを毎晩使用し、全顔へ1319nm、続いて589nmを2〜3週間隔で5回照射した単施設前向き単群研究。 / 対象: Fitzpatrick III〜Vで中等症〜重症の炎症性ニキビがある16〜38歳の40人。15人のみ最終照射3か月後も評価。 / 結果: 最終照射1か月後、赤みのある29人中19人(65.5%)で赤みが75%を超えて改善し、40人中34人(85%)で皮脂の自己評価が1〜3点低下したとの報告がありました。炎症性皮疹は40人中29人(72.5%)で75%を超えて減少し、平均疼痛は3.68/10だった。 / 限界: 対照群がなく全員が外用レチノイドを併用し、皮脂は自己評価。3か月評価は15人のみ。炎症性ニキビを対象とし、毛穴径、本症例のADVATx単独8回、各波長の単独効果を直接検証していない。 / 利益相反: 著者は関連する金銭的利益なしと申告。医学ライティング・編集費はAdvalightが提供。PMC原著全文を2026年8月9日に再確認した。
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Efficacy and Safety of a Dual-Wavelength 589/1319 nm Laser for the Treatment of Acne Erythema: A Split-Face Randomized Controlled Trial
研究デザイン: 単盲検・左右比較の無作為化比較試験。顔の片側へ589/1319nmを2週ごとに6回、反対側へ87.4%アロエベラゲルを1日2回18週使用し、最終照射8週後まで評価。 / 対象: 両側のニキビ後紅斑がある18〜50歳30人を登録し、29人が完遂。女性27人、Fitzpatrick皮膚型IIIが19人、IVが10人、年齢中央値29歳。 / 結果: 赤みの改善はレーザー側で2週後、外用側で4週後から現れ、最終照射8週後の1段階以上改善はレーザー側21/29人(72.4%)、外用側20/29人(69.0%)で、最終時点の群間差は有意ではなかったとの報告がありました。平均疼痛は1.52/10で、重篤な有害事象はなかった。 / 限界: 小規模・短期で、タイのFitzpatrick III〜IV型と女性が中心。ニキビ後紅斑を対象とし、皮脂・毛穴、本症例のADVATx 8回を直接検証していない。 / 利益相反: 機器はタイの販売代理店から提供されたが、研究への関与はなく、著者は他の利益相反なしと申告。PMC原著全文を2026年8月9日に再確認した。
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医療機器の承認審査に関する情報
販売名、承認番号、承認範囲を確認する公的情報です。
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医療広告ガイドライン
自由診療の費用、主なリスク・副作用、未承認機器等の表示を確認する公的資料です。
よくあるご質問
Q. 8回後、写真ではどのような変化がみられますか?
両頬の面状の赤みが淡くなり、皮脂による光沢と毛穴の影も目立ちにくく見えます。鼻寄りの軽い赤みと頬中央の毛穴は残るため、次回は三つの所見を別々に評価します。
Q. なぜ589nmと1319nmを組み合わせるのですか?
589nmは赤みや細い血管、1319nmは皮脂が戻る範囲と毛穴・肌質の見え方を対象にするためです。毎回同じ配分に固定せず、赤み、皮脂、毛穴のどれが残るかで照射範囲を組みます。
Q. 毛穴が残る場合もアドバテックスを続けますか?
皮脂の光沢とともに毛穴が戻る場合は1319nmを含む照射を候補にします。皮脂が安定しても斜光下の凹みが残る場合は、瘢痕性の凹凸を確認し、RFマイクロニードリングなど別の治療へ分けます。
Q. この症例と同じ8回の料金はいくらですか?
現行料金は全顔1回30,000円、5回139,000円です。8回を5回コース+1回料金3回で計算すると229,000円です。症例が治療当時に支払った金額ではありません。
Q. アドバテックスの承認状況と主なリスクを教えてください。
ADVATxは国内未承認医療機器です。米国FDA 510(k) K250189のクリアランスは日本の承認とは異なります。痛み、赤み、ほてり、腫れ、乾燥、刺激感、色素沈着、水疱、熱傷が生じることがあり、未承認機器による健康被害は公的な救済制度の対象外となる場合があります。
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