たるみ治療でヒアルロン酸が必要になる場面
顔の老化は皮膚のたるみだけでなく、骨格や深い層のボリューム低下が影として見えることがあります。ヒアルロン酸がどのような場面で役立つのかを、当院の見方と一般的な医学情報、参考文献から整理します。
Medical Information
この記事について
- 医師監修
- 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
- 監修日
- 2024年6月27日
- 公開日
- 2024年6月27日
- 更新日
- 2026年7月8日
診療時の考え方や一般的な注意点を整理した記事です。 実際の適応や治療内容は、診察時に肌状態や経過を確認したうえでご案内します。


Contents
目次
Our Information
当院・医師の見解
当院では、たるみの相談を受けたときに、皮膚の下垂だけでなく、骨格の支持低下や深い層のボリュームロスで影が強く見えていないかを確認しています。
ヒアルロン酸は、単に『膨らませる』治療ではなく、必要な場所に必要な硬さと量を入れて、顔の支えを補う治療として位置づけています。
ご相談で多いのは、『不自然になりたくない』『入れすぎたくない』という不安で、そのため診察では凹みの原因と、引き締め治療を優先した方がよい部分を分けて説明しています。
General Medical Information
一般的な医学情報
顔の老化では、皮膚の弛緩だけでなく、骨の吸収、脂肪区画の萎縮や移動、靭帯支持の変化が重なり、凹みや影として見えることがあります。
ヒアルロン酸フィラーは、そのようなボリューム低下を補い、輪郭や支持のバランスを整えるための選択肢として広く使われています。
一方で、量を増やすほど良いわけではなく、解剖学的な層、血管走行、必要なリフトと補正の目的を分けて設計することが、安全性と自然さの両方に関わります。
顔の老化は下垂だけでなく支持の減少でも起こります
顔の老化を『皮膚がたるんだ状態』だけで捉えると、影や凹みの原因が見えにくくなることがあります。
骨格や深い層のボリュームが減ると、皮膚が余っていなくても疲れた印象やコケた印象として見えることがあり、治療の考え方が変わります。
ヒアルロン酸は影や凹みを補って支え直すときに使います
ヒアルロン酸は、しわの線だけに使うものではなく、支えが減って影になっている部分を補う目的で使うことがあります。
そのため、同じ『たるみ』でも、引き締め治療が向くのか、ボリューム補正が向くのか、あるいは両方を分けて考えるのかを整理することが重要です。
自然さは量・硬さ・深さの設計で変わります
不自然な膨らみを避けるためには、多く入れることよりも、どの層に、どの硬さの製剤を、どのくらいの量で入れるかが大切です。
診察では、必要な部分だけを支える設計にすることで、顔全体のバランスを崩さずに整えることを目指します。
費用の目安
- ヒアルロン酸注入 1本 1cc ¥77,000
- 残注入(1回のみ・6か月保管) ¥3,800
- カテラン針使用料 ¥11,000 / 前額施術料 ¥22,000 / 涙袋・唇施術料 ¥11,000
必要本数や注入部位、使う製剤の硬さで費用は変わります。修正や溶解が必要な場合はヒアルロニダーゼの費用が別途かかります。
リスク・副作用・注意点
- 注入時には痛みや腫れを伴うことがあり、部位によっては内出血が起こることがあります。
- 合併症として、アレルギーや血流障害に注意が必要です。
- 施術当日は飲酒、運動、長時間の入浴を控え、痛みや腫れ、皮膚の変色が悪化する場合は早めに相談が必要です。
自然な仕上がりには量だけでなく、製剤の硬さや注入する深さの設計が重要です。過量にならないよう、診察で適応を見極めていきます。
References
根拠文献・専門情報
-
The Facial Aging Process From the "Inside Out".
顔面老化を深部構造から整理し、治療の優先順位を考えるためのレビューです。
-
Treating Aging Changes of Facial Anatomical Layers with Hyaluronic Acid Fillers.
顔の各層の加齢変化と、ヒアルロン酸フィラーの使い分けを整理したレビューです。
-
Hyaluronic Acid Fillers for Midface Augmentation: A Systematic Review.
中顔面のボリューム補正におけるヒアルロン酸フィラーの有効性と安全性をまとめた系統的レビューです。
-
Adverse Events Associated with Hyaluronic Acid Filler Injection for Non-surgical Facial Aesthetics: A Systematic Review of High Level of Evidence Studies.
ヒアルロン酸注入に関連する有害事象を整理した高エビデンス研究の系統的レビューです。
よくあるご質問
Q. ヒアルロン酸とHIFUは同じ目的の治療ですか?
同じではありません。ヒアルロン酸は凹みや影の補正に向き、HIFUは皮膚や支持組織の引き締めを考えたいときの選択肢です。同じ『たるみ』でも役割を分けて考えることがあります。
Q. 量を多く入れるほど引き上がりますか?
必ずしもそうではありません。過量注入は不自然さにつながることがあるため、必要な場所に必要量を入れることが大切です。
Q. ヒアルロン酸で不自然になりたくないのですが相談できますか?
はい。仕上がりの希望を確認しながら、凹みの原因や向いている層を整理したうえで、量や製剤の硬さを調整していきます。
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症状の見え方や適応には個人差があります。実際の治療方針は診察で状態を確認したうえでご案内します。