医師解説シミルビーフラクショナル

ルビーレーザーと外用薬をどう組み合わせるか

ルビーレーザーで濃いシミ・薄い色むらを治療しながら、ゼオスキンのスキンブライセラム0.25(レチノール)とミラミン(ハイドロキノン)を少量から段階的に増やす方法です。照射法と外用の順序を、肌の反応に合わせて組み立てます。

Medical Information

この記事について

監修日
2026年8月9日
公開日
2024年6月19日
実質更新日
2026年8月9日

Contents

目次

  1. ルビーレーザーの3つの照射法を使い分ける
  2. スキンブライセラム0.25を先に2週間使う
  3. ミラミンとレチノールを段階的に増やす
  4. 診療で確認するポイント
  5. 治療選択の比較
  6. 費用の目安
  7. リスク・副作用・注意点
  8. 関連記事
  9. 関連施術・関連症状のご案内
  10. 執筆・監修
  11. 参考にした一次情報・ガイドライン
  12. よくあるご質問

ルビーレーザーの3つの照射法を使い分ける

ルビーレーザーは黒いメラニンへの反応を利用し、赤みやコラーゲンより色素を選択的に標的とするレーザーです。投稿では、YAGレーザーやピコレーザーと比べた特徴として示し、スポット、トーニング、フラクショナルの3つの照射法を色素の濃さと広がりで使い分けています。

投稿内の比較では、濃いシミはスポット◎・トーニング○・フラクショナル◎、薄いシミは△・◎・○、肝斑は×・△〜×・×、そばかすは○・○・○、くすみは×・◎・○です。ハリと毛穴はスポット×、トーニングとフラクショナルはいずれも△としています。

濃いシミへのスポット照射で、色素の除去と照射後のPIHを増やさないことを両立させる理由として、日光黒子の消失度は4群で有意差がなく、ルビーレーザー後のPIHは強い即時白色化を終点とした群33.33%に対し、穏やかな終点の群7.47%だったとの報告がありました(参考文献1)。

スポット照射後を4週まで追い、PIHが現れた時点で外用と次回照射の順序を見直す理由として、Qスイッチルビー照射2週後には色素斑が改善しても4週後にはPIHがしばしばみられ、トラネキサム酸内服群と非内服群でPIH発生率に有意差はなかったとの報告がありました(参考文献2)。

スキンブライセラム0.25を先に2週間使う

外用は、まずゼオスキンのスキンブライセラム0.25(レチノール)を夜1プッシュ、週2回から始め、2週間続けます。その後、洗顔と化粧水のあとにミラミン(ハイドロキノン)を毎夜0.5プッシュ加えます。

ミラミンを数日使用して肌状態に問題がなければ、毎夜1プッシュへ増やし、さらに数日後に毎朝・毎夜1プッシュへ進みます。最初から2製品を最大量で重ねず、レチノールを先に導入してからハイドロキノンを段階的に増やす順序です。

ミラミンとレチノールを段階的に増やす

ミラミンを毎朝・毎夜1プッシュへ増やした後、スキンブライセラム0.25は夜1プッシュのまま、週3回、4回、5回、6回、毎日へ数日ずつ段階的に増やします。ハイドロキノンとレチノールを一度に増やさず、反応を確かめながら次の段階へ進むのが、この投稿で示した順序です。

ミラミンは最大6か月連続で使用した後、3か月の休薬期間を設けて再開します。スキンブライセラム0.25は、使い切ったタイミングで0.5へ濃度を上げます。

Clinical View

診療で確認するポイント

  • 色素の濃さと広がりを写真で確認し、濃いシミにはスポット、薄い色むらやくすみにはトーニングを中心に、フラクショナルを含めた照射法を決めます。
  • 外用を併用するときは、スキンブライセラム0.25を週2回から先に始め、2週間後にミラミン0.5プッシュを加えます。
  • 赤み、乾燥、皮むけの出方を確認しながら、ミラミンは毎朝・毎夜へ、スキンブライセラムは週3回から毎日へ、別々に段階を進めます。次の照射時には、色素の変化と外用の反応を一緒に見直します。

Comparison

治療選択の比較

治療・対応 向く状態 向かない/慎重な状態 回数の目安 ダウンタイム 費用(税込) 承認状況
Qスイッチルビースポット 境界明瞭な日光黒子など 肝斑面、診断未確定病変、多数を一度に治療したい場合 通常1回後に経過観察 かさぶた、赤み、PIH、色素脱失 1cm²まで6,600円/以後1cm²ごと4,400円 機器・使用目的ごとに国内承認を確認
ルビーフラクショナル/トーニング 多発する表在性色素、色むらの一部 活動性肝斑、炎症、診断未確定病変 複数回、毎回反応を再評価 赤み、乾燥、微細なかさぶた、PIH、色素脱失 全顔1回16,500円/初回5回66,000円/継続5回55,000円 機器・照射法・使用目的ごとに承認を確認
外用・遮光 肝斑、PIH、再発予防、刺激を避けた維持 外用刺激が強い状態、診断未確定病変の自己治療 毎日、数か月ごとに見直し 刺激、乾燥、かぶれ、薬剤固有の副反応 製品・処方により異なる 薬剤・濃度・目的ごとに承認を確認

費用の目安

  • Qスイッチルビーレーザー スポット照射 1cm×1cmまで ¥6,600 / 1cm×1cm以上は1㎠ごとに ¥4,400
  • ルビーフラクショナルトーニング 全顔 1回 ¥16,500 / 1クール目5回 ¥66,000 / 2クール目以降5回 ¥55,000 / 医師施術 1回 ¥27,500
  • 外用剤の費用は、採用製品や処方内容、組み合わせによって異なります。

ハイドロキノンやレチノールを含む外用は、刺激の出やすさや治療の順番で提案内容が変わるため、診察時の案内をご確認ください。

リスク・副作用・注意点

  • スポット照射後は、かさぶた、一時的な赤み、炎症後色素沈着がみられることがあります。
  • フラクショナルトーニング後は、数時間程度の赤みや乾燥が出ることがあります。
  • ハイドロキノンや高濃度レチノールでは、刺激感、乾燥、皮むけ、赤みが出ることがあります。

レーザー後の外用は強く重ねるほど良いとは限らないため、刺激が出る場合は頻度や組み合わせを調整します。

Doctor Review

執筆・監修

執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)

References

参考にした一次情報・ガイドライン

  1. Negishi K, et al. J Eur Acad Dermatol Venereol. 2013;27(3):307-312. doi:10.1111/j.1468-3083.2011.04385.x.

    Comparative study of treatment efficacy and the incidence of post-inflammatory hyperpigmentation with different degrees of irradiation using two different quality-switched lasers for removing solar lentigines on Asian skin

    研究デザイン: 無作為化比較研究 / 対象: Fitzpatrick III〜V型のアジア人193例、日光黒子355病変。Qスイッチルビーまたは周波数倍化Nd:YAGを、強い即時白色化と穏やかな即時白色化の4群に分け、1回照射後4週で評価。 / 結果: 4群で色素の消失度に有意差はなく、PIHはルビー強照射33.33%、ルビー穏やかな照射7.47%、Nd:YAG強照射23.18%、Nd:YAG穏やかな照射8.47%だった。 / 限界: 4週評価で、対象は日光黒子とFitzpatrick III〜V型に限られる。フラクショナル照射、レーザートーニング、ハイドロキノンやレチノールの併用効果を検証した研究ではない。

  2. Kato H, et al. Dermatol Surg. 2011;37(5):605-610. doi:10.1111/j.1524-4725.2011.01957.x.

    A prospective randomized controlled study of oral tranexamic acid for preventing postinflammatory hyperpigmentation after Q-switched ruby laser

    研究デザイン: 前向き無作為化比較試験 / 対象: 顔面の老人性色素斑へQスイッチルビーを照射した日本人女性32人。照射後4週間、トラネキサム酸750mg/日を内服した15人と、内服しなかった17人を比較。 / 結果: 2週後には色素斑が改善したが、4週後にはPIHがしばしばみられ、トラネキサム酸内服の有無でPIH発生率に有意差はなかった。 / 限界: 32人、4週間の小規模研究で、検討したのはトラネキサム酸内服である。スキンブライセラム、ハイドロキノン、フラクショナル照射の効果や使用順序を比較した研究ではない。

  3. PMDA

    医療機器の承認審査

    レーザー機器と使用目的の国内承認確認先。

  4. J Cosmet Dermatol. 2026

    PIH prevention after laser treatment

    14 RCTの系統的レビュー。

  5. J Clin Aesthet Dermatol. 2020

    Sunscreen in melasma and PIH

    関連文献9報。UVA・UVB・可視光を整理。

よくあるご質問

Q. 濃いシミと薄いシミで照射法はどう変わりますか?

投稿内の比較では、濃いシミはスポットとフラクショナル、薄いシミはトーニングを中心に位置づけています。色素の濃さだけでなく、広がりも見て選びます。

Q. スキンブライセラムとミラミンは、どちらから始めますか?

まずスキンブライセラム0.25を夜1プッシュ、週2回で2週間続けます。その後、洗顔と化粧水のあとにミラミンを毎夜0.5プッシュから加えます。

Q. ミラミンはどのように増やしますか?

毎夜0.5プッシュを数日使い、肌状態に問題がなければ毎夜1プッシュ、さらに毎朝・毎夜1プッシュへ段階的に増やします。最大6か月連続で使用した後は、3か月の休薬期間を設けます。

Q. スキンブライセラム0.25から0.5へ上げるのはいつですか?

0.25を週3回、4回、5回、6回、毎日へ段階的に増やし、1本を使い切ったタイミングで0.5へ濃度を上げます。

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