医師解説シミ

シミ取りは、強く焼けばいいわけではありません

シミ治療では、強く一度で反応させることが必ずしも最善とは限りません。炎症後色素沈着や肌の不安定さをどう考えるかを、当院の見方と一般的な医学情報、参考文献から整理します。

Medical Information

この記事について

医師監修
形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
監修日
2026年4月26日
公開日
2026年4月26日
更新日
2026年7月6日

診療時の考え方や一般的な注意点を整理した記事です。 実際の適応や治療内容は、診察時に肌状態や経過を確認したうえでご案内します。

強いスポット照射と段階的な色素治療の違いを説明する図

Contents

目次

  1. 当院・医師の見解
  2. 一般的な医学情報
  3. 強く反応させれば良いとは限らない理由
  4. 大人の肌ではPIHの出やすさも一緒に考えます
  5. 早さと安定性のバランスをどう取るか
  6. 費用の目安
  7. リスク・副作用・注意点
  8. 関連記事
  9. 関連施術・関連症状のご案内
  10. 根拠文献・専門情報
  11. よくあるご質問

Our Information

当院・医師の見解

当院では、濃いシミでも『一度で強く取ること』を常に優先するわけではなく、炎症後色素沈着が出やすいか、肌全体が不安定ではないかを確認してから照射方法を決めています。

特に大人の肌では、光老化や慢性的な炎症が重なっていることがあり、照射後の色素の抜け方に時間がかかるケースがあります。

ご相談が多いのは、シミ自体は薄くなったのに治療後の黒ずみが長引くケースで、診察では病変だけでなく周囲の赤みや肌の揺らぎも一緒に見ています。

General Medical Information

一般的な医学情報

色素レーザーは、選択的光熱作用を利用してメラニンに反応させる治療ですが、反応が強いほど合併症が増えにくいとは限りません。

特に肌の色が濃い人や、炎症が残りやすい肌では、照射後に炎症後色素沈着が出ることがあり、治療効果の評価まで時間を要することがあります。

そのため、老人性色素斑のような病変でも、病変の性質、肌質、既往歴、ダウンタイム許容度を踏まえて、スポット照射か段階的な照射かを選ぶことが重要です。

強く反応させれば良いとは限らない理由

境界がはっきりしたシミではスポット照射が有効なことがありますが、反応を強くしすぎるほど結果が安定するわけではありません。

照射後に炎症が強く出ると、シミが薄くなったあともPIHで黒ずんで見える期間が長くなることがあります。

大人の肌ではPIHの出やすさも一緒に考えます

光老化や慢性的な炎症がある肌では、色素の排出や赤みの引き方がゆっくりなことがあります。

そのため、病変だけを急いで取るよりも、肌全体の反応を見ながら少しずつ整える設計の方が、続けやすく安定しやすいケースがあります。

早さと安定性のバランスをどう取るか

診療では、短期間で濃い色素を減らしたいのか、ダウンタイムやPIHのリスクを抑えながら進めたいのかを確認し、照射法や外用管理を決めています。

シミ治療は『強く焼くか、弱く当てるか』の二択ではなく、肌質と病変に合わせて治療量をどう配分するかが大切です。

費用の目安

  • Qスイッチルビーレーザー スポット照射 1cm×1cmまで ¥6,600 / 1cm×1cm以上は1㎠ごとに ¥4,400
  • ルビーフラクショナルトーニング 全顔 1回 ¥16,500 / 1クール目5回 ¥66,000 / 2クール目以降5回 ¥55,000 / 医師施術 1回 ¥27,500

境界がはっきりした病変ではスポット照射が候補になりますが、炎症や色ムラが気になる場合は段階的な設計を選ぶことがあります。

リスク・副作用・注意点

  • スポット照射後は、かさぶた、一時的な赤み、炎症後色素沈着がみられることがあります。
  • 炎症後色素沈着が落ち着くまで3カ月以上かかることがあります。
  • 照射後の肌は刺激に弱いため、紫外線対策、保湿、摩擦予防が大切です。

シミ治療後に黒ずんで見える期間が出ることもあるため、反応の経過を診察で確認しながら進めます。

References

根拠文献・専門情報

  1. J Cosmet Dermatol. 2025

    Treatment of Solar Lentigines: A Systematic Review of Clinical Trials.

    老人性色素斑に対する治療成績と合併症傾向を比較した系統的レビューです。

  2. J Cutan Med Surg. 2024

    Treatment of Post-Inflammatory Hyperpigmentation in Skin of Colour: A Systematic Review.

    PIHの治療と、肌色の濃い患者での配慮点を整理した系統的レビューです。

  3. Dermatol Surg. 1994

    Ineffective treatment of refractory melasma and postinflammatory hyperpigmentation by Q-switched ruby laser.

    Qスイッチルビーレーザー単独では不安定な色素病変に限界があることを示した報告です。

  4. Dermatol Surg. 2011

    Laser eradication of pigmented lesions: a review.

    色素レーザーの適応と合併症管理をまとめたレビューです。

よくあるご質問

Q. 濃いシミなら強く照射した方が早く取れますか?

有効なことはありますが、反応を強くしすぎるとPIHが長引くことがあります。病変だけでなく肌全体の状態を見て判断します。

Q. 治療後に黒ずんで見えるのは失敗ですか?

一概には言えません。照射後の炎症後色素沈着で一時的に黒ずんで見える期間があることがあり、落ち着くまで数カ月かかることがあります。

Q. 少しずつ治療する方が向くのはどんな時ですか?

赤みや肝斑が重なっている、刺激で不安定になりやすい、PIHをできるだけ避けたいといった場合は、段階的な治療設計を選ぶことがあります。

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