DENSITYとトライフィルプロの違い|たるみとニキビ跡の治療選択
当院では2024年に、たるみをRFで面として加熱するDENSITYと、炭酸ガスによるマイクロサブシジョンと薬剤注入を行うトライフィルプロの導入を決めました。輪郭のゆるみと癒着性のニキビ跡は治療する層が異なるため、所見ごとに使い分けます。
Medical Information
この記事について
- 執筆医・監修医
- 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
- 監修日
- 2026年8月9日
- 公開日
- 2024年2月25日
- 実質更新日
- 2026年8月9日

Contents
目次
たるみとニキビ跡へ、役割の異なる2台を導入しました
2024年2月、当院はDENSITYとトライフィルプロの同時導入を決めました。DENSITYは広い範囲のゆるみ、トライフィルプロは癒着性の凹みを主に扱います。
DENSITYは皮膚を切らずにRFを広い範囲へ届け、トライフィルプロは針先から炭酸ガスと薬剤を局所へ届けます。どちらも顔の見え方を整える機器ですが、輪郭を面で扱うのか、線維に引かれた凹みを点で扱うのかが異なります。
DENSITYは、輪郭のゆるみを面で加熱します
DENSITYは6.78MHzのRFを用い、1ショットの中でモノポーラRFの後にバイポーラRFを順に届けます。モノポーラは深く広い範囲、バイポーラは表層寄りを加熱する設計で、下顎縁のぼやけ、口周りのもたつき、皮膚のハリを同じ治療面の中で扱います。
正面・斜位・横顔で頬から下顎縁へ続く輪郭を記録し、頬の脂肪量、皮膚の厚み、目周りの薄さに合わせて照射範囲を分けます。局所の凹みを針で剥離する治療ではないため、ニキビ跡の癒着よりも、広い範囲の皮膚のゆるみが主訴となるときに選びます。
面状のゆるみへRFを用い、輪郭の変化と回復を別々に追う根拠として、非侵襲的RF後は肌質改善が71〜100%、引き締まり改善が52.9〜100%、患者満足が82〜100%だったとの報告がありました(参考文献1)。
トライフィルプロは、癒着性の凹みを点で治療します
トライフィルプロは、針先を真皮深層から皮下浅層へ置き、炭酸ガスを圧力をかけて送り込むことで、ニキビ跡を下へ引く線維を押し広げるマイクロサブシジョンを行います。続いてジュベルックなどの薬剤を同じ標的へ届け、凹みの底を局所的に治療します。
当院では、浅い凹凸や毛穴を広く扱う薬剤導入と、硬いボックスカー型やローリング型の凹みを一つずつ扱うシワ・瘢痕治療を分けます。斜めから光を当てた写真、皮膚を伸ばしたときの影、触診で感じる引き込みを合わせ、治療する場所を決めます。
癒着性の凹みでは、瘢痕の深さと癒着の広さに応じて、針、カニューレ、ワイヤー、鈍的ブレードなどサブシジョンの方法を使い分けるとの報告がありました(参考文献2)。
輪郭のゆるみと瘢痕の引き込みを、別の所見として選びます
下顎縁や口周りへ連続する面状のゆるみにはDENSITY、斜光で局所に影が出て触診でも引き込みを感じる萎縮性ニキビ跡にはトライフィルプロを割り当てます。機器名から選ぶのではなく、変えたい所見が面なのか点なのか、加熱が必要なのか癒着解除が必要なのかを先に決めます。
両方が重なる場合は、全顔の正面・斜位写真で輪郭を、接写と斜光で瘢痕を別々に記録します。最も変えたい見え方から一方を行い、腫れや赤みが落ち着いた後に同じ写真条件で残る所見を見直し、もう一方を加える順序を決めます。
Clinical View
診療で確認するポイント
- 最初に正面・斜位・横顔で下顎縁と口周りの連続したゆるみを撮影し、斜光・皮膚伸展・触診でボックスカー型とローリング型の引き込みを別の地図へ記録します。
- 面状のゆるみが主ならDENSITYの照射範囲を頬・口周り・下顎縁へ分け、局所の癒着が主ならトライフィルプロで治療する凹みと薬剤量を一つずつ決めます。
- 両方を治療するときは最優先の見え方から始め、回復後に同じ写真条件で輪郭と凹みを別々に比較し、残る層へ次の治療をつなげます。
Comparison
治療選択の比較
| 治療・対応 | 向く状態 | 向かない/慎重な状態 | 回数の目安 | ダウンタイム | 費用(税込) | 承認状況 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| DENSITY | 下顎縁や口周りに連続する面状のゆるみ、皮膚のハリ低下 | 癒着した局所瘢痕が主、熱を加えられない状態 | 通常1回後に輪郭と皮膚反応を再評価 | 赤み、熱感、腫れ、圧痛。まれに熱傷、水疱、色素沈着、知覚変化 | 目周り33,000円/全顔250ショット99,000円 | 要確認 |
| トライフィルプロ薬剤導入 | 浅い凹凸、毛穴、質感の変化が面で広がる状態 | 硬く引き込まれた局所瘢痕だけが主、活動性炎症が多い状態 | 1回後に凹凸と皮膚反応を再評価し、必要時に複数回 | 赤み、腫れ、内出血、疼痛、皮下気腫、硬結、色素沈着 | 全顔300ショットまで・ジュベルック込み99,000円 | 要確認 |
| トライフィルプロ瘢痕モード | 斜光や皮膚伸展で確認できる、癒着した局所瘢痕 | 面状のたるみだけが主、活動性炎症が多い状態 | 1回後に引き込みと影を再評価し、必要時に複数回 | 赤み、腫れ、内出血、疼痛、皮下気腫、硬結、色素沈着 | 1か所・ジュベルック込み18,000円 | 要確認 |
費用の目安
- オールタイト 300ショット 1回 ¥55,000 / 3回コース ¥139,000
- ウルトラセルZi オーダーメイドハイフ 全顔+首コース 医師施術 ¥128,000
- ヒアルロン酸注入 1本 1cc ¥77,000
たるみ治療は、狙う層や併用治療の有無で費用が変わります。実際の提案内容は診察時にご確認ください。
リスク・副作用・注意点
- 一時的な赤み、熱感、腫れ、乾燥が出ることがあります。
- まれに内出血が出ることがあります。
- たるみの主因が凹みや支持低下である場合は、単独では十分に整理しにくいことがあります。
- 国内承認・適応: 国内未承認。医師の個人輸入等による使用。入手経路・海外承認・救済制度の対象外となる可能性を表示
施術後の反応や適応は個人差があるため、顔の厚みや脂肪量を診察で確認したうえで判断します。
Doctor Review
執筆・監修
執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
References
参考にした一次情報・ガイドライン
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Radiofrequency-Based Treatments for Facial Rejuvenation: A Systematic Review of Efficacy, Safety, and Patient-Centered Outcomes
研究デザイン: 2015〜2025年の非侵襲的RFによる顔・首の若返りを対象にした15研究のシステマティックレビュー。無作為化比較試験1件、前向きコホート3件、症例集積11件を含む / 対象: 計1,230人。女性1,048人、男性137人、性別不明45人。モノポーラ7研究、バイポーラ4研究、フラクショナル2研究、マルチポーラ2研究 / 結果: 肌質改善は4研究で71〜100%、引き締まり改善は2研究で52.9〜100%、患者満足は13研究で82〜100%だった。紅斑17.6〜100%、浮腫5.3〜26.5%で、収載研究では重篤な合併症は報告されなかった。 / 限界: 機器、方式、設定、評価尺度、追跡期間が不均一で、メタ解析はなく、ダウンタイムも全研究で十分に報告されていない。DENSITY固有の効果量やトライフィルプロとの比較を示さず、多くが対照のない症例集積である。著者にはJeisys Medical Inc.所属者および同社との講演・研究関係があり、論文のオープンアクセス費用は同社が負担した。
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Subcision for Atrophic Acne Scarring: A Comprehensive Review of Surgical Instruments and Combinatorial Treatments
研究デザイン: 人を対象とする萎縮性ニキビ跡のサブシジョン器具と併用治療を検索した包括的レビュー / 対象: 初回検索79研究から47研究を採用し、引用追跡で20研究を追加した。器具単独17研究、併用治療19研究、一般レビュー11研究を含む / 結果: サブシジョン器具を針、カニューレ、ワイヤー、鈍的ブレードの4群に分類し、瘢痕の深さ、線維性癒着の広さ、併用治療に応じた使い分けを報告した。 / 限界: 標準化された手技がなく、器具、治療回数、瘢痕型、併用法、評価尺度が研究間で異なる。比較対照試験が少なく、トライフィルプロの炭酸ガス式マイクロサブシジョン、ジュベルック併用、DENSITYとの比較を直接評価していない。
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医療機器の承認審査に関する情報
販売名、承認番号、承認範囲を確認する公的情報です。
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医療広告ガイドライン
自由診療の費用、主なリスク・副作用、未承認機器等の表示を確認する公的資料です。
よくあるご質問
Q. DENSITYとトライフィルプロの一番大きな違いは何ですか?
DENSITYは針を使わずRFで輪郭のゆるみや皮膚のハリを面として治療します。トライフィルプロは針先から炭酸ガスと薬剤を届け、癒着したニキビ跡の凹みを局所的に治療します。
Q. たるみとニキビ跡が両方ある場合、同日に受けますか?
輪郭と瘢痕のどちらを先に変えたいかを決め、原則は一方の回復後に残る所見を再評価します。治療範囲が重ならず、術後評価を妨げない組み方ができる場合は、同日の実施も検討します。
Q. 痛みとダウンタイムはどう違いますか?
DENSITYは深部の熱さや刺激、施術後の赤み・腫れ・熱感が中心で、まれに熱傷、水疱、色素沈着、知覚変化が起こります。トライフィルプロは針と炭酸ガスによる痛み、赤み、腫れ、内出血、皮下気腫、圧痛、感染、色素沈着、結節などが起こることがあります。
Q. DENSITYとトライフィルプロの料金はいくらですか?
2026年8月8日確認の当院料金表では、DENSITYは目周り33,000円、全顔250ショット99,000円です。トライフィルプロは薬剤導入全顔・300ショットまで(ジュベルック込み)99,000円、シワ・瘢痕治療は1か所(ジュベルック込み)18,000円です。いずれも税込の自由診療です。
Q. 2機種の国内承認状況を教えてください。
DENSITYとトライフィルプロは日本国内未承認の医療機器です。DENSITYはJeisys Medical Inc.から、トライフィルプロはメトラス社から医師が個人輸入しています。トライフィルプロは韓国MFDS承認(21-4246)を取得しています。国内に同一性能の承認医療機器はなく、未承認機器による治療は医薬品副作用被害救済制度等の対象外となる場合があります。
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