アイスピック型ニキビ跡でTCAクロスをどう使うか
TCAクロスは、アイスピック型や小型のボックス型など、細く深いニキビ跡に局所で使う治療候補です。向く瘢痕の見分け方と、当院での考え方、一般的な医学情報、参考文献を整理します。
Medical Information
この記事について
- 医師監修
- 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
- 監修日
- 2023年12月18日
- 公開日
- 2023年12月18日
- 更新日
- 2026年7月8日
診療時の考え方や一般的な注意点を整理した記事です。 実際の適応や治療内容は、診察時に肌状態や経過を確認したうえでご案内します。





Contents
目次
Our Information
当院・医師の見解
当院では、TCAクロスを『ニキビ跡全体に行う治療』としてではなく、細く深い凹みが主役のときに局所で候補になる処置として考えています。
特にアイスピック型や小型のボックス型のように、表面の開口は小さくても奥に深い瘢痕では、肌全体に行う治療だけでは足りないことがあります。
そのため診察では、活動性のニキビや赤みがどの程度残っているか、顔全体の凹凸が主体なのか、局所の深い瘢痕が主体なのかを分けて、TCAクロスを組み込むかどうかを決めています。
General Medical Information
一般的な医学情報
萎縮性ニキビ瘢痕は、アイスピック型、ボックスカー型、ローリング型に分類されることが多く、瘢痕の型と深さによって向く治療が変わります。
TCAクロスは、化学的に瘢痕の内部へ刺激を与え、再構築を促す局所治療として位置づけられ、アイスピック型や小型のボックス型で用いられることがあります。
一方で、広範囲の浅い凹凸や癒着の強い瘢痕では、RFマイクロニードリング、サブシジョン、局所注入などを組み合わせる方が考えやすいことがあります。
TCAクロスは、すべてのニキビ跡に同じように使う治療ではありません
ニキビ跡の凹みは一種類ではなく、浅く広い凹凸もあれば、細く深い凹みもあります。
TCAクロスは、顔全体の質感を一度に整える治療というより、局所の深い瘢痕へ狙いを絞って考える処置です。
アイスピック型や小型のボックス型で候補になります
当院のニキビ跡ページでも、TCAクロスはアイスピック型または小型のボックス型の小さくて深い瘢痕治療として案内しています。
開口部が小さく、奥に深い凹みでは、RFマイクロニードリングだけでなく、局所処置を組み合わせた方が考えやすいことがあります。
実際には活動性のニキビや他の瘢痕治療と合わせて組み立てます
赤みが強く残っている時期や、新しいニキビが続いている時期は、瘢痕治療だけを急がず、炎症のコントロールやホームケアの調整を先に行うことがあります。
また、局所の深い瘢痕と顔全体の浅い凹凸が混在する場合は、ポテンツァや他の瘢痕治療と役割分担しながら段階的に進める方が自然です。
費用の目安
- TCAクロス 20箇所まで ¥22,000
必要に応じて他のニキビ跡治療を組み合わせることがあります。実際の提案内容は診察時にご確認ください。
リスク・副作用・注意点
- 施術後は一時的な赤みやかさぶたがみられることがあります。
- 経過中に色素沈着が目立つことがあり、改善には時間がかかることがあります。
- 瘢痕の型や深さによって反応が異なるため、局所治療だけでなく他の治療を組み合わせることがあります。
実際のダウンタイムや注意点は、瘢痕の型、肌質、前後のスキンケアを確認したうえで診察時にご案内します。
References
根拠文献・専門情報
-
Evaluation of CROSS technique with 100% TCA in the management of ice pick acne scars.
100%TCA を用いた CROSS 法の有効性と安全性を検討した報告です。
-
Focal treatment of acne scars with trichloroacetic acid: chemical reconstruction of skin scars method.
TCA CROSS の初期報告として引用される文献です。
-
Comparison of 70% and 100% concentration of trichloroacetic acid in the CROSS technique for ice pick acne scars.
TCA 濃度の違いを比較した近年の報告です。
-
Acne Scarring Management: Systematic Review and Evaluation of the Evidence.
ニキビ瘢痕治療全体の位置づけを整理した系統的レビューです。
よくあるご質問
Q. TCAクロスはニキビ跡なら何にでも向いていますか?
一律ではありません。細く深いアイスピック型や小型のボックス型では候補になりますが、広く浅い凹凸や癒着の強い瘢痕では別の治療を組み合わせた方が考えやすいことがあります。
Q. ポテンツァだけでは足りないことがありますか?
あります。顔全体の再構築には向いていても、局所の深い瘢痕ではTCAクロスや他の局所治療を追加した方が整理しやすい場合があります。
Q. 赤みや新しいニキビがある時期でも瘢痕治療はできますか?
可能なことはありますが、活動性のニキビや刺激の強いスキンケアが残っている場合は、まず炎症を落ち着かせることを優先するケースがあります。
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症状の見え方や適応には個人差があります。実際の治療方針は診察で状態を確認したうえでご案内します。