医師解説毛穴ポテンツァ

ポテンツァとトライフィルプロの違いと薬剤の考え方

ポテンツァはRFマイクロニードリングで顔全体の毛穴・赤み・浅い凹凸を面として治療し、トライフィルプロはCO2ガスで癒着を緩め、深いニキビ跡や折りじわへ薬剤を局所導入します。当院では広い面にマックーム、局所にジュベルックを組み合わせます。

Medical Information

この記事について

監修日
2026年8月9日
公開日
2024年10月21日
実質更新日
2026年8月9日

Contents

目次

  1. ポテンツァは面、トライフィルプロは一つずつの凹みを治療します
  2. 看護師施術は均一導入、医師施術は癒着解除と局所注入です
  3. ポテフィルは深い瘢痕から浅い凹凸へ同日に重ねます
  4. ジュベルックは局所、マックームはポテンツァで広い面へ届けます
  5. 診療で確認するポイント
  6. 治療選択の比較
  7. 費用の目安
  8. リスク・副作用・注意点
  9. 関連記事
  10. 関連施術・関連症状のご案内
  11. 執筆・監修
  12. 参考にした一次情報・ガイドライン
  13. よくあるご質問

ポテンツァは面、トライフィルプロは一つずつの凹みを治療します

ポテンツァは極細針を皮膚へ刺入してRF(高周波)を照射し、針刺激と熱凝固による創傷治癒を利用して、コラーゲン再構築、皮脂、赤み、毛穴、浅い凹凸を顔全体で扱います。当院の全顔プランでは2,000ショットを使い、広い範囲に赤み・点状出血・かさぶたが出る時間を見込んで治療日を決めます。

ポテンツァのポンピングチップは、空気を流して皮膚を吸引し、針を設定深度へ入れ、モノポーラRFを照射します。針を抜くときに生じる空間へ、陽圧で薬剤を押し込む5段階です。この仕組みで、頬全体の毛穴や浅い萎縮性ニキビ跡へ同じ密度で熱と薬剤を届けます。

トライフィルプロは、一つのクレーターへCO2ガスを入れて線維性の固定を緩め、できた空間へ薬剤を注入し、再度CO2ガスで周囲へ分散する3段階です。皮脂や赤みが少なく、深さの異なる凹みが点在する場合は、一か所ずつ扱うため全顔ポテンツァより治療範囲を絞れます。

頬全体の浅いニキビ跡へRFマイクロニードリングを選ぶ理由として、単独治療後にも萎縮性ニキビ跡が改善したとの報告がありました(参考文献1)。

看護師施術は均一導入、医師施術は癒着解除と局所注入です

トライフィルプロには、看護師が行う薬剤導入モードと、医師が行うしわ・瘢痕モードがあります。薬剤導入モードは小じわ、肌質、毛穴の開大を対象に、吸引で皮膚を固定しながら液漏れを抑え、治療範囲へジュベルックを均一に届けます。

しわ・瘢痕モードは、深いニキビ跡や深い折りじわの下で固くなった線維性組織を針とCO2ガスで緩め、陥没した底面を持ち上げます。瘢痕の輪郭、深さ、大きさに沿って針先を置けるため、ボックス型や癒着を伴うローリング型へジュベルックを局所注入できます。

広い浅い凹凸と、深く固定された凹みが同じ頬にある場合は、医師施術をポテンツァと組み合わせます。先に局所の癒着を解除し、その後に全顔のRFマイクロニードリングを重ねることで、深い点と浅い面を一つの治療計画に入れます。

癒着した凹みを薬剤導入前に解除する理由として、サブシジョンは真皮と皮下の線維性付着を切り離す方法で、針・カニューレ・ワイヤー・鈍的ブレードを瘢痕の深さと併用治療に応じて選ぶとの報告がありました(参考文献2)。

ポテフィルは深い瘢痕から浅い凹凸へ同日に重ねます

「ポテフィル」は、トライフィルプロのマイクロサブシジョンとポテンツァを同日に組み合わせる治療です。最初に深い癒着部へCO2ガスで空間を作ってジュベルックを注入し、次にポテンツァで頬全体へRFを照射しながらマックームを導入します。

トライフィルプロはクレーターの底を引く線維を緩める役割、ポテンツァは異なる深さの浅い瘢痕と肌全体へ熱刺激を加える役割です。局所を先に処置してから全顔RFを行い、ポテンツァの組織凝固作用を処置部の止血にも利用します。

治療前に、深い凹みを一色、浅い凹凸の広がりを別の色でマーキングします。治療後は同じ照明の正面・左右斜位写真で、深い凹みの影と頬全体のきめを別々に比べ、次回に繰り返す局所と面を絞ります。

RFとポリ乳酸系製剤を同じ面へ組み合わせる理由として、PDLLAをRFマイクロニードリングで4週間隔・計4回届けると、ECCAスコアが36.99%改善し、満足度VASも79.65%改善したとの報告がありました(参考文献3)。

ジュベルックは局所、マックームはポテンツァで広い面へ届けます

ジュベルックとマックームは、いずれもポリ乳酸系のコラーゲンブースターです。当院ではPDLLAと非架橋ヒアルロン酸を含むジュベルックをトライフィルプロの局所注入に、PLLAを主成分とするマックームをポテンツァの全顔薬剤導入に用います。

ジュベルックは、肌のハリ、ニキビ跡、毛穴、たるみ、小じわ、特に底面のあるボックス型瘢痕へ使います。深い凹みの一点へ集中させず、癒着を緩めた空間へ少量ずつ分散します。

マックームは熱を組み合わせるポテンツァ導入用として、ニキビ跡、クレーター、ハリ、毛穴を頬全体で扱います。製品説明上の分解・吸収目安はジュベルックが1〜2年、マックームが約2年です。治療後は4〜8週間ごとの写真で実際の凹みと肌質を評価します。

Clinical View

診療で確認するポイント

  • 最初に、皮脂・赤み・毛穴・浅い凹凸が頬全体へ広がる部分と、ボックス型やローリング型の深い凹みを同じ写真上で色分けします。
  • 深い凹みは皮膚を横へ伸ばしたときの変化と下床への固定を触診し、トライフィルプロのしわ・瘢痕モードで癒着を解除してジュベルックを置きます。広い浅い凹凸にはポテンツァを2,000ショット行い、マックームを面で届けます。
  • 両方がある場合は、局所のトライフィルプロから始め、全顔ポテンツァを重ねるポテフィルの順序にします。RFの凝固作用を止血に利用し、処置した点と照射した面を別々に記録します。
  • 4〜8週間後は、深い凹みの底面と影、頬全体の毛穴ときめを正面・斜位写真で比較し、次回は残る局所または面だけを追加します。

Comparison

治療選択の比較

治療・対応 向く状態 向かない/慎重な状態 回数の目安 ダウンタイム 費用(税込) 承認状況
ポテンツァ+マックーム 皮脂、赤み、毛穴、浅い凹凸が頬全体へ広がる状態 深い癒着性瘢痕だけが主、活動性炎症が強い状態 通常3回前後を目安に写真で反応を評価 赤み、腫れ、点状出血、針跡、かさぶた、内出血、色素沈着 全顔1回66,000円/3回188,100円、マックーム追加22,000円 要確認
トライフィルプロ薬剤導入 小じわ、肌質、毛穴など、薬剤を均一に届けたい面状の変化 深く固定された局所瘢痕だけが主、活動性炎症が強い状態 1回後に凹凸と皮膚反応を再評価し、必要時に複数回 赤み、腫れ、内出血、疼痛、皮下気腫、硬結、色素沈着 全顔300ショットまで・ジュベルック込み99,000円 要確認
トライフィルプロしわ・瘢痕モード 深く固定された局所のニキビ跡、折りじわ 広い赤みや毛穴だけが主、活動性炎症が強い状態 1回後に引き込みと影を再評価し、必要時に複数回 赤み、腫れ、内出血、疼痛、皮下気腫、硬結、色素沈着 1か所・ジュベルック込み18,000円 要確認

費用の目安

  • ポテンツァ 瘢痕治療・薬剤導入 全顔 1回 ¥66,000 / 3回 ¥188,100
  • ポテンツァ追加薬剤 McCoom +¥22,000 / ジュベルック +¥22,000
  • トライフィルプロ・薬剤導入 全顔(〜300Shotsジュベルック込) 1回 ¥99,000
  • トライフィルプロ・シワ瘢痕治療 1箇所(ジュベルック込み) ¥18,000
  • ジュベルック注射 ニキビ跡・瘢痕 1か所 ¥11,000

実際の費用は、顔全体の治療か局所治療か、追加薬剤や併用施術の有無で変わります。診察時の提案内容をご確認ください。

リスク・副作用・注意点

  • ポテンツァでは、赤み、腫れ、点状出血、乾燥、かさぶたがみられることがあります。
  • トライフィルプロや局所注入では、赤み、腫れ、内出血、痛み、色素沈着、皮下気腫などが起こることがあります。
  • コラーゲン増生を目的とする薬剤では、硬結や反応性のしこりなどに注意が必要で、量や部位の設計が重要です。
  • 国内承認・適応: 国内未承認。医師の個人輸入等による使用。入手経路・海外承認・救済制度の対象外となる可能性を表示

実際のダウンタイムや注意点は、薬剤、深さ、範囲、併用内容で変わるため、診察時の説明もご確認ください。

Doctor Review

執筆・監修

執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)

References

参考にした一次情報・ガイドライン

  1. Niaz G, Ajeebi Y, Alshamrani HM, Khalmurad M, Lee K. Fractional Radiofrequency Microneedling as a Monotherapy in Acne Scar Management: A Systematic Review of Current Evidence. Clin Cosmet Investig Dermatol. 2025;18:19-29. doi:10.2147/CCID.S502295.

    Efficacy and safety of fractional radiofrequency microneedling for acne scars: a systematic review

    研究デザイン: 16研究を対象にしたシステマティックレビュー / 対象: 前向き研究6件、無作為化比較試験6件、後ろ向き研究3件、比較研究1件の計481人 / 結果: 収載された全研究で、RFマイクロニードリング単独治療後の萎縮性ニキビ跡改善が報告されました。 / 限界: 機器、針、設定、回数、評価尺度が不均一でメタ解析は行われていない。Fitzpatrick VI型は含まれず、追跡は最長6か月。ポテンツァ、2,000ショット、マックーム導入を個別に検証したレビューではない。

  2. Vempati A, Zhou C, Tam C, et al. Subcision for Atrophic Acne Scarring: A Comprehensive Review of Instruments and Combination Treatments. Clin Cosmet Investig Dermatol. 2023;16:125-134. doi:10.2147/CCID.S397888.

    Subcision for atrophic acne scarring: a comprehensive review of instruments and combination treatments

    研究デザイン: サブシジョンの器具と併用治療を扱った包括的レビュー / 対象: 初回検索で47研究を採用し、引用追跡で20研究を追加 / 結果: 針、カニューレ、ワイヤー、鈍的ブレードの4群と、フィラー、レーザー、ピーリング、マイクロニードリングなどの併用法が報告されました。 / 限界: 手技、評価尺度、追跡期間の標準化がなく、比較対照試験も少ない。トライフィルプロ、CO2ガス、ジュベルックの組み合わせや、看護師の薬剤導入モードを直接評価したレビューではない。

  3. Hyeong JH, Jung JW, Seo SB, Kim HS, Kim KH. Intradermal Injection of Poly-D,L-Lactic Acid Using Microneedle Fractional Radiofrequency for Acne Scars: An Open-Label Prospective Trial. Dermatol Surg. 2022;48(12):1306-1311. doi:10.1097/DSS.0000000000003627.

    Intradermal injection of poly-D,L-lactic acid using microneedle fractional radiofrequency for acne scars

    研究デザイン: 単施設・オープンラベル前向き試験 / 対象: Fitzpatrick III〜IV型で両頬にニキビ跡がある韓国人42人。PDLLAをRFマイクロニードリングで4週間隔・計4回導入 / 結果: 最終治療後にECCAスコアは36.99%、満足度VASは79.65%改善したとの報告がありました。組織評価を行った2人では、5か月後にコラーゲンと弾性線維の増加が確認されました。 / 限界: 単施設・42人で、split-face対照または無治療対照がない。組織評価は2人だけで、ポテンツァ、マックーム、トライフィルプロ同日併用、2,000ショット、RFによる止血やダウンタイム短縮を評価していない。

  4. PMDA

    医療機器の承認審査に関する情報

    販売名、承認番号、承認範囲を確認する公的情報です。

  5. 厚生労働省

    医療広告ガイドライン

    自由診療の費用、主なリスク・副作用、未承認機器等の表示を確認する公的資料です。

よくあるご質問

Q. ポテンツァとトライフィルプロの一番大きな違いは何ですか?

ポテンツァはRFマイクロニードリングを顔全体へ行い、毛穴、赤み、皮脂、浅い凹凸を面で治療します。トライフィルプロはCO2ガスと針で一つずつ癒着を緩め、深いニキビ跡や折りじわへ薬剤を局所注入します。

Q. トライフィルプロの看護師施術と医師施術はどう違いますか?

看護師の薬剤導入モードは、吸引しながら小じわ、肌質、毛穴の範囲へジュベルックを均一に入れます。医師のしわ・瘢痕モードは、深いニキビ跡や折りじわの癒着をマイクロサブシジョンで緩め、深さと大きさに合わせて局所注入します。

Q. ポテフィルはポテンツァとトライフィルプロを同日に行いますか?

はい。深い癒着部へトライフィルプロとジュベルックを行い、その後に頬全体へポテンツァとマックームを重ねます。深い点と浅い面を同日に扱い、ポテンツァのRF凝固作用も止血に利用する組み合わせです。

Q. ポテンツァ、トライフィルプロ、薬剤の料金はいくらですか?

ポテンツァの瘢痕治療・薬剤導入は全顔1回66,000円、3回188,100円で、マックーム追加は22,000円です。トライフィルプロの薬剤導入は全顔300ショットまで・ジュベルック込みで99,000円、しわ・瘢痕モードはジュベルック込みで1か所18,000円です。ポテフィルは選んだ全顔メニューと局所のか所数を合算します。

Q. 主な副作用と国内承認状況を教えてください。

ポテンツァでは赤み、腫れ、点状出血、乾燥、かさぶた、トライフィルプロでは赤み、腫れ、内出血、痛み、色素沈着、皮下気腫が生じることがあります。ジュベルック、マックームでは硬結、しこり、結節、感染、遅発性炎症反応にも注意します。各機器・製剤は日本国内未承認で、医師の個人輸入等により使用するため、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。

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