症例紹介眼瞼下垂・まぶたの診療

腫れぼったい上まぶたへ眼窩脂肪・ROOF切除と二重切開を行った術後6か月症例

上まぶたの腫れぼったさをすっきりさせ、ある程度幅が見える二重を希望した方に、二重切開と眼窩脂肪・ROOF切除を行った症例です。術前と術後6か月の開眼・閉眼正面像から、厚みの変化、二重線、切開線、左右差を確認します。

Medical Information

この記事について

監修日
2026年8月9日
公開日
2023年8月12日
実質更新日
2026年8月9日

Contents

目次

  1. 開眼:上まぶたの厚みと、ある程度幅が見える二重を6か月で評価
  2. 閉眼:切開線、閉じ方、左右差を6か月で確認
  3. 診療で確認するポイント
  4. 治療選択の比較
  5. 費用の目安
  6. リスク・副作用・注意点
  7. 関連記事
  8. 関連施術・関連症状のご案内
  9. 執筆・監修
  10. 参考にした一次情報・ガイドライン
  11. よくあるご質問

開眼:上まぶたの厚みと、ある程度幅が見える二重を6か月で評価

術前は上まぶたの中央から外側に厚みがあり、二重線が皮膚に隠れやすい状態でした。ある程度幅が見える二重を目標に、両目の二重切開に眼窩脂肪切除とROOF切除を組み合わせています。術後6ヶ月には両側の二重線が見え、上まぶたの厚みが減った正面像です。

眼窩脂肪は上まぶた中央の深い層、ROOFは眉下から外側の浅い層にあります。開眼時に厚みが目立つ場所を見て、皮膚・眼輪筋、涙腺の位置、既にあるくぼみも合わせ、残す容量と切除する層を決めます。

上まぶたの厚みを層別に見る理由として、上眼瞼では皮下・眼輪筋下・瞼板前脂肪の分布と、眼窩隔膜と挙筋腱膜の癒合位置が二重線の高さに関係するとの報告がありました(参考文献1)。

外側上眼瞼へROOF切除を加える判断の参考として、術後6か月に中央・内側・外側の上眼瞼高がそれぞれ9.68から7.25mm、7.68から5.99mm、6.82から5.54mmへ低下し、再手術例はなかったとの報告がありました(参考文献3)。

閉眼:切開線、閉じ方、左右差を6か月で確認

閉眼正面では、術前と術後6か月の切開線と左右差を比較できます。術後6か月は切開線が二重線に沿い、左右とも閉瞼できている状態です。開眼時の形だけでなく、閉眼時の傷あと、食い込み、多重線、くぼみを同じ診察で見ます。

6か月後の診察では、形の安定とともに、乾燥感、異物感、閉じにくさも確認します。二重幅や厚みの追加調整は、開眼と閉眼の両方で組織の落ち着きと眼表面の状態を見て決めます。

6か月後も閉じ方と乾燥を確認する理由として、上眼瞼手術後は1か月と6か月でドライアイ症状と角結膜染色が増え、涙液層破壊時間が短くなったとの報告がありました(参考文献2)。

Clinical View

診療で確認するポイント

  • 腫れぼったさの診察では、中央の眼窩脂肪、眉下から外側のROOF、皮膚・眼輪筋の厚み、涙腺の位置を順に見ます。開眼・閉眼と上方視で挙筋機能と額の代償も確認し、二重線の問題と開瞼機能を分けます。
  • この症例は、ある程度幅が見える二重を希望し、中央と外側の厚みへ二重切開、眼窩脂肪切除、ROOF切除を組み合わせました。既に上眼瞼のくぼみがある部位は容量を温存し、左右の厚みと希望する線に合わせて処理する層を選びます。
  • 術後6か月は、開眼時の二重線と上まぶたの曲面、閉眼時の切開線と閉じ方、左右差、乾燥を一緒に評価します。形が安定した時点の所見を基準に、追加調整が必要かを判断します。

Comparison

治療選択の比較

治療・対応 向く状態 向かない/慎重な状態 回数の目安 ダウンタイム 費用(税込) 承認状況
二重切開 二重線を明確にし、皮膚・眼輪筋・固定層を直接調整する必要がある状態 挙筋機能低下や額の代償が主で、二重線の形成だけでは開けにくさを改善できない状態 通常1回。腫れと瘢痕の変化を数か月追う 腫れ、内出血、疼痛、傷あと、左右差、二重線の消失・多重化、閉じにくさ 切開法(両目)275,000円(税込) 要確認
眼窩脂肪切除を追加 上まぶた中央の深い膨らみに眼窩脂肪が関与する状態 既に上眼瞼陥凹がある、容量不足が強い、厚みの主因が皮膚・ROOF・涙腺である状態 二重切開時に必要な部位だけ処理 腫れ、内出血、血腫、左右差、取り残し。過切除では上眼瞼陥凹・多重線 切開法(両目)275,000円(税込。眼窩脂肪切除の独立項目なし) 要確認
ROOF切除を追加 眉下から外側上眼瞼の浅い厚みにROOFが関与する状態 外側の厚みが少ない、皮膚が薄い、既存のくぼみがあり容量温存を優先する状態 二重切開時に必要な範囲だけ追加 腫れ、内出血、感覚低下、傷あと、左右差、外側のくぼみ ROOF切除オプション110,000円、切開法と合計385,000円(税込) 要確認

費用の目安

  • 二重形成術 切開法(両目)275,000円(税込)
  • ROOF切除オプション110,000円(税込)
  • 二重切開+ROOF切除 合計385,000円(税込)

症例では二重切開に眼窩脂肪切除とROOF切除を追加しています。現行料金表には眼窩脂肪切除の独立した追加料金項目はありません。

リスク・副作用・注意点

  • 痛み、腫れ、内出血、血腫、感染、傷あと、赤み、むくみ、左右差
  • 二重線の消失・予定外の線・多重線、食い込み、開瞼機能の変化、閉瞼不全、ドライアイ
  • 眼窩脂肪・ROOFの取り残しによる厚み、過切除による上眼瞼陥凹・外側のくぼみ
  • まれに眼窩内出血、眼球突出、複視、視力・視野障害など緊急処置を要する合併症
  • 国内承認・適応: 二重切開、眼窩脂肪切除、ROOF切除は手術手技で、手技自体に医薬品・医療機器の承認番号はありません。使用する薬剤、縫合材料、医療機器がある場合は、それぞれの販売名・承認範囲を個別に説明します。自由診療です。

術後6か月の開眼・閉眼経過に合わせ、乾燥、閉瞼、左右差、過切除によるくぼみ、緊急性のある視機能変化をまとめた。

Doctor Review

執筆・監修

執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)

References

参考にした一次情報・ガイドライン

  1. Jeong S, Lemke BN, Dortzbach RK, Park YG, Kang HK. The Asian upper eyelid: an anatomical study with comparison to the Caucasian eyelid. Arch Ophthalmol. 1999;117(7):907-912. doi:10.1001/archopht.117.7.907.

    The Asian upper eyelid: an anatomical study with comparison to the Caucasian eyelid

    研究デザイン: 屍体解剖・組織学と生体高解像度MRIを組み合わせた解剖学的研究 / 対象: 韓国人9体と白人5体の上眼瞼を解剖・組織学的に比較し、健康な若年韓国人男性4人を動態MRIで評価 / 結果: 東アジア人の上眼瞼では皮下・眼輪筋下脂肪と瞼板前脂肪が多く、眼窩隔膜と挙筋腱膜の癒合位置、挙筋腱膜の皮膚・眼輪筋への挿入位置が低い二重線や単瞼の構造に関係するとの報告がありました。 / 限界: 小規模な解剖・画像研究で、ROOF切除・眼窩脂肪切除の適量や二重切開後の臨床成績を比較していない。出版社全文は購読制限があり、PubMed抄録と書誌で確認した。 / 利益相反: PubMed抄録には資金・利益相反の記載がない。

  2. Aygun O, Arat YO, Dikmetas O, Karakaya J, Baytaroglu A, Irkec M. Effect of upper eyelid blepharoplasty on the ocular surface, tear film, and corneal microstructure. Arq Bras Oftalmol. 2024;87(3):e2022-0220. doi:10.5935/0004-2749.2022-0220.

    Effect of upper eyelid blepharoplasty on the ocular surface, tear film, and corneal microstructure

    研究デザイン: 皮膚と眼輪筋の一部を切除する上眼瞼形成前後を比較した単施設前向き研究 / 対象: 22人22眼を術前、術後1か月、6か月で評価。眼窩脂肪は切除していない / 結果: 術後1か月と6か月でドライアイ症状スコアと角膜フルオレセイン・リサミングリーン染色が増え、涙液層破壊時間が短縮したとの報告がありました。 / 限界: 22眼・単一術者で対照群がなく、皮膚・眼輪筋切除のみの結果で、二重切開や眼窩脂肪・ROOF切除症例の合併症率を示さない。 / 利益相反: 外部資金なし。著者らは利益相反なしと申告している。

  3. Qiu Y, Shen Y, He J, et al. Sub-brow skin excision Combined with retro-orbicularis fat resection: A Technique for upper eyelid bulkiness and laxity correction. J Plast Reconstr Aesthet Surg. 2022;75(4):1431-1437. doi:10.1016/j.bjps.2021.11.059.

    Sub-brow skin excision Combined with retro-orbicularis fat resection: A Technique for upper eyelid bulkiness and laxity correction

    研究デザイン: 眉下皮膚切除とROOF切除を行った単施設症例集積 / 対象: 上眼瞼の厚みと皮膚弛緩がある67人を術後6か月に評価 / 結果: 中央・内側・外側の上眼瞼高はそれぞれ9.68から7.25mm、7.68から5.99mm、6.82から5.54mmへ低下した。眉周囲の一過性感覚低下2人、軽い眉位置左右差2人があり、再手術例はなかったとの報告がありました。 / 限界: 眉下切開から皮膚とROOFを切除した結果で、本症例の二重切開から眼窩脂肪・ROOFを処理した術式とは異なる。対照群がなく、切除量の比較や長期の上眼瞼陥凹を評価していない。出版社全文は購読制限があり、PubMed抄録と書誌で確認した。 / 利益相反: PubMedは非米国政府研究支援と分類するが、抄録には資金の詳細・利益相反の記載がない。

  4. 厚生労働省

    医療広告ガイドライン

    自由診療の費用、主なリスク・副作用、未承認機器等の表示を確認する公的資料です。

よくあるご質問

Q. この症例では、どの手術を行いましたか?

両目の二重切開に、眼窩脂肪切除とROOF切除を組み合わせています。術前と術後6か月の開眼・閉眼正面像を掲載しています。

Q. 眼窩脂肪とROOFは、どこが違いますか?

眼窩脂肪は上まぶた中央の深い層、ROOFは眉下から外側の浅い層にあります。厚みが目立つ場所と既存のくぼみを見て、必要な層だけを処理します。

Q. なぜ術後6か月に開眼と閉眼の両方を見ますか?

腫れや瘢痕が落ち着いた時点で、開眼時の二重線と厚み、閉眼時の切開線・閉じ方・左右差を一緒に評価するためです。乾燥感や異物感も確認します。

Q. 二重切開とROOF切除の費用はいくらですか?

切開法は両目275,000円、ROOF切除はオプション110,000円で、合計385,000円(税込)です。現行料金表には眼窩脂肪切除の独立した追加料金項目はありません。

Q. 手術後に早く連絡した方がよい症状はありますか?

急に強くなる痛み、片側だけ急速に増える腫れ、止まりにくい出血、眼球突出、見えにくさ・視野変化、複視、発熱や膿がある場合は、予定日を待たず直ちに連絡してください。

ご予約・ご相談はこちら

気になる症状や治療方法について、初診予約・再診予約・お問い合わせからご相談いただけます。