症例紹介ニキビ・ニキビ瘢痕ポテンツァ

ニキビ跡へ組み合わせ治療を行った症例|瘢痕型の見方

ニキビ跡は、細かく広がる凹凸、面状に引き込まれるローリング型、深いアイスピック型やボックスカー型で、治療の役割が異なります。2症例では、ポテンツァ、サブシジョン、局所治療、洗顔・外用を、瘢痕型と皮脂・赤みに合わせて組み合わせました。

Medical Information

この記事について

監修日
2026年8月9日
公開日
2023年5月6日
実質更新日
2026年8月9日

Contents

目次

  1. 症例1:混在するニキビ跡への5か月の治療
  2. 症例1:残るニキビ跡を型ごとに治療する
  3. 症例2:皮脂・毛穴と深いニキビ跡への8か月の治療
  4. 診療で確認するポイント
  5. 治療選択の比較
  6. 費用の目安
  7. リスク・副作用・注意点
  8. 関連記事
  9. 関連施術・関連症状のご案内
  10. 執筆・監修
  11. 参考にした一次情報・ガイドライン
  12. よくあるご質問

症例1:混在するニキビ跡への5か月の治療

症例1は、CO2フラクショナルレーザーを4回受けても効果を実感できず、大きめのニキビも続いていました。顔全体に赤みがあり、広範囲にボックスカー型とローリング型のニキビ跡が混在していました。

5か月間に、ポテンツァ薬剤導入(マックーム)3回、サブシジョン(ヒアルロン酸併用)2回、ヴェルヴェットスキン1回を行い、ゼオスキンによる高濃度ビタミンAのホームケアを併用しました。広範囲の凹凸・赤み・新しいニキビにはポテンツァ、深く引き込まれたローリング型には癒着を解除するサブシジョンを組み込みました。

ボックスカー型とローリング型が混在する症例で、ポテンツァとサブシジョンを型に合わせて併用する理由として、瘢痕の型・重症度・数に応じて補助治療を選び、組み合わせ治療が単独治療より良好な結果を示すとの報告がありました(参考文献1)。

症例1:残るニキビ跡を型ごとに治療する

5か月後は、細かく広範囲に残るニキビ跡にはポテンツァ、面状に引き込まれるローリング型にはサブシジョンとヒアルロン酸を用いて治療を続けています。残っている広めのボックスカー型には、ジュベルックの手打ちを追加する方針としました。

細かく広範囲の萎縮性ニキビ跡へポテンツァを選ぶ理由として、RFマイクロニードリングは単独治療でもニキビ跡の改善が期待できるとの報告がありました(参考文献2)。

面状のローリング型にサブシジョンとヒアルロン酸を併用する理由として、線維性の癒着を切離した後にヒアルロン酸などの充填材を加えると、瘢痕が再び凹むのを抑え、治療結果を高めうるとの報告がありました(参考文献5)。

症例2:皮脂・毛穴と深いニキビ跡への8か月の治療

症例2は、高校時代のニキビによるニキビ跡があり、水だけで洗顔する日も多い状態でした。皮脂が多く、毛穴とニキビ跡が混在し、こめかみと頬には瘢痕による深い引き込みが目立っていました。

洗顔を見直し、ゼオスキンのクレンザーとアゼライン酸を取り入れながら、8か月間にポテンツァ薬剤導入(マックーム)3回、サブシジョン(ヒアルロン酸併用)2回を行いました。現在は、ポテンツァだけでは残りやすいアイスピック型と小さく深いボックスカー型に対し、TCAクロスとジュベルックの手打ちで局所治療を継続しています。

Clinical View

診療で確認するポイント

  • まず、炎症性ニキビ、皮脂、赤みが続いているかを確認し、新しいニキビ跡を増やさないための洗顔・外用とニキビ治療を先に整えます。
  • 凹みは、細かく広がるニキビ跡、面状のローリング型、狭く深いアイスピック型・ボックスカー型に分け、広範囲にはポテンツァ、癒着にはサブシジョン、深い局所にはTCAクロスやジュベルックの手打ちを段階的に組み合わせます。
  • 経過は同じ条件の写真で広範囲の凹凸、引き込み、深い局所瘢痕を別々に見直し、残った型に対する次の治療を決めます。

Comparison

治療選択の比較

治療・対応 向く状態 向かない/慎重な状態 回数の目安 ダウンタイム 費用(税込) 承認状況
RFマイクロニードリング 面状の凹凸・複数瘢痕 深い局所癒着のみ 3回前後から評価 赤み、点状出血、腫れ、PIH ポテンツァ瘢痕 全顔1回66,000円 機器・チップ・薬剤ごとに確認
サブシジョン ローリング型・癒着 アイスピック主体 複数回 内出血、血腫、感染等 2×2cm33,000円 自由診療手技
TCA CROSS 狭く深い瘢痕 広い浅い凹凸 複数回 白変、かさぶた、PIH 20箇所22,000円 薬剤・濃度・目的を個別確認
赤みへの光治療 炎症後紅斑 深い凹みのみ 複数回 赤み、熱感、乾燥等 ADVATx全顔1回30,000円 機器ごとに承認状況確認

費用の目安

  • アドバテックス 589nm + 1319nm 全顔 1回 ¥30,000 / 5回 ¥139,000
  • ポテンツァ 赤ら顔・にきび・毛穴治療 全顔 1回 ¥55,000 / 3回 ¥156,750
  • ポテンツァ 瘢痕治療・薬剤導入 全顔 1回 ¥66,000 / 3回 ¥188,100
  • TCAクロス 20箇所まで ¥22,000
  • サブシジョン 2×2cm ¥33,000

実際の費用は、炎症を抑える治療と瘢痕治療のどこから始めるか、薬剤追加や局所治療をどこまで組み合わせるかで変わります。

リスク・副作用・注意点

  • アドバテックスでは、一時的な赤み、ほてり、乾燥などが出ることがあります。
  • ポテンツァでは、痛み、点状出血、赤み、腫れ、ざらつき、角質の脱落がみられることがあります。
  • サブシジョンや局所治療では、赤み、腫れ、内出血、圧痛、色素沈着、感染などが起こることがあります。

治療を組み合わせる場合は反応が数日強く出ることもあるため、紫外線と乾燥への配慮を含めて診察時の説明をご確認ください。

Doctor Review

執筆・監修

執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)

References

参考にした一次情報・ガイドライン

  1. Bhargava S, et al. Acne Scarring Management: Systematic Review and Evaluation of the Evidence. Am J Clin Dermatol. 2018;19(4):459-477.

    萎縮性ニキビ跡治療の系統的レビュー

    研究デザイン: 系統的レビュー / 対象: レーザー、RF、サブシジョンなどの萎縮性ニキビ跡治療を扱った89研究 / 結果: レーザーとRFの有効性を示す比較・観察研究があり、補助治療は瘢痕の型・重症度・数に応じて選択され、併用治療は単独治療より良好な結果を示す傾向がある。 / 限界: 高品質研究が不足し、さまざまな臨床状況に対する治療法・併用法の統一見解は確立していない。

  2. Niaz G, et al. Fractional Radiofrequency Microneedling as a Monotherapy in Acne Scar Management: A Systematic Review of Current Evidence. Clin Cosmet Investig Dermatol. 2025;18:19-29.

    RFマイクロニードリング単独治療の系統的レビュー

    研究デザイン: 系統的レビュー / 対象: 16研究481人(前向き研究6件、無作為化臨床試験6件、後ろ向き研究3件、比較試験1件) / 結果: RFマイクロニードリングは、顔面の萎縮性ニキビ跡に対する単独治療として有効である可能性が示された。 / 限界: 適切な治療設定を確立するには追加の無作為化比較試験が必要である。

  3. PMDA

    医療機器の承認審査

    機器・チップの国内承認確認先。

  4. Dermatol Surg. 2021

    Radiofrequency Microneedling: A Comprehensive and Critical Review

    高品質42研究のうちニキビ跡7研究。

  5. Ahramiyanpour N, et al. Subcision in acne scarring: A review of clinical trials. J Cosmet Dermatol. 2023;22(3):744-751.

    Subcision in acne scarring: A review of clinical trials

    研究デザイン: 臨床試験のレビュー / 対象: 2022年6月以前に公表された英語の臨床試験16報 / 結果: サブシジョンにヒアルロン酸などの充填材を組み合わせると、治療結果を高め、瘢痕の再陥凹を防ぐ可能性がある。 / 限界: 針・カニューレの種類や併用治療が研究間で異なり、抄録には統合効果量が示されていない。

よくあるご質問

Q. ニキビ跡で複数の治療を組み合わせるのはなぜですか?

細かく広がる凹凸、皮下へ引き込まれるローリング型、狭く深いアイスピック型・ボックスカー型では、必要な治療の作用が異なるためです。

Q. ローリング型のニキビ跡には、なぜサブシジョンを行いますか?

皮膚を下へ引き込む線維性の癒着を切離するためです。凹みの広さや深さに応じてヒアルロン酸を併用することがあります。

Q. アイスピック型や深いボックスカー型はどう治療しますか?

広範囲の機器治療だけで残る狭く深い瘢痕には、TCAクロスやジュベルックの手打ちなどの局所治療を検討します。

Q. 治療中も新しいニキビができる場合はどうしますか?

新しい瘢痕を増やさないため、洗顔や外用を見直し、活動性ニキビと皮脂・赤みを整える治療を並行します。

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