おでこ・頬をヒアルロン酸5ccで整えて、若い頃の輪郭バランスを考える
若い頃の写真で額の丸みと頬の位置を確認し、現在の骨格と軟部組織に合う輪郭を設計した症例です。ジュビダームビスタ ボリューマXCをおでこ・頬へ合計5cc使用し、正面と左右斜位のBefore・Afterから上顔面と中顔面のつながりを解説します。
Medical Information
この記事について
- 執筆医・監修医
- 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
- 監修日
- 2026年8月9日
- 公開日
- 2022年10月24日
- 実質更新日
- 2026年8月9日



Contents
目次
若い頃の写真は、どこを戻すと自然かを考える手がかりになります
診察では若い頃の写真を拝見し、額中央から外側へ続く丸みと、目の下から頬へ移る位置を現在の正面写真と比べました。若い頃の顔をそのまま再現するのではなく、その方にもともとあった輪郭の重心を治療の手がかりにします。
治療前の正面では、額中央から外側へ移る部分と、目の下から頬上部へ続く面に影が見えます。ジュビダームビスタ ボリューマXCをおでこ・頬へ合計5cc使用した治療後は、額の光が中央から外側へなだらかにつながり、頬上部の支えと顔中央の立体感がまとまって見えます。
若い頃の写真と現在を比べて額と頬の重心を決める理由として、加齢に伴い上顎角と梨状口角が小さくなり、梨状口幅が広がったとの報告がありました(参考文献1)。
おでこと頬は、別々よりつながりで見た方が自然です
一方の斜位では、眉上から額中央・額外側へ続く曲面と、下眼瞼から頬骨前面へ続く曲面を同じ角度で比べます。治療後は額の一部だけが高くなるのではなく、額外側から頬へ視線が移る輪郭がなだらかになっています。
額では中央の高さ、外側の影、眉上の段差を分けて見ます。正面で丸く見えても、斜位で局所的な突出や凹凸が目立つ場合があるため、両斜位で光が途切れない所を終了点にします。
額中央から外側の曲面を少量ずつ確認する理由として、別のヒアルロン酸製剤による前額治療では、1か月時に97.5%が改善と評価され、本人評価では12か月時にも54.7%で改善が残ったとの報告がありました(参考文献2)。
5ccでも、足す量より顔全体の重心が重要です
反対側の斜位では、頬骨前面の支え、頬中央の影、口元へ向かう曲面を見ます。治療後は頬を一か所だけ膨らませず、下眼瞼から頬、口元へ続く面がなだらかになり、額の丸みと中顔面の投影が一つの輪郭としてつながっています。
5ccはおでこと頬を合わせた総量です。各部位へ同量ずつ配るのではなく、正面で顔の幅と左右差、斜位で額と頬の投影を確認し、若い頃の写真にみられた重心へ近づいた所で止めます。
頬の支えを正面と左右斜位で追う理由として、ボリューマによる頬の体積変化は6か月時に1.83mLで無治療の0.11mLを上回り、医師評価98.2%、本人評価93.8%が改善したとの報告がありました(参考文献3)。
治療後は、額の凹凸と頬の腫れが落ち着いてから再評価します
注入後は発赤、腫れ、内出血、圧痛、硬さが出ることがあり、注入部のしこり感が1〜2か月ほど続く場合があります。額は光の当たり方でわずかな凹凸も見えやすいため、腫れが落ち着いた後に正面と左右斜位を同じ条件で撮影し、額中央・外側と頬の左右差を見直します。
通常と異なる強い痛み、皮膚の青白化・暗紫色または網目状の変化、冷たさ、見え方の異常がある場合は、予定日を待たず直ちにご連絡ください。血管閉塞、感染、遅発性炎症を分け、必要な処置へつなげます。
ジュビダームビスタ ボリューマXCは、成人の中顔面・下顎部・こめかみにおける減少したボリュームを増大する目的で国内承認されています(参考文献4)。前額は承認部位に含まれず、本症例のおでこへの注入は承認範囲外です。
Clinical View
診療で確認するポイント
- 最初に若い頃の正面・斜位写真から、額中央と外側の曲面、頬の最も前へ出る位置、その二つを結ぶ顔の重心を確認します。
- 現在の正面では額と頬の左右差、斜位では眉上から額外側、下眼瞼から頬へ続く光と影を分け、どの曲面を優先するか決めます。
- おでこと頬へ使う合計5ccは均等配分せず、額だけが丸くなり過ぎないか、頬だけが前へ出過ぎないかを注入ごとに三方向で見直します。
- 治療後は腫れが落ち着いてから同じ三方向を再撮影し、若い頃の特徴を残しながら現在の顔立ちに自然につながる輪郭を終了点にします。
Comparison
治療選択の比較
| 治療・対応 | 向く状態 | 向かない/慎重な状態 | 回数の目安 | ダウンタイム | 費用(税込) | 承認状況 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ボリューマXC 5ccでおでこ・頬を同日に整える | 額の丸みと頬の支えがともに低下し、正面・左右斜位で上顔面から中顔面のつながりを一度に整えたい状態 | どちらか一部位だけの調整で十分な状態、額または頬を足すと突出が強くなる状態、活動性の炎症・感染がある状態 | 通常1回。腫れが落ち着いてから正面・左右斜位で再評価 | 発赤、腫れ、痛み、内出血、硬さ・しこり、額の凹凸、左右差。まれに血管閉塞、皮膚障害、視覚障害 | 5本385,000円+前額施術料22,000円=407,000円。カテラン針は使用時+11,000円 | 中顔面は国内承認範囲。前額は適応外使用 |
| おでこと頬を二段階に分けて整える | 一度の変化を抑え、先に整えた部位の腫れが落ち着いてから次の部位を決めたい状態 | 強い痛み、皮膚色変化、見え方の異常など緊急評価が必要な状態 | 一部位を治療後に三方向で再評価し、必要な場合のみ次の部位を追加 | 各治療ごとに発赤、腫れ、痛み、内出血、硬さ・しこり、凹凸、左右差など | 1本1cc 77,000円。前額を治療する回は施術料22,000円、カテラン針は使用時11,000円 | 使用する部位ごとに承認範囲を説明。前額は適応外使用 |
費用の目安
- ジュビダームビスタ ボリューマXC:1本1cc 77,000円(税込)
- 本症例と同じ5ccの製剤費:385,000円(税込)
- 前額施術料:22,000円(税込)
- 本症例と同じ5cc+前額施術料:合計407,000円(税込)
- カテラン針を使用する場合:11,000円(税込)追加
すべて自由診療・税込です。本症例の製剤費5本385,000円と前額施術料22,000円を合わせた現在料金例です。カテラン針は使用した場合にのみ加算されます。
リスク・副作用・注意点
- 注入部の発赤、腫れ、痛み、圧痛、内出血、硬さ・しこり、左右差、凹凸など
- 額は曲面に凹凸が残ることがあり、注入部のしこり感が1〜2か月ほど続く場合があります
- アレルギー、感染、遅発性炎症・結節、位置ずれなど
- まれに血管閉塞、皮膚障害・壊死、視力・視野障害、失明、脳卒中など
- 国内承認・適応: 症例で使用したジュビダームビスタ ボリューマXCは、成人の中顔面・下顎部・こめかみにおける減少したボリュームの増大を目的とする国内承認医療機器です(承認番号22800BZX00338000)。本症例の頬は中顔面として承認範囲ですが、前額への注入は国内承認範囲外の適応外使用です。承認製品を承認範囲外で使用した場合、健康被害救済制度等の対象外となる場合があります。
通常と異なる強い痛み、皮膚の青白化・暗紫色や網目状変化、冷感、見え方の異常は、予定日を待たず直ちに連絡が必要です。
Doctor Review
執筆・監修
執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
References
参考にした一次情報・ガイドライン
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Patterns of Change in Facial Skeletal Aging
研究デザイン: 同じ成人の顔面CTを少なくとも8年以上あけて比較した大学病院記録の縦断症例集積。二次元測定と三次元再構成で眉間角、梨状口角、上顎角、梨状口の幅・高さを評価した。 / 対象: 初回40〜55歳の成人14人が二次元解析、うち9人が三次元解析の対象。二次元解析の平均追跡は9.7年、三次元解析は9.6年だった。 / 結果: 二次元解析では眉間角と左右上顎角が低下し、梨状口幅は24.5mmから25.5mmへ増加した。三次元解析では上顎角が56.5度から51.6度、梨状口角が50.8度から49.1度へ低下した。 / 限界: 少数の診療記録を用いた予備的研究で、CTを繰り返す必要があった特定集団である。皮膚・脂肪の変化、若い頃の写真を使った治療計画、ボリューマXC 5ccの効果や部位別配分を検証していない。
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An Evaluation of VYC-17.5L for Forehead Contouring: A Prospective, Open-Label, Post-Marketing Study
研究デザイン: フランス1施設で行われた12か月の前向き・非盲検・単群・市販後研究。初回注入後14日目に任意の追加注入を認めた。 / 対象: 前額の輪郭不整がある成人80人を登録し、75人が12か月まで完了した。平均年齢55.4歳、女性91.3%。初回注入量は平均0.92mLで、追加注入を受けた26人の平均追加量は0.56mLだった。 / 結果: 医師GAISで改善または著明改善と評価された割合は1か月時97.5%だった。本人GAISは1か月時87.3%、12か月時54.7%で、FACE-Qと三次元写真の前額容量も12か月時に治療前より改善していた。 / 限界: 対照群のない1施設研究で、女性とFitzpatrick II〜IIIが多い。使用製剤はVYC-17.5Lで、本症例のボリューマXC、5ccを用いたおでこ・頬の併用、若い頃の写真を使う設計を検証していない。
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A Randomized, Controlled, Multicenter Study of Juvéderm Voluma for Enhancement of Malar Volume in Chinese Subjects
研究デザイン: 未治療対照を置いた前向き多施設無作為化比較試験。三次元画像で両側頬部の体積変化を6か月時に評価した。 / 対象: 18歳以上の中国人146人。ボリューマ処置群119人、無治療対照群27人。中顔面への注入量中央値は2mLだった。 / 結果: 6か月時の頬部体積変化は処置群1.83mL、対照群0.11mL。GAIS改善率は医師98.2%、本人93.8%で、主な治療関連事象は軽度の注入部腫脹と内出血だった。 / 限界: 中国人の中顔面へボリューマを用いた研究で、本症例の前額注入、おでこ・頬合計5cc、部位別配分、若い頃の写真を使った設計を検証していない。
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ジュビダームビスタ ボリューマXC 電子添文
研究デザイン: PMDA公開の国内承認医療機器電子添文。 / 対象: 適用対象は成人。使用目的は中顔面・下顎部・こめかみにおける減少したボリュームの増大。 / 結果: 皮下または骨膜上深部への注入として承認され、血管内注入を禁止し、血管障害、視力異常、失明、脳卒中、壊死等へ注意を求めている。 / 限界: 電子添文は承認範囲と安全情報を示す資料で、前額5cc、頬との併用、部位別配分、写真上の変化を検証した臨床研究ではない。
よくあるご質問
Q. この症例では、どの製剤を何cc使いましたか?
ジュビダームビスタ ボリューマXCを、おでこ・頬へ合計5cc使用しました。正面と左右斜位のBefore・Afterを掲載しています。
Q. 5ccはおでこと頬へ均等に分けるのですか?
均等には分けません。正面で額と頬の左右差、斜位で額中央・外側の丸みと頬の投影を確認し、必要な曲面へ配分します。この症例の部位別配分量は示していません。
Q. 若い頃の写真と同じ顔を目指す治療ですか?
若い頃の写真は、もともとの額の丸み、頬の位置、顔の重心を知る手がかりです。現在の骨格・皮膚・脂肪に合う範囲で、額と頬が自然につながる輪郭を設計します。
Q. ボリューマXC 5ccでおでこ・頬を治療する現在料金はいくらですか?
ボリューマXCは1本1cc 77,000円で、5本は385,000円です。前額施術料22,000円を合わせた合計は407,000円(税込)です。カテラン針を使用する場合は11,000円が加わります。
Q. ボリューマXCはおでこと頬への使用が国内承認されていますか?
ボリューマXCは成人の中顔面・下顎部・こめかみの減少したボリューム増大には国内承認されています。頬の中顔面治療は承認範囲ですが、前額への使用は国内承認範囲外の適応外使用です。
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