症例紹介

シミ・フェイスラインへトーニング、HIFUリニア、エラボトックスを行った症例

トーニング5回、HIFUリニア3回、エラボトックスを組み合わせ、顔全体のシミが薄くなり、頬から下顎の輪郭がすっきりした正面症例です。色素、頬・顎下脂肪、咬筋を別の標的として再評価します。

Medical Information

この記事について

監修日
2026年8月9日
公開日
2022年9月14日
実質更新日
2026年8月9日
レーザートーニング5回・HIFUリニア3回・エラボトックス後の正面治療前後

Contents

目次

  1. 正面写真で、色調とフェイスラインの変化を確認します
  2. トーニング5回後は、薄くなった色と戻りやすい色を分けます
  3. HIFUリニア3回は、頬下部と顎下の厚みを標的にします
  4. エラボトックスは、噛み締めで張る咬筋へ設計します
  5. 色素、脂肪、咬筋の順に、残った所見を再評価します
  6. 診療で確認するポイント
  7. 治療選択の比較
  8. 費用の目安
  9. リスク・副作用・注意点
  10. 関連記事
  11. 関連施術・関連症状のご案内
  12. 執筆・監修
  13. 参考にした一次情報・ガイドライン
  14. よくあるご質問

正面写真で、色調とフェイスラインの変化を確認します

正面写真の左が治療前、右が治療後です。トーニング5回、ハイフリニア(HIFUリニア)3回、エラボトックスを行いました。治療後は額・頬・鼻に点在する褐色調が薄く見え、頬下部から下顎角へ続く幅が狭くなっています。

この症例では、シミをメラニンの軸、頬・顎下の厚みを皮下脂肪の軸、噛み締めたときの下顎角の張りを咬筋の軸として扱います。正面写真では全体の変化を確認し、診察では斜位、触診、噛み締めも加えて、それぞれの治療反応を分けて追います。

トーニング5回後は、薄くなった色と戻りやすい色を分けます

治療前は額、頬、鼻に褐色調が広がり、治療後は顔全体の色むらが軽く見えます。診察では、境界の明瞭な日光黒子、細かな雀卵斑、左右対称に広がる肝斑、炎症後色素沈着を分布と色調で記録し、同じ照明の写真で5回の経過を比較します。

両頬に肝斑を疑う淡褐色が重なる場合は、照射を強くせず、遮光と外用を含めて次回の色戻りまで確認します。

5回後のmMASI改善はトーニング側75.9%、対照側24%だった一方、追跡では色の再燃がみられたとの報告がありました(参考文献1)。

HIFUリニア3回は、頬下部と顎下の厚みを標的にします

HIFUリニアは、正面で下顔面幅を確認したうえで、斜位と触診で頬下部・顎下の皮下脂肪が厚い範囲へ使います。頬骨上やこめかみなど、容量を保ちたい部位は照射範囲から外し、3回の途中でも頬こけや知覚変化がないかを確認します。

顎下の厚みは皮膚のゆるみや骨格支持と混ぜず、つまみ厚、斜位の頸顎角、下顎縁の見え方で再評価します。

HIFU後8週で顎下脂肪評価が1段階以上改善した割合は62.5%、外観に満足した割合は67.5%との報告がありました(参考文献2)。

エラボトックスは、噛み締めで張る咬筋へ設計します

エラボトックスでは、安静時と噛み締め時の下顎角を触診し、咬筋の厚み、張り出す位置、左右差を確認します。脂肪による頬下部の厚みにはHIFUリニア、筋収縮による下顎角の幅にはボツリヌストキシンを割り当てます。

効果が安定する時期に正面幅と噛み締め時の筋厚を撮り直し、追加量は前回の表情・咀嚼の変化を見て決めます。

治療3か月後に咬筋厚が12.9mmから8.7mm、下顔面幅と内眼角間距離の比が3.3から3.0へ低下したとの報告がありました(参考文献3)。

色素、脂肪、咬筋の順に、残った所見を再評価します

色素は同じ照明の正面写真、脂肪は正面・斜位とつまみ厚、咬筋は安静時・噛み締め時で記録します。トーニング後の赤み、HIFU後の圧痛やしびれ、ボトックス後の咀嚼の違和感が落ち着いてから、同じ条件で比較します。

現在の診療では、まず色素の種類と炎症の有無を確認し、輪郭は皮下脂肪へのリニア照射後に再評価します。その時点で噛み締めによる下顎角の張りが残れば、製剤ごとの単位を換算せずエラボトックスを設計します。

ボトックスビスタの国内承認は眉間・目尻の表情じわであり、咬筋への美容使用は適応外です(参考文献4)。

Clinical View

診療で確認するポイント

  • 正面・左右斜位を同じ照明で撮り、色素の分布、頬下部・顎下の厚み、下顎角の幅を別々に記録します。
  • 色素は日光黒子・雀卵斑・肝斑・炎症後色素沈着を見分け、レーザーの反応と色戻りを5回の経過で追います。
  • 輪郭はつまみ厚と頸顎角からHIFUリニアの範囲を決め、頬上部など容量を保つ部位を外します。
  • リニア後にも噛み締めで下顎角の張りが残る場合にエラボトックスを設計し、効果が安定した時期に左右差と咀嚼機能を再評価します。

Comparison

治療選択の比較

治療・対応 向く状態 向かない/慎重な状態 回数の目安 ダウンタイム 費用(税込) 承認状況
レーザートーニング 日光黒子、雀卵斑、肝斑など診断した色素へ、病変別に出力と照射法を選ぶ場合 血管性の赤み、活動性皮膚炎、診断が確定していない色素病変 症例は5回。現在の治療は色素の種類と反応で再設定 赤み、乾燥、痂皮、炎症後色素沈着、色素脱失、肝斑の再燃 現在のルビーフラクショナル全顔1回16,500円、1クール目5回66,000円(税込) 要確認
HIFUリニア 頬下部・顎下の皮下脂肪が輪郭を隠している状態 頬上部・こめかみの容量不足、強い頬こけ、皮膚余剰だけが主な状態 症例は3回。現在は2〜4週間間隔で3回が目安 赤み、熱感、腫れ、圧痛、しびれ。まれに熱傷、神経症状、脂肪萎縮 頬または顎下 1回33,000円(税込) 要確認
エラボトックス 噛み締めで咬筋が張り、下顎角の横幅へ筋肉が影響する状態 皮下脂肪や骨格幅が主因、咀嚼筋力低下、感染部位、神経筋疾患 通常1回後、効果が安定する時期に表情と咀嚼を再評価 痛み、腫れ、内出血、左右差、咀嚼の違和感。まれに表情変化、嚥下障害 ボトックスビスタ/コアトックス共通 エラ 55,000円(税込) 要確認

費用の目安

  • 現在のルビーフラクショナルトーニング 全顔:1回16,500円、1クール目5回66,000円(税込)
  • HIFUリニア 頬または顎下:1回33,000円(税込)
  • ボトックスビスタ/コアトックス エラ:55,000円(税込)

症例のトーニング機器・波長、ボトックス製剤・単位は表示されていないため、現在の院内料金表にある代表メニューを分けて示した。

リスク・副作用・注意点

  • レーザー:赤み、腫れ、乾燥、痂皮、炎症後色素沈着、色素脱失、肝斑再燃、熱傷など
  • HIFU:赤み、熱感、腫れ、圧痛、しびれ、神経症状、熱傷、脂肪萎縮など
  • ボツリヌストキシン:痛み、内出血、左右差、咀嚼の違和感、過度の筋力低下、表情変化、嚥下・呼吸障害など
  • 国内承認・適応: 症例のレーザートーニング機器・波長は表示されていません。現在当院で用いるNanoStar Rは国内承認医療機器(承認番号22900BZX00055000)ですが、全顔へのフラクショナルトーニングという照射方法自体は個別に承認された使用目的ではありません。症例のウルトラセルQ+と現在のウルトラセルZiは国内未承認医療機器です。ZiはJeisys Medical Inc.から医師が個人輸入し、韓国MFDS承認を取得しています。症例のボツリヌストキシン製剤は表示されていません。現在のボトックスビスタは国内承認薬(承認番号22100AMX00398000)ですが、咬筋への美容使用は適応外です。コアトックスは国内未承認薬です。適応外・未承認の治療による健康被害は、医薬品副作用被害救済制度等の対象外となる場合があります。

強い痛み、水疱、長引くしびれ、表情の強い左右差、飲み込みにくさ、呼吸しにくさは早期連絡の対象とする。

Doctor Review

執筆・監修

執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)

References

参考にした一次情報・ガイドライン

  1. Wattanakrai P, Mornchan R, Eimpunth S. Low-fluence Q-switched neodymium-doped yttrium aluminum garnet (1,064 nm) laser for the treatment of facial melasma in Asians. Dermatol Surg. 2010;36(1):76-87. doi:10.1111/j.1524-4725.2009.01383.x. PMID:20298254.

    Low-fluence Q-switched neodymium-doped yttrium aluminum garnet (1,064 nm) laser for the treatment of facial melasma in Asians

    研究デザイン: 顔面内無作為化比較試験。レーザーと2%ハイドロキノンを併用する側と外用のみの側を比較し、1週間間隔で5回照射 / 対象: 真皮型または混合型肝斑のアジア人22人 / 結果: 5回後の相対明度指数改善はレーザー側92.5%、対照側19.7%、mMASI改善は75.9%対24%。3人にまだらな色素脱失、4人に反跳性色素沈着が生じ、追跡中に全例で肝斑再燃がみられた。 / 限界: 特定の1,064nm QスイッチNd:YAG設定と2%ハイドロキノンを用いた肝斑研究で、日光黒子や雀卵斑を対象にしていない。本症例のトーニング機器・波長は表示されておらず、同じ治療条件とは確認できない。PubMed抄録・書誌を2026年8月9日に確認し、原著全文にはアクセスできなかった。 / 利益相反: PubMed抄録・書誌から資金提供と利益相反の詳細は確認できなかった。

  2. Kwon HH, Yang SH, Choi M, Jung JY, Park GH. Tightening and Reduction of Unwanted Submental Fat Using Triple-Layer High-Intensity Focused Ultrasound: Clinical and 3-Dimensional Imaging Analysis. Dermatol Surg. 2021;47(12):1595-1600. doi:10.1097/DSS.0000000000003241. PMID:34608087.

    Tightening and Reduction of Unwanted Submental Fat Using Triple-Layer High-Intensity Focused Ultrasound: Clinical and 3-Dimensional Imaging Analysis

    研究デザイン: 前向き単群研究。3.0、4.5、6.0mm焦点トランスデューサーによるHIFUを1回行い、8週後に臨床尺度、本人評価、3D画像で評価 / 対象: 中等度または重度の顎下脂肪がある韓国人40人 / 結果: 8週後、顎下脂肪評価が1段階以上改善した割合は62.5%、顔・顎の外観に満足した割合は67.5%。一部に軽度で一過性の有害事象があり、重篤な有害事象はなかった。 / 限界: 対照群のない1回治療・8週評価で、使用機器・焦点深度・照射方式は本症例のウルトラセルQ+リニア3回と同一ではない。頬脂肪、咬筋ボトックスとの併用効果、長期持続は示さない。PubMed抄録・書誌を2026年8月9日に確認し、原著全文にはアクセスできなかった。 / 利益相反: PubMed抄録・書誌から資金提供と利益相反の詳細は確認できなかった。

  3. Xie Y, Zhou J, Li H, Cheng C, Herrler T, Li Q. Classification of masseter hypertrophy for tailored botulinum toxin type A treatment. Plast Reconstr Surg. 2014;134(2):209e-218e. doi:10.1097/PRS.0000000000000371. PMID:25068343.

    Classification of masseter hypertrophy for tailored botulinum toxin type A treatment

    研究デザイン: 触診、Bモード超音波、解剖所見を用いて咬筋突出と厚みを分類し、分類別のA型ボツリヌストキシン治療を前向きに評価 / 対象: 504咬筋を分類し、220症例へ個別化した治療を実施 / 結果: 治療3か月後、平均咬筋厚は12.9±2.9mmから8.7±1.7mm、下顔面最大幅と内眼角間距離の比は3.3±0.18から3.0±0.2へ低下し、満足度は95.9%。重篤な合併症はなかった。 / 限界: 無治療・プラセボ対照のない治療レベルIVの研究で、製剤、投与単位、注入位置を他製剤へ換算できない。本症例の製剤・単位は表示されておらず、HIFUリニアとの併用効果を示さない。PubMed抄録・書誌を2026年8月9日に確認し、原著全文にはアクセスできなかった。 / 利益相反: PubMed抄録・書誌から資金提供と利益相反の詳細は確認できなかった。

  4. アッヴィ合同会社. ボトックスビスタ注用50単位 添付文書. 2025年3月改訂(第3版). 承認番号22100AMX00398000.

    ボトックスビスタ注用50単位 添付文書

    研究デザイン: PMDA公開の国内医療用医薬品添付文書 / 対象: 65歳未満の成人における眉間または目尻の表情じわ / 結果: 国内承認適応は眉間・目尻の表情じわで、咬筋の美容治療は含まれない。製品の単位は他のボツリヌス毒素製剤の単位へ換算できない。 / 限界: 添付文書は咬筋美容治療の有効性、投与単位、注入位置、治療間隔を示す臨床研究ではない。本症例で使用した製剤名と単位は確認できない。 / 利益相反: 公的な添付文書であり、臨床試験の利益相反資料ではない。

よくあるご質問

Q. この症例では何回治療していますか?

トーニング5回、HIFUリニア3回、エラボトックスを行っています。正面写真では、顔全体の褐色調と頬下部から下顎角へ続く輪郭の変化を確認できます。

Q. HIFUリニアとエラボトックスは、どちらも小顔治療ですか?

HIFUリニアは頬下部・顎下の皮下脂肪、エラボトックスは噛み締めで張る咬筋が主な標的です。斜位と触診、安静時と噛み締め時を比べ、どちらの影響が大きいかを決めます。

Q. 3つの治療は同じ日に行いますか?

同日にすべてを重ねるとは限りません。色素の炎症、HIFU後の圧痛・知覚、ボトックス後の筋力をそれぞれ確認し、前の治療反応が評価できる時期に次の治療を組みます。

Q. 現在の代表的な料金はいくらですか?

税込で、現在のルビーフラクショナルトーニングは全顔1回16,500円、1クール目5回66,000円、HIFUリニアは頬または顎下1回33,000円、エラボトックスは55,000円です。症例のトーニング機器・波長とボトックス製剤は表示されていないため、現在の代表メニューを分けて示しています。

Q. 治療後に早く連絡した方がよい症状はありますか?

強い痛み、水疱、急に増える腫れ、長引くしびれ、口元や表情の強い左右差、飲み込みにくさ、呼吸しにくさがある場合は、予定日を待たず当院へご連絡ください。

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