エラボトックスの適応と注意点
エラボトックスは、咬筋の張りや食いしばりがフェイスラインに関わっているときに候補になる治療です。向きやすいケースと注意点、当院での見方、一般的な医学情報、参考文献を整理します。
Medical Information
この記事について
- 医師監修
- 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
- 監修日
- 2022年8月11日
- 公開日
- 2022年8月11日
- 更新日
- 2026年7月9日
診療時の考え方や一般的な注意点を整理した記事です。 実際の適応や治療内容は、診察時に肌状態や経過を確認したうえでご案内します。


Contents
目次
Our Information
当院・医師の見解
当院では、エラボトックスを『顔を細くする注射』として一律に考えるのではなく、咬筋の張りが主因か、骨格や皮膚のゆるみが主因かを分けて見ています。
固いものをよく噛む、食いしばりや歯ぎしりがある、朝にエラや首がだるいといった背景では、咬筋の緊張がフェイスライン印象に関わっていることがあります。
一方で、皮膚のもたつきや輪郭の支え不足が強い場合は、筋量を減らすだけでは整理しにくく、別の治療や組み合わせを考えた方が自然なことがあります。
General Medical Information
一般的な医学情報
咬筋肥大は、下顔面の横幅や角ばった印象に関わることがあり、ボツリヌストキシン注射で筋量と筋緊張を和らげる治療が行われます。
また、食いしばりや歯ぎしりに関連した顎周囲の緊張や痛みで、ボツリヌストキシンが補助的に用いられることがあります。
ただし、フェイスラインの見え方は筋肉だけでなく、下顎の支え、皮下脂肪、皮膚のゆるみでも変わるため、すべてをエラボトックスだけで説明できるわけではありません。
食いしばりや咬筋の張りが主因のときに向きやすい治療です
エラが張って見える背景として、咬筋そのものが発達していることがあります。
固いものをよく噛む、歯ぎしりや食いしばりがある、朝にエラや首がだるいといったサインがある場合は、エラボトックスが候補になりやすくなります。
フェイスラインの悩みすべてを、エラボトックスだけで説明できるわけではありません
フェイスラインの見え方は、筋肉の張りだけでなく、皮膚のゆるみ、脂肪、骨格の支えでも変わります。
そのため、横幅を減らしたい気持ちがあっても、主因が筋肉ではない場合は別の治療を考えた方が自然なことがあります。
もともとの皮膚のゆるみがある場合は、経過の見え方に注意します
咬筋が細くなることで、もともとのもたつきや輪郭の影が目立ちやすくなるケースがあります。
そのため診療では、まず咬筋の張りを評価し、必要なら経過を見ながら別の治療を組み合わせるかを考えています。
費用の目安
- ボトックス・ビスタ エラ・首 ¥55,000
- コアトックス エラ・首 ¥55,000
使用製剤や注入量は筋肉の張り方や既往歴で調整します。実際の提案内容は診察時にご確認ください。
リスク・副作用・注意点
- 内出血、赤み、注射部位の違和感が出ることがあります。
- 一時的に咬む疲れやだるさ、表情の変化を感じることがあります。
- もともとの皮膚のゆるみや支え不足がある場合は、筋量が減ることでフェイスラインのもたつきが目立つことがあります。
効き方や見え方は咬筋の厚み、骨格、皮膚のゆるみで変わります。経過を見ながら調整することが大切です。
References
根拠文献・専門情報
-
The Role of Botulinum Toxin for Masseter Muscle Hypertrophy.
咬筋肥大に対するボツリヌストキシン治療の位置づけを整理した総説です。
-
Efficacy of botulinum toxin in masseter muscle hypertrophy for lower face contouring.
下顔面輪郭に対する咬筋ボツリヌストキシン治療の有効性を整理したレビューです。
-
The Evaluation of the Relationship between Changes in Masseter Muscle Thickness and Tooth Clenching Habits of Bruxism Patients Treated with Botulinum Toxin A.
BT-A治療後の咬筋厚み変化と食いしばり習慣との関係を評価した報告です。
-
Efficacy and Safety of Botulinum Toxin in the Management of Sleep Bruxism.
睡眠時ブラキシズムに対するボツリヌストキシンの有効性と安全性を検討した系統的レビューです。
よくあるご質問
Q. エラボトックスは、顔が四角く見える人すべてに向いていますか?
一律ではありません。咬筋の張りが主因なら候補になりますが、骨格や皮膚のゆるみが主因のこともあるため、診察で見分けることが大切です。
Q. 食いしばりや歯ぎしりがあるときにも相談できますか?
できます。見た目だけでなく、咬筋の緊張が強い背景があるかも含めて診察で確認します。
Q. エラボトックスでフェイスラインのもたつきが目立つことはありますか?
もともとの皮膚のゆるみや支え不足がある場合は、筋量が減ることで輪郭のもたつきが目立つことがあります。そのため適応の見極めが大切です。
ご予約・ご相談はこちら
症状の見え方や適応には個人差があります。実際の治療方針は診察で状態を確認したうえでご案内します。