頬の脂肪が多いとき、HIFUリニアをどう使うか
頬の脂肪が多い丸顔では、HIFUリニアで頬下部の脂肪層へ線状に熱を届け、前頬・頬骨下・こめかみのボリュームは残します。ウルトラセルQ+リニア1回後の男性症例から、通常HIFUとの役割、3回の進め方、顔こけを避ける照射順を解説します。
Medical Information
この記事について
- 執筆医・監修医
- 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
- 監修日
- 2026年8月9日
- 公開日
- 2022年4月7日
- 実質更新日
- 2026年8月9日

Contents
目次
ウルトラセルQ+リニア1回後、下頬の輪郭がすっきり
正面の治療前後は、丸顔の男性にウルトラセルQ+のリニアカートリッジを1回使用した症例です。右の施術後では、下頬の横幅が小さく見え、頬から下顎縁へ続く輪郭が分かりやすくなっています。
この症例は3回を1クールとする計画の1回後です。最初の変化を起点に、次は下頬に残る厚みと左右差を見て照射範囲を決めます。
頬下部を減らし、前頬・頬骨下・こめかみを残す
リニアを置く範囲は、口横から下顎縁にかけてつまめる頬下部と、下顎線を覆う脂肪です。正面で顔幅、斜位で口横のふくらみ、側面で下顎縁とあご下の厚みを見て、減らしたい部分をマーキングします。
前頬、頬骨下、こめかみにくぼみがある場合は、その容量を残します。同じ丸顔でも、咬筋の発達、こめかみの凹み、顎のボリューム不足が重さを強めて見せるため、脂肪を減らす範囲と、筋肉・骨格支持を整える範囲を別に描きます。
リニアは脂肪の厚み、通常HIFUはゆるみを担当する
症例で用いたウルトラセルQ+では、脂肪層を線状に加熱するリニアカートリッジを使用しました。現在当院で使用するウルトラセルZiは、点状に熱を置くドットと、広い範囲へ線状に熱を届けるリニアを切り替え、部位ごとに深さを変えられます。
頬下部の脂肪が輪郭を覆う場合はリニアを先に行い、厚みが減ったあとも皮膚と支持層のゆるみが残る部分へドットを組みます。前頬やこめかみの容量不足が影をつくる部位には、引き締め目的の照射を重ねません。
脂肪層へのリニア後に、皮膚・支持層のゆるみを通常HIFUで分けて評価する理由として、90日後の医師評価で92%に引き締めまたはしわの改善がみられ、顎下面積は側面写真で26〜45mm2減少したとの報告がありました(参考文献1)。
2〜4週間ごとに、同じ写真と触診で次の照射範囲を決める
現在のハイフリニアは2〜4週間間隔で3回を目安にしています。各回の前に正面・左右斜位・側面を同じ照明、距離、表情で撮影し、頬下部の横幅、口横のふくらみ、下顎縁の連続性を比較します。
触診では頬下部とあご下の厚み、前頬と頬骨下のくぼみ、圧痛、しびれを確認します。厚みが十分に減った側は照射範囲を狭め、左右差や顔こけが出ないように2回目、3回目の範囲を更新します。
各回で写真上の変化、本人が感じる変化、痛みを分けて記録する理由として、改善ありは医師評価89%、患者評価84%、満足した割合84%で、施術時の平均疼痛は10点中4.85だったとの報告がありました(参考文献2)。
エラ・こめかみ・顎の支えは、原因に合う治療へつなぐ
歯を食いしばったときに下顔面の外側が張る場合は、咬筋の厚みを測り、エラボトックスの役割を検討します。こめかみの凹みや顎の後退で顔の重心が下がって見える場合は、ヒアルロン酸で支持を補う部位を正面・斜位・側面から決めます。
頬脂肪が主な症例ではリニアを先に行い、輪郭が現れた時点で、まだ残る咬筋の張りや顎の支持不足を再評価します。減らす治療を終えてから補う場所を決めると、顔幅を増やさずに輪郭をつなげやすくなります。
Clinical View
診療で確認するポイント
- 正面・左右斜位・側面と触診から、頬下部、口横、下顎縁、あご下の脂肪を描き、前頬・頬骨下・こめかみの残す容量も同じ設計図へ記録します。
- 頬脂肪が輪郭を覆う場合は、ウルトラセルZiのリニアを頬下部へ先行し、咬筋、顎の支持、皮膚のゆるみを別の治療目標として残します。
- 2〜4週間後に同じ撮影条件で顔幅と下顎縁を比べ、触診で厚み、こけ、左右差、圧痛、しびれを確認して、次のリニア範囲を狭めるか維持するかを決めます。
- 脂肪が減ったあとに皮膚のゆるみが残ればドットHIFU、咬筋の張りが残ればボトックス、こめかみや顎の支持不足が残ればヒアルロン酸へ順番につなぎます。
Comparison
治療選択の比較
| 治療・対応 | 向く状態 | 向かない/慎重な状態 | 回数の目安 | ダウンタイム | 費用(税込) | 承認状況 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| HIFUリニア(ウルトラセルZi) | 頬下部・口横・あご下の皮下脂肪が輪郭を覆う状態 | 前頬・頬骨下・こめかみの容量不足、痩せ顔、神経走行近傍、感染・強い皮膚炎 | 2〜4週間間隔で3回が目安。毎回、範囲を再設計 | 赤み、熱感、腫れ、圧痛、乾燥。まれに熱傷、しびれ、神経症状、脂肪萎縮 | 頬1回33,000円/あご下1回33,000円 | ウルトラセルZiは国内未承認医療機器 |
| オーダーメイドHIFU(ドットを含む) | 頬・口元・フェイスラインの皮膚と支持層の軽度から中等度のゆるみ | 脂肪を減らしたい範囲だけが主、容量不足が強い部位、重度の皮膚余剰 | 1回後に経過を確認し、残るゆるみを再評価 | 熱感、骨に響く感覚、赤み、腫れ、圧痛。まれに熱傷、しびれ、神経症状 | 全顔+首・医師施術1回128,000円 | ウルトラセルZiは国内未承認医療機器 |
| エラボトックス | 咬筋の発達が下顔面の横幅をつくる状態 | 頬脂肪や骨格幅が主、咬筋の容量を保ちたい状態、嚥下機能へ配慮が必要な状態 | 1回後に表情時・食いしばり時の左右差を再評価 | 注射時痛、内出血、咬みにくさ、左右差。まれに表情や嚥下への影響 | エラ1回55,000円 | 製剤と使用目的ごとに国内承認・適応外使用を開示 |
| ヒアルロン酸注入 | こめかみや顎のボリューム不足が輪郭の重さを強める状態 | 頬脂肪の厚みが主、活動性感染、容量追加で下顔面が重くなる部位 | 通常1回。腫れが落ち着いてから支持と左右差を再評価 | 腫れ、内出血、しこり、左右差。まれに血管閉塞、皮膚障害、視覚障害 | 1本1cc 77,000円。部位により施術料あり | 製剤・部位・注入層ごとに国内承認範囲を開示 |
費用の目安
- ハイフリニア 頬:1回33,000円
- ハイフリニア あご下:1回33,000円
- オーダーメイドHIFU 全顔+首・医師施術:1回128,000円
- エラボトックス:1回55,000円
- ヒアルロン酸:1本1cc 77,000円。部位により施術料あり
自由診療・税込。ハイフリニアは2〜4週間間隔で3回を目安に案内しています。症例写真は旧機種ウルトラセルQ+によるもので、掲載料金は現在当院で使用するウルトラセルZiの料金です。
リスク・副作用・注意点
- HIFU:熱感、骨に響く感覚、赤み、腫れ、むくみ、圧痛、乾燥、内出血。まれに熱傷、水疱、しびれ、知覚変化、神経症状、脂肪萎縮、色素沈着
- 強い痛み、水疱、皮膚の色調変化、しびれの悪化、表情を動かしにくい症状がある場合は、早めの診察が必要です。
- ボトックス:注射時痛、内出血、左右差、咬みにくさ。まれに表情や嚥下への影響
- ヒアルロン酸:腫れ、内出血、しこり、感染、左右差。まれに血管閉塞、皮膚壊死、視覚障害
- 国内承認・適応: 症例写真は旧機種ウルトラセルQ+のリニアカートリッジを使用したものです。現在当院で使用するウルトラセルZiは、日本国内で医薬品医療機器等法上の承認を受けていない医療機器で、Jeisys Medical Inc.より医師が個人輸入しています。同一性能を有する国内承認医療機器はなく、韓国MFDSの承認を取得しています。未承認医療機器による健康被害は医薬品副作用被害救済制度等の対象外となる場合があります。ボトックスとヒアルロン酸は、使用製剤、部位、目的ごとに国内承認と適応外使用を開示します。
妊娠中、治療部位の感染・強い皮膚炎、埋め込み型医療機器や金属がある場合などは、HIFUを行えないことがあります。
Doctor Review
執筆・監修
執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
References
参考にした一次情報・ガイドライン
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A Systematic Review of the Efficacy of Microfocused Ultrasound for Facial Skin Tightening
研究デザイン: 単回のマイクロフォーカス超音波による顔面引き締めを扱う無作為化比較試験、比較試験、コホート、10人以上の症例系列を対象とした16研究のシステマティックレビュー / 対象: 全研究に女性が含まれ、90日後の医師評価GAISの統合対象337人、患者評価81人。研究ごとに年齢、照射部位、機器、深度、設定が異なる / 結果: 90日後の医師評価では92%に引き締めまたはしわの改善があり、顎下面積は側面写真で26〜45mm2減少した。患者評価は90日42%、360日53%だった。有害事象は主に一過性紅斑・浮腫で、その他は2%だった。 / 限界: 機器、深度、エネルギー、照射法、評価指標が不均一で、男性と1年超の成績が限られます。HIFUリニアによる頬脂肪減少や、ウルトラセルQ+・Zi固有の効果、リニア後にドットを行う順序を比較した研究ではありません。外部資金と利益相反はないと申告されています。原著全文を2026年8月8日に再確認しました。
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Microfocused Ultrasound With Visualization (MFU-V) Effectiveness and Safety: A Systematic Review and Meta-Analysis
研究デザイン: 2023年までの42研究を採用したMFU-Vのシステマティックレビュー・メタ解析。対照試験2件、観察研究9件、前後比較31件を含む / 対象: 医師による全般改善評価411人、患者評価312人、満足度326人、疼痛785人を統合。顔・首のほか身体部位も含み、研究ごとに背景と照射条件が異なる / 結果: 改善ありは医師評価89%、患者評価84%、満足した割合84%、平均疼痛は10点中4.85だった。主な有害事象は軽度から中等度の紅斑、浮腫、腫れ、内出血、圧痛だった。 / 限界: 多くが対照のない前後比較で、参加者背景、照射条件、評価尺度が不均一です。医師評価と満足度には出版バイアスが示されました。HIFUリニアの3回コースや、ウルトラセルQ+・Zi固有の照射間隔を検証した研究ではありません。Merz North Americaの研究費と複数著者の企業関係が開示されています。原著全文を2026年8月8日に再確認しました。
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医療機器の承認審査に関する情報
販売名、承認番号、承認範囲を確認する公的情報です。
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医療広告ガイドライン
自由診療の費用、主なリスク・副作用、未承認機器等の表示を確認する公的資料です。
よくあるご質問
Q. この症例は何回治療した写真ですか?
丸顔の男性にウルトラセルQ+のリニアカートリッジを1回使用した正面比較です。3回を1クールとする計画の1回後で、施術後は下頬の横幅が小さく見え、下顎縁が分かりやすくなっています。
Q. 頬のどこにHIFUリニアを照射しますか?
口横から下顎縁にかけてつまめる頬下部と、下顎線を覆う脂肪を中心にします。前頬、頬骨下、こめかみにくぼみがある場合は、その容量を残して照射範囲を作ります。
Q. HIFUリニアと通常HIFUは何が違いますか?
リニアは脂肪層へ線状に熱を届け、頬下部やあご下のボリューム調整に用います。通常のドットHIFUは狙った深さへ点状に熱を置き、皮膚と支持層の引き締めを担います。
Q. 3回はどのような間隔で行いますか?
現在のハイフリニアは2〜4週間間隔で3回が目安です。各回で同じ条件の正面・斜位・側面写真と触診を行い、頬の厚み、こけ、左右差、圧痛、しびれに合わせて次の照射範囲を更新します。
Q. 費用、主なリスク、承認状況を教えてください。
現在のウルトラセルZiによるハイフリニアは頬・あご下が各1回33,000円です。赤み、熱感、腫れ、圧痛などがあり、まれに熱傷、しびれ、神経症状、脂肪萎縮が生じます。ウルトラセルZiは国内未承認で、当院医師がJeisys Medical Inc.から個人輸入しています。症例写真は旧機種ウルトラセルQ+によるものです。
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