医師解説クマ治療料金表

クマとり手術の直後に見ている変化

CO2レーザーを用いた経結膜脱脂の術前と術直後を、正面・左右斜位で比較した症例です。直後の赤みと腫れ、眼窩脂肪のふくらみ、左右差、切除した脂肪、追加治療を判断する時期を順に解説します。

Medical Information

この記事について

監修日
2026年8月9日
公開日
2022年1月11日
実質更新日
2026年8月9日

Contents

目次

  1. 術直後は赤みがあっても、目の下のふくらみの変化を確認できます
  2. 中央・内側の脂肪区画を結膜側から確認します
  3. 左右別に切除脂肪を記録し、量だけでなく術後の輪郭を見ます
  4. アイシングとテーピング後は、出血・腫れ・見え方を分けて追います
  5. 脂肪注入は同日に決めず、腫れが落ち着いてから残る凹みで判断します
  6. 掲載当時のモニター価格と現行料金を分けてご案内します
  7. 診療で確認するポイント
  8. 治療選択の比較
  9. 費用の目安
  10. リスク・副作用・注意点
  11. 関連記事
  12. 関連施術・関連症状のご案内
  13. 執筆・監修
  14. 参考にした一次情報・ガイドライン
  15. よくあるご質問

術直後は赤みがあっても、目の下のふくらみの変化を確認できます

本症例は、CO2レーザーを用いた経結膜切除によるクマとりです。施術前と術直後を正面・左右斜位で比べると、直後は結膜側の操作に伴う発赤がある一方、腫れはわずかで、術前に下眼瞼から前方へ張り出していたふくらみが減り、目の下の影も浅く見えます。

術直後は、術前と同じ方向で内側・中央・外側のふくらみ、左右差、下眼瞼の位置、閉瞼、急に増える出血や腫れを確認します。赤みと麻酔の影響が残る早期評価と、腫れが落ち着いた後に見る涙溝・色調・小じわの評価を分けます。

中央・内側の脂肪区画を結膜側から確認します

下眼瞼の眼窩脂肪は内側・中央・外側の区画に分かれ、突出の強さは一様ではありません。本症例の手術記録では中央と内側の脂肪区画を確認し、術前に影を作っていたふくらみに合わせて調整しています。

局所麻酔後にCO2レーザーで結膜を切開・剥離し、切開と止血を進めながら脂肪へ到達します。本症例では結膜創を縫合せず、創縁が自然に接着する方法で経過をみました。使用する器具にかかわらず、術後は結膜浮腫、内出血、結膜創、下眼瞼位置を同じ項目で追います。

CO2レーザーを用いた後も結膜と皮膚側を同じ項目で確認する根拠として、モノポーラ電気手術との比較ではCO2レーザー群で結膜浮腫が少ない一方、術後の内出血、結膜炎、審美的満足度には差がなく、モノポーラ群の3人に結膜肉芽腫が生じたとの報告がありました(参考文献1)。

左右別に切除脂肪を記録し、量だけでなく術後の輪郭を見ます

切除した眼窩脂肪は右と左に分けて記録しています。左右で同じ大きさを取ることを目標にするのではなく、術前の突出部位、左右差、各区画のふくらみ、調整後の下眼瞼から頬へのつながりを見ながら止める位置を決めます。

ふくらみが減った後は、脂肪の残り、取りすぎによる凹み、涙溝・ゴルゴライン、下眼瞼の高さを正面と斜位で再評価します。術直後の切除脂肪の見た目と、腫れが落ち着いた後の顔の輪郭を別々に記録します。

ふくらみが減った後も涙溝と下眼瞼位置を再評価する理由として、脂肪の切除不足は外科医評価で4.9%、涙溝変形は9.7%、下眼瞼後退は1.2%で、患者満足度は100点換算で平均92.8点だったとの報告がありました(参考文献2)。

アイシングとテーピング後は、出血・腫れ・見え方を分けて追います

術後はアイシングとテーピングを数日行い、創部からの出血、片側だけ増える腫れ、内出血、痛み、結膜の腫れ、下眼瞼の位置を追います。症例説明では、内出血は約1週間、内出血を伴う腫れは約1ヶ月続く場合があり、軽い下眼瞼外反、左右差、凹凸が残る可能性を案内しています。

急に強くなる眼窩の痛み、急速な片側の腫れ、眼球突出、視力・視野の変化、複視は、通常の赤みや内出血と分けて直ちに評価します。

急な痛みと視機能変化を緊急対応へ分ける理由として、眼窩内出血は約0.055%、永久的な視力喪失を伴うものは約0.0045%で、多くは術後3時間以内でしたが数日後にも起こり得るとの報告がありました(参考文献3)。

脂肪注入は同日に決めず、腫れが落ち着いてから残る凹みで判断します

本症例では脱脂と同時に脂肪注入を行わず、後日の選択肢としました。ふくらみが減るだけで目の下から頬への段差が整い、追加注入が不要になることもあるためです。

経過後に涙溝やゴルゴラインの広い凹みが残る場合は、脂肪注入で補う範囲と、腫れ、しこり、感染、脂肪壊死、定着量のばらつきを比較します。追加するかどうかは、術後の腫れと内出血が落ち着いた状態を正面・斜位で見て決めます。

掲載当時のモニター価格と現行料金を分けてご案内します

本症例の掲載当時は、CO2レーザーによるクマとり結膜法のモニター価格を98,000円と案内していました。現在の総合料金表では、経結膜脱脂術は189,000円(税込)です。

目の下のふくらみを整える美容目的の経結膜脱脂は自由診療です。後日に脂肪注入などを追加する場合は別の施術費が必要になり、行わない場合は追加施術費はかかりません。

Clinical View

診療で確認するポイント

  • 術前に正面と左右斜位で、内側・中央・外側の眼窩脂肪突出、涙溝、ゴルゴライン、下眼瞼位置を分けて記録します。
  • 結膜側から中央・内側を含む各脂肪区画を確認し、左右の切除量をそろえるのではなく、突出と輪郭が整う位置で調整を止めます。
  • 術直後は赤みの有無だけでなく、出血、急速な片側腫脹、眼球運動・視機能、閉瞼、下眼瞼位置を確認します。
  • アイシングとテーピング後の経過を追い、腫れが落ち着いてから残る涙溝・頬の凹みに脂肪注入が必要かを判断します。

Comparison

治療選択の比較

治療・対応 向く状態 向かない/慎重な状態 回数の目安 ダウンタイム 費用(税込) 承認状況
CO2レーザーを用いた経結膜脱脂 眼窩脂肪の突出が目の下のふくらみと影の中心で、皮膚切除を必要としない状態 涙溝・頬の凹み、色素・血管、皮膚弛緩だけが見え方の中心で、脂肪突出が乏しい状態 通常1回。術直後と経過後に形態・視機能を再評価 痛み、腫れ、内出血、血腫、左右差、凹凸、下眼瞼外反、結膜浮腫、感染など 経結膜脱脂術 189,000円(税込)。掲載当時のモニター価格は98,000円 手術手技。CO2レーザー機器は機種と使用目的ごとに承認範囲を確認
術直後からの経過観察 赤み・腫れが軽く、出血、眼球突出、視力・視野変化、複視がなく、日ごとに回復する状態 急な眼窩痛、急速な片側腫脹、眼球突出、視力・視野変化、複視、続く出血がある状態 術直後に確認し、指定日に再診。症状があれば予定を待たず評価 約1週間の内出血。内出血を伴う場合は約1か月の腫れが続くことがある 術後診察・処置は手術契約と実施内容により異なる 経過観察自体は医薬品・医療機器の承認対象ではない
経過後の脂肪注入 脱脂後の腫れが落ち着いても、涙溝から頬へ広い凹みが残り、自己組織で補うことを希望する状態 脱脂だけで輪郭が整った状態、腫れ・出血が残る術直後、しこりや長い腫れを避けたい場合 腫れが落ち着いた後に範囲を決定。定着量により再評価 腫れ、内出血、左右差、凹凸、しこり、感染、脂肪壊死、定着量のばらつきなど 現行総合料金表に目周り単独の固定料金掲載なし 自家脂肪を用いる手術。採取・処理・注入法と併用薬剤を個別に説明

費用の目安

  • 掲載当時のモニター価格:CO2レーザーによるクマとり結膜法 98,000円(掲載時点の表示)
  • 現行料金:経結膜脱脂術 189,000円(税込)
  • 後日に脂肪注入を追加する場合:現行総合料金表に目周り単独の固定料金掲載なし

掲載当時の症例料金と、2026年8月9日に確認した現行総合料金表を分けて表示しています。目の下のふくらみを整える美容目的の経結膜脱脂は自由診療です。

リスク・副作用・注意点

  • 経結膜脱脂:痛み、腫れ、内出血、血腫、感染、左右差、凹凸、脂肪の残存・取りすぎによる凹み、下眼瞼外反
  • 結膜浮腫、結膜充血、異物感、流涙、ドライアイ、閉瞼不全、複視
  • まれに眼窩内出血、眼球突出、視力・視野障害など、緊急処置を要する合併症
  • 脂肪注入を追加する場合:腫れ、内出血、左右差、凹凸、しこり、感染、脂肪壊死、定着量のばらつき
  • 国内承認・適応: 経結膜脱脂は手術手技です。CO2レーザーは使用機種と承認された使用目的が異なり、眼瞼結膜の切開への使用が承認範囲外となる場合があります。後日に自家脂肪注入を行う場合は、採取・処理・注入法と併用する薬剤・機器の承認状況を個別に説明します。

急に強くなる眼窩の痛み、片側だけ急速に増える腫れ、眼球突出、視力・視野の変化、複視、続く出血がある場合は直ちにご連絡ください。

Doctor Review

執筆・監修

執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)

References

参考にした一次情報・ガイドライン

  1. Chen CF, Mao SH, Yen CI, et al. Plast Reconstr Surg. 2023;152(4):747-753. doi:10.1097/PRS.0000000000010255. PMID:36723988.

    Carbon Dioxide Laser Transconjunctival Lower Blepharoplasty: An Objective and Quantitative Comparison to Monopolar Electrosurgery

    研究デザイン: 経結膜的下眼瞼形成術でCO2レーザーとモノポーラ電気手術を比較した無作為化比較試験。 / 対象: 2018年8月から2021年3月に経結膜的下眼瞼形成術を受けた78人。年齢、性別、局所麻酔量、脂肪切除量は両群で差がなかった。 / 結果: CO2レーザー群は術中の熱感と術後結膜浮腫が少なかった。術後内出血、結膜炎、審美的満足度には差がなく、モノポーラ群の3人(7.89%)に結膜肉芽腫が生じた。 / 限界: CO2レーザーとモノポーラ電気手術だけの比較で、冷刃メスやバイポーラとの直接比較ではない。PubMed抄録では機器設定、割付隠蔽、追跡期間の詳細を確認できず、この症例の出血量や回復を予測する資料ではない。原著全文は取得できず、2026年8月9日にPubMed抄録と書誌情報を再確認した。 / 利益相反: PubMed抄録に資金提供・利益相反の記載がなく、原著全文を取得できなかったため不明。

  2. Kashkouli MB, Pakdel F, Kiavash V, et al. Ophthalmic Plast Reconstr Surg. 2013;29(4):249-255. doi:10.1097/IOP.0b013e31828ecfb9. PMID:23645352.

    Transconjunctival Lower Blepharoplasty: A 2-Sided Assessment of Results and Subjects' Satisfaction

    研究デザイン: 単一眼形成外科医が行った経結膜的下眼瞼形成術の診療録と術前後写真を用い、外科医評価と患者評価を比較した後ろ向き横断研究。 / 対象: 6か月以上追跡できた164人(女性133人)。平均年齢50.7歳、平均追跡22.8か月。 / 結果: 外科医評価では脂肪の切除不足4.9%、涙溝変形9.7%、下眼瞼後退1.2%。患者評価では順に3.7%、0.6%、1.2%で、満足度は100点換算で平均92.8点だった。 / 限界: 単施設・単一術者の後ろ向き研究で、術式の詳細や併用手技がこの症例と同一ではない。再手術例と追跡6か月未満を除外しており、CO2レーザーの効果、術直後の赤み・腫れ、個人の結果を示さない。原著全文は取得できず、2026年8月9日にPubMed抄録と書誌情報を再確認した。 / 利益相反: PubMed抄録に資金提供・利益相反の記載がなく、原著全文を取得できなかったため不明。

  3. Hass AN, Penne RB, Stefanyszyn MA, Flanagan JC. Ophthalmic Plast Reconstr Surg. 2004;20(6):426-432. doi:10.1097/01.iop.0000143711.48389.c5. PMID:15599241. Erratum: Ophthalmic Plast Reconstr Surg. 2005;21(2):169.

    Incidence of Postblepharoplasty Orbital Hemorrhage and Associated Visual Loss

    研究デザイン: 米国眼形成再建外科学会会員への質問票による回顧的調査。出血の発症時期、治療、視力喪失を集計。 / 対象: 237人の回答医師が経験した眼瞼美容手術269,433件。眼窩内出血149件、一時的視力喪失48件、永久的視力喪失12件。 / 結果: 眼窩内出血は約0.055%、永久的視力喪失を伴う出血は訂正後約0.0045%。多くは術後0〜3時間に起き、24時間後にリスクは低下したが、数日後にも発症した。 / 限界: 医師の記憶に基づく質問票で想起バイアスがある。上・下眼瞼、術式、切開器具が混在し、CO2レーザーによる経結膜脱脂だけの発生率ではない。原著全文は取得できず、2026年8月9日にPubMed抄録、訂正文、書誌情報を再確認した。 / 利益相反: PubMed抄録に資金提供・利益相反の記載がなく、原著全文を取得できなかったため不明。

  4. 厚生労働省

    医療広告ガイドライン

    自由診療の費用、主なリスク・副作用、未承認機器等の表示を確認する公的資料です。

よくあるご質問

Q. 術直後に目の下のふくらみが減っていれば完成ですか?

術直後には、脂肪突出の変化と急な出血・腫れ、下眼瞼位置、視機能を確認します。涙溝、ゴルゴライン、色調、小じわの最終的な見え方は、腫れと内出血が落ち着いてから正面・斜位で再評価します。

Q. CO2レーザーを使えば内出血は起こりませんか?

CO2レーザーは切開と止血を進められる器具ですが、術後の内出血を完全に防ぐものではありません。本症例の説明でも約1週間の内出血と、内出血を伴う場合の約1か月の腫れを案内しています。

Q. 切除する脂肪は左右同じ量ですか?

左右同量を目標にはしません。内側・中央・外側のうち、どの区画がどの程度突出しているか、術前の左右差、調整後の下眼瞼から頬への輪郭を見て決めます。

Q. 脂肪注入を同時に行わず、後日に考えるのはなぜですか?

脱脂だけでふくらみと段差が整い、追加注入が不要になる場合があるためです。腫れが落ち着いた後も涙溝や頬の広い凹みが残る場合に、脂肪注入の範囲と負担を検討します。

Q. 術後にすぐ連絡したい症状はありますか?

急に強くなる眼窩の痛み、片側だけ急速に増える腫れ、眼球突出、視力・視野の変化、複視、続く出血、発熱や排膿がある場合は、予定日を待たず直ちにご連絡ください。

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