クマとり手術の1週間後に確認するポイント
CO2レーザーを用いた経結膜脱脂の術前と術後1週間を、正面と両斜位で比べた症例です。数日間のアイシングとテーピング後、発赤・腫脹・痛みはなく、両側のふくらみが減って凹みもないため、脂肪注入は行いませんでした。
Medical Information
この記事について
- 執筆医・監修医
- 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
- 監修日
- 2026年8月9日
- 公開日
- 2022年1月23日
- 実質更新日
- 2026年8月9日



Contents
目次
正面では、ふくらみの減少と早期の左右差を確認します
正面写真は上段が術前、下段が術後1週間です。CO2レーザーを用いて下まぶたの結膜側から眼窩脂肪を切除し、術前に両側へ見られた目の下のふくらみは、1週間後には小さくなっています。
術後はアイシングとテーピングを数日間続けていただきました。1週間後の診察では発赤、腫脹、痛みがなく、来院までに気になる症状もありませんでした。ご本人にもクマの変化を喜んでいただけた経過です。
この時期は正面で、腫れや内出血が前日より減っているか、片側だけ増えていないか、出血や熱感がないかを確認します。下眼瞼の高さ、白目の見え方、閉じにくさ、左右差も術前写真と比べます。
術後1週間に腫れ・内出血・結膜浮腫の推移を確認する理由として、これらは術後によく見られ、多くが1〜2週間で改善し、異物感は48〜72時間で治まったとの報告がありました(参考文献1)。
斜位では、下まぶたから頬へ続く輪郭と眼の機能を見ます
一方向の斜位も上段が術前、下段が術後1週間です。斜めから突出していた眼窩脂肪が減り、下まぶたから頬へ続く輪郭がなだらかになっています。強い腫れや新たな局所の盛り上がりは見られません。
形だけでなく、結膜のむくみや充血、分泌物、異物感、流涙、眼の乾燥を確認します。見えにくさ、二重に見える、眼を動かすと痛むといった症状を聞き、必要に応じて視力、瞳孔、眼球運動、閉瞼時の角膜露出を評価します。
術後1週間の凹みは、残る腫れや照明でも見え方が変わります。この症例では両側のふくらみが減り、追加で容量を補う凹みを認めなかったため、脂肪注入は行わず経過を見る方針としました。
反対の斜位まで比べ、CO2レーザーによる切開部の経過を確認します
反対方向の斜位も上段が術前、下段が術後1週間です。こちら側も目の下のふくらみが減り、左右を見比べても明らかな凹みはありません。正面だけでなく両斜位をそろえることで、片側に残る脂肪や輪郭の段差を確認できます。
この症例では、皮膚表面を切開せず、結膜側からCO2レーザーで切開と止血を行い、突出した眼窩脂肪を調整しました。1週間後は結膜創の治り、結膜浮腫、出血、異物感を確認し、皮膚側は内出血と下眼瞼の位置を追います。
CO2レーザーを用いる場合も、術後の内出血や腫れがなくなるわけではありません。使用器具の違いだけで判断せず、止血、結膜創、眼窩脂肪の残り方、下眼瞼位置を同じ順序で評価します。
CO2レーザーを用いた後も結膜と皮膚側を確認する根拠として、モノポーラ電気手術との比較ではCO2レーザー群で結膜浮腫が少ない一方、術後の内出血、結膜炎、審美的満足度には差がなく、モノポーラ群の3人に結膜肉芽腫が生じたとの報告がありました(参考文献2)。
急な痛み・視力変化は予定日を待たず、形は腫れが引いてから再評価します
急に強くなる眼の奥の痛み、片側だけ急速に増える腫れ、眼球の突出、視力低下や視野の欠け、二重に見える、眼が動かしにくい、強い吐き気があれば、術後1週間の予約日や次回受診を待たず直ちに連絡が必要です。
一方、軽い内出血、腫れ、結膜のむくみは1週間前後に残ることがあります。経過の目安は、内出血が1週間程度、内出血がある場合の腫れが1ヶ月程度です。症状が日ごとに減り、視機能と下眼瞼位置に問題がなければ、ふくらみの残り、涙溝の凹み、軽い凹凸、左右差を腫れがさらに落ち着いた時点で再評価します。
この症例では1週間後に凹みがなかったため追加治療は行いませんでした。後日の診察でも、ふくらみの再評価と、脂肪を取りすぎた凹みがないかを正面・両斜位で確認し、必要な場合だけ次の治療を検討します。
急な痛みと視機能変化を緊急対応へ分ける理由として、眼窩内出血は約0.055%、永久的な視力喪失を伴うものは約0.0045%で、多くは術後3時間以内でしたが数日後にも起こり得るとの報告がありました(参考文献3)。
Clinical View
診療で確認するポイント
- 術前と術後1週間の正面・両斜位を同じ順序で比べ、ふくらみ、凹み、左右差、下眼瞼の高さ、白目の見え方を記録します。
- 発赤、腫脹、痛み、出血、熱感の推移を聞き、結膜浮腫、充血、分泌物、閉瞼、眼球運動、見え方を確認します。
- 急な眼窩痛、片側だけ増える腫れ、眼球突出、視力・視野の変化、複視は当日中の緊急評価へ分けます。
- 輪郭は腫れがさらに落ち着いてから再撮影し、ふくらみの残りと取りすぎによる凹みを分け、追加治療は必要な場合だけ考えます。
Comparison
治療選択の比較
| 治療・対応 | 向く状態 | 向かない/慎重な状態 | 回数の目安 | ダウンタイム | 費用(税込) | 承認状況 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 術後1週間の定期診察 | 腫れ・内出血が日ごとに軽くなり、痛み・出血・見え方の変化がない経過 | 急な眼窩痛、急速な片側腫脹、眼球突出、視力・視野変化、複視がある状態 | 術後1週間に1回。経過に応じて追加診察 | 軽い腫れ、内出血、結膜浮腫、異物感が残ることがある | 経結膜脱脂術 189,000円(税込) | 要確認 |
| 予定外の緊急診察 | 急に強くなる痛み、片側だけ増える腫れ、眼球突出、視機能・眼球運動の変化がある状態 | 症状が軽く日ごとに改善し、視機能に変化がない通常の回復経過 | 症状が出た時点で直ちに評価 | 原因と必要な処置により異なる | 診察・検査・処置内容により異なる | 要確認 |
| 腫れが引いた後の形態再評価 | ふくらみの残り、涙溝の凹み、軽い凹凸、左右差を最終的に確認する時期 | 強い痛み、出血、感染徴候、視機能障害があり、経過観察より早期処置を優先する状態 | 1週間後からの変化を追い、腫れが落ち着いた時点で再撮影 | 診察のみなら追加ダウンタイムなし | 追加施術を行わない場合は施術費なし | 要確認 |
費用の目安
- 経結膜脱脂術 189,000円(税込)
症例で行ったのはCO2レーザーを用いた経結膜脱脂です。術後1週間に脂肪注入などの追加施術は行っていません。
リスク・副作用・注意点
- 痛み、腫れ、内出血、血腫、感染、左右差、凹凸、脂肪の残存・取りすぎ、下眼瞼外反
- 結膜浮腫、結膜充血、異物感、流涙、ドライアイ、閉瞼不全、複視
- まれに眼窩内出血、眼球突出、視力・視野障害など、緊急処置を要する合併症
- 国内承認・適応: 経結膜脱脂は手術手技です。使用するCO2レーザー機器の販売名、承認番号、承認された使用目的は機種ごとに異なります。
原症例の説明にある約1週間の内出血、内出血を伴う場合の約1か月の腫れ、軽度の下眼瞼外反、左右差、軽度の凹凸の残存を保持し、術後1週間に確認する結膜・視機能所見を補った。
Doctor Review
執筆・監修
執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
References
参考にした一次情報・ガイドライン
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Exploring the Versatility of Transconjunctival Blepharoplasty: A Retrospective Single-Center Study
研究デザイン: 北インドの単一私立病院で行った経結膜的・後隔膜法下眼瞼形成術の後ろ向き観察研究。術後1、2、3、6、12週に追跡 / 対象: 20〜76歳の88人(男性28人、女性60人)。31人に皮膚切除、19人に外眼角形成・固定、87人に脂肪移植を併用 / 結果: 全例に腫れ、内出血、何らかの結膜浮腫があり、多くは1〜2週間で改善。14人(15.73%)の異物感は48〜72時間で消失した。 / 限界: 単施設・後ろ向きで比較群がなく、ほぼ全例に脂肪移植などの併用手技がある。CO2レーザーを用いた本症例固有の回復期間や、症状が全くない患者の割合を示さない。PMC原著全文を2026年8月9日に確認した。 / 利益相反: 著者は関連する金銭的関係とその他の影響し得る関係なしと申告。第三者英文校正を受けたと記載。
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Carbon Dioxide Laser Transconjunctival Lower Blepharoplasty: An Objective and Quantitative Comparison to Monopolar Electrosurgery
研究デザイン: 経結膜的下眼瞼形成術でCO2レーザーとモノポーラ電気手術を比較した無作為化比較試験 / 対象: 2018年8月〜2021年3月に手術を受けた78人。年齢、性別、局所麻酔量、脂肪切除量は両群で差がなかった / 結果: CO2レーザー群は術中の熱感と術後結膜浮腫が少なかった。術後内出血、結膜炎、審美的満足度には差がなく、モノポーラ群の3人(7.89%)に結膜肉芽腫が生じた。 / 限界: CO2レーザーとモノポーラ電気手術だけの比較で、冷刃メスやバイポーラとの直接比較ではない。PubMed抄録では機器設定、割付隠蔽、長期追跡、COIを確認できず、本症例の無症状経過を予測する資料ではない。原著全文は取得できず、2026年8月9日にPubMed抄録と書誌情報を確認した。 / 利益相反: PubMed抄録に資金提供・利益相反の記載がなく、原著全文を取得できなかったため不明。
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Incidence of Postblepharoplasty Orbital Hemorrhage and Associated Visual Loss
研究デザイン: 米国眼形成再建外科学会会員への2ページ質問票による回顧的調査。出血発症時期、治療、視力喪失を集計 / 対象: 237人の回答医師が経験した眼瞼美容手術269,433件。眼窩内出血149件、一時的視力喪失48件、永久的視力喪失12件 / 結果: 眼窩内出血は約0.055%(約2,000件に1件)、永久的視力喪失を伴う出血は訂正後約0.0045%(約22,000件に1件)。多くは術後0〜3時間に起き、24時間後にリスクは低下したが、数日後にも発症した。 / 限界: 医師の記憶に基づく質問票で分母・症例数に想起バイアスがある。上・下眼瞼、術式、切開器具が混在し、CO2レーザーによる経結膜脱脂だけの発生率ではない。原著全文は取得できず、2026年8月9日にPubMed抄録と書誌情報を確認した。 / 利益相反: PubMed抄録に資金提供・利益相反の記載がなく、原著全文を取得できなかったため不明。
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医療広告ガイドライン
自由診療の費用、主なリスク・副作用、未承認機器等の表示を確認する公的資料です。
よくあるご質問
Q. この症例では、どの手術を行い、いつ撮影していますか?
CO2レーザーを用いた経結膜脱脂を行い、術前と術後1週間を正面・両斜位で比較しています。皮膚表面ではなく下まぶたの結膜側から眼窩脂肪を調整した症例です。
Q. 術後1週間に軽い内出血や腫れが残っていても大丈夫ですか?
軽い内出血、腫れ、結膜浮腫は1週間前後に残ることがあります。前日より減っているか、片側だけ増えていないか、痛み・出血・見え方の変化がないかを診察で分けます。
Q. 予定日を待たずに連絡する症状はありますか?
急に強くなる眼の奥の痛み、片側だけ急速に増える腫れ、眼球突出、視力低下・視野の欠け、複視、眼球運動の異常、強い吐き気があれば、直ちに当院へ連絡してください。
Q. なぜこの症例では脂肪注入を追加しなかったのですか?
術後1週間に両側のふくらみが減り、正面と両斜位で追加容量を必要とする凹みを認めなかったためです。腫れがさらに落ち着いた後も形を確認し、追加治療は必要な場合だけ検討します。
Q. CO2レーザーなら内出血や腫れは起こりませんか?
CO2レーザーでも内出血、腫れ、結膜浮腫などは起こり得ます。切開器具だけで経過は決まらないため、止血、結膜創、下眼瞼位置、視機能を術後に確認します。
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