フェイスラインの凸凹をヒアルロン酸3ccでなめらかに整える考え方
こめかみから頬骨、エラへ続く外輪郭は、隣り合う凹みと張り出しでごつごつして見えることがあります。ボリューマXC 3ccを用い、正面と左右の斜位で輪郭全体の曲線をなだらかに整えた症例です。
Medical Information
この記事について
- 執筆医・監修医
- 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
- 監修日
- 2026年8月9日
- 公開日
- 2021年12月28日
- 実質更新日
- 2026年8月9日



Contents
目次
正面では、こめかみからエラまでの外輪郭を一続きで見ます
この症例では、ヒアルロン酸製剤のジュビダームビスタ ボリューマXCを合計3cc使用しました。正面では、こめかみのくぼみ、頬骨外側の高点、頬からエラへ下がる輪郭を一続きの曲線として確認します。
治療後は、こめかみから頬骨外側へ移る線と、頬から下顎へ続く外輪郭が治療前よりなだらかに見えます。張り出した場所だけを見るのではなく、その上下にある凹みとの高低差を整えることで、ごつごつした印象がやわらぎ、顔全体が柔らかく見えます。
3ccはこの症例で使用した全量です。正面で顔幅が増えて見えないかも確かめ、輪郭の高点をさらに強くするのではなく、曲線を中断する凹みをつなぐ範囲を選びます。
片側斜位では、こめかみと頬骨の高低差を確認します
斜位では、こめかみの影がどこから始まり、頬骨外側の高点へどの角度で戻るかを見ます。治療後は、この移行部の段差が小さくなり、頬骨の張り出しが輪郭の中へなじんで見えます。
前頬のボリューム不足と、外側頬の影、骨性の高点を触診と斜位で分けます。ボリューマXCは凹みを支えて隣接する曲面をつなぐ目的で使い、頬骨の高点そのものを一律に大きくする治療にはしません。
こめかみから頬骨外側へ続く輪郭は、高点だけでなく外側・下側の頬までの連続で評価します。ボリューマXCで中顔面を治療した後、外側・下側の頬に満足した割合は治療前59.0%から6か月時97.6%、24か月時89.8%へ、頬骨の突出への満足は69.7%から97.6%、91.7%へ上がったとの報告がありました(参考文献1)。
反対側の斜位でも、外輪郭が同じリズムでつながるかを見ます
反対側の斜位でも、こめかみ、頬骨、外側頬、エラへ続く光と影を同じ順序で確認します。治療後は、こめかみから頬骨へ移る影と、頬から下顎へ続く外輪郭がなだらかです。
正面で顔幅を、両斜位で骨格の高点、側頭部のくぼみ、頬の脂肪量を左右それぞれ記録します。3ccは、曲線を中断する範囲から左右ごとに配分し、治療後の幅と高低差を同じ3方向で見直します。
腫れが落ち着いた再診では、正面と両斜位を同じ照明・表情で撮影し、こめかみからエラまでの曲線、左右差、触れたときの硬さを再評価します。
内出血・しこりの経過と、血流障害の初期症状を分けて確認します
この症例の案内では、内出血が1週間程度みられ、注入部のしこりを1〜2か月ほど感じることがあります。腫れ、圧痛、硬さが少しずつ弱まるかを再診で確認します。
一方、通常と異なる強い痛み、皮膚の白色化・紫色または網目状の変化、視力・視野の異常は予定日を待たずに連絡が必要です。こめかみから頬、下顎縁まで血管走行を重ね、注入中から皮膚色と痛みを確認します。
注入後は、内出血だけでなく腫れ、圧痛、硬さ、凹凸が弱まる経過を確認します。VYC-20Lで頬を治療した後の処置部位反応は多くが軽度から中等度で、2週間以内に治まったとの報告がありました(参考文献2)。
下顎縁から頬へ続く範囲では、顔面動脈とその枝を確認します。顔面動脈の内径は下顎下縁で平均1.2mm、口角近くで平均1.0mmで、部位により太さが異なるとの報告がありました(参考文献3)。
Clinical View
診療で確認するポイント
- 正面では、こめかみ、頬骨外側、外側頬、エラを一続きの外輪郭として記録し、どの凹みが骨性の高点を強調しているかを見ます。
- 両斜位では、こめかみから頬骨へ移る角度と、頬から下顎へ下がる線を比べ、顔幅を増やさず曲線をつなげる範囲を決めます。
- ボリューマXC 3ccはこの症例の全量として扱い、部位別配分は正面・両斜位と触診で決めます。
- 腫れが落ち着いた再診で同じ3方向を見直し、左右の曲線、触れたときの硬さ、追加で補う必要がある範囲を再評価します。
Comparison
治療選択の比較
| 治療・対応 | 向く状態 | 向かない/慎重な状態 | 回数の目安 | ダウンタイム | 費用(税込) | 承認状況 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ボリューマXCで外輪郭の凹みを支える | こめかみ・頬骨外側・外側頬・下顎部の凹みが隣接する高点を強調し、外輪郭が段状に見える状態 | 頬骨の骨性突出、咬筋の厚み、皮下脂肪、皮膚のゆるみが主で、凹みを補うと顔幅が強く見える状態 | 通常1回後、正面・両斜位と触診で再評価。本症例は3cc | 本症例の案内では内出血約1週間、注入部のしこり感1〜2か月。腫れ、痛み、硬さ、左右差、まれに血管閉塞・壊死・視覚障害・脳卒中 | 1本1cc 77,000円。本症例と同じ3ccは231,000円。カテラン針を使用する場合は11,000円 | 国内承認品(22800BZX00338000)。成人の中顔面・下顎部・こめかみで減少したボリュームの増大が目的 |
| HIFUで皮膚のゆるみ・皮下脂肪へ照射する | 凹みよりも皮膚のゆるみや頬・顎下の皮下脂肪が外輪郭をぼやけさせている状態 | こめかみ・頬外側の凹みや脂肪の少なさが主で、熱治療によりこけ感が強く見える状態 | オーダーメイドハイフは通常1回後に再評価。ハイフリニアは2〜4週間間隔で3回が目安 | 痛み、赤み、熱感、腫れ、圧痛、しびれ。まれに熱傷、神経症状、意図しない脂肪減少 | オーダーメイドハイフ 全顔+首128,000円。ハイフリニア 頬33,000円 | 当院のウルトラセルZiは美容目的では国内未承認 |
費用の目安
- ジュビダームビスタ ボリューマXC 1本1cc:77,000円(税込)
- 本症例と同じボリューマXC 3cc:231,000円(税込)
- カテラン針使用料:11,000円(税込、使用する場合)
- オーダーメイドハイフ 全顔+首:128,000円(税込、皮膚のゆるみが主因で選択する場合)
- ハイフリニア 頬:33,000円(税込、皮下脂肪が主因で選択する場合)
本症例で確認できる使用量はボリューマXC 3ccで、現在の薬剤料は231,000円です。カテラン針の使用は症例素材から確認できないため、使用する場合の追加料金として示しています。
リスク・副作用・注意点
- ボリューマXCでは、発赤、腫れ、痛み、圧痛、内出血、硬さ、しこり、凹凸、左右差、感染、アレルギー、遅発性結節が生じることがあります。本症例の案内では、内出血は1週間程度、注入部のしこりは1〜2か月ほど感じることがあります。
- 血管内への誤注入または血管・神経の圧迫により、血管閉塞、皮膚壊死、視力・視野障害、失明、脳卒中が起こる可能性があります。
- 通常と異なる強い痛み、皮膚の白色化・紫色または網目状の変化、視力・視野の異常がある場合は、直ちに連絡してください。
- HIFUでは、痛み、赤み、熱感、腫れ、圧痛、しびれが生じ、まれに熱傷、水疱、神経症状、色素変化、意図しない脂肪減少が起こることがあります。
- 国内承認・適応: ジュビダームビスタ ボリューマXCは、成人の中顔面・下顎部・こめかみで減少したボリュームを増大する目的で、皮下または骨膜上深部へ注入する国内承認品です(承認番号22800BZX00338000)。眉間・眼窩周囲は承認範囲に含まれません。当院のHIFU機器ウルトラセルZiは美容目的では国内未承認で、未承認機器による健康被害は医薬品副作用被害救済制度等の対象外となる場合があります。
Doctor Review
執筆・監修
執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
References
参考にした一次情報・ガイドライン
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A Multicenter, Single-Blind Randomized, Controlled Study of a Volumizing Hyaluronic Acid Filler for Midface Volume Deficit: Patient-Reported Outcomes at 2 Years
研究デザイン: 米国・カナダ15施設で行われた単盲検無作為化未処置対照試験のうち、ボリューマXC処置群の患者報告を24か月まで追跡した解析 / 対象: 35〜65歳で中等度〜重度の加齢性中顔面ボリューム不足がある成人。処置群235人、未処置対照47人で、患者報告の効果は処置群について解析した。 / 結果: 外側・下側の頬に満足した割合は治療前59.0%、6か月時97.6%、24か月時89.8%だった。頬骨の突出への満足は69.7%、97.6%、91.7%だった。患者評価で頬ボリュームが改善した割合は6か月時92.8%、24か月時79.0%だった。 / 限界: 患者は処置を認識しており、患者報告尺度の一部は未検証だった。研究は加齢性中顔面ボリューム不足を対象とし、本症例の3cc、こめかみからエラまでの部位別配分、写真上の個別変化を検証していない。
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Safety and Effectiveness of Hyaluronic Acid Filler, VYC-20L, via Cannula for Cheek Augmentation: A Randomized, Single-Blind, Controlled Study
研究デザイン: 多施設・評価者盲検・無作為化・同一人内比較で、片側の頬をカニューレ、反対側を針で治療し3か月まで追跡した比較試験 / 対象: 中等度〜重度の中顔面ボリューム不足がある37〜65歳の成人60人。女性81.7%、白人98.3%で、各頬の注入量中央値は2.0mLだった。 / 結果: 1か月時の中顔面ボリュームスコアの平均改善はカニューレ側1.8段階、針側1.9段階で、差0.1、95%信頼区間−0.05〜0.25だった。処置部位反応の多くは軽度〜中等度で2週間以内に治まり、重篤な有害事象はなかった。 / 限界: 追跡は3か月で、白人が98.3%を占めた。中顔面を対象とし、本症例の総量3cc、こめかみ・下顎部を含む輪郭、使用器具、1〜2か月続くしこりを個別に検証していない。
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External and Internal Diameters of the Facial Artery Relevant to Intravascular Filler Injection
研究デザイン: ホルマリン固定献体の顔面動脈と分枝について、外径・内径・血管壁厚を実体顕微鏡下で測定した解剖研究 / 対象: ホルマリン固定献体41体。生体患者へのヒアルロン酸注入を追跡した研究ではない。 / 結果: 顔面動脈の外径・内径は、下顎下縁で平均1.9・1.2mm、下唇動脈近くで1.7・1.2mm、口角で1.5・1.0mmだった。外側鼻動脈近くでは1.1・0.7mmまで細くなった。 / 限界: 固定献体の形態計測で、生体での拍動・位置変化、血管閉塞の発生率、安全な注入部位・器具・層を比較していない。PubMed抄録と書誌を確認し、原著全文は取得していない。
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医療広告ガイドライン
自由診療の費用、主なリスク・副作用、未承認機器等の表示を確認する公的資料です。
よくあるご質問
Q. この症例では、どの製剤を何cc使いましたか?
ジュビダームビスタ ボリューマXCを合計3cc使用しました。こめかみから頬骨、エラへ続く外輪郭を正面と両斜位で見て、凹凸の高低差をなだらかに整えた症例です。
Q. なぜ、ヒアルロン酸を足すとフェイスラインがなだらかに見えるのですか?
張り出しの隣に凹みがあると、高低差によって輪郭がごつごつして見えることがあります。曲線を中断する凹みを支えると、こめかみ、頬骨、外側頬、エラの移行がなだらかに見えます。
Q. 3ccは全員に必要な量ですか?
3ccはこの症例で使用した全量です。正面で顔幅、両斜位で凹みと高点、触診で骨格・脂肪・筋肉・皮膚のゆるみを見て、必要な製剤と量を決めます。
Q. 内出血やしこりは、どのくらい続きますか?
この症例の案内では、内出血は1週間程度、注入部のしこりは1〜2か月ほど感じることがあります。通常と異なる強い痛み、皮膚の白色化・紫色または網目状の変化、見え方の異常がある場合は直ちにご連絡ください。
Q. この症例と同じ3ccの料金と承認状況を教えてください。
ヒアルロン酸3本の製剤費は231,000円(税込)です。カテラン針を使用する場合は11,000円(税込)が加わります。ボリューマXCは成人の中顔面・下顎部・こめかみで減少したボリュームを増大する目的の国内承認品です(承認番号22800BZX00338000)。
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