頬こけとフェイスラインの凹凸をヒアルロン酸4ccで整える考え方
頬こけとフェイスラインの凹凸が重なるときは、頬の曲面と下顎縁の連続を左右の斜位で確認します。この症例では、ボリューマXC 2ccとボラックスXC 2cc、合計4ccを使用し、頬から下顎へ続く輪郭を整えました。
Medical Information
この記事について
- 執筆医・監修医
- 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
- 監修日
- 2026年8月9日
- 公開日
- 2026年5月13日
- 実質更新日
- 2026年8月9日


Contents
目次
右斜位で頬のくぼみと下顎縁のつながりを見ます
ジュビダームビスタ ボリューマXCを2本、ボラックスXCを2本、1本1CCとしてヒアルロン酸を合計4cc使用した症例です。右斜位の注入前・注入後を比べると、頬骨下から外側頬へ続くくぼみが浅くなり、口横から下顎縁へ続く外輪郭の段差がなめらかに見えます。
頬こけを整えるときは、くぼみの最深部だけでなく、頬骨の外側から下顎角へ続く曲面を見ます。頬の支持が不足する所見にボリューマXCを候補とするときは、注入後も同じ斜位で頬の高さと横幅の両方を確かめます。
頬骨下から外側頬へ続くくぼみには、斜位で頬の曲面を確認し、ボリューマXCを候補にします。頬容積が改善したと自己評価した割合は6か月92.8%、2年79.0%との報告がありました(参考文献1)。
左斜位で頬からフェイスラインへ続く曲線を確認します
左斜位でも、注入後は頬外側の影と下顎縁の凹凸がやわらぎ、頬からフェイスラインへ続く曲線がなめらかに見えます。外輪郭の段差が整うと頬の位置が高くなったように見えるため、正面の顔幅だけでなく、左右斜位の輪郭を組み合わせて変化を評価します。
頬こけとフェイスラインの凹凸には、約2年の持続を目安にボラックスXCを選択肢にします。持続は部位、使用量、組織の動き、代謝で変わるため、輪郭の連続と残る段差を同じ角度で追い、追加する部位と時期を決めます。
ボラックスXCを長期の輪郭支持へ選ぶときも、同じ左右斜位で経過を追います。専門医の症例経験では、臨床的な変化が24か月以上残ることが多いとの報告がありました(参考文献2)。
頬を補った後も下顎縁の支持不足が残る場合は、ボラックスXCを輪郭形成の候補にします。下顎輪郭が両側とも1段階以上改善した割合は6か月時69.0%で、未処置群は38.0%との報告がありました(参考文献3)。
頬の支えを確認してから、下顎縁に残る凹凸を整えます
診察では、頬骨下のくぼみ、外側頬の厚み、口横の影、下顎縁の段差を左右斜位で分けます。まず頬の支持を補ったときに外輪郭がどこまで変わるかを確認し、その後も残る下顎前方と下顎縁の凹凸へ必要な支持を加えます。
この症例で確認できる製剤別の総量は、ボリューマXC 2ccとボラックスXC 2ccです。各製剤の部位別配分を固定せず、頬だけが張って見えないか、下顎だけが直線的にならないかを左右から確認し、全顔のつながりを再評価します。
ボリューマXCは、成人の中顔面・下顎部・こめかみの減少したボリュームを増大する目的で国内承認されています(参考文献4)。
ボラックスXCは、成人の顔面における減少したボリュームの回復・増大を目的に国内承認され、口唇・眉間・眼窩周囲は承認範囲に含まれません(参考文献5)。
注入後は輪郭だけでなく、皮膚色と痛みも確認します
注入直後は、頬と下顎縁の左右差、皮膚色、痛み、腫れを確認します。腫れが落ち着いた後は、同じ左右斜位で頬骨下の影と下顎縁の連続を見直し、輪郭が自然につながっているかを評価します。
内出血や一時的な腫れ・痛み、アレルギー、遅発性反応・遅発性結節が起こることがあります。通常と異なる強い痛み、皮膚の青白化・紫色または網目状の変化、視力・視野の異常は血管閉塞の可能性があるため、直ちにご連絡ください。
Clinical View
診療で確認するポイント
- 右斜位と左斜位で、頬骨下のくぼみ、外側頬の曲面、口横の影、下顎縁の段差を同じ順に記録します。
- 頬の支持不足が外輪郭へ与える影響を先に確認し、頬を補った後も残る下顎前方と下顎縁の凹凸へ必要な支持を加えます。
- ボリューマXCとボラックスXCは、頬と下顎で求める形態に合わせて選び、片側だけが張ったり直線的になったりしないよう左右斜位を往復して調整します。
- 経過では、頬の高さと横幅、フェイスラインの連続、皮膚色と痛みを確認し、追加の要否を決めます。
Comparison
治療選択の比較
| 治療・対応 | 向く状態 | 向かない/慎重な状態 | 回数の目安 | ダウンタイム | 費用(税込) | 承認状況 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ボリューマXC(頬・中顔面) | 頬骨下から外側頬のくぼみ、前頬の支持不足が輪郭の影につながる状態 | 活動性の炎症・感染、成分またはアミド型局所麻酔薬への過敏症歴がある状態 | 1回後に左右斜位で再評価し、必要時のみ追加 | 痛み、腫れ、内出血、左右差、凹凸・硬結。まれに血管閉塞、壊死、視覚障害 | 1本1cc 77,000円。使用量に応じる | 中顔面・下顎部・こめかみで国内承認。承認番号22800BZX00338000 |
| ボラックスXC(フェイスライン) | 口横から下顎角へ続く下顎縁の段差や輪郭の支持不足が主な状態 | 活動性の炎症・感染、成分またはアミド型局所麻酔薬への過敏症歴がある状態 | 1回後に左右斜位で再評価し、必要時のみ追加 | 痛み、腫れ、内出血、硬化・圧痛、左右差。まれに血管閉塞、壊死、視覚障害 | 1本1cc 77,000円。使用量に応じる | 成人の顔面ボリューム回復・増大で国内承認。承認番号30200BZX00254000 |
| 頬とフェイスラインの併用設計 | 頬こけと下顎縁の凹凸が併存し、外輪郭を一続きで整えたい状態 | 皮膚のゆるみや脂肪量が主因で、容量を加えると顔幅や重さが強調される状態 | 頬の変化を確認して下顎縁を調整し、左右斜位で全顔を再評価 | 各部位に痛み、腫れ、内出血、左右差、凹凸・硬結など | 使用本数×1本1cc 77,000円。カテラン針使用時は11,000円 | 使用するボリューマXCとボラックスXCはいずれも国内承認製剤 |
費用の目安
- ジュビダームビスタ ボリューマXC 1本1cc:77,000円(税込)
- ジュビダームビスタ ボラックスXC 1本1cc:77,000円(税込)
- 本症例と同じ4ccの製剤費:308,000円(税込)
- カテラン針を使用する場合:11,000円(税込)
本症例と同じ4ccでは製剤費308,000円です。カテラン針を使用する場合は11,000円が加わります。
リスク・副作用・注意点
- 内出血、一時的な腫れ・痛み、圧痛、左右差、凹凸、硬結、アレルギー、遅発性反応・遅発性結節、感染が起こることがあります。
- 血管内への誤注入または血管・神経の圧迫により、血管閉塞、皮膚壊死、視力・視野障害、失明、脳卒中が起こる可能性があります。
- 通常と異なる強い痛み、皮膚の青白化・紫色または網目状の変化、視力・視野の異常がある場合は、直ちにご連絡ください。
- 国内承認・適応: ジュビダームビスタ ボリューマXCは、成人の中顔面・下顎部・こめかみの減少したボリュームを増大する目的で国内承認されています(承認番号22800BZX00338000)。ジュビダームビスタ ボラックスXCは、成人の顔面の減少したボリュームを回復・増大する目的で国内承認され、口唇・眉間・眼窩周囲は承認範囲に含まれません(承認番号30200BZX00254000)。
Doctor Review
執筆・監修
執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
References
参考にした一次情報・ガイドライン
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A Multicenter, Single-Blind Randomized, Controlled Study of a Volumizing Hyaluronic Acid Filler for Midface Volume Deficit: Patient-Reported Outcomes at 2 Years
研究デザイン: 米国・カナダ15施設で行われた単盲検無作為化対照試験の処置群を2年間追跡した患者報告アウトカム解析 / 対象: 35〜65歳で中等度から重度の加齢性中顔面ボリューム不足がある成人235人。未処置対照は47人だった。 / 結果: 頬容積を改善または大きく改善と自己評価した割合は6か月92.8%、24か月79.0%だった。顔貌への満足度が改善した割合は6か月89.8%、24か月75.8%だった。 / 限界: 患者自己評価を中心とした企業試験で、本症例のボリューマXC 2ccとボラックスXC 2ccの併用、各製剤の部位別配分、注入順序、注入直後写真の変化を検証していない。
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Structural Aesthetic Treatment With the Hyaluronic Acid Filler VYC-25L: Global Expert Considerations for Safe and Effective Long-Term Outcomes
研究デザイン: 10人の専門医がVYC-25Lの使用経験、文献、長期症例写真に基づいてまとめた専門家考察 / 対象: あらかじめ設定された比較対象集団はなく、専門医の3〜5年以上の使用経験と複数の長期症例が示された。 / 結果: 著者らは臨床経験上、意味のある変化が24か月以上続くことが多いと記載した。本文中で引用された欧州無作為化試験の追跡は18か月までだった。 / 限界: 24か月の記述は比較試験の結果ではなく専門家経験と症例写真に基づく。全例で2年持続すること、本症例の個別経過、ボリューマXCとの併用効果を証明しない。
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Safe and Effective Restoration of Jawline Definition With Hyaluronic Acid Injectable Gel VYC-25L: Results From a Randomized Controlled Study
研究デザイン: 米国19施設で行われた評価者盲検・無作為化・未処置対照試験。処置群を12か月追跡した。 / 対象: 中等度または重度の下顎輪郭不明瞭がある成人206人。処置群157人、未処置対照49人だった。 / 結果: 6か月時に左右とも1段階以上改善した割合は処置群69.0%、未処置群38.0%だった。FACE-Qは平均45.9点改善し、GAIS改善率は本人88.4%、評価者89.0%だった。 / 限界: 処置群の平均総注入量は6.22mLで、複数の下顔面部位を治療した。本症例の4cc、製剤別の部位配分、頬との併用、写真上の個別変化を検証していない。参加者は女性と白人が多かった。
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ジュビダームビスタ ボリューマXC 電子添文
研究デザイン: PMDAが公開する国内承認医療機器の電子添文 / 対象: 21歳以上の成人で、中顔面、下顎部またはこめかみの減少したボリュームを増大する治療を受ける人を対象とする。 / 結果: 成人の中顔面、下顎部およびこめかみにおける減少したボリュームを増大させる目的が承認されている。 / 限界: 電子添文は本症例の4cc併用、ボリューマXCの部位別配分、注入順序、個別の写真変化を評価した研究ではない。
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ジュビダームビスタ ボラックスXC 電子添文
研究デザイン: PMDAが公開する国内承認医療機器の電子添文 / 対象: 成人の顔面における減少したボリュームを回復・増大する治療を受ける人を対象とする。口唇、眉間、眼窩周囲は使用目的に含まれない。 / 結果: 成人の顔面における減少したボリュームの回復・増大を目的に承認されている。口唇、眉間、眼窩周囲は承認範囲から除外されている。 / 限界: 電子添文は本症例の4cc併用、ボラックスXCの部位別配分、約2年の個別持続、写真上の変化を評価した研究ではない。
よくあるご質問
Q. この症例では、どのヒアルロン酸を何cc使いましたか?
ジュビダームビスタ ボリューマXCを2本2cc、ボラックスXCを2本2cc、合計4cc使用しました。写真は右斜位と左斜位の注入前・注入後です。
Q. 頬こけとフェイスラインの凹凸には、4ccが標準ですか?
4ccはこの症例で使用した総量です。頬骨下のくぼみ、外側頬の厚み、口横の影、下顎縁の段差を左右斜位で見て、必要な製剤と量を決めます。
Q. ボラックスXCの効果は2年続きますか?
長期の輪郭支持を期待して選ぶ製剤ですが、持続は部位、使用量、組織の動き、代謝で変わります。24か月以上変化が残ることがある一方、製品ごとに確認できる経過は18か月または12か月までです。
Q. ボリューマXCとボラックスXCは国内承認製剤ですか?
はい。ボリューマXCは成人の中顔面・下顎部・こめかみの減少したボリュームを増大する目的、ボラックスXCは成人の顔面の減少したボリュームを回復・増大する目的で国内承認されています。ボラックスXCの口唇・眉間・眼窩周囲への使用は承認範囲に含まれません。
Q. この症例と同じ4ccの料金と、すぐに連絡が必要な症状を教えてください。
現在の通常料金では4ccの製剤費は308,000円です。カテラン針を使用する場合は11,000円が加わります。通常と異なる強い痛み、皮膚の青白化・紫色または網目状の変化、視力や見え方の異常がある場合は直ちにご連絡ください。
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