あごをヒアルロン酸1ccで整えて、ぷっくりほっぺを目立ちにくくする考え方
頬の丸みが目立つとき、頬を減らすだけでなく、あご先との前後・上下のバランスを整える方法があります。ボラックスXC 1ccをあご0.8cc・頬0.2ccへ配分し、下顔面の終点を作ることで頬を相対的に目立ちにくくした症例です。
Medical Information
この記事について
- 執筆医・監修医
- 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
- 監修日
- 2026年8月9日
- 公開日
- 2021年11月17日
- 実質更新日
- 2026年8月9日



Contents
目次
正面では、頬の丸みとあご先の終点を一緒に見ます
この症例では、ヒアルロン酸製剤ジュビダームビスタ ボラックスXCを合計1cc使用し、あごへ0.8cc、頬へ0.2cc注入しました。正面の治療後は、あご先が下顔面の終点として明瞭になり、頬の丸みは残したまま顔全体の輪郭が縦方向へつながって見えます。
頬のふくらみを直接減らした症例ではありません。頬の幅、口角横の影、あご先の位置を同じ正面像で見比べ、あごの投影を補うと頬の見え方まで整う顔立ちかを判断します。
斜位では、口元からあごへ続く曲線を整えます
斜位では、下唇の下のくぼみからあご先へ続く曲線と、あご先の前方投影を見ます。治療後はあご先の位置が明瞭になり、頬から口元、あごへ向かう輪郭の流れがつながっています。
頬へ配分した0.2ccは、あご0.8ccで下顔面の重心を整えた後に、頬の局所的なつながりを微調整する量です。正面で顔幅を見直し、あごと頬を合わせた1ccの仕上がりとして評価します。
あごは前方投影だけでなく、縦の長さと横幅を分けて評価します。形態に合わせてヒアルロン酸を注入した報告では、輪郭改善の多くが6か月まで保たれ、一部は12か月も確認できたとの報告がありました(参考文献2)。
側面では、あご0.8ccによる投影の変化を確認します
側面の治療前後では、あご先の前方投影が増え、下唇からオトガイへ続く輪郭が明瞭になっています。あごへ配分した0.8ccがこの症例の中心で、頬自体の大きさを変えるより、横顔の終点を作って全顔の比率を整えています。
治療直後は腫れや硬さも形へ影響します。正面・斜位・側面を同じ条件で撮影し、腫れが落ち着いた後に、あごの突出、縦の長さ、頬との連続性をもう一度見直します。
ボラックスXCであごの投影を整えた後は、3か月時の医師評価で100.0%が改善し、18か月時は52.5%、下顔面・下顎輪郭の満足度は18か月時も78.2%で改善が保たれたとの報告がありました(参考文献1)。
あご周囲の血流と注入後の変化を確認します
あご周囲にはオトガイ動脈、下唇動脈、オトガイ下動脈とその交通があります。注入中から直後は、皮膚の色、通常と異なる強い痛み、下顎や歯肉へ広がる痛み、見え方の変化を確認します。
本症例の案内では、注入部に1〜2か月ほどしこりを感じることがあります。硬さが徐々に弱まる経過は予定診察で確認し、強い痛み、皮膚の青白化・紫色や網目状の変化、視力・視野の異常、嚥下時の強い痛みがあれば直ちに連絡してください。
あご注入後に皮膚色だけでなく下顎の痛みや嚥下時痛も確認する理由として、注入直後に皮膚の白色化と網目状変化、あごから下顎の痛み、飲み込むときの痛みが現れ、迅速なヒアルロニダーゼ治療で回復したとの報告がありました(参考文献3)。
Clinical View
診療で確認するポイント
- 正面では頬の最大幅と中央の丸み、口角横の影、あご先の位置を一枚の写真で記録し、頬そのものの厚みと、あごが短く見えることで生じる相対的な丸みを分けます。
- 斜位・側面では、下唇下のくぼみ、あご先の前方投影、下顔面の縦の長さを確認し、支持不足が主なら、まずあごへ必要量を配分します。
- あごの投影を作った後に正面へ戻り、頬の局所的なつながりを少量で整える必要がある場合だけ頬へ配分します。この症例では、ボラックスXC 1ccをあご0.8cc・頬0.2ccへ分けました。
- 施術後は正面・斜位・側面を同じ順で見直し、腫れが落ち着いた時点で、頬幅を増やさず下顔面の終点が整っている位置を終了点にします。
Comparison
治療選択の比較
| 治療・対応 | 向く状態 | 向かない/慎重な状態 | 回数の目安 | ダウンタイム | 費用(税込) | 承認状況 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ボラックスXCであごと頬の比率を整える | あご先の投影・下顔面の終点が弱く、頬の丸みが相対的に目立つ状態 | 頬の脂肪量や皮膚のゆるみ、咬筋の厚みが輪郭の主因で、あごを足すと長さ・突出が強くなる状態 | 通常1回後、正面・斜位・側面と触診で再評価 | 腫れ、痛み、内出血、硬さ・しこり、左右差。まれに血管閉塞、壊死、視覚障害、脳卒中 | 1本1cc 77,000円。カテラン針を使用する場合は11,000円 | 国内承認品(30200BZX00254000)。成人の顔面のボリューム回復・増大が目的 |
| ハイフリニアで頬の脂肪量へ照射する | つまんだ頬の皮下脂肪が厚く、あごの投影より脂肪量が輪郭の主因となる状態 | 頬コケ、脂肪が少ない状態、あご先の支持不足が主な状態、強い皮膚余剰 | 2〜4週間間隔で3回を目安に再評価 | 痛み、赤み、熱感、腫れ、圧痛、しびれ。まれに熱傷、神経症状、意図しない脂肪減少 | 頬33,000円(税込) | 当院のウルトラセルZiは美容目的では国内未承認 |
費用の目安
- ジュビダームビスタ ボラックスXC 1本1cc:77,000円(税込)
- 本症例と同じボラックスXC 1cc:77,000円(税込)
- カテラン針使用料:11,000円(税込、使用する場合)
- ハイフリニア 頬:33,000円(税込、脂肪量が主因で選択する場合)
本症例で確認できる使用量はボラックスXC 1ccで、現在の薬剤料は77,000円です。カテラン針の使用は症例素材から確認できないため、使用する場合の追加料金として示しています。
リスク・副作用・注意点
- ボラックスXCでは、発赤、腫れ、痛み、圧痛、内出血、硬さ、しこり、凹凸、左右差、感染、アレルギー、遅発性結節が生じることがあります。本症例の案内では、注入部に1〜2か月ほどしこりを感じることがあります。
- 血管内への誤注入または血管・神経の圧迫により、血管閉塞、皮膚壊死、視力・視野障害、失明、脳卒中が起こる可能性があります。
- 通常と異なる強い痛み、皮膚の青白化・紫色または網目状の変化、視力・視野の異常、下顎・歯肉へ広がる痛み、強い嚥下時痛がある場合は、直ちに連絡してください。
- ハイフリニアでは、痛み、赤み、熱感、腫れ、圧痛、しびれが生じ、まれに熱傷、水疱、神経症状、色素変化、意図しない脂肪減少が起こることがあります。
- 国内承認・適応: ジュビダームビスタ ボラックスXCは、成人の顔面におけるボリューム回復・増大を目的に、皮下または骨膜上深部へ注入する国内承認製品です(承認番号30200BZX00254000)。口唇、眉間、眼窩周囲は承認範囲に含まれません。当院で使用するHIFU機器ウルトラセルZiは美容目的では国内未承認で、未承認機器による健康被害は医薬品副作用被害救済制度等の対象外となる場合があります。
Doctor Review
執筆・監修
執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
References
参考にした一次情報・ガイドライン
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VYC-25L Hyaluronic Acid Injectable Gel Is Safe and Effective for Long-Term Restoration and Creation of Volume of the Lower Face
研究デザイン: 欧州10施設で行われた前向き・多施設・3対1無作為化・3か月待機対照試験。画像解析担当者のみ盲検化し、初回後に任意の追加注入、18〜24か月時に再処置を認めた。 / 対象: あごの後退がある成人120人を無作為化し、119人が初回処置を受けた。平均年齢46.2歳、女性91.7%、白人85.8%。初回・追加注入の総量中央値は被験群3.43mLだった。 / 結果: 3か月時の医師GAIS改善率は100.0%、18か月時は52.5%だった。本人の下顔面・下顎輪郭満足度が改善した割合は18か月時78.2%だった。 / 限界: 長期の無処置対照がなく、18か月以降は再処置を選んだ人が多いため選択バイアスがある。正面像を基にした評価で、初回総量中央値は本症例の1ccより多い。本症例のあご0.8cc・頬0.2ccという配分や個別の写真変化を検証した研究ではない。
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Chin Augmentation With Hyaluronic Acid: An Injection Technique Based on Anatomical Morphology
研究デザイン: 2018年1月から2021年5月までの診療記録を後ろ向きに評価した症例集積。あごの前方投影、縦の長さ、横幅に対応する形態指標を用いて注入し、直後、6か月、1年の経過と有害事象を評価した。 / 対象: 過去にあごの注入または手術を受けた人を除外した326人。平均年齢26.4歳、女性298人・男性28人で、注入量中央値は1.85mLだった。 / 結果: 全例で直後の形と輪郭が改善し、多くは6か月まで、一部は12か月まで変化が確認された。腫れ・痛み87.1%、内出血9.5%、左右差2.5%だった。 / 限界: 対照群がない後ろ向き研究で、評価者盲検化や標準化された患者報告尺度を用いていない。製剤名は本症例のボラックスXCに限定されず、中央値1.85mLで、本症例の1cc配分や頬0.2ccの役割を検証していない。
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Managing Complications of Submental Artery Involvement after Hyaluronic Acid Filler Injection in Chin Region
研究デザイン: あごのヒアルロン酸注入後に生じたオトガイ下動脈領域の血管障害について、発症から治療経過までを記載した単一症例報告。 / 対象: あごへのヒアルロン酸注入歴があり、再注入直後に皮膚の白色化、強い痛み、網状皮斑、嚥下時痛が生じた31歳女性1人。 / 結果: 24時間以内に4回のヒアルロニダーゼ治療を行い、血流と嚥下時痛が改善した。7日後までに膿疱は瘢痕を残さず治癒し、色素沈着と紅斑もその後2週間で改善した。 / 限界: 単一症例で、合併症の頻度や注入手技ごとのリスクを比較できない。使用製剤はボリューマで、本症例のボラックスXC 1cc、あご0.8cc・頬0.2ccの安全性を直接評価していない。
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医療広告ガイドライン
自由診療の費用、主なリスク・副作用、未承認機器等の表示を確認する公的資料です。
よくあるご質問
Q. この症例では、どの製剤を何cc使いましたか?
ジュビダームビスタ ボラックスXCを合計1cc使用し、あごへ0.8cc、頬へ0.2cc注入しました。頬の丸みを直接減らすのではなく、あご先と頬の配分で下顔面のバランスを整えた症例です。
Q. なぜ、頬が気になるのにあごへ0.8cc注入したのですか?
正面では頬の丸みが目立っていても、斜位・側面であご先の投影が弱いと、下顔面の終点が短く見え、頬が相対的に強調されることがあります。この症例では、あご0.8ccを中心に下顔面の重心を整えました。
Q. 頬へ入れた0.2ccには、どのような役割がありますか?
あごの投影を整えた後に、頬から口元へ続く局所的なつながりを微調整する配分です。頬全体を大きくする量としてではなく、正面の顔幅を見ながら1cc全体の仕上がりを整えています。
Q. 注入後のしこりは、どのくらい続きますか?
本症例の案内では、1〜2か月ほど注入部にしこりを感じることがあります。強い痛み、皮膚の青白化・紫色や網目状の変化、視力・視野の異常、飲み込むときの強い痛みがある場合は、予定日を待たず直ちにご連絡ください。
Q. この症例と同じ1ccの料金と承認状況を教えてください。
現在の通常料金はヒアルロン酸1本1cc 77,000円(税込)です。カテラン針を使用する場合は11,000円(税込)が加わります。ボラックスXCは成人の顔面のボリューム回復・増大を目的に、皮下または骨膜上深部へ使用する国内承認品です(承認番号30200BZX00254000)。
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