おでこの外側の凹みをヒアルロン酸2本で整える考え方
この症例では、おでこ外側の部分的な凹みにジュビダームビスタ ボリューマXCを2本(計2cc)使用し、こめかみからおでこへ続くラインを整えました。正面と斜位で影の深さと丸みを見比べ、光がなめらかに反射する曲面を目標にします。
Medical Information
この記事について
- 執筆医・監修医
- 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
- 監修日
- 2026年8月9日
- 公開日
- 2025年3月5日
- 実質更新日
- 2026年8月9日

Contents
目次
ボリューマXC 2本で、おでこ外側の影と丸みを整えた症例
当院スタッフの症例です。治療前はおでこの外側に部分的な凹みがあり、ジュビダームビスタ ボリューマXCを2本(計2cc)使用して、凹みからこめかみへ続くラインを整えました。
治療後はサイドの影が浅くなり、おでこ全体に自然な丸みが出ています。正面では外側へ向かう光の反射、斜位では眉上から側頭線へ続く曲面がなめらかになり、横から見た立体感も増しています。ここでいう明るさは、丸く整った曲面へ光が当たりやすくなった見え方です。
前額外側・側頭線・こめかみを一続きの輪郭として見ます
おでこ外側の凹みは、中央のおでこからこめかみへ移る境界にあります。診察では、凹みの最深部だけでなく、眉尻の上、生え際、側頭線、こめかみへ続く曲面をなぞり、光が途中で途切れて影になる位置を確認します。
前額とこめかみは近接していますが、筋肉・脂肪・血管の位置は同じではありません。凹みを補う範囲を決めるときは、前額外側に必要な投影と、こめかみ側へなじませる範囲を分け、血管走行を含む上顔面の解剖に合わせて計画します。
前額外側からこめかみへ治療範囲を広げる前に血管走行を確認する理由として、上顔面では血管に解剖学的な個人差があり、超音波で前額・こめかみの血管と注入位置を確認することが追加の安全策になるとの報告がありました(参考文献1)。
眉の動きと、正面・斜位・側面の投影を確認します
正面では左右の影の深さと額の幅、斜位では外側の凹みからこめかみへ続く傾斜、側面では眉上から生え際へ向かう前方投影を見ます。この症例写真は正面と斜位の治療前後を並べ、外側の影と丸みの変化を示しています。
さらに眉を上げる、眉間へ寄せる、力を抜く動きを繰り返し、前頭筋の収縮で強くなる凹凸と、安静時にも残るボリューム不足を分けます。ボリューム不足が中心の範囲へヒアルロン酸を配分し、眉上から側頭線まで自然に続く位置を選びます。
2ccは外側の曲面へ配分し、落ち着いた形を再評価します
合計2ccは、正面で影が深い位置と、斜位で側頭線が強く見える範囲へ必要量ずつ配分します。一部を補うたびに正面・斜位・側面へ戻り、中央のおでことこめかみへ自然につながるかを見直します。
治療直後は腫れを含む輪郭を確認し、腫れが落ち着いた再診時に同じ角度で撮影して、残る影と左右差を評価します。追加量は、その時点で外側の曲面が途切れる範囲へ絞って決めます。
前額の凹凸は、曲面が落ち着いた時点でも評価します。30日と180日の写真評価では、HAを組み合わせた群で凹凸の改善が大きく、改善しなかったのは3人、CaHA単独では11人、結節は全体の3.7%との報告がありました(参考文献2)。
ボリューマXCは、国内電子添文では成人の中顔面・下顎部・こめかみの減少したボリュームを増大する製剤と記載されています(参考文献3)。前額は承認部位に含まれないため、この症例の前額外側への使用は国内承認範囲外です。
Clinical View
診療で確認するポイント
- 正面では左右の影と額の幅、斜位では前額外側から側頭線への傾斜、側面では眉上から生え際への前方投影を同じ照明で記録します。
- 凹みの最深部、前額中央へのつながり、こめかみ側へのつながりを分け、外側の曲面がなめらかに見える注入範囲を決めます。
- 眉を上げる・寄せる・力を抜く動きで、前頭筋の収縮に伴う凹凸と安静時のボリューム不足を確認し、表情を保ちながら補う範囲を選びます。
- 一部を補うたびに正面・斜位・側面を見直し、腫れが落ち着いた再診でも同じ角度を比較して追加量を決めます。
Comparison
治療選択の比較
| 治療・対応 | 向く状態 | 向かない/慎重な状態 | 回数の目安 | ダウンタイム | 費用(税込) | 承認状況 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ボリューマXC(前額外側) | おでこ外側の部分的な凹み、側頭線へ続く影、前方投影の不足が主な状態 | 眉間・眼窩周囲、活動性の炎症・感染、容量追加で額の幅や重さが強調される状態 | 1回後に正面・斜位・側面で再評価し、必要時のみ追加 | 痛み、腫れ、内出血、左右差、凹凸・しこり。血管閉塞による皮膚壊死・視覚障害 | 1本1cc 77,000円+前額施術料22,000円 | 前額は国内承認範囲外 |
| ボリューマXC(こめかみ) | こめかみ自体のボリューム不足が主で、前額外側との段差がある状態 | 前額の凹みだけが主な状態、活動性の炎症・感染、血管走行を確認できない状態 | 1回後に正面・左右斜位で再評価 | 痛み、腫れ、内出血、左右差、凹凸・しこり。まれに血管閉塞・視覚障害 | 1本1cc 77,000円。使用量に応じる | こめかみは国内承認。承認番号22800BZX00338000 |
| 腫れが落ち着いた後の追加注入 | 初回後に外側の影や左右差が残り、追加する範囲を絞れる状態 | 強い痛み、皮膚色の変化、視覚異常など緊急評価が必要な状態 | 再診時に同じ角度を比較し、必要部位だけ追加 | 追加のたびに腫れ、内出血、左右差、凹凸・しこりなど | 追加1本1cc 77,000円。残注入は1回3,800円 | 使用製剤と注入部位ごとに承認範囲を説明 |
費用の目安
- ジュビダームビスタ ボリューマXC 1本1cc:77,000円(税込)
- 本症例と同じ2ccの製剤費:154,000円(税込)
- 前額施術料:22,000円(税込)
- 本症例と同じ2cc+前額施術料の合計:176,000円(税込)
- カテラン針を使用する場合:11,000円(税込)
本症例と同じ2ccでは製剤費154,000円に前額施術料22,000円が加わります。カテラン針を使用する場合は11,000円が加わります。
リスク・副作用・注意点
- 痛み、赤み、腫れ、内出血、圧痛、左右差、凹凸、硬結・しこり、感染、遅発性の炎症が起こることがあります。
- 血管内への誤注入または血管・神経の圧迫により、血管閉塞、皮膚壊死、視力障害・失明、脳卒中が起こる可能性があります。
- 通常と異なる強い痛み、皮膚の青白化・紫色または網目状の変化、視覚異常がある場合は、直ちに注入を止めて緊急対応します。
- 国内承認・適応: ジュビダームビスタ ボリューマXCは、成人の中顔面・下顎部・こめかみの減少したボリュームを増大する目的で国内承認されています(承認番号22800BZX00338000)。前額は承認部位に含まれないため、本症例の前額外側への注入は国内承認範囲外です。承認範囲外の使用による健康被害は、医薬品副作用被害救済制度・生物由来製品感染等被害救済制度の対象外となる場合があります。
Doctor Review
執筆・監修
執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
References
参考にした一次情報・ガイドライン
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Recommendations on Ultrasound-Guided Hyaluronic Acid Soft Tissue Augmentation of the Upper Face in Asians
研究デザイン: アジア人の上顔面に対する超音波ガイド下ヒアルロン酸注入の専門家推奨と解剖学的検討 / 対象: 韓国・タイ・中国の専門家による討議、41歳韓国人女性の臨床デモ、72歳韓国人男性献体1体を用いた解剖・超音波評価 / 結果: 前額、こめかみ、上眼瞼で重要な血管と組織層を確認し、血管走行に個人差がある上顔面では超音波による注入前後のマッピングが追加の安全策になり得るとした。 / 限界: 患者成績を比較した臨床試験ではなく、臨床デモと献体は各1例で、長期の有効性・合併症率やボリューマXC 2ccの最適な配分を示していない。研究はLG Chemの資金提供を受け、著者2人がLG Chemの常勤社員である。
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Supraperiosteal Technique Protocol for Forehead Filling With a Mixture of Calcium Hydroxyapatite and Hyaluronic Acid: Double-Blind, Randomized Controlled Clinical Trial
研究デザイン: 前額の凹凸に対する二群並行・二重盲検無作為化比較試験 / 対象: ボツリヌストキシン治療後も前額の凹凸が残った132人。CaHA単独66人とCaHA・HA併用66人を30日、180日まで追跡した。 / 結果: 凹凸が改善しなかった人はCaHA単独群11人、CaHA・HA併用群3人で、群間差はp=0.03だった。結節は単独群4人、併用群1人で、全体の3.7%だった。 / 限界: 単施設で1回だけ治療した研究で、使用製剤はRennova DiamondとRennova Ultra Deep、総混合液量は3.5mLだった。本症例のボリューマXC 2cc、前額外側だけの注入、左右配分、長期の血管合併症を評価していない。著者は研究に関連する利益相反を否定し、著者1人は公的研究助成を受けている。
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ジュビダームビスタ ボリューマXC 電子添文
研究デザイン: PMDA公開の国内医療機器電子添文 / 対象: 中顔面・下顎部・こめかみの減少したボリュームを増大する治療を受ける成人 / 結果: 成人の中顔面・下顎部・こめかみで減少したボリュームを増大する目的で、皮下または骨膜上深部へ注入する。血管内注入を禁じ、視力異常、皮膚青白化、異常な痛みがあれば直ちに注入を止めるよう警告している。 / 限界: 電子添文は前額への使用、ボリューマXC 2ccの左右配分、症例写真の輪郭変化を評価した比較試験ではない。
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医療広告ガイドライン
自由診療の費用、主なリスク・副作用、未承認機器等の表示を確認する公的資料です。
よくあるご質問
Q. この症例では、どの製剤を何cc使いましたか?
ジュビダームビスタ ボリューマXCを2本、計2cc使用しました。おでこ外側の部分的な凹みを中心に、こめかみからおでこへ続くラインを整えています。
Q. 治療後におでこが明るく見えるのはなぜですか?
外側の影が浅くなり、丸く整った曲面へ光がなめらかに反射するためです。この症例で見える明るさは、輪郭の変化によるものです。
Q. 2ccは、おでこヒアルロン酸の標準量ですか?
2ccはこの症例に使用した総量です。正面・斜位・側面で凹みの範囲、額の幅、眉上の動き、こめかみへのつながりを確認し、症例ごとに必要量を決めます。
Q. 施術後、すぐに連絡が必要な症状はありますか?
通常と異なる強い痛み、皮膚が白い・紫色・網目状に変わる症状、視力や見え方の異常がある場合は、血流障害の可能性があるため直ちにご連絡ください。
Q. 2cc症例の料金と、前額への使用の承認状況を教えてください。
ボリューマXCは1本1cc 77,000円で、2ccの製剤費は154,000円です。前額施術料22,000円を合わせると176,000円で、カテラン針を使用する場合は11,000円が加わります。ボリューマXCは中顔面・下顎部・こめかみへの使用が国内承認されていますが、前額は承認範囲外です。
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