美容コラム

自然なボトックス治療で量・位置・診断をどう決めるか

ボトックスは筋肉の動きを一時的に弱める治療です。しわの場所だけを見ず、まぶた・眉・額、笑顔、左右差を動かして確認し、残したい表情から量と位置を決めます。約2週間後の動きを診察し、次回の量と位置へ反映します。

Medical Information

この記事について

公開日
2026年6月26日
確認日
2026年08月13日

表情じわの原因となる筋肉の動きを調整

笑う、眉を寄せる、額を上げる、目を細める動作を繰り返すと表情じわが刻まれます。ボツリヌストキシンは神経筋接合部に作用し、対象筋の収縮を一時的に弱めます。

表情をつくる筋肉の動きを早い段階から調整し、しわが深く刻まれる前の予防として使うこともあります。

額・眉・まぶたを一緒に動かす

眉を上げないと目が開きにくい方では、前頭筋を広く弱めると眉や上まぶたの重さが目立つことがあります。力を抜いた状態、眉を上げた状態、眉間を寄せた状態を比べます。

日本人の眉間皺へ10 U・20 Uを投与した後の効果と持続を比較した資料として、4週の医師評価responseは10 U 86.4%、20 U 88.6%、placebo 0%(p<0.001)。平均効果期間は20 U 9.4週、10 U 7.9週。重篤有害事象なし(参考文献1)。

口元・エラ・首と発汗は目的を分ける

笑顔、口角、顎、食いしばり、首の索状収縮を確認し、弱めたい動きと残したい発音・咀嚼・嚥下を分けます。部位ごとに筋力と深さが違うため、同じ量を当てはめません。

脇汗・手汗では筋肉ではなく汗腺への神経伝達を抑える目的で用います。表情じわとは注入する層・範囲・用量が異なるため、発汗部位と日常生活への影響から別に治療を設計します。

数日後から変化し、約2週間で再評価

直後の見た目だけで追加せず、約2週間後に同じ表情で左右差と残った動きを確認します。効きすぎた作用をすぐ弱める方法はないため、初回は必要量を見極めます。

前回の部位ごとの効き方、少し弱かった場所、重さや違和感を同じ医師が引き継ぎ、次回の量と位置へ反映します。

眉間へ20 Uを5点注射した後120日までの効果と眼瞼下垂などの副反応を示す資料として、全追跡時点・全評価でBTX-Aがplaceboより皺重症度を有意に改善(p<0.022)。一部でday 120まで持続。眼瞼下垂5.4%、多くは軽度(参考文献2)。

当院での診療の考え方

  1. 静止時だけでなく、眉を上げる・眉を寄せる・笑う・噛みしめる動きを診て、原因となる筋肉と左右差から注入点を決めます。
  2. 強く止めることを目的にせず、残したい表情と避けたい重さを共有し、必要な部位と量から始めます。
  3. 約2週間後に効き方と左右差を診察し、不足を確認した場合は必要な部位へ無料で追加調整します。その反応を次回の量と位置に生かします。
  4. 前回の効き方、弱かった部位、重さや違和感を同じ医師が引き継ぎ、自然な表情を残す次回の設計へ反映します。

治療の比較

ボトックス 筋肉の動きによる表情じわ・緊張 対象筋以外の原因が主な状態 約2週間後に評価、一般的な持続は3〜4か月 内出血、左右差、対象外筋への作用 表情じわボトックス 1部位:33,000円/表情じわボトックス 2部位:55,000円/表情じわボトックス 3部位:75,000円/表情じわボトックス 4部位:88,000円

費用・リスク・承認状況

費用

  • 表情じわボトックス 1部位:33,000円
  • 表情じわボトックス 2部位:55,000円
  • 表情じわボトックス 3部位:75,000円
  • 表情じわボトックス 4部位:88,000円

主なリスク

  • 注射部位の内出血、腫れ・赤み、痛み、圧痛など
  • 左右差、表情の違和感、眉やまぶたの重さ・下がり、眉位置の変化、複視など
  • まれに嚥下障害、発声障害、呼吸障害、全身性筋力低下、過敏症など

ボトックスビスタは国内承認医薬品で、承認適応は65歳未満の成人における眉間・目尻の表情じわです(承認番号22100AMX00398000)。額などへの美容使用は適応外です。コアトックスは国内未承認医薬品で、医師の責任で適法な輸入手続きを経て使用し、国内の医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。製剤間の単位は同一ではなく、製品ごとの用量に従います。

よくある質問

自然な表情を残すために何を確認しますか?

額、眉、まぶた、笑顔、口角、咬筋、首を動かし、弱めたい筋肉と残したい動きを分けます。

効果はいつ確認しますか?

数日後から変化が出始め、約2週間後に同じ表情で左右差と残った動きを確認します。

まぶたが重い人も額へ注射できますか?

前頭筋が開瞼を補っている場合があるため、眉とまぶたの動きを見て額の範囲と量を決めます。

製剤の承認範囲は?

ボトックスビスタは65歳未満成人の眉間・目尻が国内承認範囲です。その他部位とコアトックスは承認状況を個別に説明します。

参考文献

参考文献1:A double-blind, randomized, placebo-controlled, two-dose comparative study of botulinum toxin type A for treating glabellar lines in Japanese subjects

原文を確認

研究デザイン
16週、多施設、二重盲検、無作為化、placebo対照、10 U/20 U比較。
対象
最大収縮時に中等度以上の眉間皺がある日本人142例。
主な結果
4週の医師評価responseは10 U 86.4%、20 U 88.6%、placebo 0%(p<0.001)。平均効果期間は20 U 9.4週、10 U 7.9週。重篤有害事象なし。
限界
16週、特定のAllergan製剤に限る。他製剤・他部位・65歳以上へ一般化不可。
COI・資金
Allergan Inc.が資金提供。

参考文献2:A multicenter, double-blind, randomized, placebo-controlled study of the efficacy and safety of botulinum toxin type A in the treatment of glabellar lines

原文を確認

研究デザイン
多施設二重盲検無作為化placebo対照。20 Uを5点に筋注、120日追跡。
対象
最大収縮時に中等度~重度眉間皺264例(BTX-A 203、placebo 61)。
主な結果
全追跡時点・全評価でBTX-Aがplaceboより皺重症度を有意に改善(p<0.022)。一部でday 120まで持続。眼瞼下垂5.4%、多くは軽度。
限界
群サイズ不均衡、古い試験、製剤企業主導の可能性、静的皺や他部位へ一般化不可。
COI・資金
PubMed抄録に資金・個別COI記載なし。BOTOX Glabellar Lines I Study Groupによる試験であり、原著本文/申請資料で企業関与を

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