医師解説しわ・たるみボトックス注射

ボトックスはいつ効き始める?注射後2週間までの経過

ボトックスは注射当日に完成する治療ではなく、2〜3日で変化を感じ始め、1〜2週間で表情の動きを評価しやすくなります。診察、表情確認、注入、約2週間後の確認までを一続きとし、3〜4か月の持続目安と次回設計まで解説します。

Medical Information

この記事について

監修日
2026年8月9日
公開日
2026年6月6日
実質更新日
2026年8月9日
ボトックス注射後の当日・2〜3日・1〜2週間・3〜4か月の経過と、診察・表情確認・注入・2週間後確認を示す図解

Contents

目次

  1. 当日は治療記録、2〜3日は効き始めを観察します
  2. 1〜2週間後に、同じ表情で効き方を確認します
  3. 3〜4か月は持続の目安として、動きが戻る経過を追います
  4. 診察から2週間後確認までを一つの治療として行います
  5. 製剤・単位・承認範囲・料金を一組で確認します
  6. 診療で確認するポイント
  7. 治療選択の比較
  8. 費用の目安
  9. リスク・副作用・注意点
  10. 関連記事
  11. 関連施術・関連症状のご案内
  12. 執筆・監修
  13. 参考にした一次情報・ガイドライン
  14. よくあるご質問

当日は治療記録、2〜3日は効き始めを観察します

注射当日は、治療部位の筋肉がまだ動いていても予定どおりの経過です。治療前と同じ表情を撮影し、注入部位、使用製剤、単位、当日の左右差を記録して、以後の変化を比べる基準にします。

2〜3日は、眉を寄せたときや額を上げたときの動きが少し弱くなったと感じ始める目安です。この時点は本人が最初の変化を自覚する時期であり、最終的な効き方と左右差は1〜2週間まで追います。

2〜3日を最初の変化の目安にする理由として、眉間治療後は2日目から改善が現れ、本人が効果を感じ始めた時期の中央値は3日だったとの報告がありました(参考文献1)。

1〜2週間後に、同じ表情で効き方を確認します

1〜2週間後は、作用が安定して表情の動きを比較しやすい時期です。力を抜いた正面、眉を寄せる、額を上げる、目を開けるという治療前と同じ動作を行い、しわの残り方、左右差、眉・まぶたの位置を確認します。

しわが減ったかだけでなく、目を開けるために残したい額の動き、眉の高さ、まぶたの重さまで同時に評価します。自然な表情が保たれ、対象筋の動きが目的どおり弱まった状態を、その回の仕上がりとして記録します。

1〜2週間後にしわと眉の高さを一緒に見る理由として、額への3つの配置はいずれもしわを改善しましたが、眉の高さは配置によって異なり、中央への配置は上方への配置より眉を下げたとの報告がありました(参考文献2)。

3〜4か月は持続の目安として、動きが戻る経過を追います

効果は一定の強さのまま急に切れるのではなく、時間とともに筋肉の動きが戻ります。3〜4か月は一般的な持続の目安で、部位、製剤、単位、筋力、治療歴によって前後します。

次回は、注射日、最初に変化を感じた日、1〜2週間後の表情、動きが戻り始めた時期を一組で確認します。今回の経過を次の部位・製剤・単位の設計へつなげます。

3〜4か月を持続の目安にする理由として、A型ボツリヌス毒素はアセチルコリン放出を抑えて神経筋伝達を阻害し、神経枝の新生に伴って数か月後に再開通し、臨床効果は通常3〜4か月で消退するとの報告がありました(参考文献3)。

診察から2週間後確認までを一つの治療として行います

診察では、気になる部位と希望する表情の残し方を確認します。続いて、眉を寄せる、額を上げる、目を開ける動作を行い、筋肉の強さ、左右差、眉・まぶたの位置を記録します。

確認した筋肉へ注入し、約2週間後に同じ動作を繰り返します。初回の表情と並べて、目的とした筋肉の動き、左右差、重さや違和感を確認し、今回の結果を次回の設計へ残します。

製剤・単位・承認範囲・料金を一組で確認します

当院ではボトックスビスタとコアトックスを扱っています。ボトックスビスタは国内承認医薬品で、65歳未満の成人の眉間・目尻の表情じわが承認範囲です。額、鼻根、あご、口角、エラ、首などは適応外使用を含み、コアトックスは国内未承認医薬品です。

ボツリヌストキシンの単位は製剤と測定法に固有です。前回と製剤が変わるときは単位数をそのまま換算せず、製剤名、部位、単位、1〜2週間後の反応を一組で設計し直します。

現在の表情じわ料金は1部位33,000円、2部位55,000円、3部位75,000円、4部位88,000円で、ボトックスビスタとコアトックスは共通料金です。エラ・首は55,000円です。

注射後は内出血、腫れ・赤み、痛み、左右差、表情の違和感、眉やまぶたの重さが起こることがあります。飲み込みにくさ、声の変化、息苦しさ、全身の強い脱力がある場合は、2週間後の確認を待たず直ちにご連絡ください。

製剤名と単位を一組で記録する理由として、BOTOX Cosmeticの力価単位は製剤と測定法に固有で、他のボツリヌストキシン製剤の単位と比較・換算できないとの報告がありました(参考文献4)。

Clinical View

診療で確認するポイント

  • 治療前に、力を抜いた正面、眉を寄せる、額を上げる、目を開ける動作を撮影し、筋肉の強さ、左右差、眉・まぶたの位置を記録します。
  • 注射当日は使用製剤、部位、単位を記録し、2〜3日は最初の変化を観察する時期として扱います。
  • 1〜2週間後に治療前と同じ表情を繰り返し、しわの残り方だけでなく、残したい動き、左右差、眉・まぶたの重さまで確認します。
  • 動きが戻り始める時期までを追い、注射日、発現日、2週間後評価、持続期間を次回の製剤・部位・単位へ反映します。

Comparison

治療選択の比較

治療・対応 向く状態 向かない/慎重な状態 回数の目安 ダウンタイム 費用(税込) 承認状況
初回注射と当日の記録 表情時の筋肉の動きがしわや輪郭へ影響し、治療前の動きと左右差を記録できる状態 注射部位の感染、全身性の神経筋接合部疾患、妊娠・授乳など禁忌・慎重判断に該当する状態 通常1回。治療前と当日の表情・製剤・部位・単位を記録 痛み、内出血、腫れ・赤み、頭痛、左右差、効果不足・過剰など 表情じわ1部位33,000円〜4部位88,000円。エラ・首55,000円 ボトックスビスタは65歳未満の成人の眉間・目尻が国内承認。その他部位は適応外を含む。コアトックスは国内未承認
約2週間後の表情確認 作用が安定し、治療前と同じ表情で対象筋の動き、左右差、眉・まぶたの位置を評価する時期 嚥下・発声・呼吸の異常、全身の強い脱力、強いアレルギー症状があり、予定日を待たず診察が必要な状態 初回から1〜2週間後に1回。安静時と最大表情時を再評価 新たな注射を行わない確認では注射由来のダウンタイムなし 初診・再診料0円。追加処置を行う場合は内容に応じる 使用製剤・部位・前回単位・承認範囲を診療記録で照合
動きが戻った後の次回治療 3〜4か月を目安に対象筋の動きが戻り、前回の発現日・2週間後評価・持続期間を確認できる状態 前回作用が十分に残る、重さ・左右差・機能の違和感が続く状態 前回の動きが戻った時期を診察し、次回の部位・製剤・単位を再設計 再注射時は痛み、内出血、腫れ・赤み、左右差、効果不足・過剰など 次回に治療する部位数またはエラ・首の料金を適用 製剤間で単位を換算せず、各製剤と部位の承認範囲を再確認

費用の目安

  • ボトックスビスタ®/コアトックス®共通:表情じわ1部位33,000円(税込)
  • 表情じわ2部位55,000円/3部位75,000円/4部位88,000円(税込)
  • エラ/首:55,000円(税込)
  • 初診・再診料:0円

すべて税込・自由診療です。表情じわの対象部位は額、眉間、目尻、鼻根、顎、口角、バニーライン、ガミースマイルです。

リスク・副作用・注意点

  • 注射部位の痛み、赤み、腫れ、内出血、熱感、頭痛、感染、左右差、効果不足・過剰
  • 表情の動かしにくさ、眉・眼瞼下垂、閉瞼不全、複視、口元の左右差、咀嚼力・頸部筋力の低下
  • 毒素作用の遠隔筋への影響、全身の脱力、構語障害、嚥下障害、呼吸障害、ショック・アナフィラキシー
  • 国内承認・適応: ボトックスビスタ®(承認番号22100AMX00398000)は、国内では65歳未満の成人における眉間・目尻の表情じわについて承認されています。額、鼻根、顎、口角、バニーライン、ガミースマイル、エラ、首などへの美容目的使用は国内適応外を含みます。コアトックス®は国内未承認医薬品で、医師の責任のもと適法な輸入手続きにより入手します。国内未承認医薬品による健康被害は医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。ボツリヌストキシン製剤の力価単位は製剤・測定法に固有で、異なる製剤間で単位を比較・換算しません。

飲み込みにくさ、声の変化、息苦しさ、全身の強い脱力、強いアレルギー症状がある場合は、1〜2週間後の確認を待たず直ちにご連絡ください。妊娠中・妊娠の可能性がある方、授乳中の方、全身性の神経筋接合部疾患がある方、注入部位に感染がある方などは治療を受けられません。

Doctor Review

執筆・監修

執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)

References

参考にした一次情報・ガイドライン

  1. Mueller DS, Prinz V, Adelglass J, et al. Aesthet Surg J. 2022;42(6):677-688. doi:10.1093/asj/sjac019. PMID:35092418; PMCID:PMC13267890.

    Efficacy and Safety of Letibotulinumtoxin A in the Treatment of Glabellar Lines: A Randomized, Double-Blind, Multicenter, Placebo-Controlled Phase 3 Study

    研究デザイン: 7施設で行われた前向き・多施設・無作為化・二重盲検・プラセボ対照第III相試験。反復治療を含めて有効性、安全性、発現、持続、再治療までの期間を評価した。 / 対象: 中等度から重度の眉間表情じわがある成人355人。letibotulinumtoxinA 20単位群266人、プラセボ群89人。 / 結果: 本人評価では2日目から眉間線の改善が現れ、発現時期の中央値は3日。4週時の医師・本人複合奏効率は実薬64.7%、プラセボ0%だった。 / 限界: 特定製剤20単位を眉間へ用いた研究で、ボトックスビスタ、コアトックス、額・目尻・口元・エラ・首、個別単位の発現日を示さない。発現は本人が最初に効果を感じた時点で、医師が1〜2週間後に表情全体を評価する時点とは異なる。 / 利益相反: Hugelが研究を資金提供した。全著者がCroma Pharmaの治験担当、顧問、講演等の関係を開示し、複数著者は他のボツリヌストキシン関連企業との研究・顧問・講演関係も開示している。

  2. Jabbour SF, Awaida CJ, ElKhoury JS, et al. Plast Reconstr Surg. 2018;142(5):1212-1217. doi:10.1097/PRS.0000000000004836. PMID:30102667.

    The Impact of Upper Face Botulinum Toxin Injections on Eyebrow Height and Forehead Lines: A Randomized Controlled Trial and an Algorithmic Approach to Forehead Injection

    研究デザイン: 額の注入配置をV型、中央水平型、上方水平型の3群で比較し、標準化写真による眉高と評価尺度による額じわを治療前後で測定した無作為化比較試験。 / 対象: 各群15人・30眉、計45人・90眉。全群で眉を下げる筋群を治療し、前頭筋の配置だけを3パターンに分けた。 / 結果: 2週時、外側端を除く眉の各測定点は全群で低下し、外側端は上昇。中央水平型は上方水平型より眉を低下させ、3パターンすべてで安静時・収縮時の額じわが改善した。 / 限界: 45人の上顔面治療だけを対象とし、製剤名・用量、2週以外の経過、口元・エラ・首はPubMed抄録から確認できない。この記事の個別製剤・単位や2週間後確認の優位性を検証していない。原著全文は取得できず、2026年8月9日にPubMed抄録と書誌を再確認した。 / 利益相反: PubMed抄録に資金提供・利益相反の記載はなく、原著全文を取得できなかったため申告内容は未確認。

  3. アッヴィ合同会社. ボトックスビスタ注用50単位 電子化された添付文書. 2025年3月改訂(第3版). 承認番号22100AMX00398000.

    ボトックスビスタ注用50単位 電子化された添付文書

    研究デザイン: PMDA公開の国内医療用医薬品電子添文。薬理作用、用法用量、国内臨床試験、安全性、過量投与時の対応を収載。 / 対象: 国内承認対象は65歳未満の成人における眉間または目尻の表情じわ。眉間・目尻の国内臨床試験成績と市販後を含む安全性情報を掲載。 / 結果: 末梢神経終末からのアセチルコリン放出を抑え、神経筋伝達を阻害する。神経は軸索側部からの神経枝新生で数か月後に再開通し、臨床効果は通常3〜4か月で消退する。 / 限界: 電子添文は承認・安全使用の公的資料で、全製剤・全美容部位の発現と持続を比較した研究ではない。3〜4か月はボトックスビスタの一般的目安で、部位、単位、個人、他製剤へ同一に適用できない。 / 利益相反: 製造販売元が作成し、PMDAが公開する承認医薬品の電子添文である。

  4. AbbVie Inc. BOTOX Cosmetic (onabotulinumtoxinA) Prescribing Information. Revised October 2024. US License No.1889.

    BOTOX Cosmetic Prescribing Information

    研究デザイン: 米国FDA公開のBOTOX Cosmetic処方情報。製剤固有の力価単位、用法用量、禁忌、警告、臨床試験、安全性を収載。 / 対象: 米国の成人における眉間、目尻、額、広頸筋バンドなど、同国承認適応の臨床データと市販後情報。 / 結果: BOTOX Cosmeticの力価単位は製剤と測定法に固有で、別のボツリヌストキシン製剤の生物学的活性単位と比較または換算できないと明記。 / 限界: 米国の処方情報で、日本の承認範囲・用量を定める資料ではない。コアトックスの換算係数や、この記事の個別単位を示さない。 / 利益相反: 製造販売企業が作成し、米国FDAが公開する承認医薬品の処方情報である。

よくあるご質問

Q. 注射当日にまだ筋肉が動いていても大丈夫ですか?

注射当日はまだ完成時点ではなく、筋肉が動いていても予定どおりの経過です。治療前と同じ表情を記録し、2〜3日の効き始めと1〜2週間後の仕上がりを順に比べます。

Q. ボトックスはいつ効き始め、いつ仕上がりますか?

2〜3日で変化を感じ始め、1〜2週間で表情の動きと左右差を評価しやすくなるのが一般的な目安です。部位、製剤、単位、筋力によって前後します。

Q. 約2週間後は何を確認しますか?

眉を寄せる、額を上げる、目を開けるなど治療前と同じ動作を行い、対象筋の動き、しわの残り方、左右差、眉・まぶたの位置、重さや違和感を確認します。

Q. 製剤、料金、国内承認範囲を教えてください。

当院ではボトックスビスタとコアトックスを扱い、表情じわは1部位33,000円、2部位55,000円、3部位75,000円、4部位88,000円、エラ・首は55,000円です。ボトックスビスタは65歳未満の成人の眉間・目尻表情じわが国内承認範囲で、その他の美容部位は適応外使用を含みます。コアトックスは国内未承認医薬品です。製剤間で単位は換算しません。

Q. 2週間を待たずに連絡した方がよい症状はありますか?

飲み込みにくさ、声の変化、息苦しさ、全身の強い脱力、強いアレルギー症状がある場合は、予定の確認日を待たず直ちに当院へご連絡ください。

ご予約・ご相談はこちら

気になる症状や治療方法について、初診予約・再診予約・お問い合わせからご相談いただけます。