敏感肌・施術後に日焼け止めをどう選ぶか
敏感肌や施術後の日焼け止めは、SPF・PAに加えて、皮膚表面が閉じているか、ヒリつきや乾燥がないか、必要量を塗り直せるかで選びます。エムディア UVシルキープロテクションの成分と使い方を例に、選択の順序を説明します。
Medical Information
この記事について
- 執筆医・監修医
- 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
- 監修日
- 2026年8月9日
- 公開日
- 2026年5月17日
- 実質更新日
- 2026年8月9日


Contents
目次
エムディア UVシルキープロテクションはSPF50+・PA++++の日焼け止めです
当院で導入したエムディア UVシルキープロテクションは、50g・4,180円(税込)の医療機関専売の日焼け止めクリームです。SPF50+・PA++++・UV耐水性で、紫外線吸収剤を使わず、酸化亜鉛と酸化チタンを紫外線散乱剤として配合しています。
ヒト遺伝子組換オリゴペプチド-1(EGF)は皮膚コンディショニング成分、コラーゲンとフィトMF7、ローズフルーツエキスは保湿成分、グリチルリチン酸2Kは整肌成分として配合されています。無香料で、べたつきやきしみを抑えたなめらかな使用感を目指した化粧品です。
紫外線散乱剤とSPF・PA・UV耐水性の表示を読み分けます
紫外線吸収剤は紫外線を吸収し、紫外線散乱剤は酸化亜鉛や酸化チタンなどの粉体で紫外線を反射・散乱させます。本品は紫外線吸収剤フリーのノンケミカル処方です。パッチテストとノンコメドジェニックテストを実施していますが、すべての方に刺激やコメドが起こらないことを保証する表示ではありません。
SPFは主にUVBによる赤い日焼け、PAはUVAによる黒化を防ぐ目安です。UV耐水性は水に触れた後もSPFが一定基準以上保たれることを示し、汗、水、タオル、マスクの摩擦で落ちた部分は塗り直します。
敏感肌では、フィルターだけでなく基剤と保湿性まで確認します
診察では、塗った直後のヒリつき、目周りへのしみ、数時間後のつっぱり、翌日の赤みやかゆみを確認します。紫外線散乱剤の製品は吸収剤で刺激を感じる方の候補になり、白浮きや乾燥で十分量を塗れない場合は、保湿基剤や剤形の異なる製品へ替えます。
本品は無香料で、保湿・整肌成分を含みます。初めて使うときは耳前や頬の一部へ少量から試し、赤み、かゆみ、腫れが増えなければ顔全体へ広げます。ニキビができやすい方も、ノンコメドジェニックテスト済みという表示と、実際に使った後の面皰・毛包炎の変化を合わせて見ます。
乾燥と赤みがある肌で保湿基剤も選ぶ理由として、SPF30の色付き保湿剤は角層水分量を2〜8時間増やし、水分蒸散を2〜24時間下げ、酒さ傾向肌では22日後の画像・機器評価で赤みが基準値より低下したとの報告がありました(参考文献2)。
施術後は皮膚表面が閉じた時点から、こすらず再開します
レーザーやピーリング後は、びらん、滲出、出血、痂皮の有無を確認します。創面が残る間は施術ごとの保護材と洗浄・保湿の指示を優先し、皮膚表面が閉じてから日焼け止めを薄く置くようになじませます。帽子、日傘、衣類、日陰は再開前から使えます。
表面に傷を作らないレーザーでも、熱感やヒリつきが強い日は、冷却と保湿を先に行います。再開日は施術の深さで異なるため、当日の説明と皮膚表面の状態を対応させ、塗布時に痛みや赤みが強くなる場合はいったん洗い流します。
ピコ秒レーザー後の日焼け止め再開時期を考える材料として、施術後3日間は保湿基剤だけを使い、4日目から日焼け止めを始めたところ、6週まで両側の褐色スコアが低下し、2製品の差は有意でなかったとの報告がありました(参考文献1)。
スキンケア後にムラなく塗り、落ちた部分を日中に補います
朝は洗顔、化粧水・保湿剤、日焼け止め、メイクの順です。メーカーは顔・体へ適量をムラなくなじませ、タオルで拭いた後につけ直す使い方を案内しています。塗りにくい生え際、眉間、小鼻の横、耳前、顎下まで薄い部分を作らないように広げます。
通勤中心の日は汗やマスクで落ちた部分、屋外活動や水に触れる日は汗・水・タオルの後を目安に補います。赤みや色素沈着が起こりやすい施術後は、日焼け止めだけに頼らず、帽子、日傘、衣類、日陰を組み合わせます。
Clinical View
診療で確認するポイント
- 当院では、びらん・滲出・痂皮が残る創面と、表面が閉じて赤みや乾燥だけが残る肌を分け、日焼け止めを再開する時点を決めます。
- 表面が閉じた後は、目周りのしみ、塗布直後のヒリつき、翌日の赤み・かゆみを確認し、紫外線散乱剤処方または別の基剤から続けやすい製品を選びます。
- エムディア UVシルキープロテクションを使う場合は、スキンケア後にムラなく広げ、汗、水、タオル、マスクで落ちた部位を日中に補います。
- 再診では、塗れた量と回数、刺激反応、施術部位の赤み・色素沈着を同じ照明で比べ、製品、塗り方、物理遮光の組み合わせを更新します。
Comparison
治療選択の比較
| 治療・対応 | 向く状態 | 向かない/慎重な状態 | 回数の目安 | ダウンタイム | 費用(税込) | 承認状況 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| エムディア UVシルキープロテクション | 紫外線吸収剤を避けたい、無香料で保湿・整肌成分を含むSPF50+・PA++++を毎日使いたい状態 | 創面が閉じていない、塗布でヒリつき・赤み・かゆみが増える状態 | 毎朝。汗・水・タオル・摩擦で落ちた部位を補う | 白浮き、乾燥、刺激、かゆみ、接触皮膚炎、面皰・毛包炎 | 50g 4,180円(税込) | 要確認 |
| 紫外線吸収剤を含む日焼け止め | 白浮きや乾燥が少なく、必要量を均一に塗れる剤形を選びたい状態 | 吸収剤または基剤で目周りのしみ・ヒリつき・接触皮膚炎が出る状態 | 毎朝。汗・水・タオル・摩擦で落ちた部位を補う | 刺激、目へのしみ、乾燥、かゆみ、接触皮膚炎 | 製品により異なる | 要確認 |
| 帽子・日傘・衣類・日陰 | 日焼け止めを補う、創面に製品を塗れない施術直後の露光を減らす状態 | 散乱光を含むすべての紫外線防御を一つの方法だけで完結させたい場合 | 外出時に継続 | 暑さ、蒸れ、衣類やマスクによる摩擦 | 製品により異なる | 要確認 |
費用の目安
- エムディア UVシルキープロテクション 50g:4,180円(税込、メーカー公式価格・掲載価格)
メーカー公式ページと掲載スライドの価格は一致しています。2026年7月20日改定の院内ローカル料金正本には本品の独立掲載がないため、院内販売価格としてではなくメーカー公式価格・掲載価格として表示します。
リスク・副作用・注意点
- 白浮き、乾燥、ヒリつき、目へのしみ、赤み、かゆみ、接触皮膚炎、面皰・毛包炎が生じることがあります。
- パッチテスト済み・ノンコメドジェニックテスト済みでも、すべての方に皮膚トラブルやコメドが起こらないことを保証するものではありません。
- 施術後にびらん・滲出・出血・痂皮がある間は、施術ごとの創傷管理を優先します。
- 国内承認・適応: エムディア UVシルキープロテクションは日焼け止めクリームに区分される化粧品です。SPF50+・PA++++・UV耐水性は紫外線防止効果の表示で、医薬品として赤み、皮膚炎、炎症後色素沈着を治療する効能・効果が承認された製品ではありません。
SPF・PA・UV耐水性は規定条件で測定した紫外線防止効果の表示です。実際の防御にはムラのない塗布と、汗・水・タオル・摩擦後の塗り直し、帽子・日傘・衣類の併用が必要です。
Doctor Review
執筆・監修
執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
References
参考にした一次情報・ガイドライン
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A Randomized, Double Blinded, Split-Face Study of the Efficacy of Using a Broad Spectrum Sunscreen with Anti-Inflammatory Agent to Reduce Post Inflammatory Hyperpigmentation After Picosecond Laser
研究デザイン: 全顔へピコ秒レーザーを1回照射し、抗炎症・皮脂調整成分の有無が異なる広範囲日焼け止めを左右へ無作為に割り付けた二重盲検左右比較試験。施術後3日間は洗顔料と保湿基剤だけを使用し、4日目から日焼け止めを開始して6週間追跡。 / 対象: Fitzpatrick III〜IV型のアジア人で、ニキビまたはニキビ瘢痕がある60人を登録し、59人が完遂。 / 結果: 両側の褐色スコアは経時的に低下し、抗炎症成分配合側で低下が大きい傾向はあったものの、2製品間の差は有意でなかったとの報告がありました。臨床的な炎症後色素沈着は1人に両側で生じた。 / 限界: 皮膚型III〜IVのアジア人、特定のピコ秒レーザーと2製品、6週間の研究に限られる。蒸散性施術、創面への塗布、エムディア UVシルキープロテクション、紫外線散乱剤と吸収剤の刺激差を検討していない。著者は利益相反なしと申告。PMC原著全文を2026年8月9日に確認した。
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A novel moisturizer with high sun protection factor improves cutaneous barrier function and the visible appearance of rosacea-prone skin
研究デザイン: 特定の色付きSPF30保湿剤を、乾燥した前腕で無処置部位と比較する単回使用試験と、酒さ傾向肌で22日間使用する非対照試験の2研究。 / 対象: 乾燥肌の健康な白人女性21人と、軽症〜中等症の持続性紅斑がある女性33人。酒さ傾向群では30人が敏感肌を自己申告した。 / 結果: 乾燥肌では角層水分量が2〜8時間増加し、水分蒸散量が2〜24時間低下したとの報告がありました。酒さ傾向肌では22日後の画像解析と機器測定で赤みが基準値より低下したが、訓練評価者による紅斑評価の経時差は有意ではなかった。 / 限界: 特定の色付きSPF30保湿剤、女性、短期の2研究で、酒さ傾向群は無対照。色付きによる即時のカモフラージュ効果を含み、エムディア製品、紫外線散乱剤と吸収剤の比較、施術後の創面を評価していない。著者2人はGalderma社員、1人はGalderma等の助言・研究・講演に関与、1人はGalderma R&D社員。PMC原著全文を2026年8月9日に確認した。
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医療機器の承認審査に関する情報
販売名、承認番号、承認範囲を確認する公的情報です。
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医療広告ガイドライン
自由診療の費用、主なリスク・副作用、未承認機器等の表示を確認する公的資料です。
よくあるご質問
Q. 敏感肌には紫外線散乱剤の日焼け止めが向きますか?
吸収剤でヒリつく方には、酸化亜鉛・酸化チタンを使う紫外線散乱剤処方が候補になります。白浮き、乾燥、基剤や整肌成分への反応もあるため、耳前や頬の一部で試し、必要量を続けて塗れるかまで確認します。
Q. レーザーやピーリング後はいつから塗れますか?
びらん、滲出、出血、痂皮がある間は施術ごとの保護材と洗浄・保湿を優先します。皮膚表面が閉じ、塗布で痛みや赤みが増えない時点から薄く再開します。時期は施術の深さで異なるため、当日の指示に合わせてください。
Q. SPF50+・PA++++・UV耐水性は何を示しますか?
SPF50+は主にUVB、PA++++はUVAへの防御の目安です。UV耐水性は水に触れた後もSPFが一定基準以上保たれる表示ですが、汗やタオル、衣類の摩擦で落ちた部分は塗り直します。
Q. エムディア UVシルキープロテクションはどう使いますか?
朝のスキンケア後、顔と露出部へムラなくなじませます。生え際、眉間、小鼻の横、耳前、顎下まで確認し、汗、水、タオル、マスクで落ちた部位を日中に補います。
Q. 価格と製品区分を教えてください。
エムディア UVシルキープロテクションは50g・4,180円(税込)の化粧品です。SPF・PA・UV耐水性は紫外線防止効果の表示であり、医薬品として赤みや皮膚炎を治療する製品ではありません。
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