高濃度レチノールを安全に使うための濃度・頻度・併用治療
高濃度レチノールは、0.25%から0.5%、1.0%へ段階的に上げ、初回は週2〜3回から始めます。赤み・乾燥・皮むけが強ければ休薬と保湿を挟み、レーザー前後は刺激が重ならない日程に調整します。当院のZO Skin Health受賞を背景に、目的別の使い方を解説します。
Medical Information
この記事について
- 執筆医・監修医
- 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
- 監修日
- 2026年8月9日
- 公開日
- 2026年5月24日
- 実質更新日
- 2026年8月9日




Contents
目次
高濃度レチノールの使用経験が2025 Awardで評価されました
当院はZO Skin Healthの「高濃度レチノール製品 アワード」を西日本エリアで受賞しました。授賞会場のスクリーンには「ZO Skin Health 2025 Award」と当院名が、ほかの受賞施設とともに五十音順で表示されています。
当院では年間を通じて、シミ・くすみなどの色調、毛穴、小じわ、治療後のメンテナンス、レーザー治療との併用へ高濃度レチノールを提案し、使用量と頻度を調整しています。
レチノールは、同じ濃度でも塗る量、使用日数、赤みや刺激への耐性、レーザー予定によって反応が変わります。当院では、まず何を改善したいかを決め、その目的に必要な濃度から始めます。
色調・毛穴・小じわの目的から濃度を選びます
2026年5月に開かれた「ZO Skin Health Award Party 2025」では、日頃の診療経験を振り返りました。当院では、色調を整えるスキンブライセラム、小じわ・質感を扱う高濃度製品、治療後の維持というように、目的を先に分けています。
ZO Skin Healthのスキンブライセラムは0.25%、0.5%、1.0%の3濃度です。初めて使う方や刺激を受けやすい方は0.25%、レチノールを継続できている方は0.5%、0.5%を使い切って反応が安定した上級者は1.0%を候補にします。濃度を上げる前に、現在の製品を赤みなく継続できているかを確認します。
シミ・くすみは同じ照明の写真で色の均一性を、毛穴は皮脂と詰まりを、小じわは目尻や頬の細かい線を記録します。目的ごとに観察点を決めることで、皮むけの強さではなく、実際に変えたい所見から濃度を見直せます。
色むらと小じわを別々に写真評価する理由として、外用トレチノイン0.025〜0.1%などで、細かいしわ、色むら、黄ぐすみ、日光黒子が改善したとの報告がありました(参考文献1)。
小じわを継続して評価する理由として、顔の片側へ0.075%レチノールを毎晩26週間使用したところ、細かいしわの改善はレチノール側50%・基剤側24%、深いしわは28%・2%だったとの報告がありました(参考文献4)。
週2〜3回から始め、隔日、毎日へ段階的に増やします
アワード会場では、レチノール治療について他院の先生とも意見を交わしました。日々の診療では、清潔で乾いた肌へ薄く塗り、初回は週2〜3回から開始します。ほてりや皮むけが軽く、次の使用日までに落ち着くことを確認してから隔日へ進み、さらに安定して必要性がある場合に毎日使用へ近づけます。
赤み、乾燥、皮むけ、灼熱感、ヒリつきが強いときは一度休薬し、保湿を優先します。反応が治まった後は、同じ濃度を少量・週2回へ戻すか、一段低い濃度から再開します。朝はSPF30以上の日焼け止めを使い、レチノール反応と紫外線刺激を重ねません。
AHA・BHA、ハイドロキノンなど刺激の出やすい外用を併用するときは、開始時から同じ夜へ重ねず、使用日を分けます。どの製品を塗った翌日に赤みが強くなるかを確認し、一度に濃度と頻度の両方を上げません。
皮むけの強さではなく写真上の変化を追う理由として、市販レチノール・レチナール製品は細かいしわが軽度改善する場合がある一方、基剤との差がない場合もあるとの報告がありました(参考文献2)。
0.25%、0.5%、1.0%へ段階的に上げる方法を用いる根拠として、レチノール群は4週で肌の滑らかさが改善し、12週の組織評価では新生コラーゲンと表皮肥厚が確認されたとの報告がありました(参考文献3)。
レーザー前後は休薬と再開を一つの予定にします
受賞トロフィーに込められた使用経験を、レーザー治療との併用にも生かしています。レチノールを続ける日と施術の刺激が重ならないように予定を組みます。
レーザー前に赤み、乾燥、皮むけがある場合はレチノールを休薬し、皮膚が落ち着いた状態で施術します。施術後は、赤みだけでなく、かさぶた、びらん、ヒリつき、洗顔時の刺激がなくなってから、低い頻度で再開します。フラクショナル照射やピーリングのように表皮反応が出る治療では、完全に回復するまで保湿と遮光を優先します。
再開時は元の濃度を週2回から使い、反応を見直します。治療後の色調維持では、照射部位だけでなく顔全体の乾燥と赤みを確認し、次のレーザー日まで継続できる回数へ調整します。
Clinical View
診療で確認するポイント
- 初診では、色調、毛穴、小じわ、治療後維持のうち最初の目標を一つ決め、正面・左右斜位写真で追う所見を固定します。
- これまでのレチノール製品名、濃度、週の使用回数、翌日に出た赤み・乾燥・皮むけを確認し、初回・敏感肌は0.25%、継続使用者は0.5%、反応が安定した上級者は1.0%という順で候補を選びます。
- 開始は週2〜3回とし、次の使用日までに反応が治まる範囲で隔日へ増やします。刺激が強ければ休薬と保湿を挟み、同じ濃度を週2回へ戻すか、一段低い濃度から再開します。
- レーザーやピーリングを併用する場合は、施術前に炎症を残さず、施術後のかさぶた・びらん・ヒリつきが治まってから週2回で再開するところまでを治療予定に入れます。
Comparison
治療選択の比較
| 治療・対応 | 向く状態 | 向かない/慎重な状態 | 回数の目安 | ダウンタイム | 費用(税込) | 承認状況 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 低〜中濃度レチノール | 初回使用、乾燥しやすい、長期継続を優先 | 強い炎症中、使用を避ける条件がある | 毎日のケアとして8〜24週を目安に評価 | 乾燥・赤み・皮むけ・刺激感 | 製品・処方内容により異なる | 化粧品と医薬品を分け、医薬品は承認適応・禁忌を確認 |
| 高濃度レチノール | 低濃度を継続でき、色むら・毛穴・小じわを段階的に見たい | 強いA反応、近接するレーザー予定 | 毎日のケアとして8〜24週を目安に評価 | 乾燥・赤み・皮むけ・刺激感 | 製品・処方内容により異なる | 化粧品と医薬品を分け、医薬品は承認適応・禁忌を確認 |
| 処方レチノイド/施術併用 | 診断に基づく治療やレーザーとの予定管理が必要 | 自己判断で刺激を重ねる状態 | 毎日のケアとして8〜24週を目安に評価 | 乾燥・赤み・皮むけ・刺激感 | 製品・処方内容により異なる | 化粧品と医薬品を分け、医薬品は承認適応・禁忌を確認 |
費用の目安
- セルフケア製品や処方薬は選ぶ製品・処方内容により異なります。診察・施術を伴う場合は当院料金表で確認します。
この記事だけで特定の購入・施術を勧めるものではありません。料金と診療区分は各案内ページに記載しています。
リスク・副作用・注意点
- 赤み、乾燥、刺激感、皮むけ、かゆみが生じることがあります。
- 炎症を続けると色素沈着や皮膚炎が悪化することがあります。
- 妊娠・授乳、他の外用薬、レーザーやピーリング前後は使用可否と休薬を確認します。
- 国内承認・適応: 製品・機器と使用目的により異なるため、販売名・承認番号・承認範囲をPMDAで照合
製品ごとの成分と使用方法を確認し、自己判断で濃度を上げないでください。
Doctor Review
執筆・監修
執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
References
参考にした一次情報・ガイドライン
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Topical tretinoin for treating photoaging: a systematic review of randomized controlled trials
研究デザイン: 7件の無作為化比較試験を対象にしたシステマティックレビュー / 対象: 光老化のある計739人、うち113人が脱落。4研究は女性のみで、ほか3研究も女性が多数 / 結果: 0.025〜0.1%の外用トレチノインと5%トレチノインピーリングを含む研究で、細かいしわ、色むら、黄ぐすみ、日光黒子の改善が各研究で報告されました。 / 限界: 処方薬トレチノインを中心としたレビューで、化粧品のレチノールやZO Skin Healthの各製品を直接評価していない。製剤、濃度、治療期間、評価項目が異なり、濃度間の優劣は確定していない。
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Evidence for the efficacy of over-the-counter vitamin A cosmetic products in facial skin aging: a systematic review
研究デザイン: 市販レチノール・レチナール製品の9件の無作為化二重盲検基剤対照試験を批判的に評価したシステマティックレビュー / 対象: 顔面光老化に対する市販レチノールまたはレチナール製品を評価した9試験 / 結果: 5試験で細かいしわへの軽度改善がみられた一方、4試験では基剤との差がなかったとの報告がありました。 / 限界: 製品濃度と処方が異なり、8試験は製品企業の支援を受けていた。主要評価項目未設定、検出力不足、解析上の問題があり、ZO Skin Health製品の濃度・頻度を直接比較したレビューではない。
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医療機器の承認審査に関する情報
研究デザイン: 二重盲検比較臨床試験 / 対象: 中等度のしわを伴う光老化のある35〜65歳女性45人。レチノール0.25%、0.5%、1.0%またはトレチノイン0.025%、0.05%、0.1%を段階的に上げ、保湿剤を併用して12週間評価 / 結果: レチノール群は4週で肌の滑らかさがトレチノイン群より改善し、12週の組織評価では新生コラーゲンと表皮肥厚が確認されたとの報告がありました。 / 限界: 45人・12週間の小規模研究で、製品処方と使用日程の詳細はPubMed抄録だけでは十分に確認できない。ZO Skin Health製品、シミ・毛穴、レーザー併用、妊娠中の安全性を評価した試験ではない。
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医療広告ガイドライン
研究デザイン: 無作為化・二重盲検・顔面左右比較の基剤対照試験 / 対象: 軽度光老化のある中年日本人女性57人。顔の片側へ0.075%レチノール、反対側へ基剤を毎晩26週間使用し54人が完遂 / 結果: 細かいしわの改善はレチノール側27/54人(50%)・基剤側13/54人(24%)、深いしわは15/54人(28%)・1/54人(2%)だったとの報告がありました。 / 限界: 女性のみの左右比較試験で、3人は刺激により中止した。0.075%の試験であり、ZO Skin Healthの0.25〜1.0%製品、色調・毛穴、レーザー併用、長期維持を直接評価していない。
よくあるご質問
Q. 初めて高濃度レチノールを使うときは、何%から始めますか?
スキンブライセラムでは、初めて使う方や刺激を受けやすい方は0.25%から始めます。0.25%を継続できれば0.5%、0.5%を使い切って赤み・乾燥・皮むけが安定していれば1.0%を検討します。
Q. 高濃度レチノールは何日おきに使いますか?
最初は週2〜3回です。次の使用日までにほてりや皮むけが落ち着くことを確認して隔日へ増やし、さらに安定して必要な場合に毎日使用へ近づけます。濃度を上げる時期は頻度を戻し、一度に両方を上げません。
Q. 赤みや皮むけが出たら、使い続けた方がよいですか?
痛み、強い赤み、亀裂、ヒリつきが続く場合は休薬し、保湿を優先します。落ち着いた後は同じ濃度を少量・週2回へ戻すか、一段低い濃度から再開します。皮むけを強く出すことは治療目標ではありません。
Q. レーザーやピーリングの前後はレチノールを休みますか?
施術前に赤み・乾燥・皮むけがあれば休薬します。施術後は、かさぶた、びらん、ヒリつき、洗顔時の刺激が治まってから週2回で再開します。休薬期間はレーザーの種類と表皮反応に合わせて決めます。
Q. スキンブライセラムの価格と製品区分を教えてください。
当院料金は0.25%が14,300円、0.5%が16,060円、1.0%が18,480円です。いずれも医療機関で取り扱う化粧品で、処方レチノイドのような医薬品の承認効能を持つ製品ではありません。妊娠中・妊娠を希望している方・授乳中の方は使用せず、外用薬や施術との併用を確認します。
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