医師解説赤みアドバテックス

プルリアルデンシファイの成分と特徴

プルリアルデンシファイは、1本2mLにPN20mg、非架橋ヒアルロン酸20mg、マンニトール80mgを含む注入製剤です。乾燥、小じわ、赤み、ハリ・弾力低下に対し、3〜4週間隔で3回を初期治療の目安とします。

Medical Information

この記事について

監修日
2026年8月9日
公開日
2023年10月28日
実質更新日
2026年8月9日

Contents

目次

  1. 1本2mLにPN・非架橋ヒアルロン酸・マンニトールを配合
  2. PNは真皮の修復と肌質改善を支える成分
  3. 乾燥・赤みにはデンシファイ、深い凹みには瘢痕治療を選ぶ
  4. 3〜4週間隔で3回を行い、維持治療の間隔を決める
  5. 診療で確認するポイント
  6. 治療選択の比較
  7. 費用の目安
  8. リスク・副作用・注意点
  9. 関連記事
  10. 関連施術・関連症状のご案内
  11. 執筆・監修
  12. 参考にした一次情報・ガイドライン
  13. よくあるご質問

1本2mLにPN・非架橋ヒアルロン酸・マンニトールを配合

プルリアルデンシファイは、ルクセンブルクのMD Skin Solutions社が開発したCEマーク取得製品です。PNは皮膚の修復、非架橋ヒアルロン酸は水分と弾力、マンニトールは抗酸化とヒアルロン酸の分解抑制を目的に配合されています。

3成分を同じ注入部位へ届け、真皮の水分量、炎症後の回復、肌のハリを一つの治療計画で扱うことが特徴です。製造元が示す成分の相乗作用は培養細胞・組織を用いた検討に基づくため、患者での効果は小じわ、乾燥、赤み、弾力を同じ条件の写真と触診で追います。

製造元の2026年製品資料には、1本2mLにPN20mg、非架橋ヒアルロン酸20mg、マンニトール80mgを含み、目の下を除く顔、首、デコルテの深層真皮へ注入する製品と記載されています(参考文献3)。

PNは真皮の修復と肌質改善を支える成分

PN(ポリヌクレオチド)はサケ由来の高分子成分で、真皮の線維芽細胞がつくるコラーゲンやヒアルロン酸、細胞外マトリックスを支えます。乾燥、小じわ、粗さ、弾力低下に対し、表面を充填するだけでなく皮膚の修復反応を促す目的で用います。

デンシファイでは、このPNに非架橋ヒアルロン酸とマンニトールを組み合わせます。ヒアルロン酸で水分を補い、PNで肌質の変化を促すため、輪郭を形づくる架橋ヒアルロン酸フィラーとは注入目的が異なります。

乾燥、小じわ、粗さ、弾力低下へPNを選ぶ根拠として、しわ、肌質、弾力の改善がみられ、副反応は概ね軽度・一過性だったとの報告がありました(参考文献1)。

PNを水分量だけでなく弾力、粗さ、毛穴まで追う理由として、非架橋ヒアルロン酸と全体評価に差はなかった一方、PNでは弾力・水分量・粗さ・毛穴の改善率が高く、真皮密度には差がなかったとの報告がありました(参考文献5)。

乾燥・赤みにはデンシファイ、深い凹みには瘢痕治療を選ぶ

凹みが強くないものの赤みが残るニキビ跡、乾燥しやすく弾力が低下した肌、毛穴・たるみ小じわには、肌質を整えるデンシファイを選びます。一方、皮脂が多く、ボックスカー型の凹みが皮下へ引き込まれているニキビ跡には、真皮深層の癒着をサブシジョンで解除しながらジュベルックを注入し、凹みを持ち上げます。

デンシファイの製造元資料に示された注入部位は、目の下を除く顔、首、デコルテで、注入層は深層真皮です。目の下の薄い皮膚にはプルリアルシルクを使い分けます。アトピー性皮膚炎の背景がある場合は、乾燥とバリア低下を整え、赤みや湿疹が落ち着いた時期に肌質治療を組み込みます。

3〜4週間隔で3回を行い、維持治療の間隔を決める

導入時の治療計画は3〜4週間隔で3回です。3回終了後に乾燥、小じわ、赤み、ハリの変化を比べ、反応が保たれていれば維持治療の間隔を延ばします。現行の製造元資料では、初期治療を3週間隔で3回とし、その後は肌状態に応じて2〜3か月ごとの維持治療を示しています。

注入後は針穴、点状出血、赤み、膨疹、内出血が生じることがあり、多くは1〜3日程度で落ち着きます。初期治療で得られた変化が続いていても、加齢や紫外線による乾燥・弾力低下が進めば再び気になるため、同じ撮影条件で経過を比べて維持時期を決めます。

3回を初期治療の単位にする根拠として、PN-HPTを4週間隔で3回注入すると、肌表面、ハリ、色調、輝きが改善し、6か月時点で33%がMuch Improved、43%がVery Much Improvedと回答したとの報告がありました(参考文献2)。

Clinical View

診療で確認するポイント

  • 最初に、乾燥、小じわ、赤み、毛穴・弾力低下のうち、3回の初期治療で何を改善指標にするか決めます。皮下へ引き込まれたボックスカー型の凹みは肌質注射だけで追わず、サブシジョンとジュベルックを組み合わせます。
  • 顔は目の下を除く範囲、首、デコルテの深層真皮へデンシファイを注入し、目の下には薄い皮膚に合わせてプルリアルシルクを使い分けます。湿疹や感染がある部位は先に治療し、炎症が落ち着いてから注入します。
  • 3〜4週間隔で3回行った後、治療前と同じ写真・照明で乾燥、小じわ、赤みを見直し、維持治療は毎月固定ではなく2〜3か月を目安に調整します。

Comparison

治療選択の比較

治療・対応 向く状態 向かない/慎重な状態 回数の目安 ダウンタイム 費用(税込) 承認状況
プルリアルデンシファイ 肌質・小じわ・乾燥への複合注入を検討 輪郭形成、強いボリューム不足、感染・活動性皮膚炎 複数回後に反応評価 膨疹、腫れ、内出血、感染、結節、アレルギー、血流障害 現行料金表に独立掲載なし。使用量・注入範囲・回数で変動 国内未承認製剤。入手経路・代替・救済制度等を説明
プルリアルシルク/PN単独系 より薄い皮膚・小じわ・質感へのPN注入を検討 製品名だけで赤み・毛穴改善を期待 当院目安 約1か月ごと3回 膨疹、赤み、腫れ、内出血、感染等 使用量・範囲で異なる 国内未承認製剤として説明
非架橋HA/輪郭形成HA 水分・質感または明確なボリューム補正を目的別に選択 目的・注入層を区別せず使用 製剤ごとに設定 腫れ、内出血、感染、血流障害等 製剤・本数で異なる 製剤・使用目的ごとに承認確認

費用の目安

  • 現行料金表に独立した掲載はなく、使用量・注入範囲・回数で費用が変動します。
  • 診察時に使用本数と治療回数に基づく総額を案内します。

プルリアルシルクの料金をデンシファイへ流用しません。

リスク・副作用・注意点

  • 膨疹、赤み、腫れ、内出血、痛みが生じます。
  • 感染、結節、アレルギー、血流障害など注入固有の合併症があります。
  • 製品成分と魚由来原料へのアレルギーを確認します。
  • 国内承認・適応: プルリアルデンシファイは国内未承認の注入製剤で、医師が個人輸入しています。同一成分・同一目的の国内承認製剤はなく、健康被害は医薬品副作用被害救済制度の対象外となる可能性があります。

国内未承認製剤で、一般的なPNの報告を製品固有の安全率として扱いません。

Doctor Review

執筆・監修

執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)

References

参考にした一次情報・ガイドライン

  1. Lampridou S, Bassett S, Cavallini M, Christopoulos G. The Effectiveness of Polynucleotides in Esthetic Medicine: A Systematic Review. J Cosmet Dermatol. 2025;24(2):e16721.

    The Effectiveness of Polynucleotides in Esthetic Medicine: A Systematic Review

    研究デザイン: 系統的レビュー / 対象: 2010〜2024年の9研究、計219人 / 結果: 複数の研究で、PN注入後にしわ、肌質、弾力が改善し、副反応は概ね軽度・一過性だったとの報告がありました。 / 限界: 研究品質は低〜中等度で、製剤、注入部位、注入法が不均一。プルリアルデンシファイ固有の効果や最適な治療間隔は確定できず、一部著者にPN関連企業との関係が開示されている。

  2. Lim TS, et al. Polynucleotides HPT for Asian Skin Regeneration and Rejuvenation. Clin Cosmet Investig Dermatol. 2024;17:417-431.

    Polynucleotides HPT for Asian Skin Regeneration and Rejuvenation

    研究デザイン: 前向き単群研究 / 対象: アジア人30人、平均40.2歳。PN-HPT製剤を開始時、4週、8週に計3回注入し、6か月まで評価 / 結果: 肌表面、ハリ、色調、輝きが改善し、6か月時点で33%がMuch Improved、43%がVery Much Improvedと回答し、早期・遅発性の有害事象は報告されなかったとの報告がありました。 / 限界: 対照群のない30人の研究で、使用製剤はPLINESTでありプルリアルデンシファイではない。著者の一人に製造企業Mastelliからの研究助成などの関係が開示されている。

  3. MD Skin Solutions. Product Catalogue. MDSS_PC_EN_RevA_01.2026. Pluryal Densify.

    Pluryal Product Catalogue 2026: Densify

    研究デザイン: 製造元の医療従事者向け製品資料 / 対象: 患者を対象とした臨床試験ではなく、1本2mLの製剤仕様、対象部位、注入層を記載した資料 / 結果: PN20mg、非架橋ヒアルロン酸20mg、マンニトール80mgを含み、目の下を除く顔、首、デコルテの深層真皮へ注入する製品と記載されている。 / 限界: 製造元資料であり、患者での比較効果を示す臨床試験ではない。CEマークは日本国内の薬事承認を意味しない。

  4. 厚生労働省

    未承認医療機器等の情報提供

    国内未承認製剤の表示に関する公的資料。

  5. Lee YJ, et al. Comparison of the effects of polynucleotide and hyaluronic acid fillers on periocular rejuvenation: a randomized, double-blind, split-face trial. J Dermatolog Treat. 2022;33(1):254-260.

    Comparison of the effects of polynucleotide and hyaluronic acid fillers on periocular rejuvenation: a randomized, double-blind, split-face trial

    研究デザイン: 無作為化二重盲検split-face比較試験 / 対象: 27人の眼周囲に、PNと非架橋ヒアルロン酸を左右へ分け、2週間隔で3回注入 / 結果: 全体評価に群間差はなかったが、弾力・水分量・粗さ・毛穴容積の改善率はPN側で高く、真皮密度には差がなく、重篤な有害事象はなかったとの報告がありました。 / 限界: 27人の眼周囲を対象とした小規模試験で、PN・非架橋ヒアルロン酸・マンニトールを含むプルリアルデンシファイそのものの試験ではない。

よくあるご質問

Q. プルリアルデンシファイはヒアルロン酸フィラーと同じですか?

非架橋ヒアルロン酸を含みますが、輪郭やボリュームを形づくる架橋ヒアルロン酸フィラーとは目的が異なります。PN、非架橋ヒアルロン酸、マンニトールを深層真皮へ注入し、乾燥、小じわ、ハリ・弾力などの肌質を治療します。

Q. 目の下にもデンシファイを注入できますか?

製造元資料ではデンシファイの対象部位は目の下を除く顔、首、デコルテです。目の下の薄い皮膚にはプルリアルシルクを使い分けます。

Q. ニキビ跡ではジュベルックとどう使い分けますか?

乾燥や赤み、毛穴・小じわなど肌質が中心ならデンシファイ、皮下へ引き込まれたボックスカー型の凹みが中心ならサブシジョンとジュベルックを検討します。

Q. デンシファイとボトックスを混ぜて注入しますか?

ボツリヌストキシンを加える併用法は、製造元の標準的なデンシファイ単独注入とは別の院内オプションです。行う場合は製剤の販売名、濃度、注入部位、適応外使用と、表情の動かしにくさなど固有のリスクを分けて説明します。

Q. 国内承認と、鮭・魚卵アレルギーの扱いはどうなりますか?

プルリアルデンシファイは国内未承認の注入製剤で、医師が個人輸入しています。CEマークは日本の承認を意味せず、同一成分・同一目的の国内承認製剤はありません。鮭・魚卵アレルギーがある方は事前申告が必要です。注入部位に感染や活動性皮膚炎がある場合は施術を見合わせます。主なリスクは点状出血、赤み、腫れ、膨疹、内出血、感染、血管障害で、未承認製剤による健康被害は医薬品副作用被害救済制度の対象外となる可能性があります。

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