POTENZA PRIMEで何が変わる?チップ・出力・薬剤導入を設計する考え方
POTENZA PRIMEでは、チップ、針深度、RF出力、ショット数、薬剤と導入工程を一組で設計します。毛穴・ニキビ跡、肝斑・赤み、ドラッグデリバリー、針なしタイトニングで設定を分ける考え方を解説します。
Medical Information
この記事について
- 執筆医・監修医
- 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
- 監修日
- 2026年8月9日
- 公開日
- 2026年6月11日
- 実質更新日
- 2026年8月9日

Contents
目次
POTENZA PRIMEは当院で治療を開始しています
画像は、POTENZA PRIMEの当院導入を予告したものです。現在は、肝斑、赤み、毛穴、ニキビ跡、薬剤導入、針を使わないタイトニングを、症状ごとに組み立てるRF治療として提供しています。
従来のPOTENZAでも、ショット数、出力、チップ、薬剤を変えて治療してきました。Primeでは、病態別チップ、複数深度へのRF、RF後の追加ニードリング、侵襲RFと非侵襲RFの組み合わせが加わり、設定の分岐をさらに細かく作れます。
最初に治療目標を一つ決め、設定表を作る
治療前に、今回もっとも変化を追いたい所見を一つ決めます。毛穴の開き、ローリング型・ボックスカー型の凹み、肝斑の色素、ニキビ後の赤み、フェイスラインのゆるみでは、選ぶチップと皮膚へ入れるRFの層が異なります。
設定表には、侵襲式か非侵襲式か、チップ、絶縁・非絶縁、針深度、RFモード、出力、パルス、ショット数、パス数、吸引、薬剤、塗布量を記録します。次回は写真上の変化と回復日数を照合し、設定を一項目ずつ調整します。
RFを入れる層から方式とチップを選ぶ理由として、モノポーラは深部、バイポーラは電極間の比較的浅い層、マイクロニードルRFは針深度と絶縁部位によって加熱層が変わるとの報告がありました(参考文献1)。
チップは、症状名ではなく狙う層から選ぶ
毛穴や面状のニキビ跡では、針で真皮へRFを届けるチップを選び、凹みの深さへ針深度を合わせます。PrimeのX Tipシリーズは長さの異なる針を組み合わせ、複数の深さへRFを届ける設計です。瘢痕底の癒着が強い場合はサブシジョン、深い点状瘢痕ではTCA CROSSなどを治療順へ加えます。
肝斑や赤みでは、色素、紅斑、毛細血管、炎症を同じ写真上で分けます。MLSは非侵襲RFと侵襲RFを一つのチップで扱い、VMLS-X36は複数深度を考慮する構成です。色素を追う範囲と赤みを追う範囲を分け、刺激量と治療間隔を設定します。
輪郭のゆるみが主な場合は、針を使わないダイヤモンドチップで皮膚表面からRFを届けます。点状出血を伴うニードルRFとは工程を分け、フェイスライン、ほうれい線周囲、頬のゆるみを照射範囲として記録します。
出力は、深度・パルス・ショット数と一緒に決める
RFの組織反応は、画面上の出力だけでなく、針深度、パルス、絶縁部位、ショットの重なり、パス数で変わります。浅い毛穴と深い瘢痕へ同じ深度・同じパス数を使わず、部位ごとの皮膚厚と凹みの深さに合わせます。
施術直後は赤み、点状出血、腫れ、熱感を記録し、翌日以降は痂皮、鱗屑、色素変化が戻るまでの日数を確認します。反応が強かった範囲では、次回に出力、ショット密度、パス数のうち一つを調整し、どの変更が経過へ影響したかを追えるようにします。
薬剤導入は、薬剤・層・導入工程を分けて設計する
ドラッグデリバリーでは、先に導入する薬剤と目的を決めます。当院では、ニキビ跡・毛穴へマックームやジュベルック、毛穴や皮脂へボトックスを追加する選択肢があり、薬剤名、塗布量、使用範囲を設定表へ残します。
従来のPumping Tipは、針の挿入・抜去に伴う圧力変化を薬剤導入へ利用します。PrimeのBoost Modeは、RF照射後にエネルギーを加えない追加ニードリングを行う工程です。RFで加熱する段階と、薬剤が通る微細なチャネルを作る段階を分けて記録します。
追加穿刺を行う場合は、針深度、ショット数、薬剤量を同時に増やさず、赤み、腫れ、滲出、痂皮の経過を見て次回の工程を調整します。薬剤によるアレルギー、結節、感染などは、RF・穿刺による皮膚反応と分けて評価します。
ニキビ跡・毛穴は凹みの型と回復を同じ条件で追う
ニキビ跡は、なだらかなローリング型、境界が明瞭なボックスカー型、深いアイスピック型を斜光写真で分けます。RFマイクロニードリングは面状の凹凸と質感へ配置し、癒着や深い点状瘢痕には別手技を組み合わせます。
毛穴は皮脂、角栓、浅い萎縮、たるみによる開きを分け、同じ照明・距離・角度で撮影します。1回ごとに凹凸、毛穴の見え方、赤み、色素沈着を比較し、次回のチップ、深度、ショット密度、薬剤を決めます。
萎縮性ニキビ跡へRFマイクロニードリングを組み込むと、瘢痕の改善がみられ、主な副反応は一過性の紅斑、浮腫、痛みだったとの報告がありました(参考文献2)。
Clinical View
診療で確認するポイント
- 診察では、毛穴、萎縮性瘢痕、肝斑・赤み、輪郭のゆるみを分け、治療後に同じ条件で追う所見を一つ決めます。
- 狙う皮膚層から、侵襲式・非侵襲式、チップ、絶縁構造、針深度を選び、その後に出力、パルス、ショット数、パス数を組みます。
- 薬剤導入では、薬剤と塗布量を先に決め、RF照射とPumpingまたはBoost Modeの工程を分けて記録します。
- 施術後の赤み、腫れ、点状出血、痂皮、鱗屑、色素変化が戻るまでの日数を照合し、次回は一つの設定だけを調整します。
Comparison
治療選択の比較
| 治療・対応 | 向く状態 | 向かない/慎重な状態 | 回数の目安 | ダウンタイム | 費用(税込) | 承認状況 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| POTENZA PRIME ニードルRF | 毛穴、面状の萎縮性ニキビ跡、肌質、赤みを狙う層ごとに治療 | 照射部位の感染・強い皮膚炎、治癒していない創、重い瘢痕体質 | 1回ごとに凹凸・毛穴・赤みと回復日数を再評価。3回料金あり | 痛み、赤み、腫れ、点状出血、痂皮、鱗屑、色素沈着 | 赤ら顔・ニキビ・毛穴 全顔1回55,000円/3回156,750円 | 国内未承認医療機器 |
| POTENZA PRIME 薬剤導入 | ニキビ跡・毛穴へRFとマックーム、ジュベルック、ボトックス等を組み合わせる設計 | 使用薬剤へのアレルギー歴、感染、強い炎症、薬剤を必要としない状態 | 凹凸・毛穴と薬剤反応を分けて再評価。3回料金あり | ニードルRFの反応に加え、感染、アレルギー、結節、遷延する腫れ | 瘢痕治療・薬剤導入 全顔1回66,000円/3回188,100円。各薬剤+22,000円 | 機器は国内未承認。薬剤ごとに国内承認・使用目的を開示 |
| ダイヤモンドチップ・針なしRF | フェイスライン、ほうれい線周囲、全顔の軽度のゆるみ | 針による瘢痕治療や薬剤導入が目的、強い皮膚炎・感染がある部位 | 輪郭写真と熱反応を1回ごとに再評価 | 一時的な赤み、熱感、腫れ。まれに熱傷・色素変化 | ほうれい線・フェイスライン1回38,000円/全顔1回48,400円 | 国内未承認医療機器 |
| 肝斑治療コース | 色素の分布と炎症・赤みを分け、刺激量を抑えて段階治療する肝斑 | 強い炎症、日焼け直後、診断未確定の色素病変 | 全顔5回。色素・赤み・刺激反応を毎回記録 | 赤み、腫れ、刺激感、乾燥、痂皮、炎症後色素沈着 | 全顔5回165,000円 | 国内未承認医療機器 |
費用の目安
- 赤ら顔・ニキビ・毛穴治療 全顔:1回55,000円/3回156,750円
- 瘢痕治療・薬剤導入 全顔:1回66,000円/3回188,100円
- 薬剤追加:マックーム、ボトックス、ジュベルック 各22,000円
- ダイヤモンドチップ:ほうれい線・フェイスライン1回38,000円/全顔1回48,400円
- 肝斑治療コース 全顔:5回165,000円
自由診療・税込。料金表にはPrime専用の別加算は掲載されていません。麻酔、薬剤、オプションの有無で総額が変わります。
リスク・副作用・注意点
- ニードルRF:痛み、赤み、腫れ、点状出血、痂皮、鱗屑、乾燥、色素沈着、熱傷、瘢痕
- 薬剤導入:使用薬剤による刺激、アレルギー、感染、結節、遷延する赤み・腫れ
- 針なしRF:赤み、熱感、腫れ、痛み、熱傷、色素変化
- 照射部位の感染、治癒していない創、強い皮膚炎がある場合は施術できないことがあります。
- 国内承認・適応: POTENZA PRIMEは日本国内で医薬品医療機器等法上の承認を受けていない医療機器です。当院ではJeisys Medical Inc.から医師の責任で個人輸入しています。国内に同一性能を有する承認医療機器はなく、未承認機器による健康被害は医薬品副作用被害救済制度等の対象外となる場合があります。導入薬剤は製剤ごとに国内承認の有無、承認された使用目的、入手経路を開示します。
当院施術ページでは、針を用いる設定の目安として赤み約3日、腫れ約2日、鱗屑3〜7日を案内しています。
Doctor Review
執筆・監修
執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
References
参考にした一次情報・ガイドライン
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The Landscape of Radiofrequency Technology for Skin Rejuvenation
研究デザイン: PubMedとWeb of Scienceを検索し、モノポーラ、バイポーラ、マルチポーラ、マイクロニードルRFの機序、方式、臨床研究を比較したシステマティックレビュー / 対象: 複数のRF方式と患者研究を横断したレビューで、単一の総対象人数は設定されていない / 結果: モノポーラは深部へ、バイポーラは電極間の比較的浅い層へ熱を届け、マイクロニードルRFでは針深度と絶縁・非絶縁構造によりエネルギーを届ける層が変わると報告された。 / 限界: 検索期間、採択研究数、バイアス評価の詳しい記載が乏しく、機器、出力、対象、評価法が不均一です。RF方式やPOTENZA PRIME固有チップの比較優位を示す統合解析ではありません。著者は利益相反なしと申告しています。原著全文を2026年8月8日に確認しました。
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Fractional Radiofrequency Microneedling as a Monotherapy in Acne Scar Management: A Systematic Review of Current Evidence
研究デザイン: PubMedとEBSCOを2024年7月まで検索した、萎縮性ニキビ跡へのRFマイクロニードリング単独療法のシステマティックレビュー / 対象: 前向き研究6件、無作為化比較試験6件、後ろ向き研究3件、比較研究1件の計481人。Fitzpatrick II〜V型 / 結果: 収載された全研究で瘢痕の改善が報告されました。主な副反応は一過性の紅斑、浮腫、痛みで、PIHは一部研究で報告されたものの追跡中に軽快しました。 / 限界: 評価尺度、機器、深度、出力、回数が不均一でメタ解析は行われず、Fitzpatrick VI型を含まず、追跡は最長6か月です。POTENZA PRIME固有チップ、Boost Mode、薬剤導入の効果を検証した研究ではありません。研究資金なし、著者は利益相反なしと申告しています。原著全文を2026年8月8日に確認しました。
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医療機器の承認審査に関する情報
販売名、承認番号、承認範囲を確認する公的情報です。
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医療広告ガイドライン
自由診療の費用、主なリスク・副作用、未承認機器等の表示を確認する公的資料です。
よくあるご質問
Q. POTENZA PRIMEで何が変わりましたか?
病態別のチップ、複数深度へRFを届けるX Tip、RF後に追加穿刺するBoost Mode、侵襲RFと非侵襲RFを組み合わせるMLSなどが加わり、チップ・深度・出力・薬剤導入の分岐を細かく作れるようになりました。
Q. 出力は高いほど効果が上がりますか?
RFの組織反応は、出力だけでなく針深度、パルス、絶縁部位、ショットの重なり、パス数で変わります。狙う所見と皮膚厚に合わせ、施術後の赤み・痂皮・色素変化を記録して次回設定を調整します。
Q. 薬剤導入はどのように設計しますか?
先に薬剤と目的、塗布量を決めます。Pumping Tipは針の挿入・抜去時の圧力変化を利用し、Boost ModeはRF後に通電しない追加ニードリングを行います。加熱と導入の工程を分けて記録します。
Q. POTENZA PRIMEの費用はいくらですか?
赤ら顔・ニキビ・毛穴の全顔は1回55,000円・3回156,750円、瘢痕治療・薬剤導入は1回66,000円・3回188,100円です。マックーム、ボトックス、ジュベルックの追加は各22,000円、ダイヤモンドチップ全顔は48,400円です。
Q. 国内承認機器ですか?ダウンタイムはありますか?
POTENZA PRIMEは国内未承認医療機器で、医師の責任で個人輸入しています。針を用いる設定では痛み、赤み、腫れ、点状出血、痂皮、鱗屑、色素沈着などがあり、当院では赤み約3日、腫れ約2日、鱗屑3〜7日を目安として案内しています。
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