医師解説

POTENZA PRIMEのドラッグデリバリー設計

POTENZA PRIMEのドラッグデリバリーは、PMP-I25/PMP-N25とBoost Modeを用い、RF照射後に追加ニードリングを行って薬剤の通り道を作る設計です。当院ではマックームと上限2,000ショットまでの照射方針を引き継ぎ、ニキビ跡・毛穴・肌質に合わせて深さと薬剤を組みます。

Medical Information

この記事について

監修日
2026年8月9日
公開日
2026年6月14日
実質更新日
2026年8月9日
POTENZA PRIMEでRF照射後に追加ニードリングし薬剤の通り道を広げる3工程の図解

Contents

目次

  1. 従来から重視してきたのは、マックームと十分なショット数です
  2. PRIMEでは、RF照射と薬剤の通り道を作る工程を分けます
  3. 薬剤は、ニキビ跡・毛穴・皮脂・色調の目的から選びます
  4. 次回は、RFの反応と薬剤の反応を分けて見直します
  5. 診療で確認するポイント
  6. 治療選択の比較
  7. 費用の目安
  8. リスク・副作用・注意点
  9. 関連記事
  10. 関連施術・関連症状のご案内
  11. 執筆・監修
  12. 参考にした一次情報・ガイドライン
  13. よくあるご質問

従来から重視してきたのは、マックームと十分なショット数です

当院では従来のPOTENZAでも、CP25を中心にRF照射と薬剤導入を組み合わせ、マックームを用いてきました。治療範囲を細かく覆えるよう、顔の面積と凹凸の分布に合わせて上限2,000ショットまでを部位別に配分することが、従来からの基本方針です。

ショット数は顔全体を均等に打つための数ではなく、頬のローリング型・ボックスカー型の凹み、毛穴の開き、こめかみの皮膚厚を見ながら配分します。同じ範囲へ重ねる回数、針深度、RF出力、薬剤量を一組にし、必要な範囲を取りこぼさない設計にします。

PRIMEでは、RF照射と薬剤の通り道を作る工程を分けます

POTENZA PRIMEでは、PMP-I25/PMP-N25などの専用チップとBoost Modeを用います。最初に狙う層へRFを届け、次にRFを加えない追加ニードリングを行い、その微細な経路へ薬剤を広げるという3工程です。従来のCP25中心の導入に対し、RFで熱を入れる段階と薬剤を通す段階を分けて記録できます。

ニキビ跡では凹みの底、毛穴では開きが目立つ層へRFの深さを合わせ、その後の追加ニードリングは薬剤を届けたい範囲へ配置します。RF出力、針深度、追加穿刺、薬剤量を同時に増やさず、どの工程が赤み・腫れと経過に影響したかを次回の設定へ反映します。

RFで加熱する工程と薬剤を届ける工程を分ける理由として、マイクロニードルは角層に微細な経路を作り、皮膚内への局所送達を高めるとの報告がありました(参考文献1)。

薬剤は、ニキビ跡・毛穴・皮脂・色調の目的から選びます

なだらかな凹みや面状のニキビ跡には、ポリ乳酸製剤のマックームを組み合わせます。細かな凹凸と肌質を追う場合はジュベルック、皮脂が多く毛穴が目立つ場合はボトックスを候補にし、薬剤名を先に決めるのではなく、今回の写真で追う所見を一つ定めてから選びます。

色素を扱う場合は、凹凸や皮脂とは評価軸を分けます。肝斑では色調と炎症を記録し、遮光・外用などを土台に薬剤導入を補助として位置づけ、RFや穿刺の刺激量と治療間隔を組みます。

肝斑で薬剤導入を補助として組む場合、色調の変化を一定期間追う理由として、マイクロニードリングを補助に加えた治療は4週から改善差が現れ、24週で差が最大だったとの報告がありました(参考文献2)。

次回は、RFの反応と薬剤の反応を分けて見直します

施術直後は、部位ごとの熱感、点状出血、赤み、腫れを記録します。数日後は痂皮・鱗屑が落ち着くまでの日数を確認し、同じ照明の写真で凹みの影、毛穴の見え方、皮脂、色調のうち、最初に決めた所見を比較します。

次回は、針深度、RF出力、ショット密度、追加ニードリング、薬剤のうち一項目を調整します。上限2,000ショットという照射方針を保ちながら、反応が強い部位は重なりを減らし、残る凹凸にはショットを再配分します。

Clinical View

診療で確認するポイント

  • 最初に斜光写真でローリング型・ボックスカー型の凹み、毛穴、皮脂、色調を分け、今回の治療で追う所見を一つ決めます。
  • 次に薬剤を選び、PMP-I25/PMP-N25、針深度、RF出力、ショット配分、Boost Modeの追加ニードリングという順で条件を組みます。
  • 施術後はRFによる熱感・赤みと、薬剤による腫れ・硬結を分けて記録し、同じ写真条件で残った所見を確認して次回は一項目だけ調整します。

Comparison

治療選択の比較

治療・対応 向く状態 向かない/慎重な状態 回数の目安 ダウンタイム 費用(税込) 承認状況
POTENZA PRIME+マックーム ローリング型・ボックスカー型など面状のニキビ跡、凹凸、肌質 活動性の強いニキビ・感染、ポリ乳酸製剤へのアレルギー、深い癒着だけが主 1回ごとに凹みの影と回復日数を比較。全顔3回料金あり 赤み、腫れ、点状出血、痂皮、鱗屑。薬剤による硬結・結節・遷延する腫れ 全顔1回66,000円+薬剤22,000円 機器・マックームとも国内未承認
POTENZA PRIME+ジュベルック 細かな凹凸、毛穴、肌質を広い範囲で追う設計 活動性の感染・強い皮膚炎、製剤へのアレルギー、瘢痕底の強い癒着だけが主 1回ごとに細かな凹凸と肌反応を比較。全顔3回料金あり 赤み、腫れ、点状出血、痂皮、鱗屑。薬剤による硬結・結節・遅発性炎症 全顔1回66,000円+薬剤22,000円 機器・ジュベルックとも国内未承認
POTENZA PRIME+ボトックス 皮脂が多く、毛穴の開きを皮脂と一緒に追う設計 感染・強い皮膚炎、神経筋疾患、妊娠中または妊娠している可能性がある場合 皮脂・毛穴と表情筋への影響を1回ごとに再評価 赤み、腫れ、点状出血、痂皮。まれに表情の違和感、筋力低下、アレルギー 全顔1回66,000円+薬剤22,000円 使用製剤ごとに承認状況を開示。皮脂・毛穴目的の皮内導入は国内承認範囲外

費用の目安

  • 瘢痕治療・薬剤導入 全顔:1回66,000円/3回188,100円
  • 薬剤追加:マックーム、ジュベルック、ボトックス 各1回22,000円
  • ポテンツァ時の麻酔:6,600円

自由診療・税込。薬剤導入1回でマックームを追加する場合は88,000円、麻酔を加える場合は94,600円です。

リスク・副作用・注意点

  • ニードルRF:痛み、熱感、赤み、腫れ、点状出血、痂皮、鱗屑、乾燥、色素沈着、熱傷、瘢痕
  • 薬剤導入:使用薬剤による刺激、アレルギー、感染、硬結、結節、遷延する赤み・腫れ、遅発性炎症
  • ボツリヌス毒素製剤:表情の違和感、局所の筋力低下、頭痛、アレルギー
  • 照射部位に感染、治癒していない創、強い皮膚炎がある場合は施術できないことがあります。
  • 国内承認・適応: POTENZA PRIMEは日本国内で医薬品医療機器等法上の承認を受けていない医療機器で、当院ではJeisys Medical Inc.から医師の責任で個人輸入しています。マックームとジュベルックは国内未承認医薬品です。ボツリヌス毒素製剤は製剤ごとに承認状況が異なり、皮脂・毛穴目的の皮内導入は国内承認範囲外です。未承認・適応外の医療機器・医薬品による健康被害は、医薬品副作用被害救済制度等の対象外となる場合があります。

当院施術ページでは、針を用いる設定の目安として赤み約3日、腫れ約2日、鱗屑3〜7日を案内しています。

Doctor Review

執筆・監修

執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)

References

参考にした一次情報・ガイドライン

  1. Chen J, et al. Front Bioeng Biotechnol. 2022;10:1032041. doi:10.3389/fbioe.2022.1032041.

    Microneedle-mediated drug delivery for cutaneous diseases

    研究デザイン: 皮膚疾患へのマイクロニードル薬物送達に関するナラティブレビュー / 対象: 乾癬、アトピー性皮膚炎、皮膚軟部組織感染、表在性腫瘍、多汗症、足底疣贅などの基礎・臨床研究を横断し、単一の総対象人数は設定されていない / 結果: マイクロニードルは角層に微細な経路を作り、低分子からタンパク質・ペプチドなどまで皮膚へ局所送達する方法として応用されている。 / 限界: 疾患、薬剤、針の材質・形状・深さが不均一で、POTENZA PRIME、PMPチップ、Boost Mode、マックームの臨床効果を直接比較した研究ではない。 / 利益相反: Jinan Universityのスタートアップ資金、中央大学基礎研究費、中国国家自然科学基金の助成。著者は商業的・金銭的利益相反なしと申告。

  2. Simin H, et al. Aesthetic Plast Surg. 2025;49(6):1755-1769. doi:10.1007/s00266-024-04395-2.

    Efficacy of Microneedle as an Assisted Therapy for Melasma: A Meta-analysis and Systematic Review of Randomized Controlled Trials

    研究デザイン: 18件の無作為化比較試験を対象にしたシステマティックレビュー・メタ解析 / 対象: 5か国の計1,245人。女性98.23%、18〜60歳、Fitzpatrick I〜V型 / 結果: マイクロニードリングを補助に加えた肝斑治療は4週から改善差が現れ、解析上は24週で差が最大だった。 / 限界: 薬剤、針の種類・長さ・深度、併用治療、評価時点が不均一で、一部の時点は2〜3研究だけの解析。POTENZA PRIMEまたは特定薬剤の効果を示すものではなく、エビデンスレベルIV。 / 利益相反: Sichuan Science and Technology Programの助成。著者は利益相反なしと申告。

  3. PMDA

    医療機器の承認審査に関する情報

    販売名、承認番号、承認範囲を確認する公的情報です。

  4. 厚生労働省

    医療広告ガイドライン

    自由診療の費用、主なリスク・副作用、未承認機器等の表示を確認する公的資料です。

よくあるご質問

Q. 従来のPOTENZA薬剤導入とPOTENZA PRIMEは何が違いますか?

従来はCP25を中心にRF照射と薬剤導入を行います。PRIMEのBoost Modeでは、PMP-I25/PMP-N25でRFを届けた後、RFを加えない追加ニードリングで薬剤の通り道を作る工程を加えます。

Q. ドラッグデリバリーでは、どの薬剤を使いますか?

当院では、ニキビ跡や凹凸へマックーム、細かな凹凸や肌質へジュベルック、皮脂・毛穴へボトックスを候補にします。最初に改善を追う所見を決め、薬剤とRFの役割を分けて選びます。

Q. 2,000ショットは全員に照射しますか?

2,000ショットは当院が設けている上限です。顔の面積、ニキビ跡・毛穴の分布、皮膚の厚み、重ね打ちする範囲に合わせ、必要なショット数を部位別に配分します。

Q. 赤みや腫れはどのくらい続きますか?

当院の案内では、赤みは約3日、腫れは約2日、鱗屑は3〜7日が目安です。点状出血、熱感、痂皮、乾燥が生じることもあり、導入薬剤によって腫れや硬結などの反応が加わります。

Q. 薬剤導入の費用と承認状況を教えてください。

瘢痕治療・薬剤導入の全顔は1回66,000円、3回188,100円で、マックーム、ジュベルック、ボトックスはいずれも1回につき22,000円追加です。POTENZA PRIME、マックーム、ジュベルックは国内未承認で、ボトックスの皮脂・毛穴目的の皮内導入は国内承認範囲外です。

ご予約・ご相談はこちら

気になる症状や治療方法について、初診予約・再診予約・お問い合わせからご相談いただけます。