医師解説目の下のクマ

クマとり手術後の生活制限と1週間の過ごし方

CO2レーザーを用いた経結膜脱脂の術前と術直後を正面・両斜位で比べた症例です。飲酒・激しい運動・コンタクトレンズを避ける1週間の過ごし方、再診で確認する項目、内出血や腫れの目安、急いで連絡が必要な症状を解説します。

Medical Information

この記事について

監修日
2026年8月9日
公開日
2022年2月8日
実質更新日
2026年8月9日

Contents

目次

  1. 正面では術直後の赤みと、目の下のふくらみを確認します
  2. 最初の1週間は、出血と眼表面への刺激を増やす行動を避けます
  3. 1週間後は、両斜位と眼の機能を一緒に再確認します
  4. 摘出した脂肪を左右別に記録し、追加注入は後日に判断します
  5. 診療で確認するポイント
  6. 治療選択の比較
  7. 費用の目安
  8. リスク・副作用・注意点
  9. 関連記事
  10. 関連施術・関連症状のご案内
  11. 執筆・監修
  12. 参考にした一次情報・ガイドライン
  13. よくあるご質問

正面では術直後の赤みと、目の下のふくらみを確認します

正面写真は上段が術前、下段が術直後です。術前に両側へ見られた眼窩脂肪のふくらみは術直後に小さくなり、結膜には発赤があるものの、下まぶたの腫れはわずかな経過でした。

この症例では、局所麻酔後に下まぶたの結膜側をCO2レーザーで切開・剥離し、突出した眼窩脂肪を切除しました。レーザーで切開と止血を進め、結膜の切開部は縫合せず自然に閉じるのを待つ手順です。

術直後は完成した形ではなく、出血が続いていないか、片側だけ腫れが増えていないか、結膜創と閉瞼に問題がないかを先に確認します。そのうえで、術前のふくらみがどの位置で変わったかを見ます。

CO2レーザーで切開・止血した後も結膜と皮膚側を確認する理由として、モノポーラ電気手術との比較ではCO2レーザー群で結膜浮腫が少ない一方、術後内出血、結膜炎、審美的満足度には差がなく、モノポーラ群の3人に結膜肉芽腫が生じたとの報告がありました(参考文献1)。

最初の1週間は、出血と眼表面への刺激を増やす行動を避けます

右斜位も上段が術前、下段が術直後です。斜めから見ると、下まぶた前方へ張り出していたふくらみが小さくなったことと、結膜の赤み、わずかな腫れを同時に確認できます。

この症例では、飲酒、激しい運動、コンタクトレンズの装用を術後1週間避けていただきました。飲酒や強い運動は血流と血圧の変化、コンタクトレンズは結膜への接触につながるため、粘膜創と出血が落ち着くまで控えます。

洗顔、入浴、メイク、冷却は、結膜創の出血と眼表面の状態に合わせて退院時に方法と開始時期をお伝えします。強い眼の奥の痛み、片側だけ急速に増える腫れ、眼球突出、視力・視野の変化、二重に見える、眼が動かしにくいといった症状は、1週間後の予約を待たず直ちに連絡してください。

激しい運動を控え、急な痛みと視機能変化を緊急対応へ分ける理由として、眼瞼手術269,433件中149件に眼窩内出血があり、活動量の増加が関連状況の一つでした。多くは術後3時間以内でしたが数日後にも起こり得るとの報告がありました(参考文献2)。

1週間後は、両斜位と眼の機能を一緒に再確認します

左斜位も上段が術前、下段が術直後です。反対側までそろえることで、片側だけに残るふくらみ、左右の輪郭差、局所的な凹みがないかを比較できます。

術後1週間の再診では、正面・両斜位の経過写真を撮り、内出血、腫れ、痛み、結膜の発赤・むくみ、分泌物、異物感を確認します。下眼瞼の位置、眼を閉じられるか、見え方、眼球運動、左右差も同じ順序で見ます。

この手術の経過目安は、内出血が1週間程度、内出血がある場合の腫れが1ヶ月程度です。軽度の下眼瞼外反、左右差、軽い凹凸が残ることもあるため、症状が日ごとに減っているかと、形態が安定してきているかを分けて評価します。

1週間後に腫れ・内出血・結膜浮腫の推移を確認する理由として、これらは術後によく見られ、多くが1〜2週間で改善し、異物感は48〜72時間で治まったとの報告がありました(参考文献3)。

摘出した脂肪を左右別に記録し、追加注入は後日に判断します

摘出した組織は、左目・右目を分け、定規とともに記録しています。左右の組織記録を術前・術直後の正面と両斜位に対応させ、片側に残るふくらみや局所的な凹みを術後診察で追います。

脂肪注入は、腫れが落ち着いた後の診察で涙溝や頬との境界を見直してから判断します。脱脂後に凹みが目立たず、容量を補う必要がない方もいるため、必要な場合だけ後日の治療として検討します。

Clinical View

診療で確認するポイント

  • 術前は正面・両斜位で眼窩脂肪のふくらみと涙溝の凹みを分け、下眼瞼の位置、閉瞼、乾燥、左右差も記録します。
  • 術直後は結膜の発赤、出血、片側だけ増える腫れ、眼球運動、見え方を確認し、ふくらみの変化は早期所見として記録します。
  • 最初の1週間は飲酒・激しい運動・コンタクトレンズを避け、急な眼窩痛や視機能の変化があれば定期再診より緊急評価を優先します。
  • 1週間後は同じ撮影方向でふくらみ・凹み・左右差を再評価し、脂肪注入は腫れが落ち着いた後に必要性を判断します。

Comparison

治療選択の比較

治療・対応 向く状態 向かない/慎重な状態 回数の目安 ダウンタイム 費用(税込) 承認状況
CO2レーザーによる経結膜脱脂 眼窩脂肪の突出が目の下のふくらみ・影の主因 色素、血管、皮膚弛緩、骨格性の凹みだけが主因 原則1回。術後1週間と形態安定後に再評価 結膜発赤、腫れ、内出血、異物感、左右差、凹凸。視機能変化は緊急評価 経結膜脱脂術 189,000円(税込) 要確認
術後1週間の診察 内出血・腫れが日ごとに軽く、痛み・出血・見え方を定期確認する経過 急な眼窩痛、急速な片側腫脹、眼球突出、視力・視野変化、複視がある状態 術後1週間に1回。経過に応じて追加 診察のみなら追加のダウンタイムなし 診察・検査・処置内容により異なる 要確認
形態安定後の脂肪注入 腫れが落ち着いた後も涙溝・頬境界の容量不足が残る状態 眼窩脂肪の突出が残る、腫れや内出血の途中、容量を補う凹みがない状態 形態安定後に必要性を再評価 腫れ、内出血、痛み、しこり、左右差など。注入内容により異なる 追加治療を行う場合は別途 要確認

費用の目安

  • 経結膜脱脂術 189,000円(税込)

脂肪注入などの追加治療を後日に行う場合は別料金です。

リスク・副作用・注意点

  • 痛み、腫れ、内出血、血腫、感染、結膜発赤・浮腫、異物感、流涙、ドライアイ
  • 左右差、凹凸、脂肪の残存・取りすぎ、下眼瞼外反、閉瞼不全、複視
  • まれに眼窩内出血、眼球突出、視力・視野障害など、緊急処置を要する合併症
  • 国内承認・適応: 経結膜脱脂は手術手技です。使用するCO2レーザー機器の販売名、承認番号、承認された使用目的は機種ごとに異なります。

症例説明にある約1週間の内出血、内出血を伴う場合の約1ヶ月の腫れ、軽度の下眼瞼外反、左右差、軽度の凹凸の残存を保持し、視機能に関する緊急所見を原著から補った。

Doctor Review

執筆・監修

執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)

References

参考にした一次情報・ガイドライン

  1. Chen CF, Mao SH, Yen CI, et al. Plast Reconstr Surg. 2023;152(4):747-753. doi:10.1097/PRS.0000000000010255. PMID:36723988.

    Carbon Dioxide Laser Transconjunctival Lower Blepharoplasty: An Objective and Quantitative Comparison to Monopolar Electrosurgery

    研究デザイン: 経結膜的下眼瞼形成術でCO2レーザーとモノポーラ電気手術を比較した無作為化比較試験 / 対象: 2018年8月〜2021年3月に手術を受けた78人。年齢、性別、局所麻酔量、脂肪切除量は両群で差がなかった。 / 結果: CO2レーザー群は術中の熱感と術後結膜浮腫が少なかった。術後内出血、結膜炎、審美的満足度には差がなく、モノポーラ群の3人(7.89%)に結膜肉芽腫が生じた。 / 限界: CO2レーザーとモノポーラ電気手術だけの比較で、冷刃メスやバイポーラとの直接比較ではない。PubMed抄録では機器設定、割付隠蔽、長期追跡を確認できず、本症例固有の術直後経過を予測する資料ではない。原著全文は取得できず、PubMed抄録と書誌情報を2026年8月9日に確認した。 / 利益相反: PubMed抄録に資金提供・利益相反の記載がなく、原著全文を取得できなかったため不明。

  2. Hass AN, Penne RB, Stefanyszyn MA, Flanagan JC. Ophthalmic Plast Reconstr Surg. 2004;20(6):426-432. doi:10.1097/01.iop.0000143711.48389.c5. PMID:15599241. Erratum: Ophthalmic Plast Reconstr Surg. 2005;21(2):169.

    Incidence of Postblepharoplasty Orbital Hemorrhage and Associated Visual Loss

    研究デザイン: 米国眼形成再建外科学会会員への2ページ質問票による回顧的調査。出血発症時期、治療、視力喪失、関連状況を集計 / 対象: 237人の回答医師が経験した眼瞼美容手術269,433件。眼窩内出血149件、一時的視力喪失48件、永久的視力喪失12件。 / 結果: 眼窩内出血は約0.055%、永久的視力喪失を伴う出血は訂正後約0.0045%。多くは術後0〜3時間に起き、24時間後にリスクは低下したが数日後にも発症した。関連状況には高血圧、周術期アスピリン、術後嘔吐、活動量増加が含まれた。 / 限界: 医師の記憶に基づく質問票で分母・症例数に想起バイアスがある。上・下眼瞼、術式、切開器具が混在し、CO2レーザーによる経結膜脱脂だけの発生率ではない。原著全文は取得できず、PubMed抄録と書誌情報を2026年8月9日に確認した。 / 利益相反: PubMed抄録に資金提供・利益相反の記載がなく、原著全文を取得できなかったため不明。

  3. Gupta R, Khosa A, Bansal P, Chaudhury G. Cureus. 2024;16(11):e72929. doi:10.7759/cureus.72929. PMID:39628738; PMCID:PMC11614186.

    Exploring the Versatility of Transconjunctival Blepharoplasty: A Retrospective Single-Center Study

    研究デザイン: 北インドの単一私立病院で行った経結膜的・後隔膜法下眼瞼形成術の後ろ向き観察研究。術後1、2、3、6、12週に追跡 / 対象: 20〜76歳の88人(男性28人、女性60人)。31人に皮膚切除、19人に外眼角形成・固定、87人に脂肪移植を併用。 / 結果: 全例に腫れ、内出血、何らかの結膜浮腫があり、多くは1〜2週間で改善。14人(15.73%)の異物感は48〜72時間で消失した。 / 限界: 単施設・後ろ向きで比較群がなく、ほぼ全例に脂肪移植などの併用手技がある。CO2レーザーを用いた本症例固有の回復期間を示さない。PMC原著全文を2026年8月9日に確認した。 / 利益相反: 著者は関連する金銭的関係とその他の影響し得る関係なしと申告。第三者英文校正を受けたと記載。

  4. 厚生労働省

    医療広告ガイドライン

    自由診療の費用、主なリスク・副作用、未承認機器等の表示を確認する公的資料です。

よくあるご質問

Q. この症例では、どのようなクマとり手術を行いましたか?

局所麻酔後、下まぶたの結膜側をCO2レーザーで切開・剥離し、突出した眼窩脂肪を切除する経結膜脱脂を行いました。皮膚表面は切開せず、結膜の切開部も縫合せず自然に閉じるのを待つ手順です。

Q. 術後1週間は、何を避けますか?

この症例では飲酒、激しい運動、コンタクトレンズの装用を1週間避けていただきました。洗顔、入浴、メイク、冷却は、結膜創の出血と眼表面の状態に合わせて退院時に個別にお伝えします。

Q. 内出血や腫れは、どのくらい続きますか?

目安は内出血が1週間程度、内出血がある場合の腫れが1ヶ月程度です。前日より軽くなっているか、片側だけ増えていないか、痛みや見え方の変化がないかを確認します。

Q. どのような症状があれば、1週間後を待たずに連絡しますか?

強い眼の奥の痛み、片側だけ急速に増える腫れ、眼球突出、視力低下・視野の欠け、複視、眼球運動の異常、強い吐き気があれば、直ちに当院へ連絡してください。

Q. 費用はいくらですか?脂肪注入も同時に必要ですか?

経結膜脱脂術は189,000円(税込)です。脂肪注入は全員に同時に行うものではなく、腫れが落ち着いた後に涙溝や頬との境界を確認し、必要な場合だけ後日の治療として検討します。

ご予約・ご相談はこちら

気になる症状や治療方法について、初診予約・再診予約・お問い合わせからご相談いただけます。