医師解説クマ治療

クマとり後2週間の経過と凹みへの考え方

CO2レーザーによるクマとり結膜法の術前と術後2週間を、正面と両斜位で比べた症例です。数日で落ち着いた発赤・腫れ、下向き時の軽い痛み、減った目の下の膨らみ、残る頬の凹みを分け、今後ヒアルロン酸を検討する順序を解説します。

Medical Information

この記事について

監修日
2026年8月9日
公開日
2022年4月17日
実質更新日
2026年8月9日

Contents

目次

  1. 正面では、減った膨らみと2週間までの回復を確認します
  2. 斜位では、膨らみの減少と残る頬の凹みを分けます
  3. 反対の斜位でも左右差を見て、通常の回復と緊急症状を分けます
  4. 診療で確認するポイント
  5. 治療選択の比較
  6. 費用の目安
  7. リスク・副作用・注意点
  8. 関連記事
  9. 関連施術・関連症状のご案内
  10. 執筆・監修
  11. 参考にした一次情報・ガイドライン
  12. よくあるご質問

正面では、減った膨らみと2週間までの回復を確認します

正面の治療前後では、下段の術後2週間で目の下の膨らみが減り、下眼瞼がすっきりしています。一方、下眼瞼から頬へ移る境界には凹みによる影が残っています。

施術はCO2レーザーを用いたクマとり結膜法です。術後はアイシングとテーピングで数日固定し、発赤と腫脹が数日、下を向いたときの軽いズキズキがあったという経過でした。

術後2週間に腫れ・内出血・結膜浮腫が減っているかを見る理由として、これらの術後反応は多くが1〜2週間で改善し、異物感は48〜72時間で治まったとの報告がありました(参考文献1)。

斜位では、膨らみの減少と残る頬の凹みを分けます

一方向の斜位でも、術後2週間には眼窩脂肪による前方の膨らみが減っています。斜めから見ると、下眼瞼から前頬へ続く凹みと影は正面より捉えやすくなります。

本症例では、この頬の凹みを今後ヒアルロン酸で補う候補としました。製剤、量、注入部位、実施時期はまだ決めず、さらに回復した後の形を見て検討する段階です。

残る凹みへヒアルロン酸を選ぶ際に経過後の形を基準にする理由として、眼窩下の凹みは2・6・10か月で改善し、6か月後に再治療を希望しなかった症例の多くが10か月後も1段階以上の改善を保ったとの報告がありました(参考文献2)。

反対の斜位でも左右差を見て、通常の回復と緊急症状を分けます

反対方向の斜位でも術前と術後2週間を比べ、膨らみの減り方、頬の凹み、下眼瞼の位置、左右差を見ます。正面と両側の斜位をそろえると、特定の角度だけで強く見える影も追えます。

この施術では1週程度の内出血があり、内出血を伴うと腫れが1ヶ月程度続くことがあります。軽度の下眼瞼外反、左右差、軽い凹凸が残ることもあるため、予定の再診では時間とともに軽くなっているかを確認します。

急に強くなる眼窩の痛み、片側だけ急速に増える腫れ、眼球突出、視力・視野の変化、複視は緊急評価が必要です。眼瞼手術後の眼窩内出血は149件報告され、多くは術後3時間以内でしたが数日後にも起こり得るとの報告がありました(参考文献3)。

Clinical View

診療で確認するポイント

  • 治療前は正面と両側の斜位で、眼窩脂肪の膨らみと下眼瞼から頬へ続く凹みを別々に記録します。
  • 術後2週間は、数日続いた発赤・腫脹・下向き時の軽い痛みが改善しているか、下眼瞼の位置と左右差に変化がないかを確認します。
  • 膨らみが減った後も頬の凹みが影になる場合は、さらに回復した形を基準にヒアルロン酸を追加する範囲を考えます。
  • 本症例は2週間後までの経過を示した段階で、ヒアルロン酸の製剤・量・部位・実施時期は今後の経過で決めます。

Comparison

治療選択の比較

治療・対応 向く状態 向かない/慎重な状態 回数の目安 ダウンタイム 費用(税込) 承認状況
CO2レーザーを用いたクマとり結膜法 眼窩脂肪の突出が目の下の膨らみと影の中心になっている状態 頬の凹み、色素・血管、皮膚のゆるみだけが見え方の中心で、脂肪突出が乏しい状態 通常1回。本症例は術後2週間に再診 1週程度の内出血。内出血を伴う場合は1ヶ月程度の腫れが続くことがある 経結膜脱脂術 189,000円(税込) 手術手技。使用したCO2レーザーの機種と承認範囲は元素材に記載なし
術後2週間の経過観察 膨らみの減少、腫れ・発赤の改善、下眼瞼位置、左右差、残る凹みを再評価する時期 急な眼窩痛、急速な片側腫脹、眼球突出、視力・視野変化、複視がある状態 本症例は術後2週間。異常症状は予定日を待たず診察 診察自体のダウンタイムはなし 術後診察・処置は手術契約と実施内容による 経過観察自体は医薬品・医療機器の承認対象ではない
回復後に残る頬の凹みへのヒアルロン酸 膨らみが減った後も下眼瞼から頬への凹みが影として残る状態 腫れが強く形が定まらない時期、感染・炎症、血管・視覚合併症のリスクを許容できない状態 本症例では未実施。さらに回復した後に必要性を再評価 痛み、腫れ、内出血、凹凸、青み、遷延性浮腫。まれに血管・視覚合併症 ヒアルロン酸 1本1cc 77,000円(税込)から 本症例では製剤・使用部位が未決定。国内承認範囲は製剤ごとに異なる

費用の目安

  • 経結膜脱脂術:189,000円(税込)
  • 後日ヒアルロン酸を行う場合:1本1cc 77,000円(税込)から
  • 本症例の術後2週間時点ではヒアルロン酸を追加していません

いずれも自由診療です。手術と後日に検討する注入治療は別料金です。

リスク・副作用・注意点

  • 経結膜脱脂:痛み、発赤、腫れ、1週程度の内出血、内出血を伴う場合は1ヶ月程度の腫れ、血腫、感染、左右差、軽度の凹凸残存、軽度の下眼瞼外反など
  • 急に強くなる眼窩痛、片側だけ急速に増える腫れ、眼球突出、視力・視野変化、複視は緊急評価が必要
  • 後日ヒアルロン酸を行う場合:痛み、腫れ、内出血、左右差、凹凸、青み、遷延性浮腫、感染、遅発性炎症・結節、まれに血管閉塞・皮膚壊死・視覚障害など
  • 国内承認・適応: 経結膜脱脂は手術手技です。原資料はCO2レーザーによるクマとり結膜法と記載していますが、使用機種・承認番号・承認された使用目的は記載されていません。術後2週間時点でヒアルロン酸は実施しておらず、製剤・量・使用部位は未決定です。製剤ごとに国内承認範囲が異なり、涙溝への使用は承認範囲外となる場合があります。承認範囲外使用では医薬品副作用被害救済制度等の対象外となる場合があります。

予定の再診では術後反応が時間とともに軽くなっているかを確認し、急な眼窩痛・片側腫脹・視機能変化は直ちに評価します。

Doctor Review

執筆・監修

執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)

References

参考にした一次情報・ガイドライン

  1. Gupta R, Khosa A, Bansal P, Chaudhury G. Cureus. 2024;16(11):e72929. doi:10.7759/cureus.72929. PMID:39628738; PMCID:PMC11614186.

    Exploring the Versatility of Transconjunctival Blepharoplasty: A Retrospective Single-Center Study

    研究デザイン: 北インドの単一私立病院で行った経結膜的・後隔膜法下眼瞼形成術の後ろ向き観察研究。術後1、2、3、6、12週に追跡 / 対象: 20〜76歳の88人(男性28人、女性60人)。31人に皮膚切除、19人に外眼角形成・固定、87人に脂肪移植を併用。 / 結果: 全例に腫れ、内出血、何らかの結膜浮腫があり、多くは1〜2週間で改善。14人(15.73%)の異物感は48〜72時間で消失した。 / 限界: 単施設・後ろ向きで比較群がなく、ほぼ全例に脂肪移植などの併用手技がある。CO2レーザーを用いた本症例固有の回復期間を示さない。PMC原著全文とPubMed XMLを2026年8月9日に確認した。 / 利益相反: 著者は関連する金銭的関係とその他の影響し得る関係なしと申告。第三者英文校正を受けたと記載。

  2. J Drugs Dermatol. 2014;13(9):1030-1036. PMID:25226002.

    Safety and Efficacy of a Cohesive Polydensified Matrix Hyaluronic Acid for the Correction of Infraorbital Hollow: An Observational Study With Results at 40 Weeks

    研究デザイン: 眼窩下凹みに特定のcohesive polydensified matrixヒアルロン酸製剤を用い、2・6・10か月に写真評価した観察研究。2週に追加注入、6か月に希望者への再治療を設定 / 対象: 眼窩下凹みがMerz評価2以上の49人を登録し、46人が完了。 / 結果: 凹みの評価は2・6・10か月の全時点で治療前より改善。6か月後に再治療を希望しなかった31人のうち27人(87%)は10か月後も1段階以上の改善を維持し、重篤な有害事象はなかった。 / 限界: 対照群のない観察研究で、特定製剤の眼窩下使用を扱う。本症例の術後2週間時点でヒアルロン酸が必要か、どの製剤・量・時期が適切かを直接示さない。原著全文を取得できず、PubMed抄録・XMLと書誌情報を2026年8月9日に確認した。 / 利益相反: PubMed抄録・XMLに資金提供と利益相反の記載がなく、原著全文を取得できなかったため不明。

  3. Hass AN, Penne RB, Stefanyszyn MA, Flanagan JC. Ophthalmic Plast Reconstr Surg. 2004;20(6):426-432. doi:10.1097/01.iop.0000143711.48389.c5. PMID:15599241. Erratum: Ophthalmic Plast Reconstr Surg. 2005;21(2):169.

    Incidence of Postblepharoplasty Orbital Hemorrhage and Associated Visual Loss

    研究デザイン: 米国眼形成再建外科学会会員への質問票による回顧的調査。出血発症時期、治療、視力喪失、関連状況を集計 / 対象: 237人の回答医師が経験した眼瞼美容手術269,433件。眼窩内出血149件、一時的視力喪失48件、永久的視力喪失12件。 / 結果: 眼窩内出血は約0.055%、永久的視力喪失を伴う出血は訂正後約0.0045%。多くは術後0〜3時間に起き、24時間後にリスクは低下したが数日後にも発症した。 / 限界: 医師の記憶に基づく質問票で想起バイアスがある。上・下眼瞼、術式、切開器具が混在し、CO2レーザーによる経結膜脱脂だけの発生率ではない。原著全文を取得できず、PubMed抄録・XML・訂正文の書誌情報を2026年8月9日に確認した。 / 利益相反: PubMed抄録・XMLに資金提供と利益相反の記載がなく、原著全文を取得できなかったため不明。

  4. 厚生労働省

    医療広告ガイドライン

    自由診療の費用、主なリスク・副作用、未承認機器等の表示を確認する公的資料です。

よくあるご質問

Q. この症例では、どの手術を行いましたか?

CO2レーザーを用いたクマとり結膜法です。治療前と術後2週間を正面・両斜位で比べ、目の下の膨らみが減った状態を確認しています。

Q. 発赤・腫れ・下向き時の痛みは、どのように経過しましたか?

本症例は術後にアイシングとテーピングで数日固定し、発赤と腫脹が数日、下を向いたときの軽いズキズキがありました。2週間後は、これらが改善方向にあるかを下眼瞼の位置や左右差と一緒に見ます。

Q. 2週間後に頬の凹みが残れば、すぐヒアルロン酸を入れますか?

本症例ではヒアルロン酸を候補としましたが、2週間後には追加せず、さらに回復した後の形を見て検討します。製剤、量、注入部位、実施時期は決まっていません。

Q. 術後にすぐ連絡が必要なのはどのような症状ですか?

急に強くなる眼窩の痛み、片側だけ急速に増える腫れ、眼球突出、視力・視野の変化、複視がある場合は、予定の再診を待たず直ちにご連絡ください。

Q. 現在の料金はいくらですか?

総合料金表では経結膜脱脂術189,000円(税込・自由診療)です。後日ヒアルロン酸を行う場合は別料金で、1本1cc 77,000円(税込)からです。本症例の2週間後時点ではヒアルロン酸を追加していません。

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