たるみ治療でHIFUリニア・HIFU・ヒアルロン酸をどう組み合わせるか
数か月かけて、顎下脂肪へハイフリニア、皮膚・支持層へドクターハイフを行い、輪郭に残る凹みと骨格支持へヒアルロン酸を加えた症例です。正面・左右斜位で、脂肪を減らす、熱で引き締める、支えを補う変化を分け、注入量を抑えながら輪郭を整える順序を解説します。
Medical Information
この記事について
- 執筆医・監修医
- 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
- 監修日
- 2026年8月9日
- 公開日
- 2023年3月31日
- 実質更新日
- 2026年8月9日



Contents
目次
正面で見る、数か月の組み合わせ治療
1枚目は、数か月にわたりハイフリニア、ドクターハイフ、ヒアルロン酸を組み合わせた治療前後の正面写真です。治療後は、下頬から顎へ続く輪郭がすっきりし、正面から見た下顔面の幅と丸みが整っています。
顔の形は、骨の痩せ、脂肪の移動、表情筋の緊張、肌の弾力低下が重なって変化します。この症例では、まず顎下や下顔面の余分な脂肪をハイフリニアで減らし、ドクターハイフで皮膚と深い支持層を引き締め、その後も残る骨格支持の不足や凹みへヒアルロン酸を加えました。
減らす治療を先に置くと、脂肪で隠れていた下顎線がどこまで現れるかを確認でき、ヒアルロン酸を置く場所と量を絞れます。頬の高さや顎先など残すべきボリュームは照射範囲から外し、正面で左右差を見ながら次の段階へ進みます。
顎下脂肪へハイフリニアを先行する理由として、3層HIFUを1回行うと、8週後に62.5%が医師評価で1段階以上改善し、67.5%が顔と顎の見た目に満足したとの報告がありました(参考文献3)。
斜位で分ける、脂肪を減らすHIFUと引き締めるHIFU
2枚目は左斜位の治療前後です。治療後は、口横から下顎角へ続く線が見えやすくなり、顎下のふくらみと下頬のもたつきが目立ちにくくなっています。斜位では、顎下の厚みを指でつまめる脂肪として、下顎線を覆う皮膚の位置をゆるみとして別々に記録します。
ハイフリニアは、顎下など厚みを減らしたい脂肪層を治療します。ドクターハイフは、真皮から筋膜上の支持層へ点状に熱を置き、皮膚のゆるみと輪郭の引き締めを担います。同じHIFUでも焦点深度と目的が異なるため、減らしたい脂肪の範囲を決めてから、引き締める線を重ねます。
治療後は、顎下の厚み、口横のふくらみ、下顎角の見え方を同じ斜位で再評価します。脂肪が減ったあとに皮膚のゆるみが残ればドクターハイフの役割、下顎縁の凹みが残ればヒアルロン酸の役割として次の治療を分けます。
脂肪層へのHIFUリニアと、皮膚・支持層へのドクターハイフを分ける理由として、90日後の医師評価で92%に引き締めまたはしわの改善があり、顎下面積も側面写真で26〜45mm2減少したとの報告がありました(参考文献1)。
最後に、残る凹みと骨格支持をヒアルロン酸で補います
3枚目は右斜位の治療前後です。治療後は、顎先から下顎角へ続く線と、口元から下顎縁にかけての輪郭がなだらかにつながっています。左右斜位をそろえて見ることで、片側だけに残る凹みや顎先の向きも確認できます。
ヒアルロン酸は、脂肪を減らしたり皮膚を加熱したりする治療ではなく、骨の痩せで失われた支持点や下顎線の凹みを補います。HIFU後の輪郭を正面・左右斜位で見直し、顎先、下顎縁、口横のうち支えが必要な部位へ少量ずつ配置します。
注入前には顔面動脈の走行、既往注入、左右差、しこりを確認します。注入中は皮膚色と痛みを見ながら低い圧で進め、強い痛み、白色・網状の皮膚変化、見えにくさが生じた場合は血管閉塞を疑い、直ちに診察と処置を行います。
HIFU後に残る骨格支持と凹みへヒアルロン酸を加える理由として、下顎線の形と骨格感をフィラーで整え、ゆるみがあれば超音波治療を組み合わせる方法が推奨されたとの報告がありました(参考文献2)。
Clinical View
診療で確認するポイント
- 正面と左右斜位で、顎下脂肪、下頬のもたつき、皮膚のゆるみ、顎先と下顎縁の支持不足を別々に描き、減らす範囲と補う点を決めます。
- 顎下脂肪にはハイフリニアを先行し、頬のこけや顎先など残すべきボリュームを避けながら、下顎線を覆う厚みを減らします。
- 脂肪の変化を確認したあと、皮膚と支持層のゆるみにはドクターハイフを重ね、正面・斜位でまだ輪郭が途切れる場所だけをヒアルロン酸の対象にします。
- ヒアルロン酸は顔面動脈と既往注入を確認し、顎先・下顎縁・口横の支持点へ少量ずつ配分して、顔幅を増やさず三方向の輪郭をそろえます。
Comparison
治療選択の比較
| 治療・対応 | 向く状態 | 向かない/慎重な状態 | 回数の目安 | ダウンタイム | 費用(税込) | 承認状況 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| HIFU | 診察で主因と治療層が一致し、期待できる変化と限界を理解できる状態 | 活動性炎症・感染、強い日焼け、妊娠等で安全条件を満たさない場合 | 施術内容と反応により1回または複数回 | 施術により赤み・腫れ・内出血・痂皮など | ハイフリニア 顎下 ¥33,000 / 頬 ¥33,000 / 目周り ¥27,000 | 製品・機器と使用目的により異なるため、販売名・承認番号・承認範囲をPMDAで照合 |
| 外科的リフト/切除 | 皮膚余剰が強く、変化量を優先 | 手術侵襲を許容できない場合 | 通常1回 | 腫れ・内出血・瘢痕。完成まで数か月 | 術式により異なる | 手術手技は機器承認とは別に説明 |
| 治療を急がず経過観察 | 診断が未確定、症状が軽い、生活要因の調整を先に評価できる状態 | 急速な悪化、出血・潰瘍、感染、視機能障害など早期評価が必要な状態 | 必要時に再診 | なし | 診察料・検査料は診療区分により異なる | 医薬品・医療機器を使用しない場合は該当なし |
費用の目安
- ハイフリニア 顎下 ¥33,000 / 頬 ¥33,000 / 目周り ¥27,000
- ヒアルロン酸注入 1本 1cc ¥77,000
HIFUの回数、照射範囲、必要なヒアルロン酸量で費用は変わります。段階的に組み合わせる場合は時期も含めて診察時にご案内します。
リスク・副作用・注意点
- HIFUでは、ヒリつき、熱感、赤み、腫れが出ることがあります。
- ヒアルロン酸では、痛み、腫れ、内出血、左右差、血流障害などに注意が必要です。
- 複数治療を段階的に行う場合は、各治療のダウンタイムと評価時期を分けて考える必要があります。
- 国内承認・適応: 製品・機器と使用目的により異なるため、販売名・承認番号・承認範囲をPMDAで照合
組み合わせ治療では、何を先に整えるかで仕上がりの読みやすさが変わります。診察では経過確認のタイミングまで含めて説明しています。
Doctor Review
執筆・監修
執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
References
参考にした一次情報・ガイドライン
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Efficacy and safety of microfocused ultrasound for facial rejuvenation: a systematic review
研究デザイン: 無作為化比較試験、比較試験、コホート研究、10人以上の症例系列を対象とした16研究の系統的レビュー / 対象: 全研究の参加者は女性。90日後の医師評価GAISの統合対象は337人、患者評価は81人。 / 結果: 90日後の医師評価では337人中92%に引き締めまたはしわの改善があり、顎下面積は側面写真で26〜45mm2減少した。患者評価は90日42%、360日53%だった。 / 限界: 機器、焦点深度、照射設定、部位、評価法が不均一で、男性と長期成績のデータが限られる。本症例のハイフリニア・ドクターハイフの具体的順序やヒアルロン酸との併用効果を検証していない。
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Pan-Asian consensus recommendations for facial aesthetic treatment
研究デザイン: アジア人の上・中・下顔面に対するフィラー、ボツリヌストキシン、MFU-Vの使い分けと順序を検討した専門家コンセンサス / 対象: アジア各地域の専門医11人。70〜90%の賛同を中等度、90%以上を強い合意と定義した。 / 結果: 下顎線では、フィラーで形と骨格感を整え、ゆるみなどの所見に応じてMFU-Vやボツリヌストキシンを組み合わせることが推奨された。 / 限界: 患者を比較した臨床試験ではなく専門家合意で、部位と目的によって治療順序の合意度が異なる。利益相反があり、本症例の各治療の回数・量・数か月の順序を検証していない。
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医療機器の承認審査に関する情報
研究デザイン: 単群前向き臨床研究。3.0・4.5・6.0mmの焦点深度を用いた3層HIFUを1回行い、8週後に医師・患者評価と3D画像で判定した。 / 対象: 中等度または重度の顎下脂肪がある韓国人40人。 / 結果: 8週後、CR-SMFRSが1段階以上改善した医師評価の反応率は62.5%、顔と顎の見た目に満足した割合は67.5%だった。3D画像解析も臨床所見と一致した。 / 限界: 対照群のない40人・単回・8週の研究で、韓国人以外や長期成績への一般化に限界がある。本症例の機器、回数、通常HIFU・ヒアルロン酸との組み合わせを検証していない。原著全文は取得できず、PubMed抄録を確認した。
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医療広告ガイドライン
自由診療の費用、主なリスク・副作用、未承認機器等の表示を確認する公的資料です。
よくあるご質問
Q. HIFUリニア、HIFU、ヒアルロン酸はどの順番で行いますか?
顎下脂肪や下顔面の厚みが主ならハイフリニアを先行し、次に皮膚と支持層のゆるみへドクターハイフを行います。その変化を正面・斜位で確認し、残る骨格支持の不足や凹みだけへヒアルロン酸を加えます。
Q. ハイフリニアとドクターハイフは何が違いますか?
ハイフリニアは顎下など減らしたい脂肪層、ドクターハイフは真皮から深い支持層の引き締めが主な役割です。焦点深度と照射範囲を分け、こけやすい頬など脂肪を残す部位は避けます。
Q. ヒアルロン酸の量はどのように決めますか?
HIFU後に残る顎先、下顎縁、口横の凹みを正面・左右斜位で確認し、顔幅と左右差を見ながら部位ごとに少量ずつ決めます。減らす治療を先に行うことで、不要な注入を抑えやすくなります。
Q. 各治療の変化はいつ評価しますか?
HIFUは施術直後の腫れだけで判断せず、顎下の厚みと下顎線を同じ角度の写真で数週後にも確認します。ヒアルロン酸は腫れが落ち着いた時点で正面・左右斜位を見直し、追加が必要な部位だけを決めます。
Q. 承認状況と主なリスクは?
現在当院が用いるHIFU機器のウルトラセルZiは美容目的では国内未承認で、未承認機器は医薬品副作用被害救済制度の対象外となる可能性があります。HIFUでは赤み、腫れ、痛み、しびれ、熱傷、脂肪減少、ヒアルロン酸では内出血、腫れ、しこり、左右差、まれに血管閉塞があります。ヒアルロン酸は部位と目的に合う国内承認製剤を選びます。
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