医師解説しわ・たるみオールタイト

RF治療でコラーゲンはどう変わる?収縮と再構築の考え方

RF治療は、真皮のコラーゲン線維へ熱を与え、直後の収縮と、数週から数か月かけた増生・再構築を引き出します。図の三重らせん構造から加齢変化、直後、1〜3か月後までをたどり、ハリ・小じわ・軽いたるみに何を期待するかを解説します。

Medical Information

この記事について

監修日
2026年8月9日
公開日
2026年4月18日
実質更新日
2026年8月9日
RF治療によるコラーゲンの収縮と再構築を説明する画像

Contents

目次

  1. 3本の鎖が三重らせんを作り、束になって真皮を支えます
  2. 加齢ではコラーゲン線維の数・密度・配列が変わります
  3. 直後:熱でらせん構造が変わり、コラーゲン線維が収縮します
  4. 数日〜数週間、1〜3か月:創傷治癒から増生・再構築へ進みます
  5. ハリ・小じわ・軽いたるみは、熱を入れる層に合わせて治療します
  6. 再照射は、直後反応ではなく次の時点の残る変化を見て決めます
  7. 診療で確認するポイント
  8. 治療選択の比較
  9. 費用の目安
  10. リスク・副作用・注意点
  11. 関連記事
  12. 関連施術・関連症状のご案内
  13. 執筆・監修
  14. 参考にした一次情報・ガイドライン
  15. よくあるご質問

3本の鎖が三重らせんを作り、束になって真皮を支えます

コラーゲン分子は、3本のポリペプチド鎖が右巻きにより合わさった三重らせん構造です。鎖同士は水素結合などで安定し、多数の分子が束になってコラーゲン線維を作ります。

この線維の網目が真皮の密度と強度を保ち、肌のハリと弾力を支えています。RF治療を考えるときは、表面の見え方だけでなく、真皮内の線維へ熱がどのように伝わるかを見ます。

加齢ではコラーゲン線維の数・密度・配列が変わります

図では、若い肌はコラーゲン線維が多く、短く密に並んだ状態、年齢を重ねた肌は線維の数が減り、残った線維が長く伸びた状態として描かれています。密度と弾力が低下すると、真皮の支えが弱くなり、ハリ低下、たるみ、小じわにつながります。

実際の組織では、コラーゲンを作る力の低下に、紫外線や加齢による分解・断片化、線維配列の乱れが重なります。診察では、細かいしわ、皮膚の薄さ、つまんだときの戻り、頬や顎下のゆるみを部位ごとに見ます。

直後:熱でらせん構造が変わり、コラーゲン線維が収縮します

RF(高周波)の熱エネルギーがコラーゲンへ加わると、三重らせんを安定させる結合がほどけ、らせん構造が変性して短くなります。線維全体が収縮することで、施術直後の引き締まりとハリ感につながります。

直後は、熱を入れた真皮の反応として輪郭や触れたときの張りを見ます。同時に赤みや浮腫も起こる時期なので、即時の見え方と、その後に残る変化を同じ結果として扱わず、経過写真を分けて記録します。

直後の収縮と数か月後の再構築を分ける理由として、温度制御式バイポーラ・ニードルRFを1回行うと、直後の組織でコラーゲン線維の部分変性と真皮収縮、4か月後にコラーゲンとエラスチンの増加が観察され、86.7%が結果に満足したとの報告がありました(参考文献2)。

数日〜数週間、1〜3か月:創傷治癒から増生・再構築へ進みます

熱刺激の後は、数日から数週間かけて創傷治癒反応が進み、線維芽細胞が新しいコラーゲンを作り始めます。1〜3か月では新しい線維が増え、配列が組み替わり、真皮の密度と強度が高まる過程をたどります。

そのため、RFの中長期的なハリ・弾力は直後ではなく、数週から数か月後に評価します。図では、1〜1.5か月後に再照射し、3回程度続ける流れを一例として示しており、増生途中の組織へ次の熱刺激を重ねて変化を積み上げます。

数週から数か月の再構築を待つ理由として、5対のマイクロニードルで真皮を72°C・4秒加熱すると、熱変性した領域が28日まで見られ、I型・III型プロコラーゲンは28日で増加し、10週後には熱変性領域が新しい真皮組織へ置き換わったとの報告がありました(参考文献5)。

ハリ・小じわ・軽いたるみは、熱を入れる層に合わせて治療します

細かい小じわ、毛穴、瘢痕、皮膚表面の質感には、真皮へ点状に熱を入れるニードルRFを選びます。頬や顎下の広い範囲のハリ低下、弾力低下、軽いたるみには、皮膚表面から広く加熱する非侵襲RFを選びます。

頬の脂肪量、皮膚の厚さ、支持組織のゆるみ、過去のHIFU・RF歴を確認し、熱を入れる深さと範囲を決めます。皮膚余剰が強い場合は手術、支持やボリュームの不足が主因なら注入治療など、真皮以外の層を治す方法も組み合わせます。

小じわ・弾力低下・軽いたるみへRFを選ぶ根拠として、皮膚弛緩、弾力、しわ、コラーゲン関連組織所見が改善し、顔面脂肪容積も減少したとの報告がありました(参考文献1)。

再照射は、直後反応ではなく次の時点の残る変化を見て決めます

治療前、直後、1〜1.5か月後、3か月後を同じ照明・角度で撮影し、皮膚のハリ、小じわ、つまみ厚、頬・顎下の輪郭を同じ軸で比べます。直後の浮腫が引いた後にも残る変化を確認してから、次の照射範囲と出力を決めます。

図の1〜1.5か月間隔・3回程度は、中長期の再構築を重ねる考え方を示した治療例です。実際の間隔と回数は、ニードル式か非侵襲式か、機器、目的、初回反応、脂肪量によって組み立てます。

Clinical View

診療で確認するポイント

  • 最初に、細かい小じわ・毛穴・瘢痕など真皮の質感、頬や顎下の弾力、皮下脂肪と皮膚余剰を分け、RFで狙う所見を一つ決めます。
  • 点状の真皮加熱が必要ならニードルRF、広い範囲のハリと軽いたるみには非侵襲RFを選び、皮膚厚と脂肪量に合わせて深さ・出力・範囲を設計します。
  • 直後の収縮と浮腫、1〜1.5か月後の残る変化、1〜3か月の再構築を同条件写真と触診で分け、次回治療を積み上げるかを判断します。

Comparison

治療選択の比較

治療・対応 向く状態 向かない/慎重な状態 回数の目安 ダウンタイム 費用(税込) 承認状況
ニードルRF 瘢痕・毛穴・真皮の点状加熱を狙う場合 活動性感染、ケロイド傾向、PIHリスクが高い状態 複数回、数か月の再構築を評価 出血、赤み、PIH、感染、瘢痕、熱傷等 ポテンツァ全顔55,000円/瘢痕66,000円等 機器・チップ・目的ごとに承認確認
非侵襲RF 皮膚のハリ・軽度のゆるみを広く加熱する場合 強い皮膚余剰、著しいこけ、植込み型電気機器 1回または複数回、反応を再評価 熱感、赤み、腫れ、熱傷、脂肪変化等 デンシティ99,000円/オールタイト55,000円 当院採用機器は国内未承認表示を個別確認
PDLLA等の注入治療 薬剤による組織反応を目的とする場合 RFだけを希望、注入薬剤の禁忌・感染がある場合 製剤・目的ごとに複数回 腫れ、内出血、結節、感染、血管合併症等 製剤・注入法で異なる 薬剤・使用目的・適応外を個別説明

費用の目安

  • ポテンツァ全顔55,000円/瘢痕治療66,000円等。
  • デンシティ全顔250ショット99,000円/オールタイト300ショット55,000円。

機器、範囲、回数、薬剤併用で総額が変わります。

リスク・副作用・注意点

  • 熱感、赤み、腫れ、疼痛、乾燥、内出血が生じることがあります。
  • 熱傷、色素変化、神経症状、脂肪容積変化が起こり得ます。
  • ニードル式では出血、感染、PIH、瘢痕のリスクが加わります。

コラーゲン所見だけで臨床的な引き上げや長期持続を保証しません。

Doctor Review

執筆・監修

執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)

References

参考にした一次情報・ガイドライン

  1. Austin GK, Struble SL, Quatela VC. Evaluating the effectiveness and safety of radiofrequency for face and neck rejuvenation: A systematic review. Lasers Surg Med. 2022;54(1):27-45.

    顔・首のRF治療の有効性と安全性

    研究デザイン: 顔・首の若返り目的のRF臨床・ex vivo一次研究を対象とした系統的レビュー / 対象: 英語で公表されたRF一次研究121報。ニキビ、ニキビ跡、顔面加齢を含み、機器方式、対象、研究人数、評価方法は不均一 / 結果: 皮膚弛緩、弾力、全体的な整容評価、しわ、瘢痕の改善、修復反応・コラーゲン新生・エラスチン新生に合う組織所見、顔面脂肪容積の減少が報告された。 / 限界: 主観評価と小規模研究が多く、周波数、電極、温度、冷却、深さが異なるため統一した効果量と最適条件を示せない。脂肪減少は、頬こけがある方には望ましくない。

  2. Suh DH, et al. Clinical and histological evaluation of microneedle fractional radiofrequency treatment on facial fine lines and skin laxity in Koreans. J Cosmet Dermatol. 2023;22(5):1507-1512.

    ニードルRF直後と4か月後の組織変化

    研究デザイン: 診療録、連続写真、満足度、治療前・直後・4か月後の組織標本を用いた後ろ向きレビュー / 対象: 顔の小じわ・皮膚弛緩へ温度制御式バイポーラ・ニードルRFを1回受けた韓国人15人、年齢中央値46歳 / 結果: 直後に部分変性したコラーゲン線維と真皮収縮、4か月後にコラーゲンとエラスチンの増加が観察された。86.7%が満足し、独立した皮膚科医2人の4か月評価は53.3%がvery much improved、26.7%がmuch improved、20%がimprovedだった。 / 限界: 15人の単群・後ろ向き研究で、特定の温度制御式バイポーラ・ニードルRFを対象とする。非侵襲RF、別機器、異なる深度・温度、複数回治療へ同じ組織変化と満足度を転用できない。

  3. PMDA

    医療機器の承認審査

    機器・目的の国内承認確認先。

  4. 厚生労働省

    未承認医療機器等の情報提供

    未承認表示の公的根拠。

  5. Hantash BM, et al. Bipolar fractional radiofrequency treatment induces neoelastogenesis and neocollagenesis. Lasers Surg Med. 2009;41(1):1-9.

    Bipolar fractional RF remodeling

    研究デザイン: マイクロニードル式バイポーラ分割RF後の人皮膚を、組織学、RT-PCR、免疫組織化学で10週まで追跡した前向き多施設研究 / 対象: 5対のマイクロニードル電極で真皮を72°C・4秒加熱した成人の皮膚。PubMed抄録には人数の記載なし / 結果: 熱変性コラーゲンと非加熱真皮が交互に残る熱凝固帯は28日まで観察され、I型・III型プロコラーゲン、トロポエラスチン、フィブリリンは28日で増加した。10週後には熱凝固帯が新しい真皮組織へ置き換わった。 / 限界: 特定のマイクロニードル式機器を72°C・4秒で用いた組織・分子研究で、臨床的なたるみ改善量、患者満足度、非侵襲RF、当院機器の最適間隔・回数を示さない。

よくあるご質問

Q. 施術直後の引き締まりは、コラーゲンが増えた結果ですか?

直後は主に、熱によるコラーゲン線維の変性・収縮と浮腫を含む反応です。新しいコラーゲンの増生と再構築は、数週から数か月かけて進みます。

Q. RFはどのような悩みに向きますか?

ニードルRFは小じわ、毛穴、瘢痕、質感へ、非侵襲RFは広い範囲のハリ・弾力低下や軽いたるみへ使い分けます。強い皮膚余剰や骨格・脂肪の位置が主因なら別の治療を組み合わせます。

Q. 1〜1.5か月間隔で3回受ければよいですか?

図では再構築を重ねる治療例として示しています。実際の間隔と回数は、機器、ニードル式か非侵襲式か、目的、初回反応、脂肪量によって異なります。

Q. RFで頬がこけることはありますか?

加熱する深さ・温度・範囲によっては脂肪容積が変化する可能性があります。頬の脂肪が少ない方は、こけやすい部位を避け、真皮を狙う設定と範囲を選びます。

Q. ニードルRFと非侵襲RFではダウンタイムが違いますか?

非侵襲RFは熱感、赤み、腫れが中心です。ニードルRFでは出血、内出血、かさぶた、色素沈着、感染など針による反応が加わります。

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