医師解説ヒアルロン酸

ヒアルロン酸・眼瞼下垂手術・肌治療を重ねた2年間の経過

ヒアルロン酸、眼瞼下垂手術、ポテンツァの肝斑チップ1クール、マッサージピールを重ねた2年間の症例です。正面と左右斜位から、目の下・口元の輪郭、上まぶた、肌の変化を治療の順序に沿って解説します。

Medical Information

この記事について

監修日
2026年8月9日
公開日
2025年11月19日
実質更新日
2026年8月9日

Contents

目次

  1. 2年間の変化を、正面で3つの治療軸に分けます
  2. ヒアルロン酸後は、目の下から口元までの輪郭を見ます
  3. 眼瞼下垂手術後は、上まぶたと眉の動きを一緒に見ます
  4. 肝斑チップ1クール後は、マッサージピールで肌の経過をつなぎます
  5. 2年間の評価では、治療ごとに異なる経過を確認します
  6. 診療で確認するポイント
  7. 治療選択の比較
  8. 費用の目安
  9. リスク・副作用・注意点
  10. 関連記事
  11. 関連施術・関連症状のご案内
  12. 執筆・監修
  13. 参考にした一次情報・ガイドライン
  14. よくあるご質問

2年間の変化を、正面で3つの治療軸に分けます

正面のBeforeと2年後を比べると、目の下のくま・たるみが軽く見え、頬から口元、フェイスラインへ続く輪郭がすっきりしています。上まぶたでは、たるみやくぼみが軽く見え、目元の印象も変化しています。

この2年間には、ヒアルロン酸、眼瞼下垂手術、ポテンツァの肝斑チップによる1クールの治療、その後に継続したマッサージピールが含まれます。診察では、輪郭、上まぶた、色調・質感を別々に記録し、それぞれの治療日からの経過を重ねて確認します。

ヒアルロン酸後は、目の下から口元までの輪郭を見ます

右斜位では、目の下から頬へ続く影、頬の前方への丸み、口横から下顎線へ続く凹凸を比較します。2年後は目の下の影が浅く見え、頬から口元へ続く曲面とフェイスラインがなめらかに見えます。

長期の再評価では、注入した部位ごとの支持と残存を確認し、目の下の色・脂肪突出・むくみ、口元の筋活動など、ヒアルロン酸とは別の要素も同じ斜位で見直します。追加注入は、以前に使った製剤と量、注入部位、触診で分かる硬さを確認した後に決めます。

2年後に部位ごとの残存を確認する理由として、外側のこめかみ・頬と中顔面ではヒアルロン酸の信号が27か月時も確認され、顎周囲では19か月時に大部分が消失していたとの報告がありました(参考文献1)。

眼瞼下垂手術後は、上まぶたと眉の動きを一緒に見ます

左斜位の2年後では、上まぶたのたるみやくぼみが軽く見え、目元の印象が変化しています。診察では眉を脱力した状態で、上まぶたの縁、皮膚のかぶさり、くぼみ、眉の高さを左右で確認します。

眼瞼下垂手術後は、MRD1と挙筋機能だけでなく、眉を持ち上げる代償が減っているか、目を閉じ切れるか、乾燥感や異物感がないかを追います。正面と斜位を同じ条件で記録すると、まぶたの高さと眉・上まぶたの輪郭を分けて評価できます。

眼瞼下垂手術後に眉と上まぶたを同じ条件で追う理由として、挙筋手術後3か月には眉位置が中央で平均2.91mm、内側2.74mm、外側2.58mm下がったとの報告がありました(参考文献2)。

肝斑チップ1クール後は、マッサージピールで肌の経過をつなぎます

肌治療は、ポテンツァの肝斑チップを1クール行い、その後にマッサージピールを継続しています。正面と左右斜位では、頬の左右対称な色調、点在する褐色斑、赤み、毛穴と光の反射を同じ照明で記録します。

ポテンツァ後は肝斑の色調と刺激反応を確認し、マッサージピールでは表面の乾燥・赤みと質感の変化を追います。遮光と摩擦を減らすケアを続け、色が戻る部位、炎症が残る部位、質感だけが変わる部位を分けて次の治療を組み立てます。

ポテンツァ肝斑チップ後も色調を追う理由として、内服・外用後にmMASIが64%低下し、その後6か月RFを続けた側では明るさの改善が保たれ、無治療側は治療前の値へ戻ったとの報告がありました(参考文献3)。

2年間の評価では、治療ごとに異なる経過を確認します

ヒアルロン酸は注入部位の支持・硬さ・むくみ、眼瞼下垂手術は開き・閉じやすさ・眉の代償、肌治療は色調・赤み・質感を、それぞれの治療日からの時間で記録します。2年後の写真は、これらを重ねた最終時点として正面と左右斜位で比較します。

診察では、ヒアルロン酸後の強い痛みや皮膚色の急変、眼瞼下垂手術後の閉じにくさや視機能の変化、肌治療後に続く強い炎症を区別します。次の治療は、緊急性のある所見を除外したうえで、輪郭、眼瞼機能、肌のうち現在もっとも優先度の高い問題から始めます。

長期経過でもまぶたの高さと閉眼を一緒に確認する理由として、眼瞼下垂手術後に1mmの閉瞼不全が3.6%、過矯正が1.4%、残存下垂による再手術が5.5%だったとの報告がありました(参考文献4)。

Clinical View

診療で確認するポイント

  • 正面と左右斜位で、目の下の影、頬の投影、口横の凹凸、下顎線を同じ順序で記録します。
  • 眉を脱力した状態でMRD1、挙筋機能、皮膚のかぶさり、上まぶたのくぼみ、閉瞼を左右で確認します。
  • 頬の左右対称な色調、褐色斑、赤み、毛穴と質感を同じ照明で撮影し、ポテンツァ後とマッサージピール継続中の変化を追います。
  • 各治療の実施日を時系列に並べ、輪郭、眼瞼機能、肌のうち次に優先する問題を再評価のたびに決めます。

Comparison

治療選択の比較

治療・対応 向く状態 向かない/慎重な状態 回数の目安 ダウンタイム 費用(税込) 承認状況
ヒアルロン酸注入 目の下から頬、口元にかけて支持やボリュームの不足が輪郭の影を作る状態 皮膚色、脂肪突出、むくみ、筋活動が主で、ボリューム補正だけでは目的に合わない状態 1回後に正面・左右斜位で再評価し、残る部位だけを検討 赤み、腫れ、内出血、圧痛、左右差、凹凸、しこり。まれに血管閉塞・視覚障害 1本1cc 77,000円。症例の製剤・総量は記録されていません 国内承認範囲は製剤と注入部位により異なる
眼瞼下垂手術 MRD1低下、挙筋機能低下、眉の代償、視野・開瞼機能の障害がある状態 皮膚のかぶさりやくぼみだけが主で、開瞼機能が保たれている状態 通常1回。高さ、左右差、閉瞼、眼表面を長期評価 腫れ、内出血、左右差、低矯正・過矯正、閉瞼不全、ドライアイ、角膜障害 機能障害の診断と術式により保険診療。整容目的は自費 手術手技。診断と術式により保険適用
ポテンツァ 肝斑チップ 左右対称の肝斑様色調を、刺激反応を追いながら段階的に治療する状態 日光黒子、ADM、炎症後色素沈着、赤みなどの鑑別が先となる状態 症例は1クール。料金表では全顔5回コース 赤み、熱感、腫れ、点状出血、痂皮、乾燥、炎症後色素沈着 肝斑治療コース 全顔5回 165,000円 POTENZAは国内未承認の医療機器
マッサージピール 肝斑治療後に、乾燥・赤みを確認しながら表面の質感と光沢を継続して整えたい状態 皮膚炎、びらん、強い刺激反応、活動性の感染がある状態 反応を確認しながら継続。症例の回数・間隔は記録されていません 赤み、ひりつき、乾燥、皮むけ、かゆみ、発疹、炎症後色素沈着 全顔1回17,600円、3回50,160円、5回79,200円 PRX-T33は国内未承認の医薬品・化学ピーリング製剤

費用の目安

  • ヒアルロン酸注入:1本1cc 77,000円(税込)
  • ポテンツァ 肝斑治療コース 全顔5回:165,000円(税込)
  • マッサージピール 全顔:1回17,600円、3回50,160円、5回79,200円(税込)
  • マッサージピール 顔+首:1回33,000円、3回94,050円、5回148,500円(税込)

自由診療です。眼瞼下垂手術は機能障害の診断と術式により保険診療となる場合があります。本症例のヒアルロン酸製剤・総量、マッサージピールの回数・範囲は記録されていないため、症例総額は算出していません。

リスク・副作用・注意点

  • ヒアルロン酸:赤み、腫れ、内出血、圧痛、左右差、凹凸、硬さ、しこり、感染、遅発性炎症・結節。まれに血管閉塞、皮膚壊死、視覚障害、失明、脳卒中
  • 眼瞼下垂手術:腫れ、内出血、感染、左右差、低矯正・過矯正、閉瞼不全、ドライアイ、角膜障害、傷あと、再手術
  • ポテンツァ:赤み、熱感、腫れ、点状出血、痂皮、乾燥、痛み、炎症後色素沈着、感染
  • マッサージピール:赤み、ひりつき、乾燥、皮むけ、かゆみ、発疹、炎症後色素沈着
  • 国内承認・適応: 本症例のヒアルロン酸製剤名と注入部位別の量は記録されていないため、症例で用いた製剤の国内承認番号・承認部位は特定できません。眼瞼下垂手術は手術手技で、診断と術式により保険診療となる場合があります。POTENZAとマッサージピールに用いるPRX-T33は国内未承認で、医師の責任のもと輸入し自由診療で使用します。未承認医療機器・医薬品による健康被害は、医薬品副作用被害救済制度等の対象外となる場合があります。

ヒアルロン酸後の強い痛み・皮膚の青白化・網目状変化・見え方の異常、眼瞼手術後の急な視力・視野変化・急速な片側の腫れ・強い眼痛は直ちにご連絡ください。

Doctor Review

執筆・監修

執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)

References

参考にした一次情報・ガイドライン

  1. Master M, Roberts S. Long-term MRI Follow-up of Hyaluronic Acid Dermal Filler. Plast Reconstr Surg Glob Open. 2022;10(4):e4252. doi:10.1097/GOX.0000000000004252. PMID:35433153; PMCID:PMC9007185.

    Long-term MRI Follow-up of Hyaluronic Acid Dermal Filler

    研究デザイン: 複数部位へヒアルロン酸注入を受けた1人をMRIで追跡した症例報告 / 対象: 47歳男性1人。外側顔面、中顔面、顎へ複数回ヒアルロン酸注入を受け、注入2日後・19か月・21か月・27か月にMRIを撮影した。 / 結果: 外側顔面と中顔面では27か月時もヒアルロン酸信号が確認され、顎では19か月時にほぼ消失していた。MRI上の移動は確認されなかった。 / 限界: 1人の症例報告で、製剤・注入層・量・部位が本症例と同一ではない。写真上の輪郭変化をヒアルロン酸単独へ帰属する研究ではない。PubMed書誌・抄録とPMC原著全文を2026年8月9日に確認した。

  2. Kokubo K, Katori N, Hayashi K, Kasai K, Kamisasanuki T, Sueoka K. Evaluation of the eyebrow position after levator resection. J Plast Reconstr Aesthet Surg. 2017;70(1):85-90. doi:10.1016/j.bjps.2016.09.025. PMID:27773564.

    Evaluation of the eyebrow position after levator resection

    研究デザイン: 挙筋短縮術の前後で眉位置を測定した観察研究 / 対象: 眼瞼下垂に対して挙筋短縮術を受けた47人・84眼。術前と術後3か月の写真を解析した。 / 結果: 眉位置は内側90%、中央89%、外側90%で低下し、平均低下量は内側2.74mm、中央2.91mm、外側2.58mmだった。 / 限界: 術式が挙筋短縮術に限られ、皮膚切除の有無と年齢に群間差があり、術前に眉の低下量を予測することは困難とされた。本症例の眼瞼下垂手術の術式は記録されていないため、数値をそのまま当てはめられない。PubMed書誌・抄録を2026年8月9日に確認し、原著全文は取得していない。

  3. Han HJ, Kim JC, Park YJ, Kang HY. Targeting the dermis for melasma maintenance treatment. Sci Rep. 2024;14(1):949. doi:10.1038/s41598-023-51133-w. PMID:38200171.

    Targeting the dermis for melasma maintenance treatment

    研究デザイン: 肝斑の初期治療後に片側顔面へマイクロニードリングRFを毎月行った無作為左右比較研究 / 対象: 肝斑のある15人が登録され、11人が8か月の追跡を完了した。最初の2か月は全員がトラネキサム酸内服と3剤外用を受け、その後片側だけに6か月RFを継続した。 / 結果: 初期治療2か月でmMASIは64%低下した。RF継続側は明るさの改善が保たれ、無治療側は初期治療終了後に治療前の値へ戻った。 / 限界: 完遂11人の小規模研究で、初期治療に内服・外用を併用し、評価したRF機器・条件が本症例のPOTENZA肝斑チップと同一とは限らない。マッサージピールの効果を検証した研究ではない。PubMed書誌・抄録を2026年8月9日に確認し、原著全文は取得していない。

  4. Ben Simon GJ, Lee S, Schwarcz RM, McCann JD, Goldberg RA. External levator advancement vs Müller's muscle-conjunctival resection for correction of upper eyelid involutional ptosis. Am J Ophthalmol. 2005;140(3):426-432. PMID:16083839.

    External levator advancement vs Müller's muscle-conjunctival resection for correction of upper eyelid involutional ptosis

    研究デザイン: 外側挙筋腱膜前転とミュラー筋結膜切除を比較した後ろ向き非無作為研究 / 対象: 退行性眼瞼下垂の159人に行った272件の手術。平均年齢70歳で、141件は眼瞼形成を併用した。 / 結果: MRD1は平均0.8mmから2.3mmへ増加した。残存下垂による再手術5.5%、過矯正1.4%、1mmの閉瞼不全3.6%だった。 / 限界: 高齢者の退行性眼瞼下垂を対象とした後ろ向き非無作為研究で、術式の選択に術前重症度の差があり、多くで眼瞼形成を併用した。本症例の術式・年齢・術前機能は記録されていない。PubMed書誌・抄録を2026年8月9日に確認し、原著全文は取得していない。

よくあるご質問

Q. 2年間にどの治療を受けた症例ですか?

ヒアルロン酸と眼瞼下垂手術を行い、その間にポテンツァの肝斑チップで1クール治療した後、マッサージピールを継続した症例です。正面と左右斜位で2年前と比較しています。

Q. 2年後の写真では、どこを確認しますか?

目の下から口元・フェイスラインへ続く輪郭、上まぶたと眉の位置、頬の色調・赤み・質感を分けます。各治療の日付からの経過と合わせ、次に優先する問題を評価します。

Q. ヒアルロン酸の2年後は、追加注入が必要ですか?

部位によって残り方が異なるため、以前の製剤・量・注入部位、触診での硬さ、正面・斜位の支持を確認します。追加は現在残る凹みや支持不足だけを対象にします。

Q. ポテンツァ1クール後にマッサージピールを続けるとき、何を見ますか?

肝斑様の色調、点在する褐色斑、赤み、乾燥、毛穴と質感を同じ照明で確認します。刺激が強い時期は休み、色調と皮膚反応が落ち着いてから次回を決めます。

Q. すぐに連絡が必要な症状はありますか?

ヒアルロン酸後の強い痛み・皮膚色の急変・見え方の異常、眼瞼手術後の急な視力・視野変化・急速な片側の腫れ・強い眼痛は直ちにご連絡ください。

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