ヒアルロン酸治療で適応を見極めるときの考え方
ヒアルロン酸治療は、気になる線だけを埋めるより、どこで支えが落ちているかを見て適応を判断することが大切です。当院で重視している見方と、一般的な医学情報、参考文献を整理します。
Medical Information
この記事について
- 医師監修
- 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
- 監修日
- 2024年11月28日
- 公開日
- 2024年11月28日
- 更新日
- 2026年7月9日
診療時の考え方や一般的な注意点を整理した記事です。 実際の適応や治療内容は、診察時に肌状態や経過を確認したうえでご案内します。




Contents
目次
Our Information
当院・医師の見解
当院では、ヒアルロン酸治療を『線を埋める治療』だけで考えず、頬の支え、中顔面の凹み、フェイスラインの支持低下を先に見ています。
同じほうれい線でも、原因が中顔面のボリューム低下なのか、皮膚のもたつきなのかで、ヒアルロン酸が向く度合いは変わります。
そのため、量を増やすことより、どこへどの製剤をどのくらい置くと自然に見えるか、熱治療や手術と役割を分けるべきかを重視しています。
General Medical Information
一般的な医学情報
顔の加齢変化では、皮膚のたるみだけでなく、骨格支持や深い層のボリューム低下が影や凹みとして見えることがあります。
ヒアルロン酸フィラーは、支持を補う、凹みをなだらかにする、輪郭を整えるといった目的で使い分けられます。
一方で、皮膚のゆるみが主体のケースでは熱治療や手術の方が役割を持つこともあり、ヒアルロン酸だけで全てを解決しようとしない適応判断が重要です。
気になる線の背景にある支えの低下を見ます
ほうれい線やフェイスラインが気になっていても、実際には頬の支えや中顔面のボリューム低下が影を強めていることがあります。
そのため、表面の線だけを見るより、どこで支持が落ちているかを見た方が、自然なヒアルロン酸設計につながります。
ヒアルロン酸が向きやすい変化と、別治療を考えたい変化があります
凹みや影を支える目的ではヒアルロン酸が候補になりやすく、変化をその場で確認しながら微調整しやすい点が特徴です。
一方で、皮膚のもたつきや引き締めを主に見たい場合は、熱治療や他の治療を組み合わせた方が考えやすいことがあります。
量を増やすより過剰補正を避けることを重視します
同じ場所へ量を重ねすぎると、不自然な膨らみや重さにつながることがあります。
診療では、必要な部位へ少しずつ支えを作り、鏡や写真で見え方を確認しながら整える考え方を重視しています。
費用の目安
- ヒアルロン酸注入 1本 1cc ¥77,000
- ヒアルロニダーゼ ヒレネックス 100単位 ¥44,000
必要本数や使用製剤は、部位、目的、骨格バランスで変わります。実際の提案内容は診察時にご確認ください。
リスク・副作用・注意点
- 痛み、腫れ、内出血、左右差がみられることがあります。
- アレルギーや血流障害など、重い合併症に注意が必要です。
- 部位によってはむくみやすさやなじむまでの時間差があります。
顔のバランスを見ながら少しずつ調整するため、経過確認と必要時の微調整をご案内しています。
References
根拠文献・専門情報
-
The Facial Aging Process From the "Inside Out".
顔面老化を深部構造から整理し、注入治療の優先順位を考えるためのレビューです。
-
Treating Aging Changes of Facial Anatomical Layers with Hyaluronic Acid Fillers.
各層の加齢変化とヒアルロン酸フィラーの使い分けを整理したレビューです。
-
Hyaluronic Acid Fillers for Midface Augmentation: A Systematic Review.
中顔面へのヒアルロン酸注入の有効性と安全性をまとめた系統的レビューです。
-
Adverse Events Associated with Hyaluronic Acid Filler Injection for Non-surgical Facial Aesthetics: A Systematic Review of High Level of Evidence Studies.
ヒアルロン酸注入に伴う有害事象を整理した系統的レビューです。
よくあるご質問
Q. ヒアルロン酸はたるみがあれば誰でも向きますか?
一律ではありません。凹みや支えの低下が主な場合は候補になりますが、皮膚のもたつきが主体のときは別の治療を組み合わせた方が考えやすいことがあります。
Q. ほうれい線だけに入れる治療ですか?
必ずしもそうではありません。実際には、その線がどこから生まれているかを見て、中顔面や頬の支えから整えた方が自然なことがあります。
Q. 入れすぎが心配でも相談できますか?
できます。当院では量を増やすことより、顔全体のバランスを見ながら過剰補正を避ける設計を重視しています。
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症状の見え方や適応には個人差があります。実際の治療方針は診察で状態を確認したうえでご案内します。