医師解説毛穴ポテンツァ

ポテンツァとは|ニキビ跡・毛穴・赤みへの適応と治療モード

ポテンツァは、微細な針先からRFを届け、針の深さ・RFモード・薬剤導入を変えることで、活動性ニキビ、ニキビ跡、毛穴、赤み、肝斑を治療する機器です。症状ごとにチップと順序を選び、全顔治療と局所・外用治療を組み合わせます。

Medical Information

この記事について

監修日
2026年8月9日
公開日
2023年1月19日
実質更新日
2026年8月9日

Contents

目次

  1. 微細な針、RF、薬剤導入を一つの機器で使い分けます
  2. 針先のRFとPumping Tipの薬剤導入は役割が異なります
  3. ニキビ、凹み、毛穴、赤み、肝斑でモードを変えます
  4. 10年以上前のニキビ跡へ、3回のRFとマックーム導入を行った症例
  5. 肝斑と日焼けによるくすみへ、肝斑モード・ピーリング・外用を組みました
  6. 施術前にモード・範囲・回数を決め、反応に合わせて続けます
  7. 単独治療と組み合わせ治療を、症状の順番に合わせます
  8. 診療で確認するポイント
  9. 治療選択の比較
  10. 費用の目安
  11. リスク・副作用・注意点
  12. 関連記事
  13. 関連施術・関連症状のご案内
  14. 執筆・監修
  15. 参考にした一次情報・ガイドライン
  16. よくあるご質問

微細な針、RF、薬剤導入を一つの機器で使い分けます

ポテンツァは、マイクロニードルで皮膚へ微細な経路を作り、針先からRFを届ける治療機器です。ダーマペンの針刺激、フラクショナルレーザーの点状治療、水光注射の薬剤導入という従来治療の考え方を、チップと設定の変更で一台に組み込んでいます。

同じポテンツァでも、活動性ニキビ、ニキビ跡の凹み、毛穴、赤み、肝斑では使う針、深さ、RFの広がり、薬剤が異なります。目立つ所見に対応するモードを先に選び、必要な変化とダウンタイムに合わせて治療範囲を決めます。

針先のRFとPumping Tipの薬剤導入は役割が異なります

RFマイクロニードルでは、針を設定した真皮の深さへ入れ、針先または針の側面からRFを加えます。針による微細な創傷とRFによる熱刺激を同じ層へ重ね、毛穴や浅い凹凸では皮膚の再構築を促し、活動性ニキビでは皮脂腺周囲へ熱を届けます。

Pumping Tipは、薬剤導入を組み合わせるチップです。針を刺すときの陰圧で皮膚を引き寄せ、針を抜くときの圧力変化を利用して、皮膚表面に塗布した薬剤を微細な経路へ送り込みます。ニキビ跡の凹凸では、RFだけで治療するか、マックームなどの薬剤導入を追加するかを瘢痕の広さと深さで分けます。

ニキビ、凹み、毛穴、赤み、肝斑でモードを変えます

大きく新しいニキビにはワンニードルで皮脂腺周囲へRFを届け、顔全体に炎症性ニキビがある場合はニキビ用チップで範囲を治療します。炎症が落ち着き、赤み、毛穴、浅い凹みが残った段階では、RFマイクロニードルまたはPumping Tipへ切り替えます。

ニキビ跡と毛穴では、針刺激とRFによる創傷治癒を使い、ハリ、小じわ、皮膚の引き締まりも同じ期間に追います。赤ら顔・酒さ様の赤みでは血管性の反応を対象にするモード、肝斑では刺激を抑えた肝斑モードを選び、色素・赤み・炎症を別々に記録します。

針の本数や形だけではなく、RFの方式、エネルギー密度、深さで組織反応が変わります。凹みの底、毛穴の開き、皮脂、固定した赤みのどれを優先するかを決めてから、チップと出力を合わせます。

所見に合わせてRF方式・深さ・エネルギー密度を変える理由として、フラクショナルRF後のニキビ跡体積が38%減少し、80本針と160本針のGAISは1.06と0.85で大差がなかったとの報告がありました(参考文献2)。

10年以上前のニキビ跡へ、3回のRFとマックーム導入を行った症例

症例1は、10年以上前のニキビによる頬の赤みと凹みを、4か月かけて治療した経過です。ポテンツァを3回行い、マックームをPumping Tipで導入しました。写真では、同じ頬の赤みと凹凸が治療前後で変化しています。

この症例では、顔全体の浅い凹凸へRFと薬剤導入を重ねています。伸展しても残る深い凹みや皮下の癒着が強い部位は、サブシジョンやトライフィルプロなどの局所治療へ分けます。

頬全体の浅い萎縮性ニキビ跡へRFマイクロニードリングを組み込む根拠として、単独治療後にもニキビ跡の改善がみられたとの報告がありました(参考文献1)。

RFと薬剤導入を同じ治療計画へ組み込む根拠として、PDLAをRFマイクロニードル機器で4週間隔・4回導入した後は、ニキビ跡評価が36.99%改善し、満足度VASは79.65%との報告がありました(参考文献3)。

肝斑と日焼けによるくすみへ、肝斑モード・ピーリング・外用を組みました

症例2は、肝斑と日焼けによるくすみが強く、他院でトラネキサム酸内服とレーザートーニングを2年間続けた後も色調が残っていた方です。半年間にポテンツァ肝斑モードとピーリングを9回行い、ビタミンCとトラネキサム酸の外用を併用しました。

治療では、肝斑モードで真皮側へRFを届け、ピーリングで表面のくすみを整え、外用で色素の再形成を抑える役割に分けました。経過写真では、色調、赤み、くすみを同じ条件で比べます。

肝斑で外用とRFの役割を分けて維持治療を組む根拠として、内服・外用2か月後に顔半分だけRFを毎月6か月続けたところ、RF側は改善を維持し、非照射側の明度は治療終了後に基準値へ戻ったとの報告がありました(参考文献4)。

施術前にモード・範囲・回数を決め、反応に合わせて続けます

施術前に、活動性ニキビ、赤み、毛穴、凹み、肝斑の分布を見て、チップ、薬剤、治療範囲、回数、併用療法を決めます。施術時間は麻酔クリームを含めて約90分、鎮静パックを追加する場合は約30分延長し、痛みが強い場合は笑気麻酔を追加できます。

院内案内の目安では、赤みは約2日(1〜3日程度)、ざらつきは約1週間です。メイクは当日から可能としており、肌のハリや質感は1〜3か月変化を感じやすく、3回ほど繰り返した後に1年ほど持続する場合があります。

妊娠中、施術部位に金属や金属プレートがある場合は治療を行いません。基礎疾患、感染、強い皮膚炎がある場合や、使用薬剤にアレルギーがある場合は、モードと薬剤を変更するか治療時期をずらします。

単独治療と組み合わせ治療を、症状の順番に合わせます

活動性ニキビが多い時期は皮脂腺と炎症を先に治療し、その後に赤み、毛穴、浅い凹みへRFマイクロニードルを組みます。深い癒着には局所剥離、肝斑にはピーリング・外用、固定した赤みには血管治療を追加し、残る所見ごとに治療方法を切り替えます。

当院では医師が各回の写真と皮膚反応を確認し、チップ、深さ、出力、ショット数、薬剤量を更新します。治療歴が長い方も、これから始める方も、残っている所見を一つずつ治療モードへ対応させます。

Clinical View

診療で確認するポイント

  • 最初に、活動性ニキビ、皮脂、赤み、毛穴、浅い凹み、深い癒着、肝斑の分布を同じ照明と斜光で記録します。
  • 活動性ニキビにはワンニードルまたはニキビ用チップ、広い毛穴・浅い凹みにはRFマイクロニードル、薬剤導入が必要な瘢痕にはPumping Tip、肝斑には刺激を抑えたモードを選びます。
  • 各回で炎症、皮脂、赤み、凹凸、色素を別々に比べ、深い癒着は局所剥離、表面のくすみはピーリング・外用など、残る所見に対応する治療を追加します。

Comparison

治療選択の比較

治療・対応 向く状態 向かない/慎重な状態 回数の目安 ダウンタイム 費用(税込) 承認状況
ポテンツァ RFマイクロニードル 赤み・皮脂・毛穴・浅い凹凸を全顔で見たい 深い癒着だけが主で局所剥離が必要 通常3回前後を目安に反応を評価 赤み・腫れ・針跡・痂皮・内出血・色素沈着 全顔1回55,000〜66,000円、3回156,750〜188,100円(モードにより異なる) 機器・薬剤・使用目的ごとの国内承認範囲と未承認表示を確認
標準的なニキビ外用・内服 面皰や炎症性皮疹が続いている 活動性炎症がなく凹凸だけが残る 毎日のケアとして8〜24週を目安に評価 乾燥・赤み・皮むけ・刺激感 製品・処方内容により異なる 化粧品と医薬品を分け、医薬品は承認適応・禁忌を確認
薬剤導入モード 浅い瘢痕や質感へRFと薬剤導入を組み合わせたい 薬剤禁忌、硬結歴、深い癒着が主 通常3回前後を目安に反応を評価 赤み・腫れ・針跡・痂皮・内出血・色素沈着 全顔1回55,000〜66,000円、3回156,750〜188,100円(モードにより異なる) 機器・薬剤・使用目的ごとの国内承認範囲と未承認表示を確認
サブシジョン/瘢痕モード 引き込みのあるローリング型・深いボックスカー型 活動性ニキビが多い、癒着のない浅い色調変化 1回後に癒着と影を再評価し、必要時に複数回 腫れ・内出血・疼痛・皮下気腫・硬結・色素沈着 トライフィル薬剤導入は全顔1回99,000円。瘢痕モード等は範囲により異なる 機器・薬剤・手技ごとの国内承認範囲と未承認表示を確認

費用の目安

  • ポテンツァ 瘢痕治療・薬剤導入 全顔 1回 ¥66,000 / 3回 ¥188,100
  • 追加薬剤 マックーム +¥22,000 / ジュベルック +¥22,000

チップ、治療範囲、ショット数、薬剤の有無で費用は変わります。現行料金は公式料金表をご確認ください。

リスク・副作用・注意点

  • 痛み、赤み、腫れ、点状出血、乾燥、かさぶた、ざらつきが生じることがあります。
  • 炎症後色素沈着、感染、熱傷、瘢痕などが生じる可能性があります。
  • 使用薬剤がある場合は、薬剤固有のアレルギーやしこりなどにも注意が必要です。
  • 国内承認・適応: 国内未承認。医師の個人輸入等による使用。入手経路・海外承認・救済制度の対象外となる可能性を表示

ダウンタイムを一律に短いと断定せず、モードと肌状態で経過が異なることを前提に説明します。

Doctor Review

執筆・監修

執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)

References

参考にした一次情報・ガイドライン

  1. Niaz G, Ajeebi Y, Alshamrani HM, Khalmurad M, Lee K. Clin Cosmet Investig Dermatol. 2025;18:19-29. doi:10.2147/CCID.S502295.

    Fractional Radiofrequency Microneedling as a Monotherapy in Acne Scar Management: A Systematic Review of Current Evidence

    研究デザイン: PRISMAに沿い、RFマイクロニードリング単独治療の16研究を対象にしたシステマティックレビュー / 対象: 計481人。前向き研究6件、無作為化比較試験6件、後ろ向き研究3件、比較研究1件 / 結果: 収載された全研究でRFマイクロニードリング単独治療後の萎縮性ニキビ跡改善があったとの報告がありました。 / 限界: 評価尺度と照射条件が不均一でメタ解析は行われず、Fitzpatrick VI型を含まず、追跡は最長6か月。POTENZA、Pumping Tip、マックーム併用を単独評価したレビューではない。原著全文を2026年8月8日に確認した。

  2. Zhang B, Tan X, Zhang Q, Wu M. Health Sci Rep. 2025;9(1):e71575. doi:10.1002/hsr2.71575.

    The Landscape of Radiofrequency Technology for Skin Rejuvenation

    研究デザイン: モノポーラ、バイポーラ、マルチポーラ、マイクロニードルRFの基礎・臨床研究を横断したシステマティック・ナラティブレビュー / 対象: 複数のRF方式と適応を横断し、単一の総対象人数は設定されていない / 結果: 収載研究の一つでニキビ跡体積38%減少、別の80本針対160本針比較でGAIS 1.06対0.85との報告があり、針形状よりエネルギー密度が結果へ関わる可能性が示された。 / 限界: 機器、出力、評価方法が不均一で方式間の統合比較ではない。38%とGAISの値は別々の収載研究で、POTENZAのチップ同士を比較した数値ではない。原著全文を2026年8月8日に確認した。

  3. Hyeok HJ, Woo JJ, Bae SS, Kim HS, Kim KH. Dermatol Surg. 2022;48(12):1306-1311. doi:10.1097/DSS.0000000000003627.

    Intradermal Injection of Poly-d,l-Lactic Acid Using Microneedle Fractional Radiofrequency for Acne Scars: An Open-Label Prospective Trial

    研究デザイン: 両頬のニキビ跡へPDLAをRFマイクロニードル機器で4週間隔・計4回導入した非盲検前向き単群試験 / 対象: 両頬にニキビ跡がある患者。人数はPubMed抄録に記載なし。組織評価は同意した2人の上腕で実施 / 結果: 最終治療後のニキビ跡評価は36.99%改善し、満足度VASは79.65%だった。2人の組織では5か月後にPDLAの生分解とコラーゲン・弾性線維増加がみられたとの報告がありました。 / 限界: 非盲検・単群で対象人数が抄録に示されず、組織評価は上腕2人。研究薬剤はPDLAで、院内症例のマックームと同一製剤ではなく、POTENZA専用試験とも限らない。PubMed抄録を2026年8月8日に確認した。

  4. Han HJ, Kim JC, Park YJ, Kang HY. Sci Rep. 2024;14(1):949. doi:10.1038/s41598-023-51133-w.

    Targeting the dermis for melasma maintenance treatment

    研究デザイン: トラネキサム酸内服とトリプルコンビネーション外用を2か月行った後、無作為に選んだ顔半分へRFを毎月6か月続けた左右比較試験 / 対象: 肝斑15人を登録し、11人が8か月の試験を完遂 / 結果: 最初の2か月でmMASIは64%低下した。継続RF側は改善を維持し、非照射側のL値変化は通常治療終了後に徐々に低下して基準値へ戻ったとの報告がありました。 / 限界: 完遂11人の小規模試験で、RF機器・設定と併用薬が院内症例と異なる。POTENZA、ピーリング、ビタミンC・トラネキサム酸外用9回の効果を直接示さない。PubMed抄録を2026年8月8日に確認した。

よくあるご質問

Q. ポテンツァのチップ・薬剤・回数はどう選びますか?

大きな活動性ニキビはワンニードル、広いニキビ・皮脂はニキビ用チップ、毛穴・浅い凹みはRFマイクロニードル、薬剤導入を組み合わせる瘢痕はPumping Tip、肝斑は刺激を抑えたモードを使います。治療範囲と各回の反応から回数を組みます。

Q. 施術時間、麻酔、痛みの目安を教えてください。

麻酔クリームを含めて約90分です。鎮静パックを追加する場合は約30分延長します。針を刺す痛みとRFの熱感があり、痛みが強い場合は笑気麻酔を追加できます。

Q. ダウンタイムとメイク再開の目安は?

赤みは1〜3日、ざらつきは約1週間が目安で、メイクは当日から可能と案内しています。腫れ、点状出血、内出血、乾燥、かさぶた、炎症後色素沈着、感染、熱傷、瘢痕が起こることもあります。

Q. 効果はどのくらい持続し、治療を受けられない人はいますか?

肌のハリや質感は1〜3か月変化を感じやすく、3回ほど繰り返した後に1年ほど持続する場合があります。妊娠中、施術部位に金属・金属プレートがある方は治療を受けられません。基礎疾患、感染、皮膚炎、薬剤アレルギーがある場合も治療内容を変更します。

Q. 料金と国内承認状況を教えてください。

赤ら顔・ニキビ・毛穴の全顔は1回55,000円・3回156,750円、瘢痕治療・薬剤導入は1回66,000円・3回188,100円です。マックームまたはジュベルック追加は各22,000円です。POTENZAと使用薬剤には国内未承認のものが含まれ、医師の個人輸入等で入手しています。国内の医薬品副作用被害救済制度等の対象外となる場合があります。

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