ニキビ肌でポテンツァを先行し、その後脱毛を組み合わせる考え方
広範囲のニキビ・赤み・凹凸がある肌へ、ポテンツァとマックームを1ヶ月間隔で3回行い、皮膚反応が落ち着いてから顔脱毛を5回追加した症例です。治療終了1年後まで、ニキビができにくく毛穴が引き締まった経過を解説します。
Medical Information
この記事について
- 執筆医・監修医
- 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
- 監修日
- 2026年8月9日
- 公開日
- 2024年5月12日
- 実質更新日
- 2026年8月9日


Contents
目次
広範囲のニキビとニキビ跡へ、ポテンツァを先行した症例
右頬斜位の治療前では、赤いニキビと赤み、点状の凹み、開いた毛穴が頬全体に見られます。治療は2年前に始め、ポテンツァでマックームを導入する施術を1ヶ月間隔で3回行った後、顔脱毛を5回行いました。
治療終了は1年前です。治療終了1年後の右頬斜位では、赤い皮疹が減り、頬の赤み、凹凸の影、毛穴の見え方が軽くなっています。現在はスキンケアを最低限に保ちながら、ニキビは時々できる程度で、引き締まった毛穴とニキビ跡の変化を維持しています。
頬の凹みへRFマイクロニードリングを先行する理由として、治療後は顔のニキビ跡が73.3%で改善したとの報告がありました(参考文献1)。
頬の凹凸と正面の赤みを、二段階の治療経過として見る
頬の拡大写真では、治療後に赤みと点状の凹みが軽くなり、毛穴の輪郭が目立ちにくくなっています。正面の比較でも、額から眉間に見られた赤みが落ち着いています。
最初の3回は、ポテンツァのRFマイクロニードリングとマックーム導入で、ニキビ跡の凹凸、赤み、皮脂の多い肌をまとめて治療しました。その後の顔脱毛では毛を減らし、毛穴内の毛と皮脂が重なる状態を整えました。この写真は二つの工程を終えたあとの合計経過です。
赤みと痂皮が落ち着いてから、毛を減らす工程へ移る
ポテンツァ後は、赤み、腫れ、点状出血、痂皮、乾燥の残り方を頬・額・口周りで確認します。表面が回復し、新しいニキビの増加も落ち着いた時点で、太い毛や産毛が多い部位へ顔脱毛を始めます。
この症例ではポテンツァ3回を終えた後に顔脱毛5回へ進みましたが、両施術の間を何日空けるかは固定せず、針痕や痂皮がなく、赤みとヒリつきが基準まで戻った日を次の照射時期にします。現在の当院の顔脱毛では、808nmと940nmを同時照射する国内承認機器メディオスター モノリスを使用します。
治療終了1年後は、新しいニキビと毛穴の戻りを同じ方向で比べる
経過観察では、右頬斜位で赤い皮疹数、凹凸の影、毛穴を、正面で額・眉間・両頬の赤みを比べます。顔脱毛後は毛の再生と毛包炎も同じ部位で記録し、次に必要なのがニキビ治療、瘢痕治療、脱毛のどれかを決めます。
この症例では治療終了から1年後も、ニキビは時々できる程度で、赤み・凹凸と毛穴の変化を維持していました。洗顔、保湿、日焼け止めを基本にし、皮疹が増えた時だけ標準治療を追加する形で長期経過を追います。
Clinical View
診療で確認するポイント
- 初診では、正面と右斜位で赤い丘疹・膿疱、皮脂、頬の点状陥凹、毛穴を記録し、瘢痕へRFマイクロニードリングを行う範囲と、標準ニキビ治療を併用する範囲を決めます。
- ポテンツァとマックームの各回後は、赤み、点状出血、痂皮、乾燥、新しいニキビの数を追い、3回後に同じ照明・方向で頬の凹凸と赤みを撮り直します。
- 皮膚表面が回復した後、毛の太さ、密度、剃毛後の毛包炎を部位別に見て、顔脱毛を行う範囲を決めます。
- 治療終了後は、ニキビの再発数、凹凸の影、毛穴、毛の再生、毛包炎を同じ写真上で比較し、必要な工程だけを追加します。
Comparison
治療選択の比較
| 治療・対応 | 向く状態 | 向かない/慎重な状態 | 回数の目安 | ダウンタイム | 費用(税込) | 承認状況 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ポテンツァ+マックーム薬剤導入 | 頬に広がる萎縮性ニキビ跡、赤み、毛穴、皮脂が重なる状態 | 治療部位の感染、ヘルペス、びらん、強い皮膚炎、ケロイド傾向、創傷治癒に影響する状態 | 症例は1か月間隔で3回 | 痛み、赤み、腫れ、点状出血、針痕、痂皮、乾燥、色素沈着。薬剤による腫れ・しこり・感染 | 瘢痕治療・薬剤導入 全顔1回66,000円/3回188,100円、McCoom 1回+22,000円 | POTENZAおよびMcCoomは国内未承認の輸入機器・製剤 |
| 顔脱毛(メディオスター モノリス) | 太い顔毛・産毛、剃毛刺激、毛包炎が毛穴の見え方へ重なる状態 | ポテンツァ後の赤み・痂皮・びらんが残る部位、活動性の皮膚炎・感染、日焼け直後 | 症例はポテンツァ3回後に5回。以後は毛の再生に合わせて評価 | 赤み、熱感、ひりつき、腫れ、毛嚢炎、熱傷、水疱、色素変化、硬毛化・多毛化 | 全顔1回16,500円(女性)/22,000円(男性) | 国内承認の長期減毛用ダイオードレーザー。承認番号30200BZX00404000 |
| ニキビの標準外用・内服治療 | 面皰、赤い丘疹・膿疱など活動性ニキビが増えている状態 | 凹凸や毛穴だけが残り、新しいニキビがない状態 | 数週から継続し、皮疹数で再評価 | 外用薬による乾燥、赤み、刺激。内服薬ごとの副作用 | 保険診療・自費診療と処方内容で異なる | 国内承認薬は適応・用法に沿って使用 |
費用の目安
- ポテンツァ 瘢痕治療・薬剤導入 全顔:1回66,000円/3回188,100円
- 薬剤 McCoom:1回+22,000円
- 医療脱毛 全顔:1回16,500円(女性)/22,000円(男性)
- 医療脱毛は3回コース5%OFF、5回コース以上10%OFF
自由診療・税込。症例の治療時料金ではなく、2026年8月8日の当院料金表を掲載しています。
リスク・副作用・注意点
- ポテンツァ・マックーム:痛み、赤み、腫れ、点状出血、針痕、痂皮、乾燥、色素沈着、感染、薬剤による腫れ・しこりなど
- 顔脱毛:赤み、熱感、ひりつき、腫れ、毛嚢炎、熱傷、水疱、かさぶた、色素沈着・色素脱失、瘢痕、硬毛化・多毛化など
- ポテンツァ後の赤み・痂皮・びらんが残る部位には脱毛を重ねず、皮膚表面が回復してから次の照射へ進みます。
- 国内承認・適応: 症例で用いたPOTENZAおよびMcCoomは国内未承認の医療機器・製剤を用いる自由診療です。医師の判断で正規販売元または輸入手続きを通じて入手し、未承認医療機器・製剤による健康被害は医薬品副作用被害救済制度等の対象外となる場合があります。現在の顔脱毛に用いる長期減毛用ダイオードレーザー メディオスターモノリスは国内承認機器で、承認番号は30200BZX00404000、承認された使用目的は長期的な減毛です。
施術後に強い痛み、水疱、膿、広がる赤み、発熱、皮膚の白色・暗紫色変化がある場合は、予定日を待たず当院へ連絡してください。
Doctor Review
執筆・監修
執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
References
参考にした一次情報・ガイドライン
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Fractional Radiofrequency Microneedling as a Monotherapy in Acne Scar Management: A Systematic Review of Current Evidence
研究デザイン: PubMedとEBSCOを2024年7月まで検索し、前向き研究6件、無作為化比較試験6件、後ろ向き研究3件、比較試験1件の計16研究を採用したシステマティックレビュー / 対象: 15歳以上の顔面ニキビ跡を対象とした計481人。本文で結果を引用した前向き研究は、軽症〜中等症の顔面ニキビ跡30人 / 結果: 収載された全研究でRFマイクロニードリング単独後の萎縮性ニキビ跡が改善した。30人の前向き研究では22人(73.3%)に改善がみられ、1人は2段階、21人は1段階改善した。 / 限界: 評価尺度、機器、深度、出力、回数が不均一でメタ解析は行われず、Fitzpatrick VI型は含まれず、追跡は最長6か月でした。POTENZA、マックーム導入、顔脱毛との順序、治療終了1年後の維持を直接検証した研究ではありません。研究資金はなく、著者は利益相反なしと申告しています。PMC全文を2026年8月8日に確認しました。
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Comparative Efficacy of Pharmacological Treatments for Acne Vulgaris: A Network Meta-Analysis of 221 Randomized Controlled Trials
研究デザイン: 210論文、221件の無作為化比較試験、37治療を統合したネットワークメタ解析 / 対象: 主要解析は計65,601人、平均年齢20.4歳。試験期間の中央値は12週 / 結果: 総皮疹数では経口イソトレチノインが最も高く、外用抗菌薬・外用レチノイド・過酸化ベンゾイル、または内服抗菌薬・外用レチノイド・過酸化ベンゾイルの3剤併用が続いた。抗菌薬単独は非炎症性皮疹への効果が限られた。 / 限界: 試験ごとに用量、剤形、重症度、期間が異なり、長期有害事象の比較は十分ではありません。顔脱毛、ポテンツァ、マックーム、毛包炎への効果や、それらの施術順序を比較した研究ではありません。著者は利益相反なしと申告しています。PMC全文を2026年8月8日に確認しました。
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医療機器の承認審査に関する情報
販売名、承認番号、承認範囲を確認する公的情報です。
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医療広告ガイドライン
自由診療の費用、主なリスク・副作用、未承認機器等の表示を確認する公的資料です。
よくあるご質問
Q. この症例では何を何回行いましたか?
2年前に治療を始め、ポテンツァでマックームを導入する施術を1ヶ月間隔で3回行った後、顔脱毛を5回行いました。治療終了1年後も、ニキビは時々できる程度で、頬の赤み・凹凸と毛穴の変化を維持しています。
Q. なぜ顔脱毛よりポテンツァを先に行ったのですか?
初診時は新しいニキビ、赤み、ニキビ跡の凹凸が広範囲にありました。まずポテンツァとマックームで凹凸・赤み・皮脂の多い肌を治療し、表面が落ち着いた後に、毛と剃毛刺激を減らす顔脱毛へ進みました。
Q. ポテンツァ後、何日空ければ顔脱毛を受けられますか?
日数だけでは決めず、赤み、腫れ、点状出血、痂皮、乾燥、ヒリつきが消え、皮膚表面が回復していることを基準にします。この症例では3回のポテンツァを終えて肌が落ち着いた後に顔脱毛を開始しました。
Q. 顔脱毛でニキビそのものを治療できますか?
顔脱毛は毛量と剃毛刺激を減らす工程です。面皰や赤い丘疹・膿疱が増えている場合は、外用レチノイドや過酸化ベンゾイルなどの標準治療を別に行い、毛・毛包炎が重なる部位へ脱毛を加えます。
Q. 現在の顔脱毛はどの機器を使い、費用はいくらですか?
現在の当院では、808nmと940nmを同時照射する国内承認の長期減毛用ダイオードレーザー メディオスター モノリスを使用します。全顔1回は女性16,500円、男性22,000円です。赤み、熱感、毛嚢炎、熱傷、硬毛化・多毛化などが起こることがあります。
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