ニキビ跡でトライフィルプロ瘢痕モードをどう使うか
眉間と頬のニキビ跡へ、ジュベルック注入2回とトライフィルプロ瘢痕モード2回を行った症例です。眉間の限局した凹みと、頬へ散在する凹みを正面・斜位で比較し、局所CO2剥離、薬剤注入、再拡散をどの瘢痕へ使うか解説します。
Medical Information
この記事について
- 執筆医・監修医
- 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
- 監修日
- 2026年8月9日
- 公開日
- 2024年4月24日
- 実質更新日
- 2026年8月9日



Contents
目次
眉間と頬を2回後の正面・斜位で比較
眉間は青い矢印で示した限局した凹み、頬はピンクの印で示した散在する凹みが治療対象です。ジュベルック注入2回とトライフィルプロ瘢痕モード2回後、眉間の凹みの影は浅く見え、頬は斜位・正面の両方で印を付けた範囲の凹凸が目立ちにくく見えます。
眉間は一つの深い影、頬は毛穴を伴う面状の粗さと局所の凹みが混在しています。同じ2回でも、眉間は一か所の底と周囲の段差、頬は印を付けた凹みの数と斜光で残る影を追います。
凹みの形・深さ・癒着を触診します
皮膚を横へ伸ばすと浅くなるローリング型、境界が比較的明瞭なボックス型、狭く深いアイスピック型を分けます。さらに凹みの底を触診し、真皮内の癒着が局所か、頬全体へ広がるかを確認します。
浅く局所的な癒着はトライフィルプロ瘢痕モード、広く深い癒着は手動サブシジョン、面状の浅い凹凸・毛穴はRFマイクロニードリング、狭く深い孔はTCA CROSSを候補にします。
癒着性の凹みへ剥離治療を選ぶ根拠として、針・カニューレによるサブシジョンと併用療法で改善があり、カニューレ法は副作用が少ない傾向との報告がありました(参考文献1)。
CO2で局所を剥離し、ジュベルックを同じ空間へ届けます
トライフィルプロ瘢痕モードでは、医師が凹みを一つずつ狙い、針先を真皮内へ置きます。最初のCO2ガスで凹みの底の癒着を水平方向へ剥離し、できた空間へジュベルックを注入します。
薬剤注入後に再びCO2ガスを加え、局所で薬剤を広げます。この症例はジュベルック注入と瘢痕モードを各2回行っており、眉間と頬の凹みを同じ撮影方向で再評価しています。
剥離後の空間へ乳酸ポリマー製剤を届けて経過を追う根拠として、無針導入を5回行った報告では医師評価と満足度が改善し、重い有害事象はなかったとの報告がありました(参考文献2)。
局所治療と面の治療を凹みの分布で分けます
眉間のように限られた凹みは一か所ずつ治療し、頬に浅い凹凸と毛穴が広がる場合はRFマイクロニードリングで面を整えます。広い癒着には手動サブシジョン、深い小孔にはTCA CROSSを組み、同じ手技を全ての凹みに反復しません。
2回後も斜光で影が残る部位は、横へ伸ばした時の変化を再確認します。影が動けば追加の局所剥離、硬い境界が残ればTCAなど、面状の粗さが主ならRFへ治療を分けます。
局所の瘢痕モードは1か所18,000円でジュベルックを含み、手打ちのジュベルック注入は1cc 33,000円、3cc 55,000円です。凹みの数と面の広さから、局所を狙うか頬全体へ注入するかを分けます。
Clinical View
診療で確認するポイント
- 当院では眉間と頬を正面・斜位で撮影し、凹みの型、深さ、横へ伸ばした時の可動性、毛穴を別々に記録します。
- この症例では眉間の限局した凹みと頬に散在する局所凹みへ、ジュベルック注入2回とトライフィルプロ瘢痕モード2回を行いました。
- 局所癒着はCO2剥離と薬剤導入、面状の粗さはRF、広い癒着は手動サブシジョン、深い小孔はTCAへ分けます。
Comparison
治療選択の比較
| 治療・対応 | 向く状態 | 向かない/慎重な状態 | 回数の目安 | ダウンタイム | 費用(税込) | 承認状況 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| トライフィルプロ瘢痕モード+ジュベルック | 浅く局所的な癒着がある凹み | 面状の浅い粗さだけ、活動性炎症、広く深い癒着 | この症例は2回。凹みごとに再評価 | 痛み、腫れ、内出血、点状出血、皮下気腫、色素沈着 | 1か所18,000円(ジュベルック込み) | 機器・製剤とも国内未承認 |
| 手動サブシジョン | 広いローリング型、深い線維性癒着 | アイスピック型、面状の毛穴だけ | 範囲と癒着の戻りをみて複数回 | 内出血、血腫、腫れ、感染、神経血管損傷 | 2×2cm 33,000円/5×5cm 66,000円 | 自由診療手技 |
| RFマイクロニードリング | 頬へ広がる毛穴・浅い凹凸・面状の萎縮性瘢痕 | 深い局所癒着だけ | 複数回後に面の質感を評価 | 赤み、腫れ、点状出血、痂皮、色素沈着 | ポテンツァ瘢痕治療・薬剤導入 全顔1回66,000円、薬剤別 | 機器・追加製剤は国内未承認 |
| TCA CROSS | アイスピック型、小さく深いボックス型 | 広いローリング型、活動性炎症 | 痂皮が治癒した後に深さを再評価 | 疼痛、痂皮、赤み、色素沈着、瘢痕悪化 | 1か所5,500円/5か所まで22,000円 | 適応外使用を含む自由診療 |
費用の目安
- トライフィルプロ シワ・瘢痕治療:1か所18,000円(ジュベルック込み)
- サブシジョン:2×2cm 33,000円/5×5cm 66,000円
- ジュベルック注入:1cc 33,000円/3cc 55,000円
自由診療・税込です。症例と同じ2回は1か所18,000円×治療か所数×2回で計算します。
リスク・副作用・注意点
- 痛み、赤み、腫れ、内出血、点状出血、針跡、痂皮、色素沈着、皮下気腫、感染、硬結が生じることがあります。
- ジュベルックでは遅発性炎症、結節、しこり、感染が生じることがあります。
- 国内承認・適応: トライフィルプロは日本国内未承認医療機器、ジュベルックは国内未承認製剤です。医師の責任のもと適法な輸入手続きにより使用し、未承認機器・製剤による健康被害は公的救済制度の対象外となる場合があります。
強い痛み、急に広がる腫れ・赤み、膿、発熱、長く残る硬いしこりがあればご連絡ください。
Doctor Review
執筆・監修
執筆医・監修医: 形成外科専門医 乜 也(にえ いえ)
References
参考にした一次情報・ガイドライン
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Subcision in acne scarring: A review of clinical trials
研究デザイン: 2022年6月までのサブシジョン臨床研究を対象にしたレビュー。 / 対象: 針・カニューレ法と併用療法を扱う16研究。 / 結果: 針・カニューレ法と併用療法で改善があり、カニューレ法は副作用が少ない傾向との報告がありました。 / 限界: 研究規模・評価法・併用療法が不均一で、CO2ガス、Trifill Pro、ジュベルック固有の試験ではない。PubMed書誌を2026年8月9日に確認した。
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PDLLA microjet delivery for atrophic scars
研究デザイン: PDLLAを無針機器で5回導入し、12週・22週に評価した前向き小規模症例研究。 / 対象: 萎縮性瘢痕がある韓国人5人。 / 結果: 医師評価と満足度で改善があり、重い有害事象はなかったとの報告がありました。 / 限界: 5人・対照群なし・別の無針機器であり、Trifill ProのCO2剥離、ジュベルック、2回治療の同等効果を示さない。PubMed書誌を2026年8月9日に確認した。
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未承認医薬品等を用いた自由診療の情報提供
機器・薬剤の表示根拠。
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Acne Scarring Management: Systematic Review and Evaluation of the Evidence
89研究の型別治療。
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Needle-Free Jet Injection of Poly-(Lactic Acid) for Atrophic Acne Scars
症例と文献レビュー。
よくあるご質問
Q. この症例では何を何回受けていますか?
眉間と頬のニキビ跡へ、ジュベルック注入2回とトライフィルプロ瘢痕モード2回を行っています。正面・斜位で限局した凹みと散在する凹みを比較しています。
Q. トライフィルプロ瘢痕モードでは何をしますか?
凹みを一つずつ狙い、針先を真皮内へ置き、CO2ガスで局所の癒着を剥離します。できた空間へジュベルックを注入し、再度CO2を加えて同じ空間へ広げます。
Q. どのニキビ跡に向いていますか?
浅く局所的な癒着がある凹みが候補です。頬全体の浅い凹凸・毛穴はRFマイクロニードリング、広く深い癒着は手動サブシジョン、狭く深い孔はTCA CROSSへ分けます。
Q. ダウンタイムはどのようなものですか?
痛み、赤み、腫れ、内出血、点状出血、針跡、痂皮、色素沈着、皮下気腫、感染、硬結が生じることがあります。強い痛みや急に広がる腫れ・赤み、膿、発熱があればご連絡ください。
Q. 料金と承認状況を教えてください。
瘢痕モードはジュベルック込みで1か所18,000円です。症例と同じ2回は18,000円×治療か所数×2回で計算します。トライフィルプロとジュベルックは日本国内未承認で、自由診療です。
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